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冷たい棺

冷めたふりをしすぎたせいで こんなに寒い場所まで来たんだ
青い透明と冷たい光 やがて夜空は朝焼けで満ちる
どこにも行きたくなんてないけど ここにだっていたくはないな
誰も訪れるあてのない部屋で それでも未だに鍵をかけて
ビー玉越しのプリズム 透明な光の花束
触れられないのならば むしろ見えないほうがよかった

さよなら

大丈夫 もう悲しくなんてない
大丈夫 もう痛くなんてない
大丈夫 魂は息絶えて 空っぽの体が震えるだけ

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卒業

たとえば休み時間に、
さり気無くあなたのそばに行ったり

たとえば宿題写させてだとか理由を作って、あなたと話そうとしたり

たとえば誰にも気づかれないように、あなたをこっそり見ていたり

そんな「当たり前」が、もうすぐ終わる。そんなことは分かってる。


ただ、これだけ。

もう少しだけ、好きで居させてください。

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アンチノミー停滞論

靴ひもを結びなおさなきゃいけなくて
でもなんだかしゃがみたくない みたいな
そんな感じで

すきになりたくて きらいになりたくて
飛んでゆきたくて さよならしたくて

すきになれなくて きらいになれなくて
だれかに会いにゆきたくて
さよなら したくて

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サンカヨウ.

君の涙が透明にした、
花びらが揺れる

言葉にしたら溶けそうで
触れたら壊れそうな

何色にも染まれない
夢の中で生きる僕らと

いつか君に聞いた
あの花の名前。

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関係

「愛してる」

そんなに安い言葉で語れないの


「大好き」

そんなに幼稚な言葉では足りないの


「憎い」

そんなに悪いものではなかったわ



剥き出しでぶつかりあってる私達の関係を
表す言葉が見つからない


ただ、ありきたりではつまらない
もっと非日常を求めてる
そんな言葉が似合うのはわかってるの

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ステップ

嗚咽もちゃんと、夢を焦がすまで飲み込んで
脈ばかりが気になって、ぶくぶくと酸素を逃していく
駆け引きと幽白で
向こう側はいつも見えない
苦さもちゃんと、言葉を染めるくらいに噛んで
心臓をとがめる、幾度目かのさよならを忘れないで

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I

私は掛け替えのない存在でありながら
平凡な存在でもありうる。

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それでも流れてしてまうから。

息苦しい、と思う。
渾身の力で耳を塞ぐ。
窓の外を、絵の具でペンキで色鉛筆で真っ黒に染めつぶす。
(とするとね。)

壊れちゃえばいいのに
なんて声。
すらもどうせ壊れる。
(わかってるのよ。)

日はまた昇るよだって地球は回り続けるからでもねおひさまがあたたかいのか焦がされるのかなんて勝手にきめないであたしはあたしはあたしはあたしはあたしはあたしはあたしはあたしは、

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ごめんね+ありがとう+大好き=

わたしの心が揺れて
あなたを手放してしまった
揺れがおさまって
あなたとの日々が
自然と出てくる
なんで自然に出てくるの
わたし意識してないよ
なのに…思い出すのはあなたばかり
そしたらね涙が溢れてきた
どうして
ねえ
どうして
やっぱりあなたが恋しくなって
"もう一回
付き合ってもいい?
あなたを忘れようとしたのに忘れられなかった"
って言ったら
"俺も忘れらんなかった
いいよ"
っていつもどおりの
優しい答え
いつもどおりなんだけど
いつもより特別感がある気がして
どれだけありがとうって言ったらいいんだろうって
何度も考えた
わたしが海外に出発する前の手紙にも
"どこにいっても俺は応援してる"
って書いてくれて
改めて
あなたを手放した
わたしのバカさが
わかったよ
この今の気持ちが
ごめんね

ありがとう

大好き
=
の答えなんだ
きっと

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きいろいし #11の壱 第一季終話

『夏の最後の日壱』

うんざりするような熱帯夜、瞬く事の無い空。
時代が変えた景色の中、時間が止まった邸。
「こんばんは、風麿さん。」
「はい、おかえりなさいみゆりさん。」

みゆりの前には蕎麦茶が置かれていた。
「今日は戸隠の蕎麦を使ってみました。恐らくこの間のものよりは上等ですよ。」
風麿が言った通りこの間の蕎麦茶よりは美味しかった。

「.........。」
「.........。」
子供達が寝静まる頃に雑談が止まった。
少しして風麿の目が変わった。
「............話しますか。」
「お願いします。」

P.S.色々聞きたいことはあるかも知れないけど全部最後に書くね。

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幸せ

あなたが恋に落ちていく

その隣で私は

そっとあなたに

恋をしていたの

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どこか、見えないところで。

私は、「話す」ことができる。
だけどね、私の声は時々、
どこか見えないところで、音にならずに消えてしまうんだ。

私は、「見る」ことができる。
だけどね、私の目は時々、
大事なものを見ずに、偽物ばっかり見ようとするんだ。

私は、「歩く」ことができる。
だけどね、私の足は時々、
前に進むのを怖がって、後ろにばっかり進もうとするんだ。

「できる」って、難しいね。
「できる」って、切ないね。

そんな私たちだけど。
そんな私達には、「生きる」ことができる。
未来に思いを、残すことができる。
未来をしっかり、見つめることができる。
未来に向かって、走り出すことができる。

愛とか、喜びとか、それだけじゃなくて、
苦しみも、悲しみも、全部抱えて走るんだ。

目的地についた頃には、必ず、私だけの宝石になる。
そう、星に願って、
私たちは、生きていく。

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それでも私は泣くだろうか

その手を離して
弱い私を探さないで
あなたの声が、匂いが、優しさが
肺いっぱいに溜まるようで
喉から溢れてしまいそうで

1人で泣いていたいんだ

あなたの背中を忘れる日まで
涙を枯らしておきたいんだ

胸底に抑え込んだこの気持ちを
薄くすりへらして空に飛ばしたいんだ

だからその手を離して
弱い私に寄り添わないで

本当の言葉をつかわせないで