見透かされている気がした
おみくじで引いた大吉 恋愛のところ
誠意で想い伝わる そうあった
一人に絞るってこと
思った瞬間、想った方は。
たしか、君はショートカットが好きだと言っていた
明日、髪を切りに行こう。
空を飛んでいる虹色の龍が言った
そこの旅人よ、俺の背に乗らないか?旅の目的地までひとっ飛びだ、今すぐにでも出発できるぞ
旅人は答えた
それもいいね、確かにこの旅は辛いことだらけだ、けれど僕の旅に目的地などないの。
歩いて、歩いて、歩いて、遠くまで
真っ赤に燃え滾る太陽の下を、
歩いて、歩いて、歩いて、いつまでも
冷たく凍えきった風に吹かれ、
歩け
砂漠の中を歩いている黄金の駱駝が言った
そこの旅人よ、僕の背に乗らないか?疲れているだろうから、のんびり送りましょう、今すぐにでも出発できます。
旅人は答えた
それもいいね、一度ゆっくりしてもいいかもしれない、けれど僕の旅に、止まってる暇はないの
走って、走って、走って、息切れるまで
心地よく吹く追い風の中を
走って、走って、走っているだけさ
遠い昔の思い出が足を掴んで離さない
それでも僕らは進むよ、弱音は一切受け付けないぜ、
歩いて、歩いて、歩いて、いつまでも、
抱えた恥や悲しみを大切にして
掲げた拳をもうほどかないで
思い出を振り払って走り出せ
ふわふわここに迷い込んだのは
朱色のランドセルをやっと脱ぎ捨てた13歳
ふらふらここを離れていったのは
灰色のブレザーを棄てた15歳
ひょっこりここに帰ってきたのは
ピンクの白衣に身を包んだ歯の天使になった19歳
音楽がすきで君の声がすき
言葉がすきで君の詩がすき
初めはみんなのこと
にいちゃん、ねえちゃん
って呼んでたのに
気づいたらにいちゃんねえちゃんの歳になってた
ただいま、みんな。
はじめまして、みんな。
雨が降る。
雷もなって、風もつよくなってくれないかな。
君が帰れなくなるように。
と、僕は言う。
雨がやむ。
雲がなくなり、お月様に出会えてもいい。
あなたが手を離さないなら。
と、きみは言う。
人は1人で生きられないって言うけど
誰かに頼ることが苦手な人だっている
嫌われたらどうしようとか
1人になったらどうしようとか
不安になる
でも、全員があなたを嫌いになるわけない
だからと言って全員が好きになるわけない
でもあなたを好きになる人は必ずいる
だからこそ大切な人と出会えたとき嬉しい
そんな風に思える人と出会えるのは奇跡だね
都会には星がない
都会の人は欲張りだから欲しがってとってしまったのだろう
星が欲しい
ほしがほしい
駄洒落は音韻連想の一種である
疲労すると音韻連想が出やすくなるのが実験でわかっている
おじさんが駄洒落を好むのは脳が老化しているから
子どもが駄洒落を好むのは脳が未発達だから
君の為なら
なんだって頑張れちゃうのに
君と話そうとするのに
こんなに勇気がいるなんて
近くに寄って
手が触れて
たった一言で舞い上がって
毎回、ドキドキ、するの
心臓は毎日大忙しです。
今はわたしにだけ届くその声が
いつの日かここにいるみんなに届く声になる。
今はわたしの通勤時間に鳴る音が
いつの日かここにいるみんなの中で鳴る音になる。
【お久しぶりです。名前が変わっているけれどオレンジ色のクマさんです。覚えてる人いてくれてるかな?未確認フェス一次通過発表されましたね。わたしのだいすきなあの人も歌っています。楽しい夏になるように。】
きっと王子様がやってきて
わたしをおとなにしてくれるのだと
幼いわたしは思ってた
朝から夜までゆめみてた
どうしてガラスの靴なの?と
わたしが問いかけたとき母は
おとなになったらわかるわよと
おとなの顔してうそついた
みんなそうね、見栄張りね
いい格好したいだけなのよ
自動的におとなにはなれない
スイッチ押したらおとなに、なれない
靴ずれ血まみれ涙顔
合わない靴をはいた罰
もういいよ、二度とゆめはみない
もう二度と愛しはしないから
欲張りで、我儘で、どうしようもなく強情で、例えようもなく意地っ張り
甘くて、切なくて、胸が苦しくて、たまにとてつもなく苦くて
好きで、嫌いで、好きで、やっぱり好きで、ただただ大好きな
こんな気持ちは、あなたがいてこそ
私の『今』は、あなたがいてこそ
願わくば
私の大切なあなたの『一番』になりたい
あなたにとって『特別』でありたい
そう、願わくばの話
欲しがりな私
あなたがいるだけで充分だけど、 なんてね
いつまでも一緒に、 なんてね
締め付けられるような
君らが忙しいのは当然だって
みんなに言い聞かせて
勉強しなさいって
でも、ちゃんと寝ろよって
どこまでかサボりで
どこまでか普通で
どこまでか頑張ってるに入るんだろうか
人の価値観は人を総合的に見て判断しろって
「お前は、なんでちゃんと勉強出来ないんだ?」って
あるときは笑顔で「おめでとう」って
何て言うか正義のマニュアルにきちんとそって
平然と指導されてるのが
あの場にいてただ苦笑いがこぼれた
昼と夜が逆転。
分かったようにつぶやいた耳。
こぼれおちる言葉。
受け取めきれない光。
いつもこのまま。
口に出していたのだろうか。そそくさと勘定を済ませ、出て行こうとするとサラリーマン、とびきりの笑顔を俺に向け、「じゃあね」と手を振った。
「そういう笑顔は女性に向けたまえ。笑顔の無駄打ちだ」と言って外に出たらそこは居酒屋のカウンター。振り返ると男子トイレ。
「……お客さーん、閉店でーす。……閉店ですよ」
またカウンターで寝てしまった。最近、酔って寝て目覚めると、夢だったのか現実だったのか妄想だったのか区別がつかない。確かめるすべもない。まあいい。生活に支障はない。あんみつをかき込んで、店を出る。
飲み会シーズン。最近は路上で吐いている奴を見かけなくなった。酒が弱い奴、飲めない奴は無理に飲みにつき合わなくなったからだ。
いまの年になっても、過去をやり直したいと思うことがある。だがもし過去の記憶をすべてなくしてしまったとしたらどうだろう。過去をやり直すというのはそういうことなのだ。
姉はよく、近所や親戚を引き合いに出して、旦那と子どもの自慢をしていた。女はひとと比べなくては自分のポジションがわからないからな。つまり女の幸せとは、相対的なものであって、絶対的ではないのだ。
ばかばかしい。本当に幸せな奴はひとのことを悪く言ったりはしない。幸せとは、性別や年齢を超越したところにあるのだ。
「自分の自慢や他者の批判ばかりで自分の間抜けさには気づかないのか気づいているが棚上げしているだけなのかどうかはわからないが、他者批判したら自己批判するかおのれの間抜けさをギャグにして相殺することだ。でないと自己客観化のできないただの間抜けで人生を終えることになる」
カウンター常連の若いサラリーマン。とびきりの笑顔をわたしに向けて言う。
「おーい、みち。刺身終了。オーダー止めて」
「りょーかいでーす」
サラリーマンに笑顔を返し、座敷席に急ぐ。
着物姿の女性店員。こなれた感じ。暑いが熱燗を一合頼む。蕎麦味噌をなめ、ぐいっとやる。気温に合った。ちょうどいい温度。さすが老舗。こういうところに差が出る。小松菜のおひたしも頼む。器がいい。津軽の金山焼というのだそうだ。冷や酒を追加。
辛味大根蕎麦が出てくる。いつ頼んだのだろう。記憶にない。まず大根おろしを入れずにひと口。美味い。大根おろしを入れて、豪快にすする。辛さが蕎麦の香りを引き立てる。新緑の季節にマッチした味わい。
蕎麦を食べ終え、残った大根おろしをそばつゆにすべて投入。それをつまみにして冷や酒を飲む。若いサラリーマンが一人、入ってきて隣のテーブルに。大根おろしを、冷や酒でやっつけてから蕎麦湯。デザートに、あんみつを頼む。隣に目をやる。サラリーマン。ちゅっ、ちゅっと、うつむき加減で蕎麦を吸いこむようにすすっている。
いくら味覚がしっかりしていても、食べ方がなっていないと味のわからない奴だと思われてしまう。ついでに育ちまで疑われる。職人になめられる。もったいないことだ。俺は若いころからあんな食べかたはしたことがない。
不意にサラリーマン。顔を上げ、蕎麦を咀嚼しながら、「自分の自慢や他者の批判ばかりで自分の間抜けさには気づかないのか気づいているが棚上げしているだけなのかどうかはわからないが、他者批判したら自己批判するかおのれの間抜けさをギャグにして相殺することだ。でないと自己客観化のできないただの間抜けで人生を終えることになる」と、こちらを見ずに、言った。
街が寝静まれば
1人の部屋に1人だけの夜
時間に押し流される日々で
弱音なんてこぼせなくて
悩みなんてない、なんて
そんなの嘘っぱち
不安だらけ、本当は泣き虫
あゝ、猫になりたい。