金とか地位とか
気にする大人は大っ嫌いだった
不眠症の友人 リストカットの彼
不意に暗い目をする貴方
何にも出来ない自分
彼等を救う 臨床心理士になりたい
そう、思ってたのに
給料が安いことを知った
毎日の生活で精一杯なほど、
あたしは、金とか地位とか
気にする大人になってしまった
なんて皮肉なんだろう
調べれば調べるほど
その職は向いてないように思えた
泣いた 喚いた
私はどんな人になりたかったのだろう
どんな大人を夢みていたのだろう
もう、わからない
私は夢みる子供じゃない
眠れない夜 空を見上げた
雲は東へと大行進
月はじっとして 雲に隠れたり
こちらを覗いてみたり
お空の光は不安定で
満月は何処か頼りなかった
「何か自分に似ている」
そう呟いて小さく笑った
照らしてくれる人がいる
だから輝けるはず
なのに 陰に隠れてばかり
辛いことからは逃げている
誰かがくれた幸せを無駄にしていてはいけない
今ある幸せを大切にしなければならない
誰にも優しい君は
誰も知らない黒い君を持っている
きっと僕以外知らない
全ての不浄を洗い流すような笑顔の裏は
酷く美しく歪んでいたことを
どんな時でもあなたの味方だから
このセリフは君と僕の間の呪縛
縋っているつもりで縛りつけられていたのは僕だった
モノクロの街並みから
誰にも気づかれないように
君の手を引っ張ってヘルメットを頭に乗せて
どこへでも連れて行こう
緊張気味にはにかむ君の耳元で
聞き飽きたナンバーを口ずさみながら
エンジン全開でOn the highway
夕日が染めた道をどこまでも辿って進むよ
5時のチャイムを聞かないフリでgetaway
流れる景色に目を細めた君に
そのまま笑っていてほしいから
思わず零れた言葉が照れくさくて
スピード上げて掻き消した
「月の光が優しいのも
海に散って青く煌めくのも
理由はないけれど泣いてしまいそう」
なんて言って君は夜空を仰ぐ
何も持っていない僕だから
形無きものしかあげられないけど
今夜このままOn the my way
君が見つめる星を指差して名前を教えるよ
波が寄せる音を合図にgetaway
こんなにも幸せな時間にそのまま
動かないでいてほしいから
思わず手を伸ばして触れた髪が
風になびいて愛おしい
目を輝かせた君がいつも全てをくれたから
目的地をもう少し伸ばすことにするよ
明日はどこへ連れて行こうかな
家にこもって 午後六時
空の明るさに 気がついていなかった
私おいて
いつのまに移ろった季節
最後に君に触れたのは一月だ
最後に君を見たのは三月だ
最後に君の声を聞いたのも三月だ
あいたいな
あえたら
また背ぇのびた?ってきくんだ
課題放って 午前三時
君からの返信は 来ていなかった
それでも
いつまでも移ろわないのは
もう駄目だ
大好きだ
あなたの一挙一動に
まいあがっておちこんで
また胸がぎゅってなる
あなたのぜんぶに
脳の裏っかわがくらくらしちゃう
期待してものぞみはないのに
わかってるのに
やめらんない
あなたのすべてがいとしいの
大げさに言ってるんじゃないよ
ほんとなの
ああもう駄目だな
愛してる
父上、母上
真人間を育てる事が生みの親の役割ならば
あなた方は
失敗した
私の敵は全ての運命になりました
それでは
全部が終わった後
あちらで会いましょう
・・・・・
「さようなら」
彼女が残した最後の手紙は
両親への手紙だった
そうして誰も知らない遠い場所で
全ての運命を呪う存在となった
息を吸って息を吐く
それは人を殺して生きていくこと同義
彼女はそういう生き方しか知らない
そうして愛を知らない誰かに歪んだ愛を植え付けるしか
愛されなかった自分を慰められない
誰よりも愛に飢えた結果 同じ人種に囲まれていたのだ
残骸の上には残骸しか立てない
酷く歪で軽くなければ そこでは立ち上がれないのだ
なんと醜悪なことか どこまでも どこまでも
私は今。
空っぽ。
受け入れる為に
空っぽになったんじゃない。
受け入れられないから
空っぽなんだ。
受け入れられないなら
空っぽにすればいい。
なんにも感情は出てこないから。
やる気なんてなくなるから。
受け入れられないなら
胸の中を空っぽに。
こんなにも
楽なことなんて
ナイデショ?
だれも知らない彗星の目印
また明日なんて台詞で誤魔化さないで
やさしさを諦めたときの微笑みが
実はとても好きだということ
ゆれる深海魚の瞳を見つめて
慣れない肌触りの毛布に潜りこんだ
口笛がぴかぴか光った思い出
音になる前に消える言葉は
いつだって正しくてかなしいよ
充電器のコードのぐるぐると
ふたりぶんの歩幅で映画を作る
忙しない朝
騒がしい夜
賑やかな街
全部が全部
ただの幻想
喧騒なんてもう死んだのさ
誰も彼も薄いから
グローバルが人を
大国が小国を
世界は常に
大きな何かが小さな何かを殺す
昼と夜の境目は夕方。
夕方と夜の境目は何というのだろう。
そもそもそんなものはあるのだろうか。
あったとしても気づけるのだろうか。
私は。
あなたは風のように笑って言った
空が青いね。
その瞬間に
空が青いことなど気に留めなかった僕に
その幸せを教えてくれた
あなたは
今僕の目の前で
笑顔だけは変わらないで
あなたは誰ですか。
と言った
君が青いと言った空は曇天だよ
私とかばん。
学校にいくとき
重たい知識をせおってバスに乗る
ああ これがひとり旅だったらいいのに
くろいタイヤの小石をふんづける音がして
きょうもあの人に会うためだけに
学び舎へとバスは動きだす
旅行に行くとき
荷物のひとつひとつが宝石
もくてき地についたとき
あけたら家の匂いがほんのり
ああ ここは家じゃないんだ
いつもと同じ服なのに
なんだか不思議なかんじ
昨日かばんの底にかくした グミ
おしいれの奥にいるとき
ほこりをかぶってどれくらい経ったのかな
わすれられたのかな
好きな色でも変わりましたか
ショルダーバックがお好きですか
荷物だけじゃなくて幸せや笑顔も運べたらよかったのでしょうか
もう膝にかかえてバスには乗らないのでしょうか
ホテルの和室でそっと開けないのでしょうか
おしいれの中にまで伝う線香のけむりが
なかに残ったままの教科書と
まだ食べかけのグミに
ついてしまわないように 守りますからね。
流れてく 時の中ででも 気だるさがグルグル
廻って 自分から動くこともなく時の隙間に
流され続けて 知らないわ 周りの事など
私は私 それだけ
本当に努力している人間ってのは、努力していない人間のことなんか与り知らないもんであって、できてない奴のことを無関係の誰かさんがまるでみんなの代表みたいな面して糾弾したところで、できている人間からすれば何やってんのお前で終わり、当事者からしたってうるせーお前に何が分かるこっちだって精一杯やってんだよ偉そうな口叩いてんじゃねー、ってな具合でして。
『できてない』ってことは第三者が責めて良いもんじゃない。どうせ最後には、それ相応の結果が残るんだから。
彼氏やん、もはや彼氏やん
昼夜とわず抱き合って
不埒やん、めっちゃ不埒やん
耳元で名前ささやいて
破廉恥きわまりな、
こらお母さん
ノックくらいしやしゃんせ
嫌悪、さえも関心で
関心、さえも愛だとしたら
世界からは美しく歪んだ青がきこえる、と
笑ってた君の声をおもいだした
まんまるな綺麗な月が一つ。
夜空に浮かんでる。
まるで手の届かない花魁様のよう。
私はりっぱな花魁になれないまま
貴方の影を探してる。
私がりっぱな花魁になる事ができたら
貴方は私の元へ
会いに来てくれるのかしら。
主さん。
どうかわちきに会いに来ておくんなんし。
風がふいて、春もなにもかも吹き飛ばしておくれよ
家も街も電線も揺すって、ごみも葉っぱもなにもかも転がして
そのまま黒潮にでものっていけよ、どこかへいってしまえよ
このままぼくも攫って、どこへでもいってしまえよ
ねぇ、風がふいたら
どこへいきたい?
私と君で過ごした1年
酸味の強いオレンジのような時間と
ほろほろ崩れてしまうクッキーのような関係と
サーカスの綱渡りのような私のココロ
そんな片想いをしていたんだよ
私はそのクッキーを壊すのを恐れて
綱から落ちるのが怖くて
オレンジをかみしめたくて
ずっと言わないでいた
言わないでいたらずっとオレンジがあると
オレンジはなくならないと思っていた
それは間違いだったね
君はオレンジだと思っていなかった
そこは守られた鳥籠の様な場所だった
平穏で何もなくその場所で一生を終える事が
出来るぐらいに安全な場所 でも外に出る事は
許されない。外に出る事に憧れを持った。
でも外には混沌が待っていた。
それと同時に楽しさを知った。
解放されたのだと自信を持った。