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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 番外編 ある放課後 ⑤

「結局、皆にバレちゃった」
ネロはそう言って苦笑する。
「…案の定、耀平はボクを止めようとしてさ」
ボクは抵抗したけど、無駄だったとネロはまた前に目を向ける。
「ついでに奴に異能力を使わせる隙を与えちゃったから、全部上手くいかなくなっちゃった」
…無様だよね、とネロは続ける。
「いじめっ子の前であんな姿晒すなんて」
今度こそボク学校に行けないかも、とネロはこぼす。
「…」
自分は何を言ったら良いのか分からなくて、ただただ話を聞いているしかなかった。
ネロはそんな自分を気にせず話を続ける。
「ねぇ」
ネロはこちらに目を向ける。
「ボク、これからどうしたら良いかな」
あんな事しちゃったら、耀平に顔を合わせられないよね、とネロは寂しげに笑う。
「また、独りぼっちかな」
「そんな事言わないで」
ネロがそう言ったので、思わず自分の口から言葉が出た。

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大丈夫、

自分に言い聞かせながらねむる。

みたこともないあなたに、呼びかけながらねむる。

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鏡界輝譚スパークラー アイデア帳

・澁谷學苑(しぶやがくえん)
東鏡・澁谷区澁谷にある名門STI。
小中高一貫校。
ミッション系で良家の子女が多い。
制服は白いシャツ・ブラウスと茶色いブレザーとチェック柄のスラックス及びスカートとオレンジ色のネクタイ。

〈サンプルキャラクター〉
・加賀屋 石英(かがや せきえい)
所属:澁谷學苑高等部3年
一人称:ぼく
責任感が強く、人々を惹きつけるカリスマ性も持つスパークラー。
スパークラーとしては天才的な才能を持つ。
STI代表部隊「クルセイダース」のリーダー。
刀型P.A.を使う。
加賀屋 水晶は妹。

・赫坂女学園(あかさかじょがくえん)
東鏡・湊区赫坂にある女子校のSTI。
小中高一貫校。
お嬢様然としているが、一般庶民の子が多い。
制服は臙脂色のワンピース。

〈サンプルキャラクター〉
・黒巻 珊瑚(くろまき さんご)
所属:赫坂女学園高等部2年
一人称:私
真面目でしっかり者のスパークラー。
委員長タイプで苦労人。
STI代表部隊「スカーレット」のリーダー。
弓矢型P.A.を使う。

・高縁寺藝術学舎(こうえんじげいじゅつがくしゃ)
東鏡・椙並区高縁寺にある芸術系STI。
中高一貫校。
「美術科」「音楽科」があり、その中でいくつかの専攻に分かれている。
制服は白いシャツ・ブラウスと深緑の襟なしブレザーとスラックス及びスカートで男女共にサスペンダーが付いている。

〈サンプルキャラクター〉
・曽泉 理知弥(そいずみ りちや)
所属:高縁寺藝術学舎高等部2年美術科映像専攻
一人称:おれ
面倒臭がりなスパークラー。
両親が著名な芸術家で、半ば無理矢理高縁寺藝術学舎に通わされている。
彼のやる気を引き出すために友達が作った部隊「百華」のリーダーをさせられている。
マシンガン型P.A.を使う。

他にもアイデアがあるんだけど、これ以上は面倒なことになるのでやめときます。
皆の創作の参考になったら嬉しいです。

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鏡界輝譚スパークラー アイデア帳 Ⅰ

企画「鏡界輝譚スパークラー」に参加したいけど、アイデアが降ってこない!って人のためのアイデア帳です。
ここに載せてある設定は自由に使ってOKです(もちろん必ず使わなければならない訳ではない)。

・幕針文化学院(まくはりぶんかがくいん)
稚葉・稚葉市魅浜区海浜幕針にある中堅STI。
中高一貫校。
「普通科」だけでなく「国際科」「理数科」「美術科」「音楽科」が存在する。
制服は白いシャツ・ブラウスと明るい灰色のブレザーとスラックス及びスカートで、リボンやネクタイの色は、基本的に「普通科」は緑、「国際科」は赤、「理数科」は水色、「美術科」は桃、「音楽科」は黄、となっているが、普段はこのルールを無視して皆好きな色のタイやリボンを付けていたり、付けていなかったりする。

〈サンプルキャラクター〉
・加賀屋 水晶(かがや みあき)
所属:幕針文化学院高等部1年普通科
一人称:わたし
無気力で淡々としたスパークラー。
物事にあまり興味を持たないが、戦術理解はかなり高い。
元々は名門STI・澁谷學苑に通っていたが、色々あって幕針文化学院の高等部に入学した。
ひょんなことから部隊「加賀屋隊」のリーダーとなる。
刀型P.A.を使う。
加賀屋 石英は兄。

・東鏡臨海大学附属第一高等学校(とうきょうりんかいだいがくふぞくだいいちこうとうがっこう)
東鏡・洪東区有暁にある新興STI。
小中高一貫校。
開校してから日が浅いが、最新鋭の訓練設備を備えている。
男子は白いシャツと紺のブレザーとチェック柄のスラックス、女子は白いセーラーブラウスに紺のブレザー、チェック柄のスカートで、男女共にストライプの入ったネクタイを付ける。

〈サンプルキャラクター〉
・而 琉璃(じ るり)
所属:東鏡臨海大学附属第一高等学校1年
一人称:あたし
中国系のスパークラー。
仲間思いでどんな時も明るい。
幼馴染+αを集めて自分の部隊「ナギサ団」を作った。
槍型P.A.を使う。

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鏡界輝譚スパークラー 設定 Ⅳ

・フォトンウォール
街や地域、STIの敷地をカゲの侵食から守る、光の力でできた壁。
これを張ることで外部地域からのカゲの侵食を防ぐことができるし、万が一フォトンウォール内がカゲに侵食されても他地域への侵食を防ぐことができる。
しかしフォトンウォール内でのカゲの出現を抑えることはできない。
ちなみに人間や物は光の力でできたフォトンウォールをすり抜けることが可能。
首都圏に張られている「首都圏広域ウォール」が有名。

今回かなり難しめの企画になったので、「参加したくてもアイデアが思いつかない!」って方もいると思います。
そんな方のために、今回はアイデアが降って来そうな企画者の「アイデア帳」を公開!
いくつかのSTIとサンプルキャラクターの設定を投稿したいと思います。
という訳でお次は「アイデア帳」!

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鏡界輝譚スパークラー 設定 Ⅲ

・光の力
スパークラーの持つ力。
これをP.A.を通して出力することでカゲを倒すことができる。
この力を持っていることが、STI入学の1つの条件でもある。
光の力を持っていればカゲに対して実質無敵だが、力が切れるとカゲに侵蝕される恐れがある。
ちなみに光の力は健康診断などで保有量を測ることができる。
正体は未だはっきりしていない。

・STI(スティ)
スパークラー養成機関(Sparkler Training Institute)の略。
スパークラーを養成し、彼ら彼女らが所属する機関。
スパークラーは10代後半の少年少女がほとんどなので、中等教育も兼ねた学校となっている。
中高一貫校型が一般的だが、高校単独のもの、附属小のあるものと色々ある。
学科は戦闘訓練以外は一般の学校と変わらない「普通科」、P.A.について学ぶ「工業科」など、スパークラーのニーズに合わせた様々な学科が存在する。
いつ管轄地域内でカゲが出現するか分からないため、基本的には全寮制である。
また、どこのSTIにも“整備員”と呼ばれるP.A.の整備をする職員が所属している。
戦場においてスパークラーがどこのSTI所属か分かりやすくするために制服が存在する。
カゲを撃破すると撃破しただけ報酬がもらえる。
我が国においては公立のものより私立のものの方が多い。
なぜなら、公立のSTIが創設されるようになったのが他地域より遅いためである。
ちなみにSTIが管轄する地域のことを俗に「ナワバリ」と呼び、この「ナワバリ」の外で戦闘することを「遠征」と呼ぶ。

・部隊
スパークラーの集団戦闘における最小単位。
近年の研究で集団で戦った方がスパークラーの致死率が下がることが分かったため、集団戦闘をするスパークラーが増えている。
最小構成人数は5人。
STIによって選抜された「代表部隊」と有志によって結成された「自主結成部隊」の主に2種類に分かれる。

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鏡界輝譚スパークラー 設定 Ⅱ

〈用語〉
・スパークラー
人類の敵“カゲ”に対抗できる唯一の存在。
漢字文化圏では「輝士」とも呼ばれる。
光の力を持ち、その力を武器“P.A.”をもって出力することで“カゲ”を倒す。
光の力を1番宿すことができるのは主に10代後半の少年少女達で、そのほとんどがスパークラー養成機関“STI”に所属している。
スパークラーになるためにはある程度の才能が必要だが、努力次第でなんとかなる所もある。
光の力が切れると”P.A.“は使えなくなり、ただの人間と変わらなくなってしまう。
しかし光の力は時間経過で回復するし、薬物(エナドリのような物をイメージして頂ければ)を使うことでも回復することができる。
強いスパークラーほどアイドル的な人気が出やすい。

・カゲ
別名テネブリスとも呼ばれる、人類の敵。
どこからともなく現れては、ありとあらゆる物質を侵蝕し、カゲに変えてしまう。
また、光線を放ったり建造物を破壊したりする個体もいる。
大型の個体もいれば小型の個体もいるが、見た目は皆禍々しく黒っぽい見た目をしている。
人間はカゲに触れるとカゲとなってしまうが、光の力を持つスパークラーだけは例外である(ただし、光の力が切れてしまったスパークラーはカゲに対して無力)。
カゲの侵蝕によって陥落してしまった地域も少なくない。
カゲの体内にある心臓部「ダークコア」を破壊することで倒すことができる(ダークコアの大きさはどんなタイプのカゲであっても手のひら大の大きさで種類によってコアの位置が決まっている)。
陥落した地域は「ヌシ」と呼ばれるカゲを倒すことで解放が可能。
ちなみに意志があるかどうかは不明。

・P.A.
フォトニックアームズ(Photonic Arms)の略。
現代のスパークラーが使う武器。
これを通して光の力を出力することでカゲを倒すことができる。
「フォトニックコア」と呼ばれる光の力を制御する機構を持つ。
刃物型、弓矢型、銃器型、鈍器型、盾型と様々な種類がある。
一般的な武器と識別するためカラフルなものが多い。

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鏡界輝譚スパークラー 設定 Ⅰ

〈世界観〉
我々の住む現実世界とほとんど変わらないが、地名の表記(東鏡、稚葉、彩玉など)が少し違ったりする世界。
人々はどこからかやって来る謎の敵“カゲ”におびやかされていた。
有史以前から人間達をおびやかす”カゲ“だったが、人間達もやられてばかりではいなかった。
人間達は遠い昔から、“スパークラー”と呼ばれる光の力を持つ者達によって、“カゲ”に対抗してきたのだ。
“スパークラー”は元来村落共同体やその地域を治める領主に直接所属していたが、近代化の流れで「誰でも平等に“スパークラー”になれる機会を与える」ことを名目に、世界各地にスパークラー養成機関、通称“STI”が設立される。
“スパークラー”として活躍できるのは主に10代後半の少年少女達のため、中等教育と“スパークラー”の養成を兼ねた“STI”に力を持つ少年少女達は所属していく。
これは“スパークラー”と呼ばれる少年少女達の戦いと日常の物語である。

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鏡界輝譚スパークラー 企画要項

どうも、テトモンよ永遠に!です。
突然ですが企画です。
タイトルは「鏡界輝譚スパークラー」。
謎の敵“カゲ”と戦う少年少女達“スパークラー”の果てしない戦いや日常を描く企画です。
開催期間は5/8 15:00〜5/26 24:00までです(多少の遅刻・フライングも可)。
ルールは公序良俗とこの後投稿する設定を守って、タグ「鏡界輝譚スパークラー」を付けてればそれでOK(タグミス注意)!
形式・投稿作品数は問いません。
難しい企画だと思いますが、皆さんのご参加お待ちしております!

さぁお次は”設定“です!

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鏡界輝譚スパークラー Introduction Ⅱ

「…ち、みあきち!」
仲間の呼ぶ声で、わたしは我に返った。
思わず周囲を見渡すと、そこはわたしが通う“STI”のカフェテリアだった。
「どうしたの?」
みあきち、と髪を二つ結びにした少女が心配そうにわたしの顔を覗き込む。
「…ごめんなさい」
ちょっと考えごと、とわたしは答える。
「そっか」
二つ結びの少女はそう言って“部隊”のメンバー達に向き直った。
「じゃあさっきの話の続きね」
そう言って彼女は話を始める。
…いつか2人で一緒に戦おう、か。
わたしは仲間が話す様子を見ながらさっきのことを思い出す。
いつかの兄と交わした約束は、結局果たされることはなかった。
わたしは兄が通う“STI”…”澁谷學苑“を出て行ったのだ。
理由は色々あるが…周囲からの兄との比較に耐えられなかったことも大きな理由だ。
優秀な兄と凡才の妹。
優秀な兄の方が優遇されるに決まっている。
わたしはそれに耐えられずに、あの“STI“から逃げ出したのだ。
そしてわたしは今、このありふれた“STI”…“幕針文化学院”に通っている。
本当は一般の学校でもよかったのだが、そこは”名門“であるわたしの家が許さなかったのだ。
ともかくそこでわたしは高校生活を適当に過ごすつもりでいたのだが…
なぜか自分の“部隊”を持つハメになってしまった。
どうしてこうなったのか、話すと長くなるため割愛するが、わたしの平凡になるはずの日常は劇的に変わってしまった。
…これは平凡なわたしの”部隊“、”加賀屋隊“と数多の“スパークラー”達の、戦いの記録である。

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鏡界輝譚スパークラー Introduction Ⅰ

「ねぇお兄ちゃん、“カゲ”ってなぁに?」
いつかの夕暮れ、我が家への帰り道で、そんなことを兄に聞いたことがある。
「“カゲ”って言うのは…ぼくたち人間の敵だ」
「人間の敵?」
幼いわたしはそう聞き返す。
「そう、敵」
兄は優しく繰り返す。
「どこからかやって来てどんなものも“カゲ”に変えてしまう、とても恐ろしい敵だ」
兄は淡々と続ける。
「人間はずっとずっと昔から、“カゲ”と戦い続けてきたんだ」
兄の言葉に対して、わたしはそうなの?と首を傾げる。
「そう」
兄はわたしの目を見る。
「だけどね、光の力を持つ戦士達…“スパークラー”が僕達を守ってくれているんだ」
わたしは思わず、“スパークラー”と繰り返す。
「そう、“スパークラー”は“P.A.”っていう武器を使って、“カゲ”と戦うんだ」
兄は前を見る。
「…スパークラーはぼくらのヒーローだ」
ぼくも来年から“STI”に入学して、そんなヒーローになるんだ、と兄は明るく言う。
「お兄ちゃん、来年から”STI“に行っちゃうの?」
寂しいなぁとわたしが呟くと、兄は笑いながらこう言った。
「水晶(みあき)も、僕みたいになるんだろ?」
兄ちゃんが先に“STI“で待ってるからさ、と兄はわたしの頭を撫でる。
「いつか2人で一緒に戦おうな」
「うん!」
わたしは大きく頷いた。

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作戦B

泣いててもいいことない
けど、泣いてても悪いことない

どうせ何も手につかないし
とりあえず泣いてみる

明日から作戦決行
まずは野菜を食べる

泣いててもいいことない
のに、涙があふれるから

しょうがなくて拭ってる
君の指先 そうぞうする

おだやかに作戦決行
まずは寝坊をやめる