人の痛みを知って、それを受け入れることが出来る優しい人。そして人の痛みを和らげる塗り薬的な、そんな言葉をくれる人。
あなたがいたから私は生きてこれた。
ありがとうございます。
本当に強い人って、他人の為に動ける人だと思う
そして自分の持っている力を惜しげもなく他人に使える人だと思います。
「憎しみは憎しみしか生まない」
しかし、誰かが折れて、憎しみを愛情で包むと
ほら、「憎しみは憎しみしか生まない」って根本を覆すことが出来るの。
愛が生まれるの。
憎しみを愛情で包むあなたは温かい人ですね
(*^_^*)
「まぁ、いいわ」
今日はわらわの目的を果たせそうにないし、とヴァンピレスは具象体を消しつつ呟く。
「…でもまた来るわ」
貴方がたの元へ、ねと言い残すと、ヴァンピレスは自分の姿を消した。
そしてその場に彼女の足音だけが響いた。
「黎!」
ヴァンピレスが去っていった後、ハッと我に返ったネクロマンサーことネロは黎に駆け寄る。
黎は静かにうなずいた。
「…この子のお陰でピンチを切り抜けられたんだよ」
すごいよねぇと不意に黎とネロの元へ近付きながら霞さんが微笑む。
それに対しネロは、そうなの?と黎に尋ねると、そうだよと黎は答えた。
「え~すごいじゃーんれーいー」
ネロはそう褒めて黎にくっつく。
黎は真顔ではあるが静かにネロの頭を撫でた。
一方耀平は少し不服そうな顔をする。
「お、耀平嫉妬してる?」
そんな耀平を見て、ネロがかわいくて仕方ないんだな~?と師郎は不満げな彼の肩に手を置いた。
耀平は、そ、そんな訳ないしと師郎の手を払った。
地球はまわるよ
うんまわるね
そう、まわるんだよ
でも、わたしはまわらないよ
なんでだろうね
それは私達が地球の一分になっていて
地球自体の血と、肉と、心臓になっているからだよ
わからないね
うんわからないよ
この先の未来も
私達のことも
知らないことだらけだ
だから面白いんじゃないか
うん、でも、怖いよ
何が
なにか
地球はおそろしいね
うん、おそろしいよ生きているのは私達だけじゃないし、
生きなければならないのも私達だけじゃない
そう、生きるのは。。。
人の心が壊れるとき
その人が崩れ落ちる
悲しみをなくそうと 別の人になり
愛を求めずに 見返りを求める
ただの疑問が苦痛の疑問
「このご時世誰かを犠牲にしないと生きてけないの?」
答えなんてあるはずがない
誰も答えなんて
知るはずが無いんだから
優しい人は自分より他人を優先してくれる
優しい人はさり気なく他人を褒めてくれる
「だ、誰ですの…?」
わらわにペットボトルなんて…とヴァンピレスは顔を上げる。
わたしも彼女が目を向ける方を見ると、紺色のパーカーのフードを目深に被った少年…黎がちょうどモノを投擲するようなポーズで立っていた。
「まさか、貴方…」
ヴァンピレスはふらふらと立ち上がると、黎に向かって具象体の白い鞭を向ける。
黎はかすかに後ずさり、ヴァンピレスは思い切り具象体を振り上げようとした。
しかし、ヴァンピレスの後方から、させるかぁーっ‼という叫び声が聞こえる。
「⁈」
ヴァンピレスが振り向くと、黒い大鎌を振りかざした少女…ネクロマンサーが飛びかかってきていた。
ヴァンピレスはネクロマンサーの具象体を自らの具象体で受け止める。
「あら貴女、わらわの分身はどうしましたの?」
「あんなの倒したよ‼」
「まぁそれはご苦労さま」
ヴァンピレスとネクロマンサーはそう言い合って後ろへ飛び退いた。
「お前が傷ついたら、耀平もきっと傷つく」
だから自分を犠牲にしないで、と黎は続ける。
「でも、それじゃ…」
「大丈夫、自分がなんとかする」
だから協力して、と黎は霞さんに声をかけた。
霞さんは暫くの間、考え込むように沈黙していたが、やがてうん、分かったと言う。
「…じゃあ、異能力を解除して」
黎の言葉に耀平はえっ、と驚いた。
「それじゃおれ達は…」
「いいからお願い!」
霞‼と黎が声を上げた時、分かった‼と霞さんの声がこだました。
その途端、あたりのもやがなくなり元のように路地裏が現れる。
さっきのように周囲を見ることができるようになったヴァンピレスは、いつの間にか出していた具象体の白い鞭を振るおうとした。
しかし、そんな彼女に向かって中身が入った状態のペットボトルが真っ直ぐに飛んできて、ヴァンピレスの額に直撃する。
「あうっ」
ヴァンピレスはそううめくと、額を手で押さえながらその場にしゃがみ込んだ。
怒涛の日々…
今は悲しみと喜びが交差しすぎている。
悲しんでるのにふとした喜びが混ざってなんか複雑。
だから本当は喜びたいのに今のご時世の影響であまり喜べない状況。
もともと明るい性格の人間だから
今は人前では頑張って悲しみを明るさでカバーしてる。
悲しみや思い出に漂うのは1人の世界の夜だけ。
悲しみに漂っているより
素の明るい自分でいた方がきっと喜ぶと思うから。
だから今は悲しんでいてもあえて人前では明るい自分でいよう。
無邪気でうるさいいつも通りの明るい自分で。
そうしないと泣いちゃうから。心配されちゃうから。
だから持ち前の明るさで自分を守っているんだ。
今は悲しみに暮れてるのは1人の世界だけで。
今のご時世でも喜んでもらうために
人前ではいつもの明るい通常運転の自分でいよう。