鬼ノ業~序章(弐拾弐)
「只今戻りましたーっと。」
外から、薊の張りのある
凛とした声が響く。
思わず朔とおじさんは顔を見合わせ吹き出した。
「おう、おかえり薊。」
「洗濯物干しちゃうね!」
「頼むぞー。」
そしてまた薊は外へ出る。
朔は、力が抜けるように、長いため息をついた。そして微笑って言うのだった。
「ほら、おじさん。
後ろには薊がいる。」
__こうやって、薊に守られている。知らない方が良いこともあるって、薊が護ってくれているんだよ。
「だから、聞かないでおく。」
言葉にされていない部分に、時間差が生じたように感じたが、朔の中では、ちゃんと繋がっていたのだろう。そう思い、やっとおじさんも、薊の手料理に箸をつけた。