誇るものなんてなにもないけれど ぼくは生きているんだってこと。 自ら光る力はぼくにないけれど 命だけが月明かりに映えればいいのに。 光は反射するほど優しくなるのだから 月が冴える晩にはきみの傍に。
紡げば紡ぐほど 終わりが来なければ良いと願って 自分勝手ね、って微笑みながら 僕の心を掴んで離さない もし、この世界に君と僕 二人だけなら 君は僕を選んだかな 真っ暗な海を泳ぐなら いっそのこと君とがいい
朝起きたら、雨降り。 もしもし雨だよってきみに電話して、 今朝をまるごと小包に詰め込んで贈りたい。 きっと始末に困って部屋中を水浸しにするんだろうけど それで構わない、って笑ってるぼくを赦してね。 きみを好きなぼくをそう、知らないままでいて。 (前半が雨天、後半が片想い。)
もう、手遅れだね 君にはこれっぽっちも敵わない きっと、君は知らないだろうけど 君から放たれた言葉は 空気を揺らして 温度を持って 僕の心臓を 遅くも速くもする ねえ、もし、今 僕が、『君が好き』 って言ったら どんな顔して こっちを見て どんな顔の僕を 君の瞳に映すのかな こんな妄想、 きっと、君は知らないだろうけど
なんとなく、そんな気がして 視界の端で探してみる ぼんやりと 良く似た後ろ姿に 跳ねた心臓と寝癖を隠して 静電気みたいに 突然ぶつかった視線 逸らせない数秒間 知らなかった、君の横顔 そんな風に笑うなんて ずるい、
ブラックホールさえも真っ白になる 降り積もった雪が 君の足の下で きゅっきゅと笑い声を上げれば 赤くなった耳 冷たくなった指先 半分こしたイヤホンに 2人の間にだけ共有される音に さり気なく隠した2文字に もうそろそろ気付いてよって 少しだけ期待して
零した言葉が宙を舞う 空気を揺らして 欠片になって 不規則に形になって 最後は君の手の中で 溶けて消えれば一番いいのに 白く染まった吐息に混じって 不安定な言葉を僕ら、 紡ぎ合うんだ、これからもきっと
大人になれよ、と 急かす秒針が 今日も心臓を突き動かす 君から貰った言葉は あの頃の熱を持ったまま ランドセルとセーラー服を脱ぎ捨てて 青春のレールは気が付いたら終わってた 泪の間を泳いでいって そのまま夜に溶けてしまいたい そんな夜の始まり
見渡せない宇宙なんて、ないのと同じだよ 生きることは、忘れることと眠ること きみとぼくが、共有するのはただの数字だけ 手を広げて、足を伸ばして、触(ふ)れるものだけが宇宙。 放り投げたコンテンツなんて アスファルトに落ちて砕けた粉々だけが、美しくて インスタントで構わないから おやすみって きみの頬に云いたいだけ。
肌にはりついていた あの頃の夏が恋しくなる 冷えた指先でひとり、 言葉を探して 目頭を熱くする夜は もうわたしの掌の中にしかない世界で なにかに反抗するように 夜空の色に塗った爪先を 乾くまで眺めている さよならと初めましてしかないような 夜の始めと終わりを探すような ただ、呼吸が続くだけの僕ら ただ、心臓が動くだけの僕ら