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鬼ノ業~本章(弐)

「あれからみんな疑心暗鬼。馬鹿だと思う。そして醜い。
己で疑い始めたものを…。」
今まで平和だった村が覚えた"疑う"と云う術。それと引き換えに"信じる"と云う術を失った。
何かを得るには、何かを失うのがこの世の摂理。しかしそれが、負の循環となってしまった。
朔が黙っていると、蒼は再び口を開く。
「朔と叔父殿は?」
朔は無理に微笑んで言う。
「おじさんはそこだ。」
指差す先は、未だ燻る炎。
蒼は察したように眼を伏せ、もう一人を待つ。
「薊はーーつい昨夜、家を出た。」
「何…?」
口にするのが辛かった。
「母上とおじさんを殺した人間を赦さないって。…消してやるって言っていた。」
蒼は悔しそうに唇を噛んだ。
「俺がもう一晩早く来ていたらーー」
朔は哀しげに微笑んで言う。
「そんな話はよしてよ、蒼。」
ーーもしもの話なんて、誰にも分からないのだから。
「それに、僕は、薊を止めると誓った。」
その決意は固いもので。
蒼はその眼を見て直ぐに悟った。
そして、言う。
「薊は俺の妹でもある。
…力を貸す。その為に来たんだ。」
朔は、情けなく微笑った。旧友が、あまりにも心強くて。
「よろしく。」
改めて固く握りあったその手は、何かを突き動かしたようだった。

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きいろいし #10の弍

『10日目弍』

その一言は、いともたやすく出された。
しかし、それはとても重く、世界が望んでいるかの様にのしかかった。

「今月一杯でマンションを引き払います。
そして、私は貴方の言葉を聞くことにします。
ふつつか者ですがよろしくお願いします。」

風麿はとてもフラットに、しかしとても真剣な顔でその言葉を聴いた。
風麿は麦茶を一口飲んで口を開いた。
「そのご決断、森矢家として感謝致します。
こちらこそ、居心地が悪いかも知れませんがよろしくお願いします。」

その後、二人は割と現実的な話をした。
引っ越し代のこと、部屋割りのこと、税金のことなど念入りに話した。
「以上でいいでしょうか。」
「はい......いいです。」
「お疲れ様です。
そしてありがとうございます。
私としてもその決断、歓迎します。」

夜は流れ、風もまた風鈴を鳴らす。
「そう言えば風麿さん。今更ですが何故私にあの提案をしたのでしょうか?
私としてはある程度想像は付いているのですが。」
「話したいのは山々ですがもう遅いです。
明日話しましょう。恐らく私も貴方も寝たほうがいいです。」
「それもそうですね、よく考えれば最近あまり寝ていません。
そうですね...明日の仕事が終わったら来ますね。」
「はい、お待ちしています。」

風は、もう収まっていた。

P.S.なんだか最近眠いです。何故でしょうね。
眠いので早く寝ます。
そしてこれは後書きとして成立するのでしょうか、甚だ疑問です笑