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うちの七不思議Novel Edition:鉄棒の上の幽霊 その③

「何イィーーーーッ⁉」
咄嗟に真上に跳んで鉄棒に掴まり、その勢いのまま逆上がりのように鉄棒の上に避難して顎を回避する。畜生め、うっかりスマホを落としちまったじゃねえか。
「何なんだよあいつはァ!」
思わず叫ぶと、先に鉄棒の上にいたあいつが冷静に答えた。
「さあ……僕は『サメ』って呼んでる。ちょっと似てるし。幸いにも上まで身体を伸ばしてくることは無いけど、困ったことになったね。きみは食われずに済んだけど、どちらにしろ詰みだ。もう逃げられないよ」
「……『は』? 今、『きみは』って言ったな?」
「うん」
「その言い方は……『食われた奴を見たことがある奴』の言い方だ」
「うん」
「お前、さっき幽霊じゃないって言ってたが、絶対にあのサメと関係あるだろうが! 嘘ついたのか!」
「そうだったとして、幽霊相手にすごい喧嘩腰じゃない」
「冷静に突っ込むなよ」
突っ込み返したおかげで少し落ち着いた。とりあえず、幽霊野郎と同じ腰掛けた姿勢で、奴の隣に座る。
「まあ、そう怒らないでくれよ。僕も立ち位置としては被害者なんだから」
幽霊野郎がそう言って俺をなだめてきた。
「被害者だと?」
「そう被害者。だって、僕もそいつのせいでずっとここに縛り付けられてるようなものなんだから」
「知った事か」
「冷たい……」

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うちの七不思議Novel Edition:鉄棒の上の幽霊 その②

完全下校時刻10分前を知らせる校内放送が流れた。作戦決行だ。
「ちゃんと証拠として写真と動画撮ってこいよ!」
そう呼びかける仲間たちに親指を立て、俺は周りの目を盗んでさっき決めた隠れ場所に素早く滑り込んだ。そのまま周囲の物音に注意を払いつつ、スマホの時計を見ながら完全下校時刻である18時を待つ。1度は見回りの先生が近くを通った気配がしたけど、スマホの電源を落として息を潜めていたら結局バレずにいなくなってくれた。
まずは植木の陰から顔を出し、学校側を確認する。職員室の明かりが点いているが、窓の近くに人がいる様子は無いし、今ならうまく鉄棒に近付けるだろう。
体育倉庫の陰に隠れるようにして、うっかり誰かに姿を見られたりしないよう気を配りながら件の鉄棒に近付いた。さて、幽霊ってのは本当にいるんだろうか……
「ねえきみ、もう完全下校時刻は過ぎてるだろう? 何してるの?」
不意に頭上から声をかけられた。面食らって腰を抜かしてしまったが、よくよく見てみると鉄棒の上には俺と同じ制服を着た俺と同い年くらいの生徒が腰かけていた。
「ゆ、幽霊……!」
「え、いや違うけど」
「え、あ、違うの」
「うん。なに、肝試し?」
「そんなところだ。お前もか」
幽霊じゃないって言ってたし、制服も同じだし、多分こいつも肝試しか悪戯で来た奴なんだろう。とりあえず今はそう思っておくことにする。ついでだから写真も撮っておこう。
「いぇーい」
スマホを向けたら奴はピースサインを作って応じた。結構ノリの良い奴だな。
「で、お前はそんなところで何やってんだよ」
立ち上がり、鉄棒の上の奴に問いかける。
「ああ、いや僕も下りたいのは山々なんだけど、『そいつ』のせいで下りるに下りられなくってね」
「『そいつ』?」
奴が指差す鉄棒の下の地面――今まさに俺が立っている場所を見る。
たしかに『そいつ』は居た。地面に突如現れた巨大な顎が、俺を飲み込もうと閉じつつあったのだ。

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うちの七不思議

「学校の七不思議」というものがある。
やれ『トイレの花子さん』だとか、やれ『動く人体模型』だとか、うちの学校にも勿論、そういった噂話はいくつか伝わっている。しかし、そんな『七不思議』の中でも、他所では聞かないような奇妙な話が一つある。こんな話だ。

『放課後、完全下校時刻も過ぎた頃に校庭に行くと、隅の方に設置してある一番高い鉄棒の上に腰掛ける幽霊を見ることができる』

この幽霊ってのがどんな姿をしているのか、というところについてはよく分かっていない。大体の話は「遠巻きに幽霊の姿を見て、慌てて逃げるように帰った」という実体験形式の話ばかりで、肝心の部分の作りが甘いんだ。
そして今日、俺はこの七不思議の幽霊を見に行くことになった。
理由は極めて馬鹿らしいもので、仲間内でのちょっとした罰ゲームみたいなものだ。この幽霊に出会うためには、単純に完全下校時刻を過ぎるまで学校に残っていなくっちゃならない。主な『罰』はこっちなんだよな。先生にでも見つかれば面倒だし。
しかし俺は今回、ちょっとした秘策を思いついたのだ。簡単な話、見つかるのが嫌なら、見つからないような場所に身を隠していれば良い。
そんなわけで昼休みのうち見当をつけておいたのが、体育倉庫と体育館の間にある狭い隙間。手入れの全くされていなさそうな植木と建物二つが上手い目隠しになって、よほど注意して見ない限りはそうそう見つからないようになっている。おまけに件の鉄棒もすぐ近くにある。

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うちの七不思議:完全に機能する音楽室の防音壁

とある学校に勤める用務員氏の話。
その学校の音楽室は学校裏手の駐車場に面しており、そこを掃除している時に生徒たちの音楽の授業と時間が重なると、子ども達の元気な歌声や楽器の演奏の音が聞こえてきて、用務員氏はその場所の清掃作業が特に気に入っていたという。
ある日の事、その日も駐車場の清掃作業に従事していた用務員氏。今日は静かだ、ということは今日この時間は音楽の授業は無かったか、などと考えながら作業を進め、ふと顔を上げた時、自然と目に入った音楽室の窓を見て彼は驚いた。
音楽室の中には何人もの子どもの姿が見え、その動きから彼らが合唱の練習をしているということが見て取れたのだ。
よくよく思い出してみれば、確かに普段その曜日のその時間帯はどこかのクラスの音楽の授業があったはずだ。それなのに何も聞こえないということは、いつの間に防音壁の補強でもしたのだろうか。
そんなことを考え、これからは子ども達の歌声を聞きながらの作業もできなくなるのだろうかと寂しくなりながら、用務員氏は作業を終えた。
しかし翌日、彼が同じ場所で作業をしていると、音楽室からは別の子供たちの元気な歌声が。ならば昨日の無音は何だったのだろうか。
その後、用務員氏は同じ現象に数度遭遇したものの、ついにその原因は掴めなかったという。

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企画思いついたんで協力してください。

どうもナニガシです。そろそろ入学式やら新学期の季節ですね。私の身内も明日から学校だとはしゃいでおりました。
学校生活が始まるとは言いますが、学校といえばやっぱり怪談ですよね。
そういうわけで、今回は「学校の怪談・七不思議」をテーマにした企画を催します。架空の怪談や学校の七不思議を自作するなり、本当に自分の学校に伝わっているお話を持ってくるなり、実体験を素知らぬ顔で書き留めるなりして、作品を投稿してください。
作品の形式は自由。怪談のエピソードを淡々と並べるも良し、七不思議に巻き込まれた登場人物たち視点のホラー小説でも良し、気付いたらバトルアクションになっているも良し、怪異になぞらえた連続殺人事件が起きるミステリなんかもアリです。皆さんの創造力次第でいくらでもぶっ飛んだものを書いて大丈夫です。
参加しても良いよーって方は、タグの2つ目か3つ目に「うちの七不思議」と書いて作品を投稿してください。別に1つ目に書いても問題は無いですが。
期間は4月いっぱい。作品数の上限はもちろん無いので、思いついたら思いついただけ投稿していただければ幸いです。みんなで最強の七不思議作ろうぜってことで、皆さんの参加お待ちしております。