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理外の理に触れる者:魑魅魍魎の総大将 その④

月に取り押さえられた人影はしばらく手足をじたばたと振り回していたが、身体の上に座られ、両腕を膝で、頭部を片手で畳にめり込むほど押さえつけられ、全く逃れられる気配は無い。
「ほれほれ大人しくなー。さっさと本体出して」
月が言うと、部屋の奥の壁に瘴気が集まっていき、遂に怪異存在の本体が姿を現した。
壁から生えるようなそれは凡そ痩身の人間の上半身の形状をしていながら、現れている部分だけで全長は3mに近い巨体であった。異様に長い腕には一般的な人間より2つ余計に関節ができており、片方の掌につき4本しか無い指は、球関節にでもなっているのか滅茶苦茶な方向と角度で折れ曲がっている。また全身の皮膚は青白いにも拘わらず、熱を発しているのか全身から湯気が立ち昇っており、ところどころに金属光沢を帯びた鱗のようなものが生えている。頭部では長く鋭い牙の並んだ口が耳まで裂けており、頭蓋全体を血走った無数の眼球が覆い尽くしている。
「うんうん、これは食べ応えありそう。鬼、来ぃ」
月がそれを恐れる様子も無く虚空に命じると、彼女の足元から別の人外存在が現れた。
およそ八尺、天井と比較してやや高すぎる背丈を折り曲げ、金色の瞳を具えた両の眼で化け物を睨むのは、赤い皮膚と分厚い筋肉に覆われ、額から二本の太く短い角を生やした、まさしく『鬼』と呼ぶべきモノだった。
「私はこれからしばらく食事に入る。その間この場を持たせておけ」
その言葉に従うように、鬼は一声短く吠え、化け物に肩から突進していった。

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理外の理に触れる者:魑魅魍魎の総大将 その③

人型から剥ぎ取った霊体組織を齧りながら、月は人型から示された道を進んでいた。
「うん……食感は良い……けど味は薄すぎるし、何より量が足りない……」
自分の目方の半分程度はある霊体をみるみるうちに腹に収め、最後の一かけらを飲み込む頃、漸く目的地に到着した。
「おー……おっきい家」
固く閉ざされた門を蹴り、施錠を確認してからその上を軽々と跳び越え、前庭に蔓延る雑草を枯れ朽ちさせながら進み、ほぼ何の障害も無く母屋に到着した。
「ノックしてもしもーし。ヤバいのがいるってんでご相伴に与りにきましたー」
引き戸の入り口もまた当然のように施錠されており、月はそれを蹴破って屋内に侵入した。
屋内には幼い少女のすすり泣く声が響き渡っており、月はその音源を探して屋内をしばらく歩き回る。
「ん、ここか。トツゲキー」
やがて音源たる一室を発見した月が、現在彼女が居る廊下と室内を隔てる襖戸を蹴破ると、30畳ほどの広間の中央付近で幼子らしき人影が入り口に背を向けて蹲っていた。先ほどから聞こえてきている泣き声は、その人影から発されているようである。
「……擬餌よ、一つ教えておくと」
月は一足に人影の背後まで跳び、それが振り向く前に頭部らしき部位を捕え、床面に叩きつけ取り押さえた。
「今どき、廃墟で泣き声が聞こえて心配して近付くような奴などいないぞ」

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理外の理に触れる者:魑魅魍魎の総大将 その②

「御機嫌よう。ようこそいらっしゃいましたわ」
伽は突如現れた人外存在に怯む事無くにこやかに話しかけた。
『気ニシナクテ良イノヨォ。オ姉サンノ言ウコトナラ何デモ聞イチャウヨォ』
人型もケタケタ笑って返す。
「実はですね、この辺りで人外のモノを探していますの。できるだけ大きなものが望ましいのですけれど……心当たりありません?」
そう問われて、人型は顎に指を当てて考え込んだ。
『フゥーンム…………。イヤ、マアネ? オレモ根無シノ浮遊霊ダ、ソノ手ノ噂ニハ明ルイ自負ガアルヨ? ケドネェ……オ姉サンヲ危険ニ晒シチャア、オレガ何言ワレルカ分カンネーノヨ……』
「あら心配してくださるの? ご安心なさって、向かうのはこの子ですわ」
伽は悩む人型に笑いかけ、月を指しながら言った。月も突然注意を向けられて一瞬きょとんとしたものの、すぐ微笑んで人型に手を振ってみせた。
『エ、マジデェ? ソンナラドーデモエーワ! チョイト待チナィ!』
口しか見えない表情を輝かせた人型は、腕を構成する靄を一度ほどき、変形させて再び固定した。
『ジャジャァーン、オレ製コノ街ノ地図。チョウドココノ所ニアル空家ガヤベエノヨ。見タ目ハ立派ナ日本家屋ナノニ勿体無イ』
人外の靄で構成された地図を数十秒かけて頭に叩き込み、月は姿勢を正した。
「ほうほうなるほど。ありがと人型さん。じゃ行ってくるなー」
『オウ逝ッテコーイ!』
伽と人型に手を振ってその場を去る月を見送り、伽は不意に先程までとは異なる冷たい表情を人型に向けた。
「……ところで貴方。身体が半分も削り取られて、まだ動けるんですのね?」
『……エ? エ、アレェ⁉ アバ、アババーッ⁉』
自身の異常を思い出したように断末魔をあげて崩れていく人型をその場に放置して、伽はその場を離れた。
「近頃この辺りに出没していた浮遊霊の退治、終了。ルナちゃんがちょうど良く通りかかってくれて助かりましたね」

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理外の理に触れる者:魑魅魍魎の総大将 その①

「や、いかろ姐さん」
とある夕暮れ時、薄暗い路地裏にて声を掛けられ、その女性は振り返った。
「あらルナちゃん。学校の帰り?」
『いかろ姐さん』と呼びかけられたその女性は、よく見知った少女の姿を見とめ、視線を合わせるように腰を曲げながら答えた。
「そそ。ところで私、お腹空いちゃってまして……いつもの、お願いできます?」
鋭い牙を口から覗かせてニタリと笑う月に対し、いかろもとい伽はしばし考え込んでから答えた。
「……指揮者さま直々のお願いですし、まあ良いでしょう。不肖ながらこの”霊能者”伽、特別割引でお受けいたしましょう」
「わーい。今おサイフに300円しか持ってないんだけど、それで良い?」
「いえ、お金を戴くなんてとんでもない。ただ、こちらのお仕事を少しばかり手伝っていただければ……」
「あー……まあ軽いオヤツをはさむのもアリかな。おっけおっけ」
月の返答に頷き、それから伽は数秒黙り込んだ。瞑目し、集中力を高めるように深呼吸を繰り返し、不意にかっと目を見開く。それと同時に彼女の目の前に、どこから現れたのか黒く禍々しい靄のようなものが集まり、やがて人間を模した形状に安定していった。
『ヤァ、ドウシタイオ姉サン。手デモ借リタイノカイ?』
その人型は楽しそうに、ガサガサとした気味の悪い声で問いかけた。

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能力モノの設定を思いついたので誰か書いてください その②

・二つ名
異能者が自称したり他の異能者から呼ばれたりする異名。どこかの異能者が「何かかっこよくね?」みたいなノリで付けたところ、他のノリの良い異能者たちも便乗し始めた。現在では全異能者のうち、実に6割が二つ名を持っている。そのうち半分程度は他の異能者にも知れ渡っている。基本的に支配者レベルの異能者の二つ名には「王」「皇」「帝」「神」などの文字が使われることが多い。それより下の位階の能力者がそれらの文字を使った二つ名を名乗ると、よほど実力が無い限りは表で陰で思いっきり叩かれる。実際の支配者の人たちは王や神なのでそんな細かいこと気にしないでくれることも多い(たまに狭量な人も居る)。

能力詳細
・各位階は具体的に何ができる?
 観測者にできるのは良くてせいぜい能力対象と意思疎通ができるようになるところまでです。その結果、対象が意思と自ら動作する能力を持つ場合は、もしかしたら交渉して望む行動をしてもらえるかもしれません。
 干渉者にできることは簡単に言うと「動作の依頼、定義への干渉」です。飽くまでも「依頼」であり、絶対に言うことを聞いてくれるとは限りませんが、無生物や概念相手でも使える上、あまり大規模な動作でなければ基本的にはやってくれます。また、能力対象になるためには干渉者以上の位階が必要です。
 指揮者にできることは簡単に言うと「操作・使役」です。ある程度の強制力があります。支配者級の異能者に妨害されない限り、その指令は基本的に実行されます。干渉者以下にできることも大体できます。
 支配者は何でもありです。以上。
 たとえば「霊体」が対象だった場合、観測者はそれらを認識でき、おしゃべりも可能かもしれません。干渉者は彼らに触ることができ、もしかしたら軽く追い払ったり呼び寄せるくらいできるかもしれません。幽体離脱とかもできるかも。指揮者は彼らを使役できます。召喚したり祓うことも可能です。支配者は霊絡みでさえあれば何でもありです。

この世界観、設定で何か書いてみても良いよって方がいたら、書いてやってください。タグに「理外の理に触れる者」と書いていただければ幸いです。

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能力モノの設定を思いついたので誰か書いてください その①

異能設定
肉体年齢3歳以上の人間または人外存在に、大体2d6振って6ゾロが出るのと同じくらいの確率で何の前触れもなく唐突に発現する。人外存在の場合は若干確率が上がり、人間の倍くらいの確率で発現する。平均して学校の1クラスに1人か2人はいるくらいの確率。
能力名は以下の2要素によって説明される(「○○の●●者」みたいな感じで)。
・能力対象
異能で干渉する対象。1d100でファンブルするのと同じくらいの確率で同じものを対象とする異能者が現れることもある。
・位階
干渉の程度の強さ。4段階に分かれる。能力の強制力は上の位階ほど強く、能力同士が干渉した場合、より高い位階の能力が優先される。
能力の使用には代償が必要で、基本的には体力の消耗という形で処理される。稀にそれ以外の方法でどうにかしている能力者もいる。位階が上がるほど代償は大きくなるが、その分できることの幅も大きくなる。
また、能力を使い続けることで上の位階にランクアップすることもあり得なくは無いが、一つ位階を上げるためには普通にやったら大体数百年から数千年の年月が必要なので、人間には基本的に不可能。それこそ時間の異能者でも無ければ無理。ランクは以下の通り。
観測者:最も低い位階。対象を知覚認識する異能。所謂「霊感」「未来予知」「読心」などはこれに当たる。能力者全体での割合は2d6振って4以下が出る確率と同じくらい。
干渉者:2番目に低い位階。対象に触れ、その動作に干渉する。できることはあまり多くは無いが、能力使用による代償も少ない。能力者全体での割合は2d6振って5~7が出る確率と同じくらい。
指揮者:2番目に高い位階。ある程度の強制力と威力を以て能力対象を操作するもの。能力使用時、改変の規模に比例してより大きな代償が必要になる。能力者全体での割合は2d6振って8~11が出る確率と同じくらい。
支配者:最高位階にして能力の完成形。指揮者以下にできることは大体できる上、絶対的な強制力を持っている。威光による命令であるため、代償も存在しない。能力者全体での割合は、2d6振って6ゾロが出る確率と同じくらい。

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対怪異逃避行:鏡像の怪異 のあれこれ

・相手した怪異
『とある学校の七不思議:鏡像の怪異』
午後6時6分、かつ日没後、校舎の西階段2~3階間の踊り場にある鏡を見てはいけない。鏡像の中の自分が手を伸ばしてきて、現実の自分を殺しに来るのだ。
「鏡像の自分」は動きこそ素早いものの、鏡から完全に外に出ていくことはできないので、回避自体は決して困難ではない。
しかし、この怪異は一度発生すれば学校敷地内の鏡面をどこまでも追跡し、目が合えば再び攻撃してくる。

・登場人物
主人公:特に霊感があったりするわけでは無いが、周囲の人間が何故かそっち系の話大好き人間ばかりなので、知識はそれなりにあるし、存在も信じている。七不思議は何かそういう生き物なので見える。
幼馴染:中学校までは主人公と同じところに通っていたが、学力の差etc.の要因によって別の高校に通うことになった。家系の因縁で霊感めいたものがあり、自衛のために知識を貪欲に吸収している。稀に家系とは無関係に忍者めいた身体能力と影の薄さを発揮することがある。

・今回の怪異誕生秘話
夜中にヘッドライト付けたまま手を洗いに洗面所に行ってふと鏡を見たら光の反射で顔が潰れて眩しかったのに着想を得て、悪意ガン積みしたのが今回の怪異。