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あいうえお作文で曲を作る

これは過去に出した「あいうえお作文でポエムを作る」の進化系です。

明日もきっと笑顔になれる
いつか僕らは幸せになれる
俯いていては何も始まらない
エンドロールを作るのは自分自身
終わりのない映画を始めよう

「頑張らなくてもいいんだよ」
君が僕にくれた言葉
苦しくたって 辛くたって
元気になれる一言だ
こんな僕を気にかけてくれる君に
「さよなら」なんて伝えたくないよ
正直な思いを君に告げた
「ずっとそばにいて欲しい」
「絶対大切にするよ」と

それぞれの道を歩む
例え話の無い世界
力の限り僕は叫んだ
「続きを君と作っていきたい」
手と手を取り合って僕ら
遠き未来の彼方へ
何度も彷徨ったっていい
ニコニコ笑っていられるなら

塗り絵のような空想の世界
「ねえ、どんな気持ち?」君はそう言った
のんびりした声で僕はこう言った
「馬鹿げたような世界だけれど
まるで昔君と見た世界に似てる」
皆が皆して「おかしな世界だ」と
「無謀な世界だ」と口々に言った
めいいっぱいの愛を君のために
もっとたくさんの旅を君と共に

約束の場所へと走り出してく
ゆっくりでもいいから進んでいたいんだ
呼ばれたって僕はもう止まりはしない
楽な感情は全部どこかに捨てて
リュックに詰めた思い出を頼りにして
ルートを決めてただひたすら歩く
零から始めたい君との世界
ローペースだっていい
笑っていられるなら
Wow… いつまでも…
nn…

明日もきっと笑顔になれる
いつか僕らは幸せになれる
俯いていては何も始まらない
エンドロールを作るのは自分自身
終わりのない映画を始めよう
Yeah.

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Trans Far-East Travelogue㉚

午前8時5分、予定通り品川に到着した
腕時計を見て「あと5分か…切符急いで買えば間に合うな」と呟くと「任せといて」と言って嫁が京急線改札口へ先に向かうのを見て少し呆れながらも遅れてついて行くと「ご所望の切符、私の奢りね」と言ってお目当ての切符を買っていてくれた
「2100か…先頭はキツイかなぁ」と呟くと「2100形ってどうして分かるの?」と嫁が訊くので「アナウンスで2つドアの当駅始発って言ってるだろ?京急って地下鉄やその先の京成にも乗り入れているけど、2100形は車両が直通に対応してない関係から、下り電車は隣の泉岳寺か品川始発の2択さ」と説明すると、お目当ての快特京急久里浜行きが入線してきた
「青いけど、アレも2100形なの?」と嫁が訊くので「男の子の夢と希望を詰め込んだ青い車両のブルースカイトレイン、通称ブルスカだね。横の窓の形からして、2100で間違いないよ」と少し興奮気味に返すと「貴方ってやっぱり電車好きなんだね」と言って嫁は笑ってる
「夢みたいだな…大好きな人と結ばれて、思い出と子供の頃からの夢が溢れる大好きな車両に乗ってまた思い出の1ページが上書きされるんだから」と呟き、乗り込むと数少ない運転席後ろのボックス席が2人分、それも右側だけが空いてるので2人でそこに座るともう興奮して心臓がバクバク鳴って前面展望どころでは無い
ふと我に返ると、もう気付いたらお気に入りの場所、八ツ山橋を過ぎていた
「よく分からない車両いたから撮ってみたよ」と言う嫁が差し出す写真を見て思わず「嘘だろ」と呟く
新幹線側には滅多にお目にかかれない観測車であり、レア車両として有名なドクターイエロー、そしてなんと在来線側には滅多にお目にかかれない上、お召し列車として利用されたことでお馴染みのE-655系の「和(なごみ)」の並走だったのだ思わず、「子供時代の俺が見てたら卒倒しそうだな」と呟くと嫁が「なんで?」と訊いてきた
「まず、こんなに可愛い嫁さんと一緒でしょ?それから、今乗ってるブルスカ含めて子供の頃から憧れてた車両のオールスターだからね。子供の頃には考えられない、夢のようなシチュエーションさ」と笑って返すと「私にとっても夢みたい」と言って嫁もうっとりしてる
もう間も無く、鮫洲を通過するようだ

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Trans Far-East Travelogue㉙

場所によっては鉄道大国である日本の心臓部、関東と言えど電車の本数が少ない関係で、明日の目的地を早く決めないと困るので嫁に訊いたら、「貴方の思い出の場所が良い」と言うので、電車のダイヤと相談して神奈川県方面へ行くことにしたが、時刻表を見て思わず「勘弁してくれよ」と叫んでしまう
ターミナル駅が身近な場所にある俺にとって、鉄道の利便性はどうしても目的地までの速達性とイコールになるので、ダイヤ改正で優等種別が途中駅にもガンガン止まるようになった小田急や東急線、JRは不便極まりないため湘南方面は論外だ
しかし、京急も日中最速達の「グリラピ」こと快特が思いっきり減便されている上に快特のほとんどが途中の久里浜止まりで、しかも久里浜での乗り継ぎも不便になっていて、終点までは特急ばかりであることに頭を抱えていると、路線図を見ていた嫁が「横須賀中央で降りて三笠見て、特急までの時間稼ぎすれば?」と提案してくれた
最悪、横須賀中央から各駅停車に乗る羽目になっても少し先にある堀之内という駅で乗り換えれば、特急で三崎口を目指せることは時刻表も過去の経験も示しているため嫁の提案を承諾し、お得な切符の使用を前提としてプランを練るが、ここで思わぬ障壁が立ちはだかる
特典付きか否かを問わず、切符がどれも以前よりも値上げしているのだから無理もない
思わずため息混じりに「俺の財布も京急か」と呟くと、嫁が「京急電車のメインカラーは赤、ナンバリングのイニシャルはKK…金欠(Kin Ketsu)のKKで赤字…つまり、財布も京急だとお金が無いってこと?」と訊くので「バレちゃったか…東京モンは金持ちだと思われてるから見栄張ろうとしてたんだけどなぁ…バレたモンは仕方ないか」と笑って返す
すると、嫁が「マレーから殆ど貴方の奢りだったよね…そりゃ金欠にもなるよ」と言って笑ってるので「君の前ではカッコいい男でいたいからな」と笑って返し、気付いた時には日付も変わってたので起床事故を起こさないようにする為にも消灯する
「ライアンの隣にはつば九郎」と言って嫁がいきなり俺の布団に入って来たのでお互いに抱き合うように寝るとなぜか予想以上にグッスリ眠れて予定通りに起きられた
さぁ行こう、俺の青春の集大成とも言える場所へ!

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夢のナカ

鏡の中の私はいつもの私だった
渡したはずの片耳が耳元に帰ってきてた
幸せなラブソングばかり歌うあなたと
不幸なラブソングばかり歌うわたし
性格が歌に出ているみたいだね
私の歌うフレーズで顔見合わせちゃって
今の俺達みたいだねなんて笑ったよね

あぁもうどうでも良くなっちゃった
あぁそれでも歌は終わらない
あの終わりのコールが聞こえないように
2人でもっと歌を入れていこう
ほら歌は尽きないから
愛は尽きても止まらないから
あぁコールが鳴った

鏡の中の私は知らない私だった
渡した手紙はちゃんと捨て去ってね
ケムリを吐き出したあなたとそれを眺めているわたし
吸う?ってあなたは差し出したね
凹凸がハマッて瞳から涙がこぼれて
まだ頑張ってほらまだなんて笑ってたね

あぁどうでも良くなっちゃった
あぁそれでも快は終わらない
あぁ終わりの時間が見えないように
もっと見つめていよう
ほら哀は尽きないから
愛は尽きても止まらないから
あぁ針が2回廻った

いつもと同じルートいつもより長く時間を稼ぐ
今日で最後だからイミない話する

あぁもうどうでも良くなっち った
あぁそれでも命は終わらない
あわせーので振り返えらないで
なんでて最後の約束は守れずに
ほらシャッターを切った 糸は切れなかった
あぁ雨が降ってきたんだ
あぁ

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理外の理に触れる者:海殺し その②

「あ」
道連れが短く声をあげ、足音が一つ減った。俺はまだ歩き続けてるってことは、あいつが立ち止まったのか。あいつのいた方を見ると、砂に足を取られて躓いたのか、うつ伏せに転んでいた。
「……何やってんだ」
「…………」
あいつは顔を砂にうずめたまま答えない。何かヤバい気配がする。
「……これは、良くないね」
喋った。生きてはいるらしい。
「喋り過ぎた。体力がもう無いや」
「無駄話してるからだろ」
「何も言わないでいると、精神的に良くない気がして……」
あいつは立ち上がろうと手を砂に付いてはいるが、全く身体が持ち上がる様子が無い。
「……私はもう駄目みたいだから、構わず先に行って……」
冗談を吐く余裕はあるようだな。
「馬鹿言え。お前の異能無しにこんな場所歩けってのか」
「でも私、20㎏入りのお米より重いよ?」
「それより軽い奴がいたらビビるわ」
異能を使い、自分の姿を変える。爬虫類と猛獣を混ぜたような、体長3m近い胴体。砂に沈みにくい、長い指を具えた脚が4本。4本指に長い爪、鱗の生えた腕が2本と、飛ぶのには使えない、ただの飾りの皮膜翼が1対。便宜的に、自分の中で『石竜』と呼んでいる姿だ。
「足になってやる。お前が鼻になれ」
「そこは目じゃ無いん……わぁっ」
あいつが顔を上げ、眼球の無いワニみたいな顔面に驚き、変な声をあげた。

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タイムジャック5

「処刑…?あんたも時の能力者のはず…そんな物騒な術持ってるのか?」
「俺は時の支配者だ。やろうと思えばなんとでもなる。例えば…お前たちの時間を消す…とかな」
相手は相変わらず表情ひとつ変えない。まるで何人もそうやって手にかけて来たかのようだ。
「支配者…?随分大きく出たな」
「間違ってはいない、俺の能力は支配者のそれだ」
「能力…」
智也は自分の右手を見た。
「そうだ…ここでは能力こそが全てだ」
「なんでそう言い切れる…」
俺は拳を作る。
「簡単なことだ、俺がこのゲームの支配者なだけだ」
「は?何を言って…」
俺も智也も驚きを隠せなかった。
「ちょうどいい、冥土の土産にいくつか教えてやるよ」
相手は脅しのように掲げた左手を下ろし、戦意の無い様子を示してくる。
「聞いてやる、いいよな?智也」
「え?あぁうん、気にはなるからね、このゲームのこととか」
「このゲームは…全て俺と俺の親父によって企画されたものだ」
そう言って始まった彼の過去についての話は、俺らからしたら大して驚く内容ではない。能力者ならば多少なり心当たりのあるものだ。
「なるほど、能力者だから寂しい…その友達探しのためにこんなゲームを…ねぇ?」
「まったく迷惑な話だ…だから生き残りは50人なのか」
「そうだ、そしてゲーム形式にするのはもうひとつの目的がある。それが親父側の目的、優秀な能力者を選別して実験体を探してるんだ、生活の保証もモルモットとしての安定した衣食住ってだけだ」
「そんな…」
「ここに捕まった時点で俺たちはもう死ぬか、実験台にされるかの2択しかないってこと」
相手は無表情を貫きながら筋肉だけで諦めるように少し笑った。
「ふざけんな!なんでそんなこと!」
「だから言ったろ、処刑されるのを光栄に思えって。お前たちは支配者である俺の術をかわした栄誉のままに死ねる。中途半端な親父の実験の犠牲者にならなくて済む。これがどれだけ光栄なことか」
「はぁ」
俺は大きくため息をついた。今度は納得ではなく、すっかり呆れてしまったのだ。
「そういうのが、気に入らねぇんだよ!人の気持ちを勝手に決めんな!俺たちはそんなことこれっぽっちも望んでねぇ!そんなに実験台が嫌なら今ここで俺が殺してやるよ!」

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タイムジャック4

「あんまり気に入らないね、ああいうやつが生き残るのは」
「おい、まさか戦おうって言うんじゃ…」
「そのまさかだよ」
智也は見せたことの無い笑顔を浮かべていた。
「でもどうやってやろうか」
「おいおい、あいつは今止まってるやつから順に狙うって言ってたじゃねーか、勝負を急がなくたって」
「じゃあ守はいいの?あんなやつと一緒にされるの」
「それは…嫌だけど」
「でしょ?せっかく生き残れそうならその辺もこだわりたいじゃん」
智也の笑顔は濁ることもなかった。
ため息を大きくついて自分を納得させる。
「…わかったよ…でも!やばかったらすぐ逃げるからな」
「OK!やっぱりやってみなくちゃね!」
言い終わるのを待たずに智也は走り出した。
「ったく…お前1人じゃ無理だろ!」
それを追って走り出す。
時間が止まっている影響か若干体を動かす感覚が通常とは違う。
「はぁぁ!!」
智也は飛び蹴りを繰り出す。
「は?なんのつもり?」
相手も相手で驚く様子もなく受け止める。
「そりゃあ、戦うためでしょ」
笑顔はますます輝きを増している。
相手の無表情との落差がそう思わせるのか…
「せっかく生き残れるのにわざわざ殺されに来るなんてお前ら…馬鹿だな」
相手は左手をそっと俺らの方へ向ける。
「お前らから先に処刑してやるよ…光栄に思え」
ほんとに…ここ来てからろくなことがない…