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アイスクリーム

 こーんにーちわー。ほんとあのコ可愛いよねっつってから、らぶたんも可愛いよ、または、らぶたんのほうが可愛いよってゆーセリフを待ってたけど言われなかったJKのらぶたんだよー。
 ところでみんなゎアイスクリームにウエハースをそえるのって、どうしてか知ってる?
 そーだよー。冷えてマヒした舌をリセットして最後まで美味しく食べるためだよっ。
 って、はあ?
 実際アイスクリーム食べてるとき、よさげなころあいでウエハースかじってみたことあるけど大して変わんなくない? むしろ口んなかぱさぱさになっちゃってアイスクリームの食感邪魔するだけじゃない?
 言われてみれば、じゃね?
 ほんとのこと教えちゃうね。
 ある日ぃ、アイスクリームを売ってたぁ、あたしのおじいちゃんのとこにぃ、知り合いのウエハース受託製造メーカーの社長がぁ、注文がなくて困ってる。よかったらアイスクリームと一緒に出してみてくれないかって言ってきたのぉ。
 おじいちゃんはしぶしぶだったみたいだけど、やってみたらおしゃれなものに敏感な層にばかうけ。それが広まって現在にいたってるってわけ。
 なんてね。うそうそー。
 そもそもウチのおじいちゃん、アイスクリーム売ったことねぇし。
 あ、ところでこのエピソード、きいたことある?
 コーンにアイスクリームをのせるようになったのゎぁ、アイスクリーム屋さんがアイスクリーム売っててぇ、アイスクリームのせる紙皿がなくなっちゃったときにぃ、隣のワッフル屋さんの人が紙皿代わりにワッフルで巻くのをすすめたからってゆーやつ。
 これはほんとだよー。
 かなぁ?
 アイスクリームの量に見合った数の容器用意してないなんてずいぶん間抜けな話じゃね?
 商売人として失格じゃね?
 いったい何が言いてーんだって?
 もっともらしい説をすぐうのみにしちゃ駄目だってことをるなは言いたいのだ。かといってやみくもに疑うのも駄目。疑ってみてちゃんと考えて、妥当だってこたえを選ぶのがベストなんだよっ。
 それじゃこのへんで。バイビー。
 閲覧数は少ないわいいねはないわですさんでいたのでJKを装ってブログを発信したら、いいねが100万件ちょっと。コメントが30万件ちょっとついた。

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新体操の妖精

 空腹で、変な時間に目を覚ましてしまった。ミネラルウォーターをひと口飲んで、再び眠りにつこうとしたが、全然眠れない。朝練があるのに。寝不足でけがをして、やめざるを得えなくなった娘のことを思い出す。
 太りやすい体質なのに、どうして新体操なんてスポーツを選んでしまったのか。スープが残ってないかと望みをかけ、キッチンに降りる。ない。母は若いころバレエをやっていたから体重管理に協力的なのだ。誘惑に負けて食べてしまわないように、大会が近づくと残りものは基本的に全部捨ててしまう。インスタント食品のたぐいも、置かない。着替えて、そっと家を出る。
 缶のスープと栄養補助スナックを購入し、自動ドアから一歩足を踏み出したわたしは凍りついた。セーラー服を着たおじさんが、街灯の下に立ってこちらをじっと見ていたからだ。
 踵を返し、店員さんに助けを求めようとしたが、なんと言ったらいいのかわからない。何かされたわけではないのだ。
 雑誌を物色するふりをして、外の様子をちらりとうかがう。おじさんは、こちらをじっと見ている。ターゲットはわたしだ。決意を固め、店員さんに近づく。
「あの。すみません」
「はい」
 よさそうな人だ。勢いづいてわたしは続ける。
「外に、変なおじさんが立ってて」
 店員さんがレジから身を乗り出し、外を見る。
「誰も、いませんけど」
 一応警察に通報しておきます、と奥に消え、戻ってきてからほどなくして、パトカーがやってきた。一緒におまわりさんに説明すると、無線で何やらごにょごにょ言って去った。
 怖かったが、いつまでもコンビニにいるわけにはいかない。わたしは店員さんに礼を言って家路についた。帰宅すると、結局スープとスナックには手をつけず、気絶するように眠ってしまった。
 そんな出来事から三か月、インターハイで、わたしは優勝した。初出場で個人が優勝するのは十年ぶりの快挙だそうだ。
 興奮さめやらぬわたしの耳元で、コーチがこう言った。
「あなたも見たのね。セーラー服おじさん」
 わたしは微笑むコーチを見返し、驚くのと同時にがっかりした。このまま続けていても、せいぜい高校新体操部のコーチで終わるのだ。

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Trans Far-East Travelogue㊶

午後5時,多摩川の駅に着いて女性陣と合流した
その後は兄貴が提案したように河原に行くと兄貴の言う通り,ちょうど沈みゆく太陽が輝いている
それを見て思わず「昔っから代々木のドコモタワーとかその他新宿の高層ビル群をバックに沈む夕陽を毎日のように観て来たけど,コイツは凄え。今までとは格が違う」と呟くと嫁が「そろそろ2人きりにしてあげない?」と訊いてくるので「そうだな。新幹線の写真でも撮るか」と返して歩き橋を潜り始めてすぐに頭上から轟音が響き,早く鳴り止んだ
橋の下を抜けて見上げると新幹線が新横浜方面に抜けているのを見て嫁が「あの新幹線,幕が黄色なのは見えたけど、行先表示は2文字でもよく見えないね」と言うので時刻から逆算してその列車が「のぞみ51号博多行き」だと気付き咄嗟にその新幹線に向けて「昔の俺みたいに関門海峡越えて離れた場所にいる人に恋した若者の夢を乗せてくれ!俺の希望は叶ったから次は他の人の望み叶えてくれ」と叫ぶと嫁が「あの列車,博多行きなのね」と言うので「君に会えなくて辛かったあの頃のように応援歌替え歌するか」と返して「想〜い届け!海越え君想う〜(実れ!)関門〜越えて想いは博多の君へ〜続く行け〜Mein liebe!あの娘に届いた〜♪」と歌うと嫁は「海越え〜貴方の為にやって来た〜♪」と外国人選手汎用応援歌の替え歌を歌っているので俺が「We are」とコールし2人で「married」と叫び,次に嫁が「I love」とコールしお互いの名前を呼び合い、そっと唇が触れ合った後に笑い出す
もう一組のカップルがそんな俺達を土手の上から見守っていた