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はるかぜと共に現れた旅人と過ごすのんびり生活 EP.2

あれからどれぐらい経っただろう。気がついた時にはすっかり暗くなっていた。
「ぽ、ぽよ…」(???)
アイツの声も聞こえる。どうやら2人とも気を失っていたようだ。
大丈夫かと声をかけようとしたが、その口から出てきた言葉は…
「ぽよぽよ!?」(僕)
アイツの声だった。
「ぽよ?ぽよぽよ!」(???)
しかも、アイツが話している方を見ると…なぜか僕の姿があった。
あー…これはこれで大変なことになったと直感が言っている。つまり、さっきの衝撃で体が入れ替わってしまっているのだ。
「ぽよ…ぽよぽよ?」(???)
ただ、同じ言語だからか、会話は成立している。そこで互いを知るためにしばらく話し合った。
初めに自分から話した。自分の名前、なぜここにいたのか、流れ星のようなものを見ていたらぶつかったことなど…
僕が色々話し終わると、今度はアイツから話してくれた。その結果、それなりに情報が得られた。
名前は「カービィ」。もちろん外観もおなじみのピンク玉だった。
なぜここにいるかというと、カービィ自体分かっていないらしい。プププランドをワープスターで散歩中の時に、いきなり次元の裂け目が出てきて、ここに飛ばされたのだという。
得られた情報はこれくらいだ。まあまあめんどくさくなりそうだな…
今ここで色々していても話が進まなくなりそうな気がしてきた。
「ぽよぽよ、ぽよぽよぽよ?」(僕)
「ぽよ、ぽよぽよ!」(カービィ)
家に帰ることを提案した所、すんなり受け入れてくれた。
こうして僕は、なぜか抱えられながら家に帰った。

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はるかぜと共に現れた旅人と過ごすのんびり生活 EP.1

少しずつ暖かくなっているが、まだ寒さが残っている今日この頃。
僕は山を散歩している。
僕の名前は「空野 蒼」。15歳だ。
たまに時間がある時はこの山によく来て考え事をしたり、ボーッとしたりしている。
今日はボーッとしようと思っている。
「うーん。やっぱり暖かくなってきたなぁ。過ごしやすい季節だよほんと。」
なんて呑気なことを言いつつ、山頂へ登る。
この山は道がちゃんとあってそんなに山が高くないため、軽装でも問題がない。
「さて、何かしようかな…ボーッとしようと思ってたけど、こんな天気だと何かした方が良さそうだもんな。うーん…よし、最近やってるアレをするか。」
そう言って取り出したのは小型のメモ帳と鉛筆。
今から作詞をするつもりなのだ。いつからハマり出したかは覚えていないが最近のマイブームとなっている。
思いついた時には馬鹿みたいに進むが、大体は詰まることが多い。
それでも何曲かは出来ている。
「えーっと…うーん…違うな。こうか?いや、こっちの方が…」
時間を忘れ考え続け、いつの間にか夕方になっていた。
「ん?もうこんな時間か。あっという間だな。」
そう言って立ちあがろうとしたその時、空に何か光るものが見えた。
「え?流れ星?この時間に見れるなんて珍しいな…」
しかし、その光るものはなかなか消えず、気のせいか段々近づいてきているように見えた。
「あれ、流れ星ってこんなんだったっけ…?」
そう思った瞬間、光は消え、しばらくすると桃色の小さな丸が見えた。
「何だアレは…?」
僕が気づくと同時に声も聞こえてきた。
「………ぽよおおおおおおお!!??」
聞き覚えのある声。見覚えのある姿。その時僕は、空から何がやってきたか分かったが、それと同時に猛スピードで落ちてきた『アイツ』と衝突した。
ガンッ!
強い衝撃音と同時に、僕は気を失った。

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復讐代行 設定

喪黒闇子
県立TT北高校の2年生。2年A組
幼い頃に両親が離婚してからネグレクト気味の母と暮らしている。
ある時期以来クラスでは「陰キャ」と呼ばれ、クラスのヒエラルキーを強くコンプレックスに感じている。

桐谷青路
クラスメート
小学生の頃に「陰キャ」と呼ばれていじめられて以来いじめ、仲間はずれに対して強い恐怖を感じている。
高校デビューでどうにか陰キャ脱却はできたもののその恐怖は拭えず、陽キャのグループと少し無理しながら一緒にいる。

橘蓮
クラスメート
ずっと「陽キャ」で居続けるカリスマ的存在でクラスのヒエラルキートップ。
クラスのまとめ役もこなし、いじる時とそうでない時の使い分けもはっきりしていて信用も厚い。だが、そこにはただならぬ覚悟があり少し残酷な1面も?

小橋健太郎
クラスメート
橘蓮の幼馴染で同じくクラスのヒエラルキートップ
橘と違うのはカリスマでないこと。歪んだ正義感を持ち、それ故に「陰キャ」に対して嫌悪感を持っている

三浦祐介
県立TT北高校2年B組
桐谷青路の幼馴染で「陰キャ」というものに対して理解があるが揉め事が苦手なため、いじめに対して強くは出れていない。それでも陰ながらにサポートをしている。
(桐谷青路が立ち直ったのも彼のおかげ)

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復讐代行 ~第1話 異変~

目が覚めるとそこには見知らぬ天井が広がっていた。
どうやら死なずに済んだようだ。
「あ、目が覚めたんですね、喪黒さん」
そう言って看護師が歩み寄る。どうやらここは病院らしい。それにしてもよくある展開だ、記憶喪失モノだと大体ここから…
「自分の名前、言えますか?」
ほら来た、しかし幸か不幸か僕の記憶は鬱陶しいほど鮮明だった。
「桐谷青路です」
問題なく答えられた。
「…」
しかし看護師はどこか困惑した表情だ。
なぜだ?何も間違っていないはずだ、それとも上手く発音できていなかったのか?
「桐谷青路!20XX年5月N日生まれ!なんなら住所だって言えるよ!」
長めに喋ったが反響して帰ってくる言葉に発音のおかしな点は見受けられない…
でも、そろそろ気がついていた。
なんだ…?この違和感…
少し体を起こして感じる胸元の重み、
でもこれは気絶明けで体が慣れていないだけだと言い聞かせることができた。
男の声が…聞こえない…
こればかりは言い訳が出来なかった。
気絶の影響で声が出づらいなら喉の異変でわかるし、何より発音に問題がないことからも異変がないのは明らかだった。
そんな自問自答の間に病室に医者と思しき白衣の男が入って来ていた。看護師がその医者と話している内容までは聞こえなかったが、何やら不思議そうな顔でこちらを見ていることだけはひしひしと感じられた。
「担当医の福原です、もう一度お名前を言って頂けますか?」
「だから!桐谷青路!記憶には何の異常もないんだってば!何なんだよさっきからさ!」
「あなたの名前は喪黒闇子なんです」
俺は全ての辻褄が合うその情報にただただ目を丸くすることしか出来なかった。

to be continued…