織姫と彦星が出会う今日
2人が出会い、結ばれた。
短冊や笹の葉の飾りをくぐり抜けて
醒めるような夜空見上げながら、
過呼吸しながら 生を感じる
滲む夜空はピントがずれたまま
僕にとっては大切な記念日
父さん、また土星を捕まえよう
母さん、また一緒に帰ろう
梅雨明け迫る 心模様と
ありふれたガラクタ
そうだ 我楽多をポケットに
(今日は七夕。ガラクタって「我楽しむこと多し」[漢文の書き下し…間違ってると思いますが]と書くんですね…。感慨深いものです。)
君がひとりぼっちで泣いてなどいませんように
『人間みんな、生まれた意味はあるのよ』
誰かがそう言いました。 その通りです。
でも待ってください。
本当に苦しんでいる人は、そんなこと考えられるわけがないんです。
なんで自分が存在するのか、そもそもなんで両親がなぜ知り合ったのか、なぜ祖父母は両親を生んだのか…
『チュウニビョウ』
そんな言葉が飛び交う中でこんなことを思っていたら、私はそこに分類されるでしょう。
『ヤンデル』
そうです。 否定できないから。
今はそうです。 今はそうでもいい。
今は必ず、過ぎてゆくから。
今が過ぎてゆくのが嫌な人は、自ら命を絶ってしまう。
今が過ぎてほしくて、ずっとずっと未来が欲しい人に限って、今が奪われてしまうのに。
人間、不公平じゃないですか?
確かに、与えられた時間はみんな違うかもしれない。
生まれてきた意味が、大きい人もいれば、米粒みたいに小さい人もいるかもしれない。
でもいいんです。 何事も、大きさなんて関係ない。
だってよく言うでしょ?
『努力した人は必ず報われる』
苦しんだら、幸せになれるんです。
これはみんな、平等ですから。
おかしな話でしょう?
そりゃそうだ。だってそもそも、私たちが生きていることがおかしいんですから。
おかしくて、とっても不思議で。
だったらその人生、面白く素晴らしく生きてみません?
『生きている意味』
それはあなたが、自分の人生を変えることができるからです。
面白くも、おかしくも、素晴らしくも変えられるんです。
思い出すばかりの364日と
細い糸を紡ぐようなひもすがら
星屑のきらめきをかき集めて
流す、きらきら
逢瀬を恋いつつ
一度きりの君は涙の川で
重ねた手には睡蓮
このひとときが終わらずに
願いは何千もした事を
すかすか!僕の年輪は18周
ここで倒れるわけにはいかないのです
大雨強風が来たって、
おれるなよ!
喰いしばった鎖骨で
芽キャベツが苦いよ
頭がよくなりたい。
今月隣の席になった彼と喋れるようになりたい。
朝、気持ちのよい起床をしたい。
あの子の頭が悪くなりますように。
今月隣の席になった彼女が不幸になりますように。
夜、安心して眠れますように。
どんな願い事も叶えてくれるなんて嘘でしょ?彦星。
短冊になんて、収まる願い事じゃないよ?織姫。
まただ、
気づいたら君を見てる。
何もできず、ただ、ぼーっと見てるだけ。
でも、君は僕には眩しすぎて、
僕はまた何もできないまま、目をそらす。
今日も、明日も、その次の日も、いつもキラキラしてる君を僕はきっとまた見てる。
いつまでも何もできないまま…
何も変わらぬまま時は無常に過ぎて僕らは大人になってく
そのとき僕は変わらず君を好きなのだろうか
僕の想いを知らず幸せになっている君を好きでいるのだろうか?
僕は、君に嫌われる勇気も、君を嫌いになる勇気がまだないから君に何もいえない。
織姫様、彦星様。
今日は空が晴れているので天の川の水も多くはないはずです。
満天の星空、
いいえ、光り輝く川にカササギが橋を架け、
そろそろ待ち合わせの時間でしょうか。
織姫様。
今夜の為にとっておきの衣を用意したんですってね。
川を渡るときに裾が濡れてしまわないよう、気をつけてくださいね。
彦星様。
いつになったら織姫様にプロポーズをするのですか?
早く織姫様を安心させてあげなさいよ。
結婚式には呼んでくださいね。星屑のゼリーを手土産にお伺いいたしますわ。
織姫様、彦星様。
どうか朝までお幸せに。
群青色のブックカバー
群青色の19時の空
群青色の君のベルト
群青色の僕の描いた絵
忘れてしまった 何もかも
思い出せないの 何もかも
群青色の生命の記憶
よく知る双眸、立ち姿
影の差す顔は長らく見なかったもので―
少年は、その言葉を呟いたのでした
「ヴァレット……」
飴色の瞳が、ぱたりと瞬きました
にこりと口の端が上がりました
ヴァレットは、ユーリを見据えて言いました
「さぁ、覚えてる?」
少年は、一瞬、意味を理解することができませんでした
「ヴァレット、覚えてるよ」
「覚えてる?」再びヴァレットが問いました
「君の正義という名の罪。」
こんにちは、の続きから
手を取り合って踊りましょう
それじゃあまたね、の後には
夕日が尾を引く
影が伸びゆく
もう夏だ、の呟きは
染め上げていく
サイダー色に
目があって笑い合えたら
すべてわかると思ってしまう
もっと強く、のその前に
はじけてゆく
シャボン玉も君の声も
瞳から流れる雫は宝石よりも美しく
強さを与えてくれるだろう
辛さ、苦しみ、悲しみは
今の自分に足りないものを与えてくれる
笑顔、喜び、幸せは
自分だけでなく他人と分け合うことができる
体育の苦手な女の子がいました。苦手なので、体育が好きになれませんでした。
体育の苦手な女の子はたいへん美しかったので、天の神様に気に入られ、抜群の運動神経を授けられました。
ですが、体育は苦手なままでした。女の子は、たとえばバスケなんかのときのクラスのリーダー格の子のぐいぐいくる感じ、それをサポートするとりまきのみごとな連携に圧倒されてしまい、実力を発揮できないのです。
不憫に思った天の神様は、もう体育をしなくてすむよう、天に呼び寄せました。
女の子は天の神様のもとで、機織りの技術を身につけ、機織りマスターとなり、やがて織姫と呼ばれるようになりました。
織姫の仕事は忙しいので、年に一度、誕生日の七月七日しか地上に戻れないそうです。これが七夕の起源とされ、ここから様々なエピソードが派生し、現在に至ります。
あの頃は高校生に憧れて、その次は大学生が自由な大人に見えて。そして、着々とその憧れてたものになっていったけど、果たしてあの頃抱いていた理想に自分はどれだけ近づいているのだろうか。
化粧を開始する年齢が年々下がり、プチブランドでありながら有名ブランドをしのぐような豊富なカラーバリエーションなんてのも当たり前の世の中、マニキュア人口も増えた。
昭和二十年生まれのわたしには(昭和で言われても若い人にはわからんか)、役所の職員などが派手なマニキュアをほどこしているのはさすがにいかがなものかと思ってしまうのだが、若い男性もやはり、TPOをわきまえない奇抜なマニキュアなどは好まないようだ。
まあしかし、つまらぬ事務仕事やつまらぬ男性とのデートをこなさなくてはならぬことを考慮すれば、きれいな爪をながめることに慰めを得ようとするのもわからなくはない。
最近は、ネイルサロンとかいう所でやってもらうのだろうが、キャラクターのマニキュアなどもあるようで驚いた覚えがある。
仕事の合間、キャラクターに愚痴などをきいてもらうのだろうか。
「あなたがそのキャラクターなのよ」
お父さんとお母さんがけんかしてわたしは夏休みにおばあちゃんの家に行くことになりました。
おばあちゃんの家はエアコンはないけど川が近くてすずしいです。
おばあちゃんの家は五十年前に建てられた家でたたみです。
おばあちゃんの家で朝、目をさますと体に赤いぶつぶつができていたのでお父さんと皮ふ科に行きました。
お医者さんはダニさされだと言いました。
お医者さんからもらった薬をぬったけど治りませんでした。
夏休みが終わるころお父さんがむかえにきたのですがお父さんはわたしを見てもう少しおばあちゃんの家にいなさいと言いました。
どうしてとわたしがきくとお父さんは、お母さんは虫がきらいだからと言いました。
わたしは虫になっていました。
お父さんはおばあちゃんに、この子は虫みたいだけど孫だから殺虫剤をかけないでねと言って帰りました。
おばあちゃんはわすれっぽいです。
その夜ばんごはんを食べていたらおばあちゃんがわたしに殺虫剤をシューとかけました。
わたしは霊になりました。
だからわたしはずっと夏休みです。
はろう ミスター ご機嫌如何。
今年も贈り物をありがとう。
ところで今年の逢瀬の夜も
生憎の御天気になりそうですね。
身の裂かれる思いですけれど
荒ぶる川に貴方を奪われるなんて
そんなことは耐えられませんから、
どうぞ無理をなさらないで。
私はもう1年、
大人しく身を焦がしていようと存じます。
対岸より愛を込めて。
はろう ミセス ご機嫌如何。
今年も贈り物をありがとう。
次第に荒れてゆく空模様に私がどんなに
心を乱されたか、表す言葉が見付かりません。
折角の逢瀬の日です。
どんな蛇神だって斬り伏せる自信があるけれど
貴女の優しい思い遣りを
無碍にするのは躊躇われます。
せめて当日は仕立てて貰った着物を羽織って
貴女との日々へ思いを馳せましょう。
どんな時も滅せない愛を込めて。
はろう ミスター 粗末な嘘ね。
姦しい牛の鳴き声 切り裂くような
歓喜の叫びを ありがとう。
はろう ミセス 騙されないよ。
君の漏らした安堵の吐息が
庭の葦を震わせている。