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ヒーロー物語❶〜夢追う者と嘲笑う者〜

『僕の将来の夢。
僕は将来、仮面ライダーのように悪さをする者を退治するような正義の味方になりたいです。
三年三組、広瀬良太郎。』

小三の時の将来の夢の作文発表で僕はこう語った

周りの反応は冷たいものだった。

小三にもなってまだ仮面ライダーかよと嘲笑う者
貴方だけがしっかり書いて来ていないと罵る教師

その日から僕のあだ名は苗字から文字られて
『ヒーロー』と呼ばれるようになった。
勿論、小馬鹿にされて。

でも当時の僕は至って真剣だったんだ。
夢を笑われた屈辱と見返してやるとの、反骨心からか、夢のためにと小四の時に隣町にある空手道場に通い始めた。

その『空手』が僕の人生を大きく動かす。

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LOST MEMORIES ⅡCⅤ

「悪い、待たせた。」
そして、入ってきたのが英人だと気づかなかった。
「いえ、私も今着いたばかりです。」
はっとして返す。そして、瑛瑠は息を飲んだ。
制服しか見たことがなかったため、私服とは新鮮である。
なるほど、イケメンとは何を着てもイケメンなのだ。
店員のお姉さんは、英人の分の水も持ってくる。同じように、ごゆっくりどうぞ,と笑顔を残していった。
とりあえず瑛瑠は紅茶、英人はコーヒーを頼んだ。
「服、似合ってる。」
開口一番にそんなことを言われ、瑛瑠は理解に時間を要した。
「え、あ、ありがとうございます……?」
「なんで疑問形。あと、それも。」
苦笑をこぼす英人が指さすのは首元。
「その節はありがとうございました。ちゃんとお借りしています。」
借りることにちゃんとも何もあるかと、言葉を発してから思う瑛瑠。
「そのままちゃんとお借りしていて。」
笑いを堪えるような英人。
何か、いつもと違う。

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雨上がり

" もの " をなくして
初めて大切さを知る
当たり前 なんてない
普通 なんてないと思え
とあるアニメで言ってた

ーこの世界は奇跡の連続で出来ているー

この意味を理解してたら
少し今を和らげられたかもしれない
どうか後悔のないように

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無色透明
流れていく
いつもそばにある
何者にも染まる
でも気づけばいつもの無色透明

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我思う故に我在り

何故、人々は生きているのだろう

何故、こんな想いをしなくてはならないんだろう

何故、あの子とは上手くいかなくて。

何故、あの子は嘘を吐いてまで僕とつるんでいたのだろう。


…何故、僕は存在しているのだろう

生物学的な答えも

「なにかを果たすため」

「誰かの力になるため」

そんな綺麗事も求めていないんだ。

生きている上で誰かの力になれる人は

ほんのひと握りで。

きっと僕は自分のことばかりだから

こんなやつなんだろう。

存在意義は見つからなくて

もしかして僕は「いない」んじゃないか

なんて思う真夜中。

きっとこの時間も全部夢だと。

世界は僕無しで回っているのだと。

暗闇から出られなくなったとき

思い出した。

先人は自分の存在証明をこう述べた。

「我思う故に我在り」

と。


欲張りな夢も。

昏い想いも。

今日の晩ごはんも。

嫌いなあの子のことも。

気になる彼のことも。

僕は身勝手に考えている。

だから僕はここに在る(いる)んだ。

そう思うことにしようと思う。

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かんがえごと。

もしかしたら、みんなはにんげんだけれど、
ぼくだけにんげんじゃないのかもしれない。

ぼくひとり、わけのわからぬせかいにおとされて、
きづいたころには"にんげん"となのっていた。

それなのに、いつからか

にんげんになりたいといいだした、ぼく。



そんばかなこと、きっとないよね

ありえないことだらけのせかいから。

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笑顔

最近あんまり笑えてなかった気がする

でも大丈夫だ
もう一度笑えるよ

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桃源郷

ぽつんと立った

孤独な街灯

深い深い真っ黒な影


桃源郷

刹那の間

こんなに冷たい

息苦しくて

涙に溢れた世界

忘れてしまえれば


甘い甘い夢を見て

残った空虚なこの温もり

とうの昔に

絶え果てた

橙色の夢


硬い硬いアスファルト

こぼれた雨は

行き場もなくて

冷たい夜を

さまようばかり


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LOST MEMORIES ⅡCⅣ

「お好きな席へどうぞ。」
にっこりとされ、比較的入ってすぐ目につくような席を選んだ。
お水を置かれ、ごゆっくり,と告げられる。
「お決まりになりましたら、お呼びくださいね。」
時間も時間なので、人もまばらだったが、居心地の良さそうな喫茶店である。
見るに、働いていると思われるのは先の彼女のみ。どうやら、ひとりでまわしているらしかった。
お客さんと、お皿を拭きながらカウンター越しに話すようすからは、お客さんとの関係が深い店なのだとわかる。
しかし、ひとりとは。
瑛瑠の目視ではあるが、彼女はまだ20代であるように見える。それも、チャールズと同じくらい。
雰囲気に、既視感を覚える。
どこかであったのか、はたまた誰かに似ているのか。
見つめていると、その彼女は扉へ、いってらっしゃいませと呼びかける。先程、瑛瑠にしてくれた、可愛い笑顔と共に。

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依頼

小説が書きたいです。


はいどうも毎度のごとくmemento moriです。みんな小説書きすぎ。俺も書きたい。でも何書いたらいいかわかんない。
というわけでテーマがほしいです。人の褌で相撲とります。虎の威借りまくりです。下らない詩を書きすぎて既にネタ切れ寸前のめめんとを助けてはいただけませんか。レスしてくださればすんごいうれしいです。でもそんなに良いのが書けるかどうかは保証できません(なんじゃそら)。どうか、何卒お願いします。


ハリネズミって良いよね。

memento moriでした。

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just like

未来へ手を伸ばしてるだけじゃ届かない
届かない距離にあるものが綺麗に見えるなんていうのは言い訳なのかもしれない
何もしてないなんて、嘘、うそ、ウソ
泥水の中でもがいていて、きっと沢山飲んでしまった 中に毒が入っていたから
今でもまだ

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☆☆☆年 5月12日(木)晴れ 日直 打ち上がる花と花

「めぐちゃん聞いて!」
と、呼ばれたのは昼休み。
「何」という返事もつかのま 教室のカーテンにひきこまれる。
みゆきが小声で言うには、なんと哲くんから花火大会に誘われたらしい。花火大会は2ヶ月後だ、まさか先手を取られるとは思っていなかった。
「ねえ何きていこうかな」「やっぱり浴衣かな」
みゆきは嬉々と花火大会への想像をふくらましている。
浴衣のみゆきなんてかわいいに決まっているじゃないか。そもそも誘いをOKする前提なのもさみしい。
みゆきと花火大会へ行くのはわたしだ。
「めぐちゃん聞いてる?」
少し上目づかいになりながら。困った顔もかわいい。こんな顔も、哲くんとやらに見られてたまるものか。
「みゆき、」
呼んで 手を握る。
「花火大会、わたしと行こう。」

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拝啓 一緒に卒業するはずだった君

この時期になると、君のことを思い出します。
一緒に卒業するはずだった君。

一本遅いその電車に私は乗っていた。
『この先で事故が発生し――お急ぎのところ、遅れて申し訳ありません。』
知らないって楽。そのとき、早く帰りたいなんて思ってしまえたんだから。

先生からすべて聞いたとき、私がどれだけ泣いたか知らないでしょう。
真っ白になってるくせに、ぐわんぐわん鳴るあの頭の頭の痛みを、君は知らない。
泣いてはいけない。そう思うのに、溢れてきて吐きそうな嫌悪感を堪えていたことも。

可哀想とは思っていません。悲しいことだと捉えることも止めました。でも、寂しいとは思うかも。
そして、未だに涙が出ます。

想い出は上書きされ色褪せていくから、いつか君のことを思い出さないことがあるのではないかと考えると、それは恐いです。
だからこそ、不意に思い出したときは、君のことをたくさん考える。
だからね、文字にしてみました。
やっぱり涙は出てきたけれど、今はそれでいいと思っているので、もうちょっとだけ、泣かせて。

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最悪な目覚めだった

あまい匂いの残った
部屋で
僕は今日も
君を待ち続ける

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こじるりさんとデート中に目覚まし鳴りやがったコンチクショーめ。

烏が飛んだ。黒い羽を落として。

新聞を配るバイクの音が静かな世界に少し響く。

君は仕事に。
脱ぎ散らかした下着とベットに甘い香りを残して

カーテンの隙間からこぼれる陽。

1人。慣れた手つきで煙草に火をつける。僕。

烏は戻る。家賃三万五千の愛の巣に。