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地下にて

暗がりに水が滴り落ちる音がする、それをかき消すように2つの小さな足音が響いていた。
「ねぇ、やっぱり帰ろうよ…」
「ここまで来てそれはなしだろ」
魔法学園レピドプテラの地下下水道、入るのを禁じられたその場所の最深部にあった扉の前にリョウとレイナは立っていた。
「行くって言ったのはレイナだろ?それにほら、多分僕たちでもこの結界は解除できるぜ」
「そんなことある?私達まだ1年生だよ?」
「まぁまぁ、とりあえずやってみるぞ」
二人は扉に向けて手をかざす、扉が怪しく光り輝き真ん中が回転して何かが外れる音がした。
「ウソ…」
「な?言ったろ?」
リョウは満面の笑顔で扉を押す、するとそれなりに響く音を立てながら開いた。
「お宝かなんかあれば面白いんだけどな」
「あっまってリョウ!」
二人は扉の向こうに駆け出した。
そこそこ長い道を抜けると広いところに出た。
「何だここ?下水を溜めとくってところか?」
「り…リョウ…あれ…!」
レイナが指差す方を見ると大きな瓶のようなモノの中に一人の大男が正座していた。
「な…なんだよコイツ…!」
「や…やっぱり帰らない?これは…私たちは関わっちゃダメなやつじゃないかな」
「き…奇遇だな…僕も今そう思ったところだよ…うわっ!」
リョウが何かにつまずいて尻もちをつく、と同時に振動で何かが噛み合ったような音がした。
「…これ…やばいんじゃ…」
大きな瓶の中に光が灯る、その光が部屋の中のあらゆる所に循環して歯車が動き出した。

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円環はみだし魔術師録 杖 解説編3

昨日の続きです。
読まずとも本編に影響は御座いませんので御安心ください。

6、杖の作り
大抵の杖は「芯」となるクリスタル、大部分を占める木、留め具や装飾としての金属類で構成されています。
主に木で杖を作り、その先に金具でクリスタルを取り付ける、というデザインが定番です。
定番のデザインはあるものの、使う魔術や本人の特性、職種によってデザインは異なり、多種多様なデザインが存在します。
例えば、対人戦闘の多い騎士団所属の魔術師は、「芯」であるクリスタルの損傷を防ぐため、杖を太めに作り、中を空洞にしてクリスタルを入れる、というデザインを好む人が多い様です。
他には、杖の先に吊り下げる型、杖にはめ込む型などがあります。
杖は基本的にオーダーメイドで作られるため、他者の杖を使うのは至難の業です。
芯であるクリスタルの位置や個体差によって、魔力の流れる方向や流れやすさが異なるためです。

7、杖のシステム
杖のシステムは、持っている部分から魔力を流し、クリスタルを経由させて先端に集める、というのが基本的なシステムです。
杖を使うことのメリットとしては、魔術の照準を合わせやすい、魔力の純度を上げる、などがあります。
また、魔術陣の組み込まれた杖であれば、その魔術の詠唱を省略できます。

8、特殊な杖について
この世界には幾つか特殊な杖が存在しているため、御紹介します。
まずは先述の詠唱省略系の杖です。
こちらは主に召喚魔術の魔術陣が組み込まれている場合が多いです。
理由としては、召喚魔術は時間がかかり、詠唱が長くなりがちで、かつ長時間一定の魔力量を保つ必要があるため、詠唱省略が大きなメリットとなるためです。また、それに付け加え、召喚魔術以外の魔術は基本的に訓練によって無詠唱展開や省略詠唱展開が修得できることも大きな要因です。
次は剣で作られた杖です。
基本的に剣と魔術を同時に使う場合、銀などで作られた魔力伝導率の高い剣を杖代わりにするか、普通の杖を使用した魔術で剣を操るか、の二択となります。
それは、杖のシステムを組み込んだ剣は剣として機能せず、剣の機能を組み込んだ杖は魔力が流れづらかったためです。
しかし、この世界に一振りだけ、どちらの機能も完璧に備えたものが存在します。
その名は「エスト・アンバ」。

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魔法少女学園都市レピドプテラ:天蟲の弔い合戦 その⑮

ボンビクスが『繭』を生成する前から、ロノミアは既に、結界術を解除していた。しかし、彼女に絡みつく細糸が、操り人形のように彼女の『時間』を動かしていた。
(ん、繭? モリ子の魔法か。)
「……嬉しいねぇ、自分の弟子が成長してくれるってのは」
ササキアの拳を“血籠”の刃で受け止め、ロノミアは呟いた。
「……この程度の魔法、ニファンダ・フスカにかかれば軽く捻り潰せる」
「どうだか」
迫り合う二人に割って入るように、繭の内壁から白糸の帯が放たれた。
「おっ、面白いことやってくれんじゃん!」
ロノミアが跳躍し、糸の帯を蹴ってササキアの背後に回る。ササキアは即座に反応し、身を翻して手刀を打ち込んだ。ロノミアは沈み込むように回避し、反動で跳躍して膝蹴りを打ち込む。ササキアはそれを片手で受け止め、投げで地面に叩きつけようとした。その直前、新たに現れた白糸の帯が、クッションのように受け止める。
「助かったぁ!」
足をばたつかせることでロノミアはササキアの手を逃れ、態勢を立て直す。
(さぁて……困ったことに、私は手を出し尽くした。どうやって押し切ったものか……っつーか、疲れてきたなぁ……)
ロノミアは既に大量に展開されていた白糸の帯を蹴り、空中に逃げる。新たに展開された帯に掴まり、息をつく。
「やーい、ここまで来てみろ生徒会長」
挑発するロノミアを見上げながらも、ササキアはその場を動かない。
(この『繭』が形成されてから、明らかに動きが重くなっている。『絡みつく魔力』に、補正がかかっているのか?)
「……まあ良い」
ササキアが、双子に目を向ける。その瞬間、ロノミアが糸帯の足場から手を放し、落下の勢いを乗せて斬りつけた。ササキアはそれを、籠手を身に着けた片腕で受け止める。
「可愛い弟子の大仕事、邪魔させるわけ無いだろ!」
「問題無い。貴様を倒してから、あの双子も捕える。それで片付く」
2人は再び、至近距離での激しい白兵戦を開始した。

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魔法少女学園都市レピドプテラ -small cabbage white- 解説編 3

企画参加作品「魔法少女学園都市レピドプテラ -small cabbage white-」の解説編その3です。

・マイセリア サイアニリス Myscelia cyaniris
所属:リーリアメティヘンシューラ
学年:高等部2年
固有魔法:周囲の空間に溶け込む
メディウムの魔法:変身、武器(銃器)の生成、身体能力強化
一人称:私
ラパエを狙って襲来したリーリアメティヘンシューラの諜報員。
性格は生真面目で堅苦しく、上からの命令に従順。
サルペとは諜報員仲間だった。
魔法少女姿は青紫色の軍服のような服装。
髪はボブカットである。
通称はサイア。
名前の由来だが、和名がまだついていないような蝶のようだ(一応英語名は『blue wave』とか『blue-banded purplewing 』とのこと)。
ちなみに本編では「サイアニス」と表記していたが、正しくは「サイアニリス」である。

〈学園〉
・櫻女学院 Sakura Jogakuin
レピドプテラに所在する学園の1つ。
いわゆる無名の学園の1つではあるが、それ故に他の学園とのトラブルは少ない。
制服は桜色のセーラーワンピース。

・リーリアメティヘンシューラ Lilie Madchenschle
レピドプテラの有力な学園の1つ。
レピドプテラ内での勢力維持のため、生徒会直属の諜報員が存在し、レピドプテラ内で暗躍している。
制服は黒い軍服のようなもの。