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紅狗造物茶会 Act 3

「お前、どうしてそんなに保護者が“絶対”なんだよ」
別に無視したってよくねぇか?とナツィは膝に頬杖をつく。
「第一お前のきょうだいの露夏は年中その辺ふらふらしてるし」
お前だって自由にやってもよくね?とナツィは呟く。
その言葉に露夏が、ちょっ、ナハツェーラー、と声を上げる。
「うちの夏緒には夏緒なりの理由があるんだぞ?」
お前が文句つける筋合いなんかねーよ、と露夏はナツィを睨む。
ナツィは、はいはいと適当に答える。
「お前ん家は保護者が厳しいんだろ?」
「そ、それは語弊があるし…」
露夏はナツィに対し食い下がるが、ここで不意に夏緒があっ、と声を上げた。
人工精霊たちが夏緒の方を見ると、夏緒は公園の入り口の方に立つ長身のコドモに目を向けていた。
そのコドモは傘をさしながら木陰の方に近づいてくる。
「磨衣(まい)ちゃん」
夏緒がそう言うと、磨衣と呼ばれる赤い長髪で白いつば広帽を被ったコドモは夏緒、と声をかける。
「急に雨が降り出したから、心配してきちゃった」
磨衣がそう言うと、夏緒は、迎えに来てくれたんだ!と飛び跳ねた。
と、ここでキヲンが夏緒に歩み寄りつつ、だぁれこの子?と尋ねる。
すると露夏が、こいつは磨衣と紹介した。

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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 25個目のエピソード記念! 作者からのごあいさつ

どうも「ハブ ア ウィル ―異能力者たち―」の作者です。
この度「ハブ ア ウィル ―異能力者たち―」は25個目のエピソードが完結いたしました~‼
20個目のエピソードからまさかの2年以上…時間かかり過ぎだろ(笑)!
でもあっという間だったな。

「25.」のラストのタグに「やぁぁぁっと終わった!」とかつけちゃったせいで「完結ですか⁈」というレスを頂いてしまったのですが「20個目のエピソード記念! 作者からのごあいさつ」で(2年も前だから誰も覚えてなさそうだけど)言った通り、この物語は”27個目のエピソード”で完結にするつもりです。
…まぁ、まだ書きたい番外編や過去編があるので27個目のエピソードが終わったあとも投稿は続く可能性がありますが、とりあえずここでおしまいではありません!
なーんか綺麗な終わり方してるけど、まだまだ話は続きますよ‼
だって各エピソードのタイトルにはその話のメインに据えられる異能力者の”異能力名/異能力者としての名前”が使われるのに、登場済でまだ主役回が出てない人がいるじゃないですか(もう2年くらい出てきてない気がするけど)!
という訳で(誰とは言わんが)次はソイツのお当番回です!
ぜひお楽しみに‼

…と、啖呵を切ってみましたが、次のエピソードの執筆に全然手をつけられていないんですよね~。
本当に1文字も書けていないし、並行で動かしている「造物茶会シリーズ」も執筆が滞っているので、2作を年度内に終わらせられるか微妙になってきています。
とにかく「ハブ ア ウィル」は頑張れば終わりそうなんですけど、「造物茶会」がどうなるか怪しいのが現状です。
まぁ今年度内に終わらなかったらそれはそれで、大学卒業後もここに出入りすればいいんですけどね(笑)!
とりあえず「造物茶会シリーズ」の次エピソード(第13弾)は今頑張って書いているので、来月には投稿できるように頑張ります。

というわけで、まだ語りたいけど今回はここまで。
今度「ハブ ア ウィル」のエピソードを投稿するとしたら「26.」かもしれないし、劇場版的ノリの番外編かもしれないけど、お楽しみに。
そろそろ字数制限に引っ掛かるので、今回はこの辺で!
テトモンよ永遠に!でした~‼

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【再掲】Tell us terrible Terrors:設定 能力者の組織

・”妖記廊”
日本の”語部”支援機構。公的文書に名前が挙がることは無いが、政府や皇室にも存在を認可されている公的秘密組織。日本各地への能力者養成校設置、組合運営、国家規模での対怪異防衛戦略などを一手に担う、日本の”語部”のトップ。ちなみに日本の能力者支援の手厚さは世界トップクラス。2位が中国で3位がイギリスらしい。

・能力者養成校
各都道府県に最低1つ以上設置されている私立学校。ほとんどの都道府県には1校設置されており、例外として人口の多い東京と歴史のある京都には3校、面積のある北海道と妖怪伝承が多い岩手には4校、出雲大社のある島根と伊勢神宮のある三重には2校設置されている。日本全国で合計59か所。
いずれも幼稚園から大学までのエスカレーター式。中途編入や進学時に学園外に出ることは可能だし、一応“語部”と無関係の外部生も入学できる。最大の特徴として、文部科学省が定める通常の学習課程に加えて、『怪異学』と『能力制御』のカリキュラムが組み込まれていることがある。通常教育でカモフラージュされているため、一般人からは普通の私立校として見られている。
日本国内で新たに誕生した”語部”は”妖記廊”所属のある”語部”の能力によって即座に存在を把握され、進路を養成校に誘導される。
”語部”を取り逃さないために、入学者及び家族には手厚い支援が為される。

能力設定
【チェンジリング】
略霊:『赤子の誕生』を感知する能力。『赤子』の定義を『特定概念に新規に該当するようになった存在』と再解釈することで、日本国内における新たな”語部”の出現を察知することができるようになった。
備考:”妖記廊”所属のとある”語部”の能力。この力によって国内における能力者の誕生を感知し、即座に保護工作を講じることができる。

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第一部のあとがきみたいな追記みたいなもん

 みなさんこんにちは! もし今回の小説をここまで読んでくださった方がいたなら、こんなに長いのにどうもありがとうございました。とっても重くて湿っぽかったのに、本当にお疲れ様でした。

 今回は自分の今ハマっている要素を詰め込んだ結果になります。おおよそ書き終わったのが1カ月とか2カ月前なので、読み返してみると、甘々すぎて胃もたれ起こすような部分もあり、当時の自分の精神状態が心配になるところもあり、という感じでたくさんびっくりしました。
 特に、戦闘後のギスギス(どころの話じゃないデートDV)シーンは、このシーン書きたいがために戦闘シーン入れたというレベルで書きたい部分でしたが、読み返すとアッドが擁護できないくらい酷いし、ファナがあまりに可哀想だし、そもそも反映されるかどうかわからなかったので自主規制してあんな感じになりました。本当はアッドくんがファナちゃんの手にトバルカインを思いっきりぶっ刺して地面に固定されたファナちゃんがばたばたする、というシーンでした。

 他のシーンで追記すると、謎に始まった最後のカウンセリングは、2人がちょっとマトモに見えるように書いた部分なのでとっても不自然でしたね。あとは、私がオリジナルながらファナちゃん好きすぎてその可哀想な思考回路をお見せしたかったというのと、アッド君が今のところただのクズヤロウになってたのでちょっと擁護してあげたかったという意味もあります。私は2人とも大好きです。好きじゃないキャラなんか作りようがありません。

 第二部に関してですが、第一部だけでも話はひと段落しているし、第二部は予定では多少社会派になってしまって余計読んでもらう意識が薄いものになってしまうので、ここまででも十分かなとも思っています。ただ、いろいろと伏線を張ったり、そもそも「彼らが処分されるまでの物語」なのに処分されてないという問題も残ったりなのでぷんやりと書き続けようとは思います。

 書き溜めが尽きているのと、ナニガシさんの企画のも書きたいのでいったんここで区切りという感じになります。

 この度は早く更新したいがために多少雑な仕上がりになってしまったことは、申し訳なく思っています。でも、すてきな企画を用意してくださったテトモンさん、本当にありがとうございました!

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Tell us terrible Terrors:のろい、まじない、きりはらい その⑤

「世の中知らないことだらけですねぇ……えっと、略霊能力の効果は……あぁー!」
「ん、どうした?」
「だからあの写真の顔、全然印象に残らないんだぁ! 目ぇ外した瞬間に何か記憶が朧ろげになると思ってたんですよねぇ~」
燿子の言葉に、清嘉も出力された記述を確認する。
「……はー、なるほどなぁ……むしろよく写真残せたよなぁ。っつーか写真でも効果発揮すんのかすげぇ能力だな……」
「わー、異聞能力もシンプルに攻撃力高いですねー。ま、情報はゲットできたんで。作戦立てていきましょっか」
燿子はタイプライターから手を離し、自身の略霊能力を終了させた。
「それで、どうしますかセンパイ? 現状唯一の手掛かりなこの写真、目を離した瞬間証拠能力失いますよ。私の能力で何とかします? あのタイプライター、キーすっごい重いからあんま使いたくないんですけど……センパイが言うなら無理しますよ?」
(なら別の道具使えば良いのに……)
清嘉はその指摘を飲み込んで答えた。
「いや、写真1枚あれば、位置掴むだけなら俺ができるよ」
「へぇ~、そういやセンパイの能力知らないですねぇ。何なんです?」
「あぁ、【メリーさん】だよ。おいで、“メリーさん”」
清嘉が虚空に呼びかけると、何も無かったはずの空間に突如、背丈60㎝程度の赤と黒を基調としたロリータ衣装の少女が現れた。
「わぁ可愛い~。ほっぺたモチモチしてる~」
燿子はその召喚体を抱き上げ、両頬をもちもちと弄り始めた。
「やめたげて……“メリーさん”、この写真の子のところに行ってくれるか?」
召喚体は清嘉を見上げて頷くと、燿子の腕の中から一瞬で姿を消した。
「あー……もっと愛でたかったです……」
「後でね? あと、もう見つけたよ」
「はっや。足立センパイってもしかして天才?」
「“メリーさん”がすごいんだよ……あ」
「どしたの」
「いや……ターゲットが移動してるっぽい……とりあえず追いかけようか」
「りょーかぃ」
二人は空き教室の状態を入室前と同等に片付けてから、学校を後にした。

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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 25.ヴァンピレス ㊳

「僕は、きみを、止めに来た」
「そんな、どうして」
ヴァンピレスはつい後ずさる。
「わらわは、別に、悪い事なんて、そんな」
「君は、たくさんの人に迷惑をかけた」
ヴァンピレスの言葉を遮るように、逢賀さんは続ける。
その瞳は鮮やかな鮮紅色に輝いていた。
「たくさんの人の”大切なもの”を奪い、”大切な絆”を、壊した」
その”報い”は、必ず受けなければならない…と逢賀さんことヴァンパイアはヴァンピレスに近付く。
ヴァンピレスはおびえたように後退するが、その途中でつまずき尻もちをついた。
「これ以上、きみに誰かの”大切”を壊させないために、きみ自身の手を、これ以上汚させないために」
僕はきみを、止める‼とヴァンパイアは右手に銀色の長剣を生成し、ヴァンピレスに向かって走り出す。
ヴァンピレスは後ずさろうとするが、身体が思うように動かないのか地面の上で身じろぎするだけだった。
このままでは、ヴァンピレスの異能力は、奪われる。
…つまり、記憶が奪われるという事。
ただでさえ寂しい思いをし続けてきた彼女が、記憶を失ったらどうなるだろう。
ただでさえ、1人で物憂げな表情をしていたというのに…

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小説企画:Tell us terrible Terrors イントロダクション

時は現代、所は日本。怪異蔓延る世の中に、密かに生きる異能者たちの物語。
人々の囁き伝える恐怖の噂話が形を成した存在、それが『怪異』である。怪異たちは本能のままにその力を振るい、人々を恐怖に陥れていた。それらと戦う才をもつ唯一の存在が、“語部(テラー)”と呼ばれる特殊能力者たちである。
“語部”たちは、巷説の具現たる『都市伝説の怪異』の力をその身に下ろし、己の能力として操ることで怪異存在や既死存在たちを打ち祓う。
日常の裏側で繰り広げられる彼らの尽力によって、世間は今日も平和なひと時を享受しているのである。


といった感じの企画を用意したので、時間とやる気のある方は参加していただけると嬉しいです。詳細な設定はこの後どんどんぶん投げていくので、今回は企画要綱のみとなります。
この後出てくる設定を使って、好き勝手小説やポエムを書きましょう。大切なのは既存の世界に土足で踏み込む勇気。
開催期間は今年の9月末までです。何故なら大学生の夏休みは9月に差し掛かるから。
参加してくださる方は、タグに『Tell us terrible Terrors』または『TTT』と入れて投稿してください。略称の方だとスペルミスしなくて良いから楽だぞ。
皆さま奮ってご参加ください。また、設定に疑問などあればコメント欄にお願いします。

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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 25.ヴァンピレス ㉜

「それに、彼女をこれ以上孤独にはしたくないから」
だから、わたしを連れて行って、とわたしはネロの目をじっと見据えた。
ネロは、アンタ…と呟きかけるが、ここで見つけたわよ、ネクロマンサーと聞き覚えのある声が聞こえる。
ネロの後方十メートル程の所を見ると、白いミニワンピースに白いコート、そして長い髪をツインテールにし、瞳を赤黒く光らせた白い鞭を手に持つ少女…ヴァンピレスが立っていた。
「今日は貴女の方から襲ってきたから何かあると思っていたけど…」
貴女、わらわを奪おうって言うのね、とヴァンピレスはにやりと笑う。
ネロは、アンタ立ち聞きしてたのかよ!と叫んで、その目を赤紫色に光らせた。
「あらあら、わらわが奪った異能力を使っただけの事よ?」
別に怒る事でもないわ、とヴァンピレスは小首を傾げてみせる。
そんな彼女に、ネロことネクロマンサーはアンタ…!と憤りの声を上げるが、ここでわたしはねぇ、と声をかけた。
「あなた…ヴァンピレスは、どうして他の人の異能力を奪うの?」
わたしの質問に、ヴァンピレスは、あら貴女、随分度胸があるのねと返す。
「さすが、わらわの”提案”を断っただけあるわ」
「質問に答えて‼」
話を逸らそうとするヴァンピレスに対し、わたしはそう要求した。
それに対しヴァンピレスは少し不満そうな顔をしつつ、そうねぇ…と答える。

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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 25.ヴァンピレス ㉚

ヴァンピレスから異能力を奪い取る作戦を止める、とわたしが決めてから暫く。
わたしは寿々谷駅周辺のあちこちを走り回っていた。
…というのも、なんだかんだ半年以上ネロ達と一緒にいて、互いの連絡先を交換していないのだ。
一応ネロ達と逢賀さんの作戦会議の場に同席しているので、大体どの辺りで作戦を決行するかは分かっている。
しかし、ヴァンピレスをどのタイミングで襲撃するかは逢賀さんが連絡したタイミングで、という事になっているため、どこか別の場所でネロ達が待機している可能性があった。
「どこ行ったんだろう…」
路地を早歩きしつつ、わたしはそう呟く。
とりあえず、いつもの駄菓子屋でいつも店番をしているおばあちゃんにもネロ達を見ていないか聞いたが、今日は見ていないという。
もしかしたら既に作戦は終わっているのかもしれないが…そうであって欲しくない。
わたしは一縷の望みをかけて、路地を駆け出した。
とにかく、異能力を使うのだから人目につかない所のはずだ…
そう考えつつ路地の十字路にさしかかった時、不意に見覚えのある小柄な少女が路地の角から転がり出てきた。
わたしは自分の足元から立ち上がろうとするその少女…ネロと目が合う。

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