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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 23.オウリュウ ⑭

「ヴァンピレス‼」
何で出てきた⁈とネロが怒号を上げる。
「何でって、わらわは異能力を奪いに参りましたの」
貴方がたの、ね‼と不敵な笑みを浮かべながら、ヴァンピレスはその右手に白い鞭を出してわたし達に向けて振るった。
ネロは咄嗟に目を赤紫色に光らせて右手に黒い鎌を出し、それでヴァンピレスの鞭…具象体を受け止める。
「ネクロ‼」
耀平が思わず声を上げるが、ネクロマンサーは皆逃げろ!と叫ぶ。
「コイツはボクが、ここで食い止める‼」
ネクロマンサーは具象体の黒い鎌を振るって白い鞭を弾いた。
弾かれた白い鞭はヴァンピレスの元へ縮むように戻っていき、持ち主のヴァンピレスは不機嫌そうに顔をしかめる。
「あら、抵抗すると言うのね?」
その言葉にネクロマンサーは、当ったり前だぁ‼と言い返した。
「ボクらの大切な一部を、奪われてたまるかぁ!」
ネクロマンサーはそう声を上げると、ヴァンピレスに向かって駆け出す。
「…よし、今の内に逃げるぞ!」
ネクロマンサーがヴァンピレスを食い止めている姿を見てから、耀平はわたし達4人に声をかけた。
わたし、黎、師郎は静かに頷く。
しかし霞さんは状況が飲み込めていないのか、あ、うん…とぎこちなく返した。
そんな霞さんを見た耀平は、行こう!と彼の手を取って走り出し、わたし達もそのあとに続いた。

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あなたも入る?ようこそいか教へ!続き3

第二章 イカの心得って?
そして、爆速で廊下を走り、なんとかホームルームに間に合い、1時間目を受け終わった二人であった。。。
休み時間______
「・・・それで、いか教って何をするの?」
「うむ、まずはいか教3つの心得を教えてやろう!」
「3つの心得?」
「うむ、まずは毎日イカを食べること!」
げっそんなぁあ。。。アレルギーになっちゃうよお
「そして!」
まだあるの?
「給食のときには必ずしもいかのおかわりを第一にすること!」
え〜まあ、いか、好きだからいいけどさあ。
「最後に!」
多くない?
「回転寿司ではイカのお寿司を6個は食べること!」
ええええええええ!
「ちなみにわしはイカしか食べんぞい。」
はぁぁぁぁぁぁぁぁ?!狂ってるんじゃ。。。
「ま、そういうことで我が信者よ、よろしゅうな!ああ、あと日頃は信者を多くする活動を。。。なんちゃらかんちゃら」
ああもう、なにこれ。やっぱり変な人に出会っちゃったな。
「〜〜〜だから、良いか!」
私は耳にタコができるほどの説明にむしゃくしゃした勢いで、
「う〜んもう!はいはいわかりましたよぉ!信者になりますぅ!!」
と答えてしまった。あああああああああやってしまったー!私はうつ伏せ状態になった。こんなことしたら私の新しい第1歩を踏み外したことになるじゃないか!(失礼)もう、きっと雀は嬉しそな顔をしているんだ。。。そして私が顔を上げるとそこには。。。
「ヒックヒックぐすん。。。え〜んえ〜ん」
雀が泣いていた。は、はぁ?!な、ないてる?もしかして、泣かせちゃった?!
「ど、どうしたの?」
「だって、だって、断られるかと思ったんだもん。。。みんな、私が誘っても、断ってどこかに行っちゃうの。。。」
断れるようなことするなよ。。。そんな気持ちもありながらも私は優しく雀を撫でた私であった。続く。。。

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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 23.オウリュウ ⑦

「…君は、引っ込み思案なんだねぇ」
「⁈」
霞さんの急な発言に、黎は驚いて飛び跳ねる。
霞さんはまた笑った。
「この子はどうして耀平くん達と一緒にいるようになったの?」
霞さんが師郎にそう目を向けると、師郎はあぁ、それは…と黎の方を見やる。
「黎はネロと耀平が拾ったようなものなんすよ」
夏の雨の日に、ネロが傘貸してやったのが縁だそうな、と師郎は腕を組んだ。
へー、と霞さんはうなずいた。
「なんだか不思議なもんだね~」
「そうなんすよ」
俺達は偶然が重なって一緒に行動するようになったんで、と師郎は笑い返した。
すると霞さんは不意に…僕もそうだよと呟く。
わたしや黎は驚いて霞さんの方を見た。
「僕だって、長らく独りだったんだから」
霞さんのどこか寂しげな呟きに、わたしと師郎は目をぱちくりさせる。
それに気付いたのか霞さんは、あーごめんごめんこっちの話と手を振って苦笑いした。
わたしは何の事だろうと不思議に思うが、師郎はふと側にいる黎がゲームセンターの外に目を向けている事に気付いたのか彼に話しかける。
「黎、どうかしたか?」
師郎がそう聞くと、黎は彼の方を見て横に首を振った。
師郎は、そうかと答えると、ネロと耀平が攻略に四苦八苦しているクレーンゲームの方に目を向けた。

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磨羯造物茶会 Act 15

「そう来たか!」
ナツィはそう呟いてる短剣を鞘に納めると、上着のポケットにしまって大鎌を構える。
そして翼を羽ばたかせてカプリコルヌスに向かって下降し、自身の目の前に迫ってきたカプリコルヌスの、騎槍による刺突を大鎌の柄で受け止めた。
しかしカプリコルヌスは騎槍を自らの身体の方に寄せて大鎌をかわし、再度ナツィの頭を目がけて騎槍を突き出す。
ナツィは首を傾げるように頭を動かしてそれを避けた。
「…お前、手を抜いているな?」
「お前こそどうなんだ⁇」
カプリコルヌスとナツィはそう短く言葉を交わすと、互いに地上へ後ずさるように舞い降りる。
そしてお互いに互いの得物を構えて睨み合った。
「…」
少しの睨み合いの末、ナツィが先に走り出す。
ナツィは大鎌を斜めに構え、真っ直ぐにカプリコルヌスに接近した。
カプリコルヌスもまた騎槍をナツィにしっかり向けて駆けていく。
そしてナツィは大鎌でカプリコルヌスに斬りかかる。
だがカプリコルヌスは騎槍を少し斜め上に向けることで大鎌を受け止めた。
ナツィは大鎌を騎槍の上を滑らせてカプリコルヌスの手に刃を当てようとする。
しかしそれに気付いたカプリコルヌスはパッと騎槍を手の中から消した。

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