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Flowering Dolly;STRONGYLODON 解説編 1

企画参加作品「Flowering Dolly;STRONGYLODON」の解説編その1です。

・ストロンギロドン Strongylodon
モチーフ:Strongylodon macrobotrys(ヒスイカズラ)
身長:167cm 一人称:僕 紋様の位置:左手の甲 固有武器:翡翠色の長剣
翡翠色のジャケットとスラックスに白いブラウスで青緑色の髪のドーリィ。
飄々としており、掴みどころがない。
過去にマスターを失ったことで戦意を失い、ドーリィとしての本能が次のマスターの元へ自らを引き寄せようとも適合者と契約しないようにしていた。
物語の中で強かったのは覚醒による補正みたいなものかもしれない。

・幣島 祢望(少年) Heijima Nemo(The boy)
身長:153cm 一人称:ぼく
ストロンギロドンに何かと遭遇していた少年。
学年は小5。
平凡な感じの子だが芯はある。
ストロンギロドンの正体と自分に近付く理由、そしてその過去を知って、彼女のマスターになることを選んだ。
ちなみにフルネームは本編内で出そうとしたけど上手くいかず、ここで出すことになってしまった。
ちなみにリコリスのマスター・喰田 麗暖は同級生である。

・ストロンギロドンの前のマスター The former master of Strongylodon
ストロンギロドンの前のマスターだった少女。
年齢は中学生くらい。
ドーリィ・マスターとしてその責務を全うしようとした健気な子。
住んでいた街がビーストの襲撃にあった際、ストロンギロドンを置いて避難できなかったのか彼女の元に戻ろうとして亡くなってしまう。
彼女の死はストロンギロドンの心に影を落とすことになった。
実は名前が一応あるけど出さなくていいかなってことで出さない。

その2へ続く。

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Flowering Dolly;STRONGYLODON Act 11

「…」
青緑色の髪の少女は地面に着地すると、静かに後ろを振り向く。呆然と少女の戦いを見ていたドーリィたちはハッと我に返った。
「貴女…」
リコリスはそう言いかけるが、青緑色の髪の少女は前を向いて歩き出す。リコリスはあ、ちょっと⁈と彼女を追いかけ始めた。ゼフィランサスとアガパンサスもリコリスに続く。
「どこへ行くんですの⁈」
「どこって少年たちが避難している所だよ」
「それは分かっていますけれど…」
貴女、どうして急に戦う気になったんですの?とリコリスが尋ねると、青緑色の髪の少女はぴたと足を止める。
「やっぱり、アテクシたちを…」
「別に、君たちを助けたいからとかじゃないよ」
リコリスが言い終える前に青緑色の髪の少女は返す。
「僕はまた戦う理由ができた、それだけさ」
少女がそう言っていると、あ!と聞き覚えのある声が聞こえた。
ドーリィたちが見ると裏通りから避難所に逃げていた少年の姿が見えた。その傍にはドーリィ・マスターたちもいる。
「さて、マスターたちの所に戻ろうかね」
青緑色の髪の少女はそう呟くと、少年たちの方へ歩き出す。リコリスたちはその様子を後ろから黙って見ていたが、不意にリコリスはねぇ!と呼び止める。
「貴女、そう言えば名前を聞いてなかったけれど」
名前は?とリコリスは青緑色の髪の少女に尋ねる。少女は振り向かずに答える。
「…ストロンギロドン」
それが僕の名前さ、と少女はまた歩き出す。
リコリスたちはその様子を静かに見送った。

〈おわり〉

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Flowering Dolly;STRONGYLODON Act 10

「ご機嫌はいかがかい」
僕はまぁまぁなんだけど、と少女は首を傾げる。ビーストは唸り声を上げるが、少女はこう言った。
「…残念だけど君にはここで退場してもらおうか」
青緑色の髪の少女はそう言うと、ビーストの目の前から消えた。ビーストは目の前の少女がどこへ行ったのか困惑するが、突然背後に気配を感じた。ビーストが身をよじって後ろを見ると、翡翠色の長剣を持った少女が斬りかかってきていた。
「“{”{$‼︎」
ビーストは咄嗟に光壁を張って少女の攻撃を弾く。しかし少女は即座に姿を消して今度はビーストの頭部の右側に現れた。
ビーストはそちらに顔を向けて火球を吐くが相手は手に持つ長剣で火球を弾く。そしてまた瞬間移動してビーストの右目に長剣を突き立てた。
「€|${‘|*$]$\>\^]$\‼︎」
ビーストの右目からはドス黒い血が溢れ、ビーストは悲鳴を上げた。そのまま少女は瞬間移動し今度は左目に長剣を突き立てる。先程以上にビーストは絶叫し、その場でじたばたと暴れた。
「君には街を破壊したお仕置きが必要だね」
不意にビーストの目の前で少女の声が聞こえる。ビーストは火球を吐こうとするが、青緑色の髪の少女はすぐに高く飛び上がった。
そして少女は数十メートルの高所から長剣を構え、ビーストの目の前に来た所で長剣を振り下ろした。
ビーストの脳天は斬り裂かれ、ビーストはその場に崩れ落ちた。

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Flowering Dolly;STRONGYLODON Act 9

しかし逆に頭部分の皮膚はあまり硬くないため頭部を狙えば勝ち目がありそうだったが、このビーストは火球を口から吐くため簡単には攻略できなかった。
「アガパンサス」
不意にリコリスが名前を呼んだので、アガパンサスはどうしたのリコリス?と彼女の方を見る。
「貴女…ビーストを囲うようにバリアを張ることってできるかしら⁇」
急に聞かれてアガパンサスはえっと…と少し考える。
「多分できるわ」
「ならお願い!」
そう言うとリコリスはゼフィランサス!と声をかける。ゼフィランサスははいっ!と返した。
「貴女はアテクシと共にアガパンサスからビーストの気を逸らすわよ!」
「あ、はい!」
リコリスはビーストの後ろへ回り込むように走り出す。ゼフィランサスもそれに続く。
ビーストは2人を追いかけ始めたが、突然目の前の何かにぶつかった。アガパンサスがビーストの周りに光壁を張ったのだ。
「$~€|+{£|>|*{£_€_>‼︎」
ビーストは光壁を破壊しようと体当たりするが、光壁はびくともしない。
「今よ!」
2人共‼︎とアガパンサスが叫ぶと、リコリスは高く飛び上がって赤い2振りの刀を構える。そしてビーストがいる光壁の中に飛び込んでいった。
ビーストは口から火球を吐いて応戦するが、リコリスは火球を刀で弾く。そのまま彼女はビーストの脳天目がけて斬りかかった。
しかしリコリスはビーストの目の前で見えない壁のようなものに弾かれた。
「⁈」
何が起きているか分からないままリコリスは地面に落下する。ビーストがバリアを張った、そのことに彼女が気付いた頃には、ビーストが自らが生成した光壁でアガパンサスの光壁を破壊していた。
「…嘘でしょ」
ゼフィランサスが慌ててキャッチしたことでリコリスは無事地上に着地できたが、ビーストは逃げ出してしまった。
リコリスは思わず呆然とするが、不意にビーストは通りの真ん中で立ち止まった。ドーリィたちが見ると、ビーストの目の前には青緑色の髪で翡翠色のジャケットとスラックス、白いブラウスの少女が立っていた。その左手には青緑色の花の紋様が浮かび上がっている。
「貴女…まさか‼︎」
あの少年と!とリコリスは驚く。ゼフィランサスとアガパンサスも目を丸くした。
青緑色の髪の少女はビーストを見上げてやぁと微笑む。

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Flowering Dolly;STRONGYLODON Act 8

「どうせ戦えないし戦う気もないのだから、ここで全部終わらせるのが1番いい」
そうすれば、あの子の所にと青緑色の髪の少女は空を見上げる。少年は思わず俯いた。
「…そんなの、間違ってる」
間違ってるよ!と少年は叫ぶ。その言葉に青緑色の髪の少女はちらと少年の方を見た。
「大切な人を失ったからって、自分もいなくなっていい訳がないよ!」
なんで諦めちゃうんだよ!と少年は言う。青緑色の髪の少女はだってと呟く。
「もう僕には戦う意味なんて」
「意味はあるよ‼︎」
少年は彼女の言葉を遮るように声を上げる。
「…ぼくは、知ってる人に死んでほしくない」
例えあなたであっても、と少年は続ける。
「あなただって、知ってる人に死んでほしくないんじゃないんですか⁇」
だからぼくに逃げろって言うんでしょ、と少年はしゃがみ込む。
「なら、一緒に生きましょう」
せっかくならぼくはあなたと契約したって構わない、と少年は青緑色の髪の少女の目を見る。青緑色の髪の少女は思わず目を逸らす。
「で、でも、僕のマスターになったら君は」
「大丈夫です、ぼくは死にません」
ビーストなんかにやられないから、と少年は真剣な面持ちで言う。青緑色の髪の少女は目をぱちくりさせた。
「…本当にいいのかい、少年」
君は、もしかしたら過酷な目に遭うかもしれないよと青緑色の髪の少女は訊く。少年は分かってますと頷く。青緑色の髪の少女は暫くの沈黙ののち、ため息をついた。
「分かった」
そう言って青緑色の髪の少女は立ち上がる。
「君と契約しよう」
「うん」
少年がそう頷くと、少年と青緑色の髪の少女の左手の甲に青緑色の花の紋様が浮かび上がった。
「じゃ、行ってくる」
彼女がそう言って右手の指を鳴らすとパッとその場から消えた。

避難所となっている小学校近くの通りにて。
大型爬虫類のような姿のビーストが、3人のドーリィと戦っている。ドーリィたちはそれぞれ武器を携えて果敢に攻めるがビーストは周囲の建物を崩したり火球を吐いたりして応戦していた。
「…このままじゃラチが空かないわね」
2本の赤い刀でビーストに斬りかかったリコリスがふと呟く。相手のビーストの胴体の皮膚は鱗に覆われている訳でもないのに硬質で、魔力による強化をしても中々刃が通らなかった。

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Flowering Dolly;STRONGYLODON Act 7

「彼女は積極的に僕の“マスター”であろうとした」
学生ながら僕の戦いのサポートをしてくれてたし、僕も彼女に寂しい思いをさせないようにしてた、と青緑色の髪の少女は呟く。
「…だけどある日、僕らがいた町にビーストの群れが襲来した」
僕は町で数少ないドーリィだったから本気で戦ったし、マスターは住民の避難を手伝ってたと青緑色の髪の少女は言う。
「なのに」
マスターは、僕を置いて自分だけ逃げたくなかったのか、町に戻ろうとして…と青緑色の髪の少女は顔を手で覆う。
「ビーストに殺されてしまった」
青緑色の髪の少女は震える声で言う。
「僕が、どうにかビーストを倒し切って、マスターを探しに町の外の避難所へ行ったけど見つからなくて、それで町に戻ったら…」
青緑色の髪の少女の声に嗚咽が混じった。
「…僕のせいだ」
ドーリィにとってマスターは守らなきゃいけないものなのに、守りきれなかったと青緑色の髪の少女は肩を震わせる。
「こんな僕に戦う資格も、マスターを得る資格もないと思ったよ」
それなのに、と青緑色の髪の少女は続ける。
「僕の、ドーリィとしての“本能”が、僕自身を新たなマスターに適した人間の元へ引き寄せてしまうんだ!」
僕の“本能”が、戦えと言っているんだと青緑色の髪の少女は声を上げた。
「なんで、なんでなんだよ」
なんで僕は人間と違って、悲しむ余裕も与えられないんだよと青緑色の髪の少女は拳を膝に打ちつけた。少年はただ黙ってその様子を見下ろしていた。
「大変だ‼︎」
不意に、2人の耳に体育館の正面入り口の方から騒ぎ声が聞こえた。
「ビーストが、ビーストが、避難所に向かってきてる‼︎」
なんだって⁈やそんなぁと避難所の人々に動揺が広がる。少年は思わず避難所内の方を見て呆然とした。
「…少年」
不意に青緑色の髪の少女が呟いたので、少年は彼女の方を見る。
「今すぐここから逃げた方がいい」
じきにビーストがここを破壊する、と青緑色の髪の少女はこぼす。
「…あなたは、どうするんですか?」
少年がそう尋ねると、青緑色の髪の少女はどうするも何もと返す。
「僕は、ここに残るだけさ」
その言葉に少年は言葉を失う。