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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 2.コマイヌ ⑯

「”コマイヌ”、能力発動時はただでさえ目の色目立つんだからフード被れよ」
そう言いながら、ネロは彼のウィンドブレーカーのフードをひっつかんだ。
「あー忘れてた。でもお前の赤紫もめっちゃ目立つじゃん」
耀平、いいや”コマイヌ”が笑いながらフードを被った。
「そうだネロ、お前もちょっと手伝えよ」
何を思いついたのか、不意に彼は言った。
「は…あーはいはい、分かった分かった」
ネロは一瞬、意味が分からないという表情をしたが、すぐに理解したのかその目をあの時と同じ赤紫色に光らせた。
「んじゃ、行くぞー」
そう言って”コマイヌ”はおもむろに歩き出した。
その少し後ろにネロ、いや”ネクロマンサー”が付いて行った。
「そいじゃ俺たちも行くかーっ」
師郎のその言葉に、黎が微かにうなずいた。
「…ちょっと待って行くって…」
わたしはまた目の前でことがどんどん進んでいるせいで、混乱していた。
「ぐずぐずしてると置いてかれるぞ? アイツどんどん先へ行くから」
そう言って笑いながら師郎はコマイヌの背を指さした。
「そもそも彼…”コマイヌ”はどうやってわたしのストラップ探すの? 探す対象見たことないだろうし、そもそもわたしがどうやってここまで来たか知らないよね?」
思わずそう聞くと、師郎はちょっと驚いた。

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愛をください

「ちょっとそこのおにーさん」
「何だお前。娼婦か何かか?」
「な訳無いでしょう。ただの世界に絶望したちっぽけな少女ですよ」
「ほう。で、そのちっぽけな少女が何の用だ?」
「世界に絶望した私ですが、そんな私でも『愛』ってものを知れば、まだ生きる気力がわいてくるんじゃないかな、なんて思ったりしたわけで」
「それで、僕に何をしろと?」
「はい、私に貴方の愛をほんの少し分けてください」
「無理だ。僕は物質至上主義の人間なんでね。そんな不確実な概念をどうこう、みたいなのは他所でやってくれ」
「まあまあそう言わず。もしも愛が与えたり貰ったりできるものなら、物質的な愛もあるかもしれないでしょう?一緒に探してください」
「『物質的な愛』か。なかなか面白いことを言うな。…ふむ。ではその発言に免じて少しくらいは付き合ってやろう」
「うわーいありがとうございます!」



「で、あれからもうひと月ほど経つが、愛は見つかったか?」
「さあ…。よくそんなに私に付き合ってくれましたね」
「それもそうだな。もう2週間早く諦めてた方が良かったんじゃないかと思わないことも無いが、せっかくだから最後まで付き合ってやろう」
「貴方、良い人ですね」
「止めてくれ。そいつぁあ買い被り過ぎってもんだ」
「もしかしたら愛ってものが見つかったかもしれません」
「ほう、唐突だな」
「ええ、大分唐突だと自分でも思います」
「何も無かったよな?」
「そうですねぇ。ところで神学的には、愛というものは4つに分類されるとか」
「へえ」
「神の絶対愛、隣人愛、友愛、恋愛の4つだそうです」
「それで?」
「まあ、そういうことです」