零点回帰
愚か者が喚いた言葉 その声が虚しく響くまま
捻くれ者が遺した刃 この煌めきが澄んだまま
止められない時間を ただ眺めているだけなら
いっそゼロに巻き戻して 目を凝らしてみろよ
唆された使命者たちの ゾンビと化した身体が
重力に導かれないまま 悲しみも見捨てられた
引力に逆らってはみたが 描ける回帰線はない
それらしい色彩を選んで それらしく生きてた
流れる血の色をした華 まだ蕾のまま摘まれて
獣たちの叫ぶ声 猛り狂って大人びた小心者供
金縛りの解ける音 幻覚でも現実でも何方でも
と、ここまでそれらしい立派な御託を並べて、
言いたいことは何のことはない『ただいま。』
聞きたい言葉は何の変哲もない『おかえり。』