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シュー、ゴトン ゴトン ゴトン
あなたは帰り道、満員電車に揺られている。窓を見ているが、どうがんばっても見えるのは夜景ではなく黒く映るくたびれた車内である。つり革を掴む右手、腕時計は午後11時52分をさす。
次があなたの降りる駅。あなたの最寄り駅は降りる人が少ないため、あなたはいつも降ります、降りますと人波を掻きわけなければならない。それが嫌で、せっかく家に着くというのに、駅が近づくと憂鬱さが増してしまう。
いよいよ駅名がアナウンスされたそのとき、ふと隣の若者と夜景越しに目があう。その顔が少し笑ったような気がした、と、そのとたん。
トタン トタン、シュー 電車の止まる音。
彼は降ります、降りますと出口に向かっていく。自然と後をついていく形になるのだが、気がつくとあなたの右手は彼の左手とつながれている。
シュー、ゴトン トン トン トン
電車は若者とあなたを置いて走っていく。
お礼を言おうとしたあなたに、若者はあなたが初めて歯が抜けたころのあだ名で呼びかける。
そして、お誕生日おめでとう、とにこり。にこりとした頬がカマボコ板のようだと思ったとき、あなたは幼いころ一緒に暮らしていたカンガルーのことを思い出す。書き置きを残して一人旅にでたあのときのカンガルー。久しぶりの再会に涙をながすあなたに、彼はポケットからちょうどいいプレゼントを渡す。
あなたは贈り物を抱きながら、ポケットの中で誕生日を迎える。

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左右

繋いだ手は右左。
ダーリン離さないでよね。
せーので押したボタン。
答えはいつもサイダー。

イヤフォンは右左。
ダーリン離れないでよね。
同じ音楽、同じリズム、同じメロディ。


沈んでく感覚。君の手を掴む。
ほら右の手から左の手へ。
コードが変わったら。


さぁ、You and Meでshow time
心踊らせたい。だって二人のstage
逆説の逆説って結局は本当?
左右対称じゃないから、
バランスとっていこうじゃん。
ほらこっち向いて。


塞ぎあった耳で
聴いてた鼓動を
一つに合わせてしまいたくなる。
粗大な心で繋がる。

次第に昏れる道に、
ダーリン、影が伸びてきて
分かれ道を超えていくの


怯える真実。君の手から伝って、
ほら右の脳から左の脳へ、
フレーズを渡ったら。


さぁ、You and Meでshow time
そこらじゅうに振り撒いて
サクセスも何も最初からそこにある。
左右対称にならなくて、かなりいい感じじゃん。
じゃあねまた明日。


左右のどちらかが閉じてしまう時。
繋いでいられたら、それこそ幸せかも。
だからダーリン、離さないでよね。
きっと今まで通り、ただの右と左でしょ?


さぁ、You and Meでshow time
心踊らせたい。だって二人のstage
逆説の逆説って結局は本当?
左右対称じゃないから、
バランスとっていこうじゃん。
ほらこっち向いて。