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暗黒破壊王(ちょっと不憫)1

さて、やっと今年も私が自由に動ける日が来た!
何が入ってるか知らんがあの神輿重いんだよ!そのせいであれがどっか行くまで動けないんだよ...おまけにあれが境内に戻ると俺も引き戻されるときた
許すまじ、あの霊使い!
ヤツさえいなければ今頃この星の王は私だったというのに!
さて、今年もヤツがどこにいるか探すか...
確か、ヤツは遠方の生まれだと聞いたな...
あと探してないのは...あの月か
大気圏...だったっけ?あれ進みづらいんだよなぁ...
まぁ仕方ないか

向かうまでの間に私の話をしよう
私に名はない、必要ないからだ。だがこの辺の住民は「轟鬼」だの「禍凪」だの勝手に名付やがった。
名前があるとはすなわち存在が完全に認知されること、言ってみりゃ名は枷だ
それはすなわち力を持つ者がが俺達を倒せるということだ
そこを突かれた
当時最強だった俺をヤツはいとも簡単に封印しやがった
だから俺は再び最強となるためにヤツを探す
と、そろそろ着くな...

何もないなここ...都があると聞いていたが更地じゃないかよ!結界とかは俺には無いにも等しいから本当に無いのか...
その癖、変な旗が立ってるし...あれか、都はあの旗を立てたやつに滅ぼされたとかそういうやつか
あれ、なんか飛んできた...

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混沌の魔龍

「一生の不覚...落ちた...あんな見え見えだった穴に...」
少しが語弊あるようだから解説すると、はしごのかかったクレバスの片方が滑落し、そのまま重力のままに落下したといった具合だ
「立てねぇ...腰やったかなぁ...」
まぁ数十メートル落ちたのだから当然である
むしろ、生きてるだけ幸運だったのだ
まぁこいつはその幸運を無下にしてそのまま寝てしまった訳なのだが...

あれ、暖かい。どこだ、ここ?
「起きたか、まったく呑気なヤツだ。普通あの状況で寝るか?」
異形のドラゴン...いや竜人がいた
というのも、髪に隠れた片目が潰れてる上に角も左右で色や形、それに向いてる方向が違うしおまけに翼(?)みたいなのも左右で若干特徴から違う
総じて不気味な姿だ
「さて、何であんなところで寝てたんだ」
「落ちまして...」
「落ちた?あぁなるほど」
そのまま何かを始めた。何をしてるかは見えんが
「あの、助けてくれてありがとうございます。私はクピト、あなたは?」
少し考えて
「ケイオン」
「ケイオン?まさか、『天帝ケイオン』?」
「...今はただのはぐれ者だ」
天帝ケイオン、先の大戦の英雄。竜化の術を使える一族の出身なのだが紆余曲折あって人に戻れなくなったとの噂。その後、栄光をすべて捨てて失踪しそのまま狩られたとの噂だったのだが...
「俺を知ってるってことは帝都から来たのか」
「あぁ、まぁしがない商人さ。あんたこそ、帝都では死んだことになってるんだが」
「そうか...つまり、エルシオンは失脚した訳か」
「いや、残念ながらまだトップだ」
「そうか」
そのまま次の日まで会話は無かった

結局数日お世話になった
ほとんど彼のことはわからなかったけど、とにかく親切にしてくれた。
さらに、山の中腹まで送ってくれた
「ここをまっすぐだ、そうすれば帝都に帰れる」
「ありがとう、ケイオン。恩返しできないのが悔やまれるよ」
「それならいい、俺の趣味じゃない」
一息おいて
「それに、このザマだ」
「なぁ最後に、終戦の時に何があったか教えてくれないか?」
「なぁに、ヤツの罠にかかっただけだ」
「ヤツ」が何か聞こうと思ったが、有無を言わさずケイオンは飛び去った

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大乱の端

今は放置された旧ソ連軍の軍事基地跡地、得体の知れない物体と戯れる
彼の楽しみを引き裂くドアの音
「クッソ、またここに来るとは」
しっかりとした格好とは裏腹にがさつな言葉が飛び出る女が入ってきた
「...」
彼の表情は凍ったように無表情で、まるで無機物だ
「用件はなんだ、スクリーチ」
「アンリーシュ様の命令だよ。お前がこれを修理しろとさ」
黒いものが握られてる。砲塔の核のようだ
「音波砲か...スクリーチ、派手にやったな...高く付くぞ」
「私じゃねぇよ!ノックアウトの野郎がしくじったんだ。まったく、何で私が飛び回ることになるのかねぇ」
よほど不満だったらしい。が、彼は無視して続ける
「まぁいい、そこに試作機のヒートブレードがある。持ってくといい」
「おいおい、また爆発しねぇよな」
とは言いつつ手に取り素振りをする
「それはショックだな。今回も理論的に完璧だ」
「だといいがな」
試しにスクリーチは起動してみる。なるほど、今回は本当に大丈夫そうだ
「...4日はかかる。ウェーブに報告しておけ」
「ロジック、お前がやれよ」
「私は忙しい。報告ついでに溶液のタレットコアを持って来てくれ。場所はわかるだろスクリーチ」
「だからなんで私なんだ!」
「それが論理的だからだ」
折れたスクリーチスクリーチはぶつくさ言いながら部屋をあとにした

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ゲートマン

この星はあまり好きではなかった
昨日も、そして今日もそうだ
空気といい、飯といい、酷いの一言がよく似合う。

錆び付いた家に、軋む道...
まごうことなきいつも通りの日常だ。
違和感があるとすれば、今日は「町」にやたらと人が多い。しかも「町」では見覚えのないやつばかりだし、おまけに聞いたことのない言語で話してるんだから手に負えない...
そんなんだから、今日はいつもより早く職場に着いた。やることはないが、訳のわからないことを聞かれるよりはいい...

定刻、人が来ない。
何故だ。俺の仕事仲間にお人好しが多いとも思わないし、どちらかと言えばはみ出しものだ。よく分からない連中を助けるとも思えないし、何より危険なことはしない。そんな連中が来ない。どころかあのうるさい監督員すらいないのは妙だ...
待つ内に、何かのイメージが頭をよぎった。星と時計のモニュメント、この「町」のものでないのはわかるがなにかわからない。

昼、人は来ない上に腹も減ったから帰ることにした。
「町」は珍しく活気があった。年に一度の皇太子だか王子だかは知らないが、そいつが来るとき以来か
歩いているうちに、言い表せない違和感。「町」が「町」でないかのような感覚。愛着もないような所だが土地勘はある。それなのに違和感が覆い尽くしてきたのだ。

家、やかましく声が聞こえる。
たぶん外だろう。そう思ったときに何かが閃光のように駆け巡った。
そうして取り憑かれたかのように一言呟く


思い出した、僕は死んだんだった