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無幻の月-契約- 前編

やけに月明かりが強い夜だった。
やはり血というものはいい、生きてる実感が湧く。
とりあえず、「これ」を処理しなくてはな...選定に不備はないはずだが見つかるのは厄介だ...
そんなことを考えていた時だ、大賢者とかいうヤツが現れたのは

「ほう、面白い話だ」
「だからどうだい?朧木 桜(オボロギ サクラ)ちゃん、キミの望みを言ってみなさい?」
はて、私は名前なんて言ったか?それにしても自分の名など久々に聞いたな
「まずは真偽だ...そのファントムというのはどこにいる」
「ありゃ、珍しいねぇそっちを聞くの?まぁいいか、ヤツなら...」
大賢者が指差したのはさっき己の浴びた血の海だった。
「...どこだ」
「そうだった、普通の人には見えないんだった!...それならためしにこれを握りしめてみて」
拳大の石が手渡された。そうしてさっきのところに目線を戻す。
「あれは遊撃手ってところかな?キミが覚醒するのを待っている」
「...なるほど、亡霊(ファントム)というだけのことはある...」
そこにいたのは翼の生えた人型の怪物だった
「ならばいいだろう、お前を信用することにする...して一つ聞きたい」
「なんだい?」
「願いというのは必ず必要なものか?」
「それはどういうことだい?」
「そのままの意味だ」
「全く不思議な子だなぁ君は。確かに私は言ったはずだよ?アイテムはあくまで願いの対価だ」
そういえばそんなことを聞いた気はする...ある種、快感とは恐ろしいものだ。
...まてよ?こいつらなら人間を相手取るより楽しいか?ふむ、試してみる価値はあるな。
「私を戦わせろ」

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魔法譚 〜とりあえず企画概要

突然ですが知ってる人はこんばんは、そして初めての人ははじめまして。
テトモンよ永遠に!改め、“魔法の伝道師”大賢者の代弁者です。
突然ですが企画です。
タイトルは「魔法譚」(読み:まほうたん)
現代の魔法使い達の戦いと日常を皆さんと一緒に描いてもらおうという企画になっています。

世界観は、我々が住むこの世界とほとんど変わらない世界。
文明が発達し、魔法なんて非科学なものの存在がほぼ否定された世界で、“魔法の伝道師”「大賢者」は、魔法を扱う素質を持つコドモ達に願いを叶えるための“マジックアイテム”を与えて回っている。
そして、「大賢者」にマジックアイテムを渡された人々、“魔法使い”は、魔法使いを狩るバケモノ“ファントム”と人知れず戦いながら、日々を過ごしていた…

こんな感じです。
こういう世界観で、いろんな人たちに詩や小説を作って楽しんで欲しい、というのが今回のキモです。

お次は企画の開催期間&参加方法です。
開催期間:7月7日21時〜7月10日24時
参加方法は自分が作った作品に、「魔法譚」のタグをくっつけるだけでOK!

企画は初めてで自信がないって人でも大丈夫です!
自分も企画を作るの初めてだし…
設定もまだまだだし…

とりあえず、今回はここまで!
細かい用語設定はまた今度!

企画「魔法譚」は7月7日21時より開始‼︎

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魔法譚 〜イントロダクション Ⅱ

…まぁいいじゃないか。
人というのは変身願望を持つ生き物だし。
わたしはこういうの好きだよ?
だから変身機能ってものをマジックアイテムに付けたのさ。
あ、でも、マジックアイテムがなかったら変身できないからね?
そもそも、魔法は使えない。
例えマジックアイテムをなくしたり、壊しちゃったりしても、わたしは二度と同じものを作らない、というか作れない。
だからマジックアイテムをまた作って欲しいってわたしに言わないこと。
マジックアイテムをなくしてもファントムは変わらず襲ってくるから、絶対になくさないように。
あと、マジックアイテムを使うには、キミ達の精神の力が必要だ。
説明が難しいんだけど、マジックアイテムを使うってことは、自分の精神を削ることと同義なんだよ。
マジックアイテム自体に使用制限はないけれど、しょっちゅう使ってるとキミ達の精神が削れて、キミ達が壊れちゃうかもしれないんだ。
だからご使用は計画的に。
ま、時間が経てば、精神は回復するっちゃするからね、考えて使うべきだよ。
…どうだい?
キミ、魔法を使ってキミの望みを叶えないかい?
この通り、リスクもある。
でも、たった1つのマジックアイテムで、キミの望みは叶うんだ。
どんなことだってできる。
キミの可能性が、世界が、もっともっと広がるんだ。
…さぁ、どうするかい?
わたしに願いを伝えてくれれば、わたしの魔法でキミにピッタリのマジックアイテムを作ってあげることができる。
もちろん、願いはないとか、ファントムが怖いとか、嘘だ!って思うなら、さっさとこの場を離れても良い。
少し考えさせて…っていうのも、もちろんOK。
何をしてもキミの自由だ。
…さぁ、キミは、何を望む?

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魔法譚 〜イントロダクション Ⅰ

キミ、叶えたい願いはあるかい?
…え、なに? 何が言いたいのかって?
そりゃぁさっき言った通りさ。
叶えたい願い事はあるかいって。
ん? そもそもお前は何者かって?
わたしかい?
わたしはねぇ…そうだねぇ、たくさんの人から、「大賢者」と呼ばれている者さ。
は? 意味が分からないって?
まぁ、大抵の人はそう言うよ。
…わたしはね、一言で言うと、“魔法の伝道師”なのさ。
世界中を飛び回りながら、魔法を扱う素質があるコドモに、願いを叶えるための”マジックアイテム“を授けているんだ。
…そう、“願い”。
どんな願いも、わたしのマジックアイテムの力なら叶えることができる。
ちょっとしたお願い事から、叶いそうにない壮大な夢も。
わたしに任せれば実現することができるのさ。
…え、胡散臭い?
そう聞こえても仕方ないか。
よく言われるんだ、絶対ウラがあるでしょ、リスクがあるでしょって。
もちろん、それはイェスだ。
キミが魔法を使えるようになったとしても、きっと避けられない脅威がある。
…“ファントム”。
異方からやってくる、この世界の魔法が使える人を狩りに来るバケモノだ。
ファントムはみんなとてもとても恐ろしい姿をしていて、魔法が使える人の命を奪いに来る。
じゃあ魔法が使える人達は、ファントムから逃げて回ることしかできないって?
とんでもない!
実はね、マジックアイテムにはファントムと戦うための機能が付いてるんだよ。
使い方は簡単。
マジックアイテムを持って、変身しようと思えば一瞬さ。
ファントムと戦える姿になれて、ついでにマジックアイテムは武器になる。
これでファントムと戦える。
…あ〜、それ思いっきり魔法少女じゃん、プ○キュアじゃんって?
…うん、そうだね。
キミ達が知ってる言葉を使えば、まさにそんな感じだ。
でもこっちは男の子だって変身できるし、子供の頃にマジックアイテムを貰ってれば、大人だってできるよ⁇

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半分

「正午って一日の半分って感じしなくね?」
「なんだよ急に、今授業中だぞ」
「しなくね?」
「いや『しなくね?』じゃねえよ。確かに言いたいことはわかるけどさ。急にどうしたよ」
「今日で今年ちょうど半分過ぎたらしいじゃんか」
「らしいね」
「でもあんまりそんな実感無いじゃんか」
「そうでも無いと思うけど」
「そこは同意しろよ」
「なんでだよ」
「まあとにかく『もう半分?!』って思うわけよ。半分も経った感じしないわけよ。なんでだろうなぁって」
「いや知るかよ。人それぞれだろ」
「そんなん言っちまったらおしまいだろ!」
「うわあ大声出すなよ怒られるだろ」
「そこ、さっきから喋りすぎだ、言いたいことがあるなら前に来い」
「す、すんませーん。ほら怒られた」
「で、これって正午が一日の半分な感じしないのと同じ理由なのではと思うわけよ」
「まるで聞いてねえな。まあいいや。それで?」
「朝、いくら起きるのが早くても学校とか仕事とか、そういうのが始まるのってだいたい8時から9時くらいだろ」
「うん」
「対して夜寝るのは早くても10時、遅いと日付を越したりする」
「つまり実際俺たちが活動してる時間だけで見ると正午はもうちょい前半よりってことか」
「ご明察」
「いや別に大して明察ってねえよ」
「それと同じことが今日という日にも言えるんじゃあないか」
「と言うと」
「俺ら今年の前半、活動してないじゃん?」
「あ―――……。自粛?」
「それ。つまりこの半年間、俺らは半年分の活動ができてないんだ。ゆえに、なんだか短いような気がする。イベントが無さすぎるんだよ」
「まあそれはコービッドくんに言うしか」
「キャラっぽく言うなよ。とまあこう結論づけるわけだ」
「なるほどね」
「ハインフタンアイッヘオン」
「待て待て待て食いながら話すな。てか弁当食うなよ。まだ25分も授業あるぞ」
「アインシュタインが言ってた相対性理論的なあれだよ」
「あー、あれか。素敵な女性の隣に座ってる時はーってやつ。あ、お前後ろ」
「そうそう、それそれ。要するにあっ、俺の弁と……」
「…………」
「…………」
「昼休み職員室に来なさい」



「お、おかえり。どうだった?」
「3時間くらい経った気がする」

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口裂け女

ある日の夕方の事だった。
外出先からの帰り、ちょうど進行方向が西向きだったので、夕日の光を避けるために、地面に目をやりながら歩いていた。
ふと気付くと、目の前の地面に人の影が差していた。どうやら誰かが目の前に立ち止まっているようだ。そして、目を上げてしまった。今思えば、なぜあんな事をしてしまったのだろうか。ほんのちょっとだけ、進路を右か左にずらすだけで、それ以降の出来事を全て回避できたかもしれないのに。
そこには、一人の女性が立っていた。今の季節には合わない、真っ赤なコートを着て、顔の下半分をマスクで覆っている、やけに背の高い女性が。自分も決して背が高い方ではないが、それを鑑みても、185cm以上はあった。
『私、キレイ?』
「ポマ……」
しかし、そこより先を言うことはできなかった。『奴』の隠し持っていた草刈鎌の冷たい刃が、首筋にぴたりと当てられたのだ。
『私、キレイ?』
『奴』が再び訊いてきた。その笑っているようにも怒り狂っているようにも、はたまた泣きそうにも見える不気味で狂気的な目つきは、『普通』だの『まあまあです』だの、そういう中途半端な答えは一切受け付けない、という強い意志を感じさせた。
『私、キレイ?』
『奴』が少しいらいらしたように、再び訊いてきた。先程より首筋に当てられた鎌を持つ手に力が入る。どうやらよく手入れされているらしく、このまますっと刃を引けば、流血沙汰は避けられないだろう。
もはや猶予は無い。
「………答えは『NO』だ」
そう言いながら、『奴』が動き出す前に、持っていた鞄を『奴』の顔面目がけて、思い切り投げつけた。『奴』が咄嗟に空いている左手で顔を覆ったそのタイミングで、首に当てられた鎌の刃を避けて、元来た方向に全力で駆け出した。

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メリーさん3

あれから『奴』の攻撃をぎりぎりで躱しながら、夜の町を素足で逃げ回り続けていた。驚いたことに、『奴』は先程自分が投げ捨てた包丁を拾い、それで斬りかかってくるのだ。
「今、あなたの、後ろに居るの」
その『台詞』を聞くと同時に、転がるように避けてそのまま走る。足裏に感じるじっとりと気持ち悪い湿り気は冷や汗か、はたまたついに出血しだしたか。
しかし、いくら命がかかっていると言っても、体力には限界がある。一度立ち止まり、息を整えながらそこで『奴』を迎え撃つことにした。
「もしもし、私メリーさん。今、あなたの」
タイミングを合わせて自分の後ろに向けて回し蹴りを放つ。
「後ろに居るの」
『奴』は自分に向けて振るわれる蹴りを防ごうと腕を出した。しかし、その腕の出し方が以前とは若干異なるように見えた。
(ま、まずいッ!)
こちらが足を引っ込めてしまった。その直後、『奴』の手がそのままなら確かに『奴』に当たっていたであろう脚を掴むように空を切った。
慌てて距離を取る。
(何故だ……、包丁の攻撃は二撃とも腕を直撃した。逆に言えばそれらは『受けるしかなかった』攻撃なんだ。……まさか!)
今度は右手で殴るふりをして、当たる前にさっと引っ込める。やはり、この攻撃も『奴』は捕らえにきた。今度は道端に落ちていた石ころを投げると、また腕でガードした。
(なるほど。どうやらその攻撃が『人間の』、いや、恐らく『標的の体を直接使ったものの場合』はこちらを積極的に捕らえにくるが、それ以外は防御するだけなのか。避けたりはしないのか。しかし……)
それが分かったところで、今の自分にできることはひたすら逃げることだけである。