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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 4.フェアリー ③

彼女はおしゃべりで社交的だから、そこまでおかしいことではない。
最初はそう考えた。しかし―
「不見崎(みずさき)さーん、次何の授業だっけ~?」
「あ! 一緒に理科室行こー」
「ねぇ、まじ眠くない…?」
どうしてだか、その後も彼女からの接触は続いた。
話しかけられてつい疑問に思うのは、彼女の話しかけ方がどこかあからさまに理由があるような気がすることだった。
彼女の席の周りには、わたしだけではなく彼女の友達が何人かいるのに…なぜわたしに?
理由なんか分からない。いや、そもそも聞く勇気すらない。
ただ、何かありそうな気がしていた。
まぁ、ある程度の理由をもってわたしに関わってきた人がいるから、そのせいで疑心暗鬼になっているだけかもしれないけど。
でも、わたしにこんなに話しかけてくるのは笛吹さんだけで、彼女の取り巻き達は何もしてこないから、彼女は自分の意志でこんなことをしているのだろう。
むしろ、彼女の取り巻き達は、わたしが笛吹さんと一緒にいると若干冷ややかな視線を送ってくるので、彼女らは、わたしのことはどうでもいい、というかなぜ亜理那と一緒にいる?、と思っていることは確かだった。

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No music No life #8 アディショナルメモリー

時雨視点



「ねえ、あんたら誰?」
私が言い放った言葉は宙に浮いてる三人に届いているのだろうか。空いた窓の外に宙に人間ではない三人がいる。
「誰って聞かれると困るよね〜」
額にお札を貼ったキョンシーと思われる奴が喋った。
「まあ、異界の住人ってところでしょうね。」
そう吸血鬼が言うと、ゾンビが
「訳あって、君の仲間たちをこっちの世界に引きずりこまなきゃいけないんだ。」
と言った。
冗談ではないらしい。
「という訳で大人しく引きずりこまれてください。」
「無理に決まってる。」
「だよね〜」
刀を抜いて斬りかかろうとすると、
「やめとけ、時雨ちゃん。」
聞き慣れた声に止められた。
「チッ」
ゾンビと思われる奴の舌打ちが聞こえた。
「何で戦おうとしてるって分かったの?」
「長年の付き合いですからね(笑)」
そう結月は笑った。
「それにしても本気だね、時雨ちゃん。」
「そりゃ、みんなのためだからね。」
「時雨ちゃんが、君が、一人が、誰かが、抱える必要ないよ。」
「でも、私のせいで、みんなに迷惑かけてるじゃん!」
「私達は迷惑かけられる前提で貴方の隣にいるんですよ。」
「いくらでも、迷惑掛けてください。」
後から二人が言ってくれた。

「「「いくらでも付き合ってやるよ
そのわがままに。」」」

私は最高の仲間、いや、家族を持ったらしい。


【続く】

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世にも不思議な人々をリストアップ2

安芸 華世(リータ)
高校一年生のぽやんとした少女。背丈は145くらい。どうやら周りに人が集まって来る星の下に産まれたらしく、主人公以上に人徳があり周りに人が集まって来る。加えてあのチート能力。もしかしたら彼女が真の主人公なのかも…いやそんな馬鹿な。疑うということを知らないので、能力との相性がとても良い。
能力 メトロポリタン美術館
出来ると信じたことはどんなことでも出来る。少しでも疑う心があると発動しない。
作者のコメント
読み方は「あき はなよ」。もういっそキャラ名地名に由来させようかな。ところで一体通り魔ちゃんに何したの?

萩 美帆(マホ)
リータと同い年。生まれつきの障害で話すことができない。そのため能力との相性がすごい。
能力 少年と魔法のロボット
対象1名への一方通行のテレパシー。射程距離は50m。間に動物が入ると妨害されて少し短くなるが、植物だと枝葉や根を伝って若干伸びる。
作者のコメント
読み方は「はぎ みほ」。なんと本名とあだ名がニアミス。

伏見 清次(チャチャ)
21歳。大学二年生。……ああそうだよ浪人したんだよ一浪だよ何か文句あっか!身長は180くらいある。いつもコートを着てフードをかぶっている。コートには細工がしてあっていろいろ入ってる。
能力 おもちゃのチャチャチャ
道具を媒体にして様々な現象を起こす。どんな能力になるかは触れた瞬間分かる。
作者のコメント
読み方は「ふしみ せいじ」。名前の由来は観阿弥だったりする。作中で二番目に強いと思います。外見不審者。あと、苦労人というか常識人。

神子元 那由多
14歳。中2。一人称は「ボク」。背はかなり低くて131か2くらい。割と良い子。あだ名は無い。あの後リータに懐いたらしい。
能力 グラスホッパー物語
刃物で生物を斬ったとき、ダメージを与えず代わりにその生物の持つ嫌な記憶を切り離す。副次的な能力として対象の持つ嫌な記憶を見ることができる。
作者のコメント
読み方は「みこもと なゆた」。地図帳で見かけた「神子元島」が由来。ホントに何をされたのかねー?作者も知らないのだよ。

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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 4.フェアリー ②

”彼ら”って、よく分からない―わたしはそう心の中で独り言を言いながら、席替えのくじを引いた。
数分後、クラスの全員がくじを引き、中身を確認した後、座席の移動が始まった。
ちなみに、わたしの席は大体教室の真ん中らへんになった。
以前の席からそこまで離れてないから、慣れるのにあまり時間はかからなそうだ。
だが、わたしの1つ前の席になったは―
「あっ、よろしくね! 不見崎(みずさき)さん」
高い位置のツインテールがトレードマークの、クラスの人気者”笛吹 亜理那”。
わたしとは正反対の人物が、わたしの1つ前の席になった。
別に、誰が近くに来ようと気にするつもりはない、だが―
彼女は人気者で、いつも周りには仲の良い女子達が付いている。
…何か面倒なことに巻き込まれてしまいそうな気がした。
そもそも、こういう人はわたしみたいなのと関わること自体あまりないと思うから、別に良いのだけれど。
が、想定外のことが起こった。
「不見崎さんおはよ~」
席替えの翌日の朝、普段通りに学校に登校して、いつものように自席に座った。
ここまではいつもと何も変わらなかった。
だが、わたしが席についてから、少し後に登校してきた笛吹 亜理那は、今まで一度も関わったことがないはずのわたしに、声をかけてきたのだ。

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世にも不思議な人々をリストアップ

所沢 初(オータロー)
高校二年生。本シリーズの主人公。大した活躍はしていないが、作者が言うのだから間違い無い。
能力 およげ!たいやきくん
逃走、回避行動に大きな補正がかかる。その成功率はほぼ100%と言って良い。単純な身体能力強化だけではなく、無意識でのルート選択、スタミナ切れがしなくなる、回避の際はほぼ未来予知に等しい危機察知など、その補正は色々なものがある。
作者のコメント
名前は、「ところざわ はつ」と読みます。「はつ」が嫌なら「うい」でも良いよ。

キタ
妖怪みたいな雰囲気の怪しげな青年。26歳。身長約190cm。体重約65kg。なぜ生きている。七つ道具を持っているらしい。仕事は自営業らしいが職種は不明。仕事の際は「喜多方颯(きたかたはやて)」の名を使っている。
能力 北風小僧の寒太郎
普通なら見えないものを可視化する。可視化には自分にのみ可視化、一部の対象に可視化、無差別の可視化の3種類がある。
作者のコメント
この人は何となく不審者であってほしいので本名は伏せています。

滝沢 真琴(ラモス)
高校三年生。元不良だが能力者になってからは足を洗った。かつては色々とやらかしたらしいが酒と煙草とドラッグだけは怖くてできなかったそうな。お前ホントに不良だったの?
能力 まっくら森の歌
追跡、足止めに大きな補正がかかる。成功率はほぼ100%と言って良い。単純な身体能力強化ではなく、障害物があれば回避するなり破壊するなりして押し通るし、たとえ完全に撒かれても、僅かなヒントから逃げ道を探り出せるし、万が一相手が瞬間移動しても勘だけで探せる。
作者のコメント
名前の読みは「たきざわ まこと」。この子は基本ツッコミ役にされてます。実は名前の由来は南総里見八犬伝の作者。

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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 4.フェアリー ①

席替え、といえば、学校のクラス内の小さいながらも不思議と存在感のあるイベントの1つだ。
嫌いな人が近くの席になったら落胆するし、仲の良い人が近くの席になったら歓喜する。
クラスの人々の様々なものが一気に浮き彫りになる、そんなイベントだ。
でも、わたしは誰が隣になろうと、誰が前になろうと後ろになろうと、あまり気にならない。クラスに仲の良い人なんていないのだから。
特別嫌いな人とかもいないから、わたしにとっては何も思うことのないイベントなのだ。
今日の6時間目は席替えで、クラス内は朝からちょっと浮かれ気味だった。
わたしはそんな人々を気にせずこの間買った本を読んだりしていたが、耳に飛び込んでくる席替えの話を聞きながら、時々こんなことを考えていた。
―”彼ら”は、自分のクラスのことを、どう見ているのだろう。
形式上の”友達”―と言うべきなのか少し怪しいけれど、この間なんとか仲良くなれた”彼ら”は、席替えで浮かれていたりするクラスを、どう思っているのだろう。
もちろん”彼ら”はみんな違う学校だし、尋ねてもきっと教えてはくれない。
―でも、”普通の人”である自分とはまた違った風に周りを見ているのだろう。

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世にも不思議な人々⑯ 斬って切る人その4

「チャチャさん、一体何をしたんです?」
オータローがチャチャに尋ねた。
「ああ、虫かごだよ。『生き物にぶつけることでその生き物を中に閉じ込める』能力」
「へえ……。つまりモンスターb」
「止めろ」
キタとラモスは下らないことを話している。
話は戻って、無事通り魔を捕えた彼らであった。が、これをどうしたものかと悩んでいたところ、リータが口を開いた。
「ねえチャチャさん」
「ん、何?」
「その中に私も入れませんか?」
「ああ…うん、行けるけど」
「じゃあお願いします」
「うん、けど一体何をするんだい?」
「お気になさらず」
そう言ってリータは虫かごの中に入っていってしまった。
それから五分後。
「ただいま戻りましたー」
リータが突然戻って来た。
「おお、お帰り……って、通り魔すごいことなってるけど大丈夫!?」
通り魔、放心状態でぐったりしている。
「何かすごいビクンビクン痙攣してんぞ!」
「ああ、大丈夫です。あのくらいじゃ死にませんよ。で、彼女についてですが」
「え、ちょっと待て」
これはラモス。
「そいつ女なのか?」
「はい。?」
「え、何、お前気付かなかったの?」
キタが煽る。
「彼女について、話を続けますよ」
リータ、構わず話し続ける。
「名前は神子元那由多。14歳。中学2年生。能力は『グラスホッパー物語』。『刃物で生物を斬るとき、代わりにその生物の抱えている嫌な記憶を切り離す』というものだそうです」
「なるほど。それで『慈善事業』か」
オータローが納得したように言う。
「……一つ良い?」
「何でしょうチャチャさん?」
「そいつに何したの?それだけが気になる」
「ああ、それは、………やっぱり内緒です」
「え…。すごい気になる。キタさん、可視化」
「オーケー!」
チャチャはキタに可視化を命じた。
「うんうん……えっ……へぇ………はぁ〜〜、おぉ、フフフ」
「え、何か分かったんですか」
「えー……。僕から言うことは何も無いよ」
(何やったんだ一体………)
オータロー、ラモス、マホ、チャチャの考えが見事にシンクロした。
「何はともあれ!これでこの子も仲間です!めでたしめでたし!」
           斬って切る人 終わり