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cross over

リュックサックが湿っている。雨がしとしと降り出した。玄関に折り畳み傘を置いたままだったことを思い出した。雨が水溜まりを打ちつける音を聞きながら、地面を踏みつける。公園でサンドイッチを食べて帰ろうとスマホのマップで公園を探しながら歩いていた。あ、と、ふと足を止める。自然と足がいつもの抜け道に向かった。高校生に会うということは高校生くらいの歳のトタにとっては辛かった。ただひたすらあの自動販売機を目指す。大通りはご飯屋さんの昼メニューと夜メニューの入れ替えがあっている時間であることに加えて雨が降っているからか人がまばらだった。自動販売機の横には高校生Aの姿がない。その場所で開封されていない水のペットボトルが雨で濡れていた。トタが置いたものよりずっと多い、キャップの近くまで入っている水。服の裾でペットボトルを拭いて、リュックサックに入れる。靴屋さんを曲がると見慣れた景色が広がっていた。喉が渇いていることに気づいて、ペットボトルを開ける。ごくごくと小気味良い音を立てて、喉を通るいつもの水はいつもに増して美味しかった。
「ただいま。」おう、おかえり。と返ってくると斜め前に視線を置いたまま、帽子を深く被り直した。くせっ毛のせいで上手く帽子が浮き上がってくる。何度も繰り返しているうちに、見ていたらしくクスッと笑われた。トタもつられて口角が上がる。目のやりどころを探して外を見ると、雨が降っていたことを思い出した。

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我流造物創作:ロール・アンド・ロール! その⑮

「練音ちゃんから見て、どうだった?」
「私の守りの強さが露呈したと思います!」
「うん、自分でカスタムしてて思ったけど、君と戦うの絶対つまらないよね……全然当たらないんだもん」
「ナハツェーラーさん、すごい使い魔だって聞いてたのに……私の防御を抜けないなんて不思議でしたねぇ」
「そりゃそうさ。理論上、君の防御は『絶対』成功するんだもの」
「あ、あといっぱい逆凪させられました!」
「出目が味方したねぇ……。桐華さんとは正反対だ。とにかく、よく戦ってくれたね。……ところで質問なんだけど」
「はい」
「次、ナハツェーラーさんと戦ったとき、勝てると思う?」
「…………感覚としてはなんとも……ってところですかねぇ……」
「ふむ。理由を聞いても?」
「はい。まず、私の得意な間合いがバレました。近距離戦にはもう入ってもらえないでしょう」
「けど、ナハツェーラーさんには射程能力は無かったはずだよ」
「【神槍】です。キリカさんが技を盗まれました。私の術は全部、『蜘蛛』と『呪術』に由来してるので良いんですけど、キリカさんは体術メインですから……。こちらも【鎌鼬】はまだ見せていなかったので、恐らく1回は射程戦に食らいつけるでしょうけど…………あちらの方が間合いでは勝っているので。私が死ぬ前にあちらの『逆凪』を誘発して、あちらが慎重になってくれれば、あるいは」
「……うん。とにかく今日はお疲れ様」
「ごめんなさい、勝てなくて……」
「いや良い。別に本気で勝てるとも思ってなかったし。むしろ予想以上に届いたなって感じだよ。今日はゆっくり休みな、“ツファルスツァウル”。桐華さんと合わせて結構消耗したでしょ」
「はい。それではおやすみなさい、主殿」