表示件数
0
0

鉄路の魔女 〜Megalopolitan Witches Act 3

「⁈」
少女たちは思わず身構えるが、そこへ赤い大鎌が飛んできて怪物の頭部に突き刺さる。怪物は悲鳴を上げて地上に落下した。
「今のって!」
水色の髪の少女がそう言った時、ごっきげんよ〜!と明るい少女の声が聞こえた。
パッと少女たちが振り向くと、華やかな長い赤髪の少女が彼女たちの方へスキップしながら近寄ってきていた。
「“地上の魔女”の皆さん」
危なかったわね、と赤髪の少女ことスカーレットは笑いかける。
「…“地上の魔女”って」
大勢いる私鉄の魔女たちと一緒にしないでくれる?とウグイス色の髪の少女は真顔で言う。
「そうねぇ」
アタシたちは由緒正しき“JRの魔女”、だもんねぇと丈の短いズボンを履いたオレンジ色の髪の背の高い少女はスカーレットに近付く。
「あなたたちだって、“地下の魔女”の一言でひとまとめにはされたくないでしょう?」
スカーレット、とオレンジ色の髪の少女は赤髪の少女の顔を覗き込む。
「あーら、“バーミリオン”」
相変わらずねぇと赤髪の少女ことスカーレットは笑顔を作る。
「はいそこケンカしないー」
2人が睨み合う中、スカーレットの後ろから手を叩く音が聞こえる。スカーレットたちが音のする方を見ると、空色の髪の少女が歩いてきていた。その後ろには銀髪の少女と緑髪の少女が続く。
「あらスカイ」
別にあたしたちはケンカなんてしてないわよ?とスカーレットは手で口元を隠す。
「…急に飛び出してったと思ったら、他の魔女の戦いに手を出してたのかよ」
銀髪の少女ことシルバーが呆れたように言うと、スカーレットは悪い?と首を傾げる。
「あたしは同族が見捨てられないだけよ」
誰かが困っていたら助けに行く、それくらい当然のこととスカーレットは胸に手を当てる。シルバーはなんだよとそっぽを向いた。
「地下の魔女たちはみんな仲がいいんだね」
ふと水色の髪の少女はそう呟く。
「わたしたちなんて人数が多いからゴタゴタが多くてさ」
羨まし…と水色の髪の少女が言いかけると、スカーレットは少しだけ顔を曇らせた。

0

暴精造物茶会 Act 8

「ナツィ! かすみ!」
金髪のコドモは笑顔で2人に駆け寄るが、ナツィはうっ、キヲン…と気まずそうな顔をした。
「何してるの?」
でーと⁇と金髪のコドモことキヲンは首を傾げる。
ナツィはい、いや違…と恥ずかしそうな顔をした。
「そ、そういうお前こそ、何してんだよ」
どこかに遊びに行くのか?とナツィが尋ねると、キヲンはうん!と大きく頷く。
「この後“学会”のち…」
キヲンがそう言いかけた時、背後からバッと紅色の髪のコドモがキヲンの口を塞ぐ。
キヲンはもごもごもごと声にならない声を上げた。
「ご、ごめんなさい、クロミスたち、急がなきゃいけないから…」
ほら、行こと水色の髪のコドモは緑髪のコドモと紅色の髪のコドモを促すと、キヲンを連れてそのままナツィとかすみの傍を通り過ぎていった。
ナツィとかすみはポカンとした様子で4人を見届ける。
「なんだったんだろうね」
かすみがナツィに目を向けると、ナツィは少し考え込むように俯いていた。
「ナツィ?」
かすみがナツィの顔を覗き込むと、ナツィはちらとかすみの方を見る。
「…ちょっと、ピスケスん所行って来る」
かすみはえ?と驚く。
「ピスケスの所って」
かすみはそう言いかけるが、ナツィはスタスタとかすみを置いて歩いていく。
「あーちょっと待ってよ〜」
かすみは慌ててナツィの後を追った。

2

企画「鏡界輝譚スパークラー」世界の後から思いついたキャラ

・名雪 桃鋼(なゆき ももこ)
性別:女
身長:158cm
所属:アザレア高等学苑東鏡校
学年:1年
多くの名スパークラーを排出してきた名門“名雪家”の娘にして一族きっての落ちこぼれ。
小さい頃からスパークラーの才能に恵まれた兄と違い全くと言っていい程才能に恵まれず、家族や周囲の人々から白い目を向けられていた。
そのため中学生まで一般校に通っていたが、何としても娘をスパークラーにしたかった父親によって、高校進学の段階で半ば無理矢理、東鏡・親宿(しんじゅく)の新興STI・アザレア高等学苑東鏡校に入れさせられた。
性格は気弱でかなりのビビり。
周囲から蔑まれて生きてきたので自己肯定感がかなり低く、人付き合いが大の苦手。
スパークラーとしての才は全くないが、運動神経や学力はかなり平凡(しかしそれ故に周囲から蔑まれていた)。
父親が自分を“黒い噂”のある“アザ高”に入れさせたのは自分にさっさと死んで欲しいと願っているからと思っている。
上記の理由から実兄以外の家族・親戚を苦手としている。
頼れる知り合いのいないアザ高で1人みじめに3年間を過ごす…と思っていたが、様々な人々との出会いから少しずつ成長していき、最終的には自主結成部隊を結成することになる。
容姿は肩に付くくらいの長さの髪をツーサイドアップにしており(昔兄に結んでもらった髪型を未だに続けているそう)、制服はきちっと着こなしている。
兄は1歳年上で北界道(ほっかいどう)のSTIに所属しており、桃鋼の数少ない味方である。
名前の由来は「ピンクサファイア(“桃”色のコランダム、つまり“鋼”玉)」。

〈アザレア高等学苑東鏡校〉
東鏡・親宿にあり全国各地に分校を持つ新興STIの本部校。
“一般校や普通のSTIに適応できない子や家庭環境に問題のある子、素行の悪い子”などを受け入れ、“そういった子どもたちの健全な精神”を戦いを通して育てることを掲げて全国各地から生徒を集めている。
…が、その実態はあの手この手でスパークラーになれそうな子や才能はないけどスパークラーになりたい子をかき集め、無理にでも戦場に駆り出して戦果ばかりを追い求めているようなSTI。
戦果を追い求めて事前通告なしに他のSTIの管轄地域への遠征を繰り返しているので、色んなSTIと仲が悪い。

0

鉄路の魔女 〜Megalopolitan Witches. Act 2

「お前らいちゃいちゃばっかしやがって、何だよ」
気持ち悪りぃ、と駅舎の柱に寄りかかる銀髪の少女は白い目を彼女たちに向ける。
「あーら“シルバー”、貴女もあたしによしよしされたいの⁇」
「ンな訳ねーよ‼︎」
スカーレットの言葉に対し、“シルバー”と呼ばれた少女は強く言い返す。
「私はお前らみたいに“魔女”同士で馴れ合うのとかしたくねーんだよ!」
ホント気持ち悪い、とシルバーはそっぽを向く。あららーとスカーレットはシルバーの姿を見て笑った。
「…まぁそんなことは置いといて!」
そろそろ行きましょ!とスカーレットはみんなの顔を見る。4人はそうだねとか言って頷く。スカーレットはその様子を見届けると、駅舎の出入り口に向けて歩き出した。

大きな駅から少し離れた所にある、人気のない路地裏にて。
色とりどりの衣装を着た4人の少女たちが路地の道幅いっぱいの大きさの、頭部に無数の目が付いた爬虫類のような怪物と対峙している。怪物は少女たちを前に威嚇するように唸っていた。
「いやぁ手強いねぇ」
水色の髪を二つ結びにしたセーラー襟ジャケットを着ている少女が大剣を構えながら呟く。
「みんなもそう思わない?」
ねぇと少女は周りの少女たちに目を向けるが、3人の少女たちは今一つな反応をした。
「ちょっとー、みんな反応薄いよ〜」
ここはそうだねとか答える所でしょー?と水色の髪の少女は口を尖らせる。
「…別にどうでもいい」
不意に3人の内の1人、ウグイス色の髪で軍服のような格好の少女がポツリと呟く。
「私たちは目の前のアイツを倒せればいいの」
そんなことを気にしている暇はない、とウグイス色の髪の少女は右手から大きなチャクラムを生成する。そして彼女はチャクラムを目の前の怪物に向かって投げつけた。
しかし怪物は咄嗟に近くの建物によじ登りそれを避ける。少女たちが驚く間もなく怪物は建物伝いに彼女たちの方へ突進していった。

0
0

鉄路の魔女 〜Megalopolitan Witches. Act 1

人々が行き交う大きな駅舎の中、改札前の片隅で華やかな衣装に身を包んだ少女が3人、誰かを待つように立っている。
1人は短い銀髪でストリート系の袖なしジャケットを着て腕を組んでいる。
もう1人は背が高く、長い空色の髪を高い位置で束ねて銀と青のジャケットとスラックスを着こなしている。
そして最後の1人は背が低く、長い緑髪に和服と洋服の中間のような服を着て、濃い緑の羽織を羽織っていた。
少女たちはかなり目立つ格好をしていたが、改札を行き交う人々は彼女らには一切目もくれず通り過ぎていく。
「“スカーレット”姉さま、遅いね」
ふと緑髪の少女が空色の髪の少女に目を向けると、空色の髪の少女はそうだねと頷く。
「…別に、アイツが中々来ないのはいつものことだろ」
どうせどこかで寄り道してんだよ、と銀髪の少女は後頭部に両手を回す。
「最悪約束をすっぽかすってことも…」
銀髪の少女がそう言いかけた時、不意に駅舎の出入り口の方から彼女たちにとって聞き覚えのある声が聞こえた。パッと3人が声のする方を見ると、おーいと赤髪でノースリーブの黒ワンピース、赤いファーコートという出立ちの少女が駆け寄ってくる。
「スカーレット姉さま!」
「噂をすれば」
「…ケッ」
3人のそれぞれの反応を見て、“スカーレット”と呼ばれた少女はにこりと笑い、彼女たちの前で立ち止まる。
「ご機嫌よう、あたしの可愛い妹たち」
スカーレットがそう言うと、緑髪の少女はわーいと駆け寄る。
「姉さま久しぶり〜」
「ご機嫌よう“グリーン”」
スカーレットは少しかがんで“グリーン”と呼んだ少女の頭を撫でる。グリーンはえへへ〜と笑顔を見せた。
「よかったね、グリーン」
スカーレットによしよししてもらえて、とグリーンに空色の髪の少女が近付いてくる。
「えへへ、もちろん“スカイ”姉さまも好きだよ〜」
そう言いながらグリーンはスカイと呼んだ少女に抱きついた。スカイはグリーンの頭を撫でようとするが、そこへケッと銀髪の少女が吐き捨てた。