終末を巡る_5
絵画に関する知識が無いに等しい琥珀と林檎にとっては、その画廊もただの廊下と変わらなかった。が、故に。
『…つかれた』
『長いな…』
その長さに飽き、歩き続けることに疲れて林檎は途中で座り込んでしまった。琥珀も林檎に合わせて座ってやり、乱れた毛を整えてやる。
「待って!そっちはだめ!」
人の声だ。追ってきたらしい。
『なっ…あいつ俺より足速いぞ!?』
『こはく、けがしてる?』
『……』
痛みはなかったが、不調なのは確かだった。
『おちたとき、こしうった』
『そうだな…』
だいぶ響いていたらしい。林檎の先導によって、琥珀は画廊の先にたどり着いた。
「その先は、昔の人類が遺した_」
画廊の先は部屋だった。相変わらず電気がついておらず、窓もなく暗い部屋だ。大型犬でも入れるサイズの箱がちょうどよくあり、慌てて潜り込む。足や腹に当たる異物感に身を捩ると、どうやらチューブを踏んでいるらしいことが分かった。
「_アトリエだからっ!!」