ブリッジ
小高い丘の上、二人が見つめる先には巨大な古びた船が横たわっていた。
「あれだ」
「ほんとに宇宙船だ…あんなところからアリエヌスが出ててたんだなぁ。そりゃいなくならないワケだよ」
「あの星の架け橋(ブリッジ)から連中の星…■■■■■に乗り込む。ノア、私としては君を巻き込みたくはない。これを持って逃げてくれ」
私は格納していた原石を取り出してノアに渡したが、普通に拒否された。
「乗りかかった船だ、最後まで行くよ。それに、ひさびさに面白いし」
「面白いものではないと思うが…」
「レヴェリテルムこわしてからよぉ、ずっとあそこで見てるだけだったんだ。街の外に出られただけでも超楽しいんだよ俺」
「まぁ無理には止めない、さぁ行くぞ」
二人は船に向けて走り出した。
そこから先は簡単だった。
どうやら船そのものが出入口だったらしく、船を『通って』簡単に星を渡ることができた。
出てきた場所はかなり生い茂った原生林だった。
「さて…」
私は近くをスキャンする、ちゃんと船のエネルギーはあるようだ
「少し距離があるな、大丈夫そうかノア?」
「どのくらいだ?」
「5ゼ…おっと、単位を直さねば…あの惑星の単位だと…18kmといったところか」
「そのくらいなら大丈夫だ」
二人は草木を掻き分けながら進み始めた。