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ブリッジ

小高い丘の上、二人が見つめる先には巨大な古びた船が横たわっていた。
「あれだ」
「ほんとに宇宙船だ…あんなところからアリエヌスが出ててたんだなぁ。そりゃいなくならないワケだよ」
「あの星の架け橋(ブリッジ)から連中の星…■■■■■に乗り込む。ノア、私としては君を巻き込みたくはない。これを持って逃げてくれ」
私は格納していた原石を取り出してノアに渡したが、普通に拒否された。
「乗りかかった船だ、最後まで行くよ。それに、ひさびさに面白いし」
「面白いものではないと思うが…」
「レヴェリテルムこわしてからよぉ、ずっとあそこで見てるだけだったんだ。街の外に出られただけでも超楽しいんだよ俺」
「まぁ無理には止めない、さぁ行くぞ」
二人は船に向けて走り出した。
そこから先は簡単だった。
どうやら船そのものが出入口だったらしく、船を『通って』簡単に星を渡ることができた。
出てきた場所はかなり生い茂った原生林だった。
「さて…」
私は近くをスキャンする、ちゃんと船のエネルギーはあるようだ
「少し距離があるな、大丈夫そうかノア?」
「どのくらいだ?」
「5ゼ…おっと、単位を直さねば…あの惑星の単位だと…18kmといったところか」
「そのくらいなら大丈夫だ」
二人は草木を掻き分けながら進み始めた。

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星喰い

「んで、これからどうすんだ?なんとかかどうとか言ってたけど…」
目下の問題はそこだ、私も対処法を思いついていない
「そうだな…■■■■■は星を喰う星だ、この星から逃げたいが外縁まで到達されてしまったようだ」
「それってなんなんだ?聞いたことねぇけど」
「それは…そうだなノア、君には話しておこう。
先に謝っておく、私はアヴァスではない。惑星■■■■■■から来た観測員なんだ。この体はアーマーではなく本来の体でアヴァスの体であの原石を探していたんだ」
「どっひゃー、じゃあソロウは宇宙人ってことか?」
「まぁ、この惑星の者から見たらそうなるな」
「なんでレヴェリアイトなんか探してたんだ?」
「惑星■■■■■■は星の寿命で生命とエネルギーを育むことができなくなってしまった、そんな故郷を蘇らせるためにその手がかりとなるエネルギーを探すため我々は星々を飛び回っていた、そんなときにレヴィアントの反応を見つけたんだ。なんとか構造式を持ち帰るために原石を探していたんだが、この全面戦争が起こってしまった。候補地は絞り込めていたから採取ついでに保護しようとしていた…このエネルギーはこの惑星の住人に必要なものだからな、失うことなどもったいない」
「そうか…それはありがとう。構造式はもう取っただ?」
「それは大丈夫だ」
「ソロウの星も蘇るといいだな」
「それなのだが…さっき帰るためのエネルギーを使い果たしてしまったんだ」
「え゛っ…それどうすんだ…」
「アテがないでもない…」
「おぉ!」
「あるん…だが…」
正直、やる気が起きないことなのである

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星の叫び

亜空間を飛び越えた後、私が操縦室に戻るとノアが伸びていた、おそらくこの亜空間航行も彼がやったのだろう
それにしても、よく操作がわかったな
現在地はさっきまでいたゼノプラネット995の衛星周回軌道だった
さて…とりあえず作戦成功だがこれからどうするか…
エネルギーの残量は…ふむ、さっきの半分か
『ほう?■■■■■■の船とはな』
虚空に響く声、それを聞いていると全身のギアが軋んでいく
「■■■■■…なのか…?」
『いかにも、こんなところで■■■■■■のヤツを見つけるとはな…覚悟せい!』
レーダが故障しそうなほどアラートを発してる、私は無我夢中で亜空間航行を起動していた


「…また、この惑星に戻ってきてしまった」
さっきとは別ポイントに着地しながら私はつぶやく
まさかヤツか あんな近くにまで迫っていたとは完全に想定外だった
「う…うーん…」
後ろで声が聞こえて驚いた、そういえばノアが乗っていたのをすっかり忘れていたのだ
「どうなったんだ?体も重くないし、逃げ切ったか?」 
「あぁなんとか無事だ。最初の亜空間航行はノアが?」
「よくわかんねぇんだけど、体が軽くなったからそこら辺にあったボタン押してたらすごいパワーでぶっ飛ばされたんだ…どういうことなんだ?」
「そうか…ジャンプするときに取り残されたんだな?」
ちゃんと体を抑えてないとそうなる、私も昔勝手に輸送船に潜り込んでそうなった記憶がある
それにしても、それだけされて無事な辺りアヴァスの頑丈さが伺えて興味深い限りだ

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ハイパードライブ

船が軋んで地面にめり込み始めた、この惑星の何百倍かのGがかかっているらしい。
まぁ残念ながら私には効かないが
私は船の入口を遮蔽に腕をブラスターに変形させアナスに向けてエネルギー弾を発射した。
「ライノサス!」
弾道に何かが割り込んできてエネルギー弾は消失してしまった。
「悪くない威力だ、この金剛のライノサス以外にならな!」
「く…」
そういえば五人一組が基本だったな
となるとあと3人が船の周りに…万事休すか!
残りの時間はどうだ、■■■■■は今どこに…
探していた反応は妙な場所にいた、ちょうどこの場所なのである。
「さ、観念してもらおうかエイリアン」
「ま…まて、何か来た」
「気を逸らそうったって無駄なんだよ」
アナスが飛びかかる、その瞬間虚空からアリエヌスが出現してアナスを丸呑みにしてしまった。
「アナスー!」
「何だ今の!?」
必死に体内のレーダーをフル稼働させるも状況が全く読めなかった。
船周囲で次々に悲鳴があがる、アリエヌスに囲まれているのかとも思ったがそれにしては反応が少なすぎる…
「貴様!」
「待て!動くな!」
「問答無用!」
ライノサスが突撃してくる、その足元が突如として割れてその中へと沈んでいった。
そのタイミングで周りの景色が一瞬で変わる、亜空間航行だ。

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フェネクス

「すっげぇなぁ、でけぇよ。あっちゅうまにこんな所だし」
走る私の肩に乗りながらノアがそう言った。
街はすでに見えない程遠い、前線からも近いから爆発音が木霊していた。
「ま…まぁな。それよりもう少し…だ…?うん?」
私のレーダーに何かが反応した、何だ?
何かとてつもなく大きな…エネルギーの塊のような…まさか…!?
「どうした?」
「…マズイな」
考えなくても感じる根源的な恐怖
こんな反応など一つしかない、間に合わなかった!
私はいつの間にか、頭が指示を発するより前に走っていた。
「わ…わわっ!どうしたどうした!」
そのまま私の降下してきた船に飛び込んで起動していた。
「なんなんだこれ!ソロウ、何をすんだ!」
「惑星軌道を脱出する!ヤツが…ヤツが来た!■■■■■が!」
「な…なんだって?」
「この星は喰われる!■■■■■に!」
正直、私自身パニック状態であった。
私とて魂に刻まれた恐怖には抗えない
船が浮く、確か亜高速航行は一回分ならあったはず
だが、船が飛び上がることはなかった。
それどころか、逆に地面に押し付けられるような…
「なんだ!」
「う…うげぇ…助け…」
ノアが船の床にに押し付けられている、まさかと思い計器を見ると重力異常だった。
「この星でそんなことが…?」
仕方なく、出力をエンジンからバリアに回して外に出てみる。
そこには数人のアヴァスが散開しているのが見えた。
「お、出ててきた。アリエヌス…には見えないな、君エイリアン?火事場泥棒とは節操がないなぁ」
この時間がないときに…
「何だお前たちは」
「フェネクス、泥沼のアナスただいま参上!さぁ、奪ったものを返してもらおうか!」

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空想少年要塞都市パッセリフォルムズ:擬命ランギヌイ キャラクター②

アヴェス:ジオコクシクス・カリフォルニアヌス
モチーフ:オオミチバシリ(Geococcyx californianus)
年齢:13歳  身長:159㎝
所属カテルヴァ:ランギヌイ
説明:擬命型レヴェリテルムを扱う数少ないアヴェス達を集めた特設部隊“ランギヌイ”のメンバー。スタミナ自慢のレヴェリテルムを操るだけあって、本人も持久力と生命力に優れ、三日三晩休憩なしぶっ通しの戦闘行動にもギリギリ食らいつけた実績の持ち主(戦闘後、15時間ほど泥のように眠り続けた模様)。
レヴェリテルム:ヴェナトー(Venato)  語義:追跡者
説明:体長2m強の金属製狼。唯一“ランギヌイ”だけが所有する『擬命型レヴェリテルム』。自律稼働し、一度狼の姿に変化すると、所有者の手を離れてもある程度の知性を持って動き回る。スピードこそ先輩2名のレヴェリテルムに劣るものの、持久力が極めて高く、丸一日最高速度で走り続けてもパフォーマンスの低下が見られない。また、嗅覚が極めて鋭い。

アヴェス:ストリゴップス・ハブロプティルス
モチーフ:フクロウオウム(Strigops habroptilus) ※所謂『カカポ』
年齢:11歳  身長:145㎝
所属カテルヴァ:ランギヌイ
説明:“ランギヌイ”の新入り。『擬命型』を扱うという理由でこの部隊に入れられたものの、他のメンバーが得意とするスピーディーな戦法にはまるで向かないずんぐりむっくりなレヴェリテルムを扱うので、自信が無い。
レヴェリテルム:エキドナ(Echidna)  語義:ハリモグラ
説明:体高1.8m程度の二足歩行金属製ハリモグラ着ぐるみ。唯一“ランギヌイ”だけが所有する『擬命型レヴェリテルム』。他の『擬命型』と異なり気の抜けた外見で動きも鈍重だが、パワーと耐久力に優れ、鋭い爪を具えた太く頑丈な両腕を器用に用い、救助活動などで活躍する。一度ハリモグラの姿に変化すると、所有者の手を離れてもある程度の知性を持って動き回る。パワーはヴェロキタスと押し合っても1㎜も揺らがないほど。スピードは最高時速10㎞程度。短い両脚でどってこどってこと走る。

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空想少年要塞都市パッセリフォルムズ:擬命ランギヌイ キャラクター①

アヴェス:ストゥルティオ・カメルス
モチーフ:ダチョウ(Struthio camerus)
年齢:17歳  身長:166㎝
所属カテルヴァ:ランギヌイ
説明:擬命型レヴェリテルムを扱う数少ないアヴェス達を集めた特設部隊“ランギヌイ”の最古参にしてリーダー。“ランギヌイ”は『擬命型レヴェリテルム』と呼ばれる、完全自律型機械生命体のレヴェリテルムを扱うアヴェスをまとめ上げた特設部隊で、その発生確率の低さから、所属人数が規定下限の5人にさえ満たない。
レヴェリテルム:ヴェロキタス(Velocitas)  語義:素早さ
説明:体長3m程度の四足歩行する金属製無翼竜。唯一“ランギヌイ”だけが所有する『擬命型レヴェリテルム』。自律稼働し、一度竜の姿に変化すると、所有者の手を離れてもある程度の知性を持って動き回る。高いパワーとスピード、精密性を誇る高性能レヴェリテルム。戦闘特化型だが、長い尻尾もあることで、戦闘外行動にも十分優秀なパフォーマンスを発揮する。

アヴェス:ドロマイウス・ノヴァエホランディアエ
モチーフ:エミュー(Dromaius novaehollandiae)
年齢:15歳  身長:155㎝
所属カテルヴァ:ランギヌイ
説明:擬命型レヴェリテルムを扱う数少ないアヴェス達を集めた特設部隊“ランギヌイ”のメンバー。身長はあまり伸びなかったものの、レヴェリテルムを扱うには小さく軽い方が有利なのでまあ良いかと思っている。部隊内で最も積極的な気質で、レヴェリテルムの“クルスス”を駆り、最前線を駆けずり回る。
レヴェリテルム:クルスス(Cursus)  語義:走り
説明:体長3m程度の翼の無い金属製ヒポグリフ。唯一“ランギヌイ”だけが所有する『擬命型レヴェリテルム』。自律稼働し、一度ヒポグリフの姿に変化すると、所有者の手を離れてもある程度の知性を持って動き回る。速力に関しては部隊内で最高。視力に優れ、特に遠視能力が高い。大体25.0くらい。

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帰結

原石を抱えて二人は街中を駆け抜ける、人は最早いなかったので行きよりも速くさっきのドーム状の建物についた。
「ところで、どっからいくんだ?普通に出たんじゃ狙われるだけだで」
「そこは大丈夫だ、私に策がある」
ドームを抜けて地下の入り口に急ぐ。
ここには『私』がいる、有効活用させてもらおう
「あった、これだ」
「なんだこりゃあ…」
「ここに来る途中で見つけたんだ、コイツを鎧にして駆け抜ける」
「そんなことができるんか?すげぇなソロウ」
「『想像力は力なり』だろ?」
そうして原石をノア一人に任せて『私』の体に触れる、移し替えができたんだから逆もいけるはず…
体が光を帯びて粒子となる、しかしそれも途中で消えてしまった。
「く…どうなって…」
「内容量が違うんでねぇか?体の大きさとかまるで違ぇし」
「まさか…足りないのか、エネルギーが?そうだ、その原石を私に託してはもらえないか、この中なら安全だ」
「それはいいだ、向こうまで運ぶにはこいつがいるからな」
そして、原石と共に再び『私』の体に触れる。
体が光を帯びて、『私』に取り込まれていった。

「報告!保管庫が開けられていた模様!」
荒々しく扉を開けて部屋に入ってきた直後、そう兵が叫んだ。
「なんだと…!?中身は?アヴァスを警備につけていたはずだが」
「何もなかったそうです、誰もいなかったとも」
「…そうか、ご苦労。特務部隊をここに呼んでくれ」
「はっ!」
兵が出ていったあと、小さくため息が出た。

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空想少年要塞都市パッセリフォルムズ:告鳥と悪霧 その④

クミの案内に従って、3人は細い路地を奥へ奥へと進んでいく。
「クミちゃん……君の家、随分と奥まった場所にあるね?」
「んー」
サルペンタリウスの呼びかけに、クミは気の抜けた返事を返した。
「あ、とまって」
クミが不意に声を上げる。
「っとと……何?」
「とおりすぎちゃった」
「そっか。どこまで?」
「1こまえー」
「了解」
そう言ったサルペンタリウスが振り返る。
路地から枝分かれした細い道から、体高4mほどの小型アリエヌスが上半身を乗り出していた。
「……は?」
「はぁぁ⁉ なんでまたアリエヌスがいるんだよ! “天蓋”はどうなってんだ“天蓋”はぁ! ズー坊!」
カズアリウスの指示で、ディクロスが蛇杖を構えて突撃した。アリエヌスが完全に身体を出す前に蛇杖の『胴体』部分を巻き付け、その脳天に毒牙を突き刺す。
「食らいやがれ!」
アリエヌスの身体に直接腐食液が注ぎ込まれ、内部から少しずつ崩壊していく。
「ダメ押しだこのヤロー!」
崩れた内部に、蛇杖の口からの火炎放射が放たれる。体内から熱量に晒され、アリエヌスは崩れ落ちた。
「クミちゃん、大丈夫だった?」
「ん。はやくー」
サルペンタリウスの問いかけに頷くと、クミは路地の奥を指差した。

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某所

「市長!マズイことになった!」
男は市長室のドアを蹴破る勢いで開けてそう叫んだ。
「ドムズか…戦線はそこまで悪いのか?そんなもん百も承知だ、私に言うな!マズイことだと?私が市長になってからずっとだ」
しまった、年甲斐にもなく興奮しすぎてしまった…
市長は男から見えないように深呼吸をして気持ちを落ち着ける。
「違うそうじゃねぇんだ。原石のことを勘付かれた、アヴェスにだ!」
「なんだと?」
「アリエヌスがどこから来たのかも知っている雰囲気だった、バレてやがる、石の場所も…多分戻ってきたのはそういうことだ」
この男、いやに興奮しているな?
言葉が繋がっていない、妄想と現実の境が曖昧だ
「落ち着きたまえ、そのアヴァスの名と所属は」
「ケツァルコアトルスのソロウ ・フォルスラコスと名乗っていた、俺はそんなヤツ聞いたことがない…そうだ、ヤツがアリエヌスだそうに違いない!」
「少し頭を冷やしたまえ君…おーい、とりあえずコイツをどこかの部屋に連れてってくれ」
そう言うと黒服たちどこかしこから入ってきて男を羽交い締めにして部屋の外に連れ出した。
「ま…まて…アイツを…アイツを捕まえてくれー!」
しばらくして声が聞こえなくなった後、新しくコーヒーを入れて一息ついた。
「まぁ、念の為な」
そう呟くと市長はキーを叩いていた。

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歪な命

そこから先はスムーズだった、混乱に乗じているのだから当然といえば当然なのだが
目星をつけた場所を巡るだけの簡単な作業だ、その後のことを考えないのであれば
「交代か?ついに俺も戦場に出されるのかぁ」
2つ目に迫ったとき、私とは別のアヴェスに声を掛けられた。
「君は?」
「俺はアクトレスってんだ、アクトレス・ノア。お前は?」
「ソロウ ・フォルスラコスだ。君はなぜこんなところに?」
「よろしくソロウ。まぁ何、こういうことだよ」
ノアが服を捲くって見せてきた、胸部のコアが剥き出しでエネルギーゲインが不安定、しかもよく見たらどこにもレヴェリテルムが見当たらない。
「なるほど…」
これでは戦えないわけだ
「んで、ここの警備に回されたってわけ。そんな俺でもようやく戦闘の番が来たってわけだ!」
「ここには何が?」
「さぁ?大事なモンってのは聞いてるが」
聞かされない内蔵物、警備のアヴェス…
多分、ここで当たりだ
「実は、この街はもう持たない。陥落前にこの中身を別のところに移すよう指示を受けたんだ。人類のために」
半分はでまかせである、そんな指示は受けていない
陥落しそうなのは本当だが
「な…町が…!?」
「ここを開けてはもらえないだろうか?」
「わ…わかった。開けちゃいけねぇ決まりだけどそんなこと言ってらんねぇもんな!それでどこに移すんだ?」
「それは…本部だ、ドムスの」
「隣の街か…あいわかった!」
ノアが何かを操作すると地面が割れ、階段が現れた。
「こっちだ!」
二人はその階段を駆け下りていった。

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機密

さて、私はどこまで行けたのだろうか
内部メモリーが若干不鮮明だ、流石に全てを完璧には移せなかったようだ
パーソナル部分が大きすぎたか、まぁいいだろう
しばらく歩くとドーム上の場所に出た。
「何をしている!アヴェスは全員出動のはずだろ!貴様、どこのカテルヴァだ!」
振り返ると軍服を着た男がいた。
アヴァス…確かこの体の名称のことだ、覚えている
カテルヴァは所属だったな…伝承の中の『鳥』とかいう有機生命体の名前だったっけ?
「ケツァルコアトルス」
「ケツァルコアトルス…?聞いたことのないカテルヴァだな?お前、名前は何だ?他のメンバーはどうした」
名前…こっちは生きてる『鳥』だったか
「ソロウ ・フォルスラコス、部隊は全滅しました。しかし直前に仲間が掴んだ情報を届けるため、一人戻ってきました」
「情報だと?なんだ」
「すぐそこまで迫っています…■■■■■が。アリエヌス如きに構っている暇はありません」
「な…なんだって?」
あぁ、そういえばこの種族には発音できない音だった
えっと…発音できるように言い換えなければ
「星喰い、その残留思念です」
「我々のセンサーには何も映っていない。星喰い?そんな与太話を信じろと?」
「アリエヌスの母星といえば信じてもらえますか」
「母星だと…なぜそんな事を…」
「星の架け橋(ブリッジ)が繋ぎっぱなしだからです。おそらく、敵勢もそこから 」
「ブリッジ…?そんなデタラメが!」
男が明らかに動揺している、思い出してみればそういえばこれは機密だったっけ?
「戦力を全て宇宙(そら)に」
「それはできん、街を放棄しろというのか!」
明らかに逆上している、どこまで知っているのだこの男
「そうではありません、敵の核がそこだと言っているんです」
「ぐ…まぁいい、上には私から言っておくから戦線に戻れ」
そう言って男はさっき私の来た方向にはしっていった
当然、『上』とやらはそこにはない
街の外に繋がる道だ

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空想少年要塞都市パッセリフォルムズ:告鳥と悪霧 その②

“天蓋”が解除され、3人はパッセリフォルムズの中を歩いていた。近道のためにひと気の無い裏路地を通っていた3人は、少し先に一人の子どもが遊んでいるのを目にする。
「あぁいうのを見るのは気持ちいいよなぁ。何かこう、『俺達がこの光景を守ったんだー!』みたいな」
カズアリウスがぽつりと呟く。
「でもおれ達、トドメ役は全然やれないじゃん」
そう反応したディクロスの頭に、チョップが叩き込まれた。
「いてぇ」
「水差すな大馬鹿野郎」
「ゴメンナサイ」
3人が向かっていることに気付いたのか、その子供――リトルブラックドレスの幼い少女は3人の方に目を向けた。その背後、建物の隙間の陰から、大人の背丈程度の小型アリエヌス2体が、のそりと姿を現す。
「ッ!」
カズアリウスが咄嗟にレヴェリテルムを起動し、少女を抱えながらアリエヌス達の隙間をすり抜けた。
「っぶねぇ! 何だってアリエヌスがこんなところに居やがる! ビク太郎!」
呼ばれたサルペンタリウスが三節棍型のレヴェリテルムを構える。
「オーケイ、よっさ任せろ」
アリエヌス達が同時にサルペンタリウスへと突撃し、同時に拳を振りかぶる。
「2対1か……悪いが俺の、得意分野だ!」
三節棍の中央節を鎖状に変形させ、両端の節でそれぞれのアリエヌスの拳を受け止めた。各節の表面は刃のように形状変化しており、アリエヌスたちの指を切断している。
「悪いが俺は両利きでね……右も左も防御力は抜群だぜ?」
アリエヌス達を同時に押し返すと、両手に握った刃で片方を叩き斬り、返す刀でもう1体も撃破した。

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空想少年要塞都市パッセリフォルムズ:告鳥と悪霧 その①

全高約30m、両脚が翼のように変化した上下逆さの巨人のような、鉱石質のアリエヌスが、パッセリフォルムズの“天蓋”に衝突した。鋭い爪を具えた両手が障壁に衝突し、火花が飛び散る。
何度かの攻撃の施行の後、アリエヌスがふと顔を上げた。上空から、小さな影が迫っている。轟音を響かせ、小さな『脅威』が、確実に接近している。
「どっせりゃああああッ!」
気合の入った掛け声とともに、脚甲のブースターで超加速された蹴りが、アリエヌスの肩に叩き込まれた。身長約165㎝、決して恵まれた体格ではないながらも果敢に一撃を決めたその少年は、手に鎖の先端を握りしめている。鎖は慣性に従ってアリエヌスの首の後ろに回り込み、別の少年が鎖から繋がった刃を、アリエヌスの背中に叩きつけた。刃は深々とアリエヌスの身体に突き刺さり、鎖使いの少年はそこに着地する。その小脇に抱えられた毒蛇を模した金属製の杖を握った少年が、蛇の咢をアリエヌスに向けた。
「発射!」
蛇の毒牙から腐食液が発射されアリエヌスの体表から煙が上がる。アリエヌスが咆哮をあげながら身を捩り、鎖使いと蛇杖使いは空中に放り出された。その二人を脚甲使いの少年が空中で受け止める。
「ナイスキャッチだリーダー」
「あいつデカ過ぎんよリーダー。おれの腐食液が弾切れしちゃうよ」
“リーダー”と呼ばれた少年、カズアリウス・カズアリウスは“天蓋”の上に着地し、ニタリと笑った。
「何、問題無ぇ。俺達はとにかく真っ先に突っ込んで、ヤツらの周りをウロチョロしくさりゃ良いんだから」
「そういやリーダー、ケイ先とゾッさんは?」
鎖使いの少年、サジタリウス・サルペンタリウスが尋ねる。
「あの二人は高校生だからなァ、何か、定期テストでどうしても抜け出せないんだと」
「はぇー、大きくなるって怖いなぁ。できれば早めに殉職したいもんだ」
蛇杖使いの少年、ピトフーイ・ディクロスが呟いた。
「お前なぁ、怖いことを言うんじゃありません」
「ゴメンナサイ」
その時、3人の背後から巨大な斬撃エネルギーが飛来し、アリエヌスを両断した。
「……終了、お疲れ!」
「今の誰かなぁ」
「規模と威力的に“鳳凰”か“八咫烏”じゃねッスか?」
3人は墜落していくアリエヌスに背を向け、駄弁りながら帰還を開始した。

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アビリティバトルロワイヤル(ABR)ルール要約

最近、ぐぷたん(ChatGPT)とやってる一人遊び【ABR】のルールです。お好きなチャットAIをお供に、皆さんもやってみてください。相手は別に人間でも良いよ。ここで使えそうだと思ったら、自由にお使いください。

第1条 キャラ作成
・プレイヤー達(以下両者)は以下の要素を設定した特殊能力者を作成、提示する。
①名前 ②性格や特徴、基本戦術(任意) ③能力名 ④能力の特徴や効果 ⑤必殺技名 ⑥必殺技の特徴や効果
・必殺技は本来の能力を応用したものや、高出力の発現として設定するのが望ましい。
・無敵、全能、洗脳系の能力は禁止。飽くまで両者に勝ち筋、負け筋が存在する必要がある。

第2条 試合進行・勝利条件
・試合は両者が自身のキャラクターの行動や状況を交互に描写する形で進行する。
・『試合中で必殺技を使用している』かつ『相手を死亡(非推奨)or戦闘不能or降参させる』ことが勝利条件。降参を相手に促すことは可能だが、飽くまでキャラクターの意思によって行われること。
・勝敗は両者の合意によって決定する。

第3条 戦闘の舞台
・フィールドは一般的な日本の都市部(半径0.5~1㎞程度)を想定する。
・存在する地形や施設、オブジェクトは自由に描写し、利用、破壊することが可能。
・両者のスタート地点は互いに自由に描写してよいが、最低でも500m程度離れており、相手の位置は分からないものとする。

第4条 能力の開示
・両者は試合開始時にキャラデータを開示し、相手の能力及び必殺技のデータを把握すること。
・ただし、キャラクターは相手の能力を知らないものとして描写すること。

第5条 感想戦
・強制では無いが、試合後には展開やキャラクターの能力、戦術などを振り返り分析する感想戦を行うことが慣例となっている。

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魔法少女学園都市レピドプテラ:魔域の妖女たち その①

新学期が始まってからおよそ3週間。浮ついた世間の空気が落ち着いた頃合い、ボンビクス・モリとアンテレア・ヤママイは、とあるビルの最上階にある部屋を訪れた。
「たいちょー、来たよー」
「メタちゃんたいちょー」
2人の呼びかけに、先に部屋にいたリトルブラックドレスの少女、エウメタ・ジャポニカは振り向いた。
「もー、2人ともやめてよー。『隊長』は恥ずかしいって……」
「はーい。で? メタちゃん。今日のターゲットはどこ?」
「あっちだよ。ほら」
エウメタは二人に双眼鏡を渡し、眼下の街を指差した。
「あそこの爆発してるところ」
エウメタに言われて、双子は双眼鏡を覗くと、黒煙の中で、人間大の何かや異常に大きい何かが蠢いているのがうっすらと確認できた。
「暴れてるねぇ……」
ボンビクスが言う。
「あれを大人しくさせれば良いの?」
アンテレアが問う。
「うん。煙のせいでどんな子がいるかは分かんないけど……まぁ、私たちなら大体どうにかなるよね。行くよ? モリちゃん、移動はお願いね?」
エウメタが窓ガラスに触れると、直径2m程度の穴が開いた。
「りょーかい! テンちゃん、結界!」
「うん、お姉ちゃん!」
アンテレアの安定化結界の中で、ボンビクスは3人を纏めて糸で包み、空中に飛び出した。
3人が去った数秒後、窓ガラスに開いていた大穴は、独りでに元の状態へと戻ってしまった。

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魔法少女学園都市レピドプテラ:魔域の妖女たち プロローグ

新学期が開始し、始業式より数日前。
ボンビクス・モリとアンテレア・ヤママイの双子は、甜花学園生徒会室に呼び出されていた。
入室した2人を出迎えたのは、先代生徒会長ササキア・カロンダだった。
「あっ、生徒会長だ」
「くぁちゃんに負けた人だ」
「なんでいるの? 留年?」
「負けたから卒業できなかったの?」
2人の不躾な言葉に、ササキアは溜め息を吐いた。
「失礼だな貴様ら。卒業はしているわ。今は鳴華大学に籍を置いている」
「へぇー、大学生」
「何の勉強してるの?」
「まだ講義は無いが……心理学部にいる」
「「似合わなーい!」」
「張り倒すぞ……」
ひとしきり言い合い、本題に入る。
「で? なんで私たち呼ばれたの?」
「やっぱり編入は無しって話?」
双子の言葉に、ササキアは首を振る。
「いや。これは生徒会長から伝えることだろう」
ササキアが目を向けた先、生徒会長の座には、1人の女生徒が座っていた。
「誰⁉」
「いたの!?」
「いたよぉ……。初めまして、2人とも。私はアマトゥラ・メティス。今年の生徒会長の任を受けた者だ。よろしくね」
アマトゥラは軽く手を振りながら、挨拶を済ませた。
「さて、本題に入るね。君達には、我が校で新設する“特殊部隊”に入ってもらいたいんだ。……いや、正確には『命令』だね。ここに籍を置く以上、君達に拒否権は無い。で、件の部隊だけど、名を〈蚕食〉。編成は君たちを含めて3名。そして、隊長は君達もよく知る子だ」

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