百舌鳥と愉快な仲間たち_8
それは咄嗟の判断だった。ブケファルスはカウダを突き飛ばした。それは助けるための行動だったが、カウダは運悪く姿勢を崩してその場で転び、ブケファルスとカウダは共々アリエヌスに丸呑みにされてしまった。
_アリエヌスの体内
「痛ぇー…」
ブケファルスがしたたかに打った背中の痛みに悶えていると、上からカウダが降ってきた。
「痛っ」
「ぐえっ!?おま…は!?食われてるじゃねぇか!!俺身代わりになったのに!」
「仕方ないだろ転んじゃったんだから。あ、でも助けてくれてありがとう」
「どういたしまして…結果的には助けられなかったけどな…あと悪いけどどいてくんね?」
「おっと!ごめんね」
カウダはブケファルスの上からどいて立ち上がる。ブケファルスもゆっくりと立ち上がった。
「さて、ここからどうしようか?」
「内側からアリエヌス倒して出るしかねぇだろ」
カウダはそうだねと小さく呟いてまわりを見回した。なにでできているかわからないが、黒く、なにもないただの広い空間のようだ。