夕方のにおいがした うっすら浮かんだお月様に 君を想って でも君はいないなんて思い出して 飛び回る蜻蛉を哀しく眺めて 夕方のにおいを吸い込むんだ ふと涙が零れそうになる そんな秋
白に少々赤色を それとたっぷりの水 それをね 青い色画用紙の上に ぽとりと落とすの ね 綺麗でしょ
ギターを弾ける君が どんな曲でも弾ける君が 私のなつかしい歌を弾ける君が みんなからかっこいいって言われて、言われなれてないから照れてる君が なんだか妙に羨ましくて胸がちりちりしたの。 それで、ありがとうって言ったの。 なつかしい歌を弾いてくれてありがとうって。 ちょっとどやって顔して「おう」って言った君。 私もはやくギターを弾けるようになるから、 そしたら一緒に弾いてくれるでしょ? はやくギターなおしに行くから、なおったらうちにきて教えてね。
奇跡をたくさん見つけたんだ 君の名前も私の名前もあの人の名前も 全部見つけようって躍起になって 延々と大好きな場所を語って 新しい紙に書き綴ったふざけた言葉も 全部私の笑顔を生み出して 寂しくなってた気持ちがなくなった 歩き疲れた脚をさすって 私はいっぱい笑顔になって そして大好きを抱きしめるの
君の声が聴きたくて イヤホンを耳にあてると 流れてきたのはadvertisement スキップ スキップ スキップ… 何回しても見つからない 僕の一番好きなうた 恋はいつもSHUFFLE再生 スキップは5回できるけど PLAYBACKはできないの 寂しさ紛らわそうと イヤホンを耳にあてると 流れてきたのはオススメの楽曲 好きって 好きって 好きって… 何度言っても伝わらない 僕の一番好きなひと 恋はいつもSHUFFLE再生 好きって5回以上言っても 君のPLAYLISTは作れない
やまのよぞらをおくります おほしさまひとつ くるんともいで ひんやりつめたく ひやしてたべてね
「黄泉比良坂まで」 人の行き交う仄暗いプラットホーム たったひとつの荷物を抱え 錆び古びた列車に乗り込む 無音の喧騒 いちばん端の椅子に座り 列車の揺れに身を任せる ゆらり ふわり 心無しか少し身が軽くなっただろうか 幾つもの踏切 鳥居 卒塔婆を ゆっくりと通り過ぎてゆく 隣の乗客は徐ろに煙草を取り出した 誰の顔も分からない逢魔時 ふと窓の外 恐ろしいほどに鮮やかで どうしようもなく美しい 真っ赤な夕焼け 燃え盛る一面の死人花 嗚呼、綺麗だな なんて興味無さげな声を舌先に転がす 「もうすぐ日が落ちます」 手練たような掠れたアナウンス 夕焼けはどこかへ溶けて消えてしまった あなたは何処へ向かったのだろうか どうか私の向かう先に その真っ白な死装束のまま 待っていてくれますように どうか何も変わらぬままに 死に急いでいた 死に急いでいた 彼に頼み込んで ようやく死んだのだ 後悔しないように あなたと離れ離れにならないように ひどく死に急いでいた 回る 回る すっかり冥くなってしまった あなたな未だ待っていてくれるだろうか ぽつりぽつりと灯籠に灯が入る 幽冥に滲んで川を下ってゆく 片道切符を握りしめて この汗ばんだ手に くしゃくしゃになった紙切れをひとつ ただただ大事に握りしめている 嗚呼何もかも忘れて仕舞いそうだ あなたの顔もその声も名も 眠たくて仕方がないな 終点に着くまであなたは 待っていてくれるのだろうか
夏の花のように朗らかな君だった 僕に向けた笑顔に太陽が綻んで 小さな恋心が動き出した
目の前にあった幸せがいつか 幻だったんじゃないかと思う日が来ても 私は今を幸せだと思いたい
久々に付けたコンタクトは少し痛くて 久々にしたお洒落は少し不恰好だった。 でも 久々に会う君は変わらず可愛いかった。 慣れないことはするもんじゃなかった。 君の為に花束なんて。
人間はなぜ二本脚で歩き出したのか 『手をつなぎたかったから』と答えた子どもは 「そもそもなぜとかじゃなくてたまたま立ってみたら都合が良かっただけ、進化論的には。」 と答えるひねくれた人間になりました 「手だって繋げるしね」 いや、根っこは変わってなかったみたいだ 歩こうぜ 手をつないで 進化論のその先を目指して 怖くても二人で 根拠はないけど僕らなら行けるって 0点だって構わないくらいの答まで 行こうぜ
夏休みが終わった いつもと変わらない学校 友達もクラスメイトも変わってない 先生の話を聞きながら、窓の外を眺める ふとあの日のことを思い出す あの日見た景色 あの日聴いた音楽 あの日会った人たち 言葉にできない感情が湧き上がる そして何事もなかったかのように また先生の話を聞く いつもと変わらない学校 友達もクラスメイトも変わってない でもちょっとだけ「何か」が変わった気がする
私を愛してくれる私が愛するひとはどこにいますか?
現実に戻って気がついた 1枚の写真も残ってないな そのせいか ふわふわした夢みたいな記憶で ほんのちょっと寂しくなったり でもね 頭の中に溢れてくる記憶や 手の元に残った証拠が 私に教えるんだ 君は生きてるよ 私の近くにいたよ 大好き どうしようもないくらいに 大好き
気づいてたんだよね 私が泣いてることだって 上がったり下がったりした心に 気づいてて 知らないふりが1番優しいと思った 大好きだ 君のその歌声も 君と笑った色水だって 全部あったかい思い出で だから絶対会うんだよって決めて話すの
迷い込んだ森の奥 空にぽかりと三日月が浮かぶ夜 私は流した涙をごしっと拭って 見つめた森の木々たちに笑顔を向けるんだ しあわせ、なんだ 森をぬけていつものように 電車に揺られて 私は わたしは 綺麗に磨かれた気分だった
長い長い道半ばで 私の顔は汚れてしまっていた 震える声は弱さを表す様だ いつも偉そうに笑うあいつも 泣き虫で優しくされているあの子も 温かいモノが離れた時 人は寂しさを感じるんだ 笑えなくなった時 人は悲しい顔でそっと布団に潜って 眠る 怠い怠い道半ばで 僕は色んなことを覚えました。 深い傷跡を引きずりながら 癒しを求めてはまた妬んでしまうんだ いつも無邪気で笑う人気者も 本当は優しいあの子だって 暖かい日だまりが離れる時 人は寂しさを感じるんだ 大丈夫じゃないのに 無理に「大丈夫」と言ってしまう 君は 本当は辛さなんかいらないし 妬みたくもなんかないよ でも心が勝手に動き出す 空っぽの自分に気づいた すべてを愛すために歩いていく 哀しみもいつかは受け容れる
君のこと、ずっと見てたからさ 知ってるんだ。 浴衣の袖を左右に振ってみたけど 君が同じように振ることはなかった 君には愛すべきアイスがあるからね だから君が私に対して 少し気まずく感じてるってこと 知ってるんだ。 ふーん。 でもそんな時間、いらないよ? 君は幸せになったらいいじゃない 私が浴衣を引き裂いて泣くだけだからさ そんな君に君が好きな子と 幸せになれる方法を教えてあげる。 私が惚れた理由、全て教えるからさ。 それ、全部その子にやってあげなよ。 自転車で一緒に帰る時車道側を走る癖 少し早めに歩いて後ろをそっと振り向いて 優しく微笑む顔 恋愛ソングを目を合わせながら歌う声 私が惚れたんだよ? 君が選んだあの子が 惚れないわけないじゃない え?無理だって? ふーん。 なら叶わなくても仕方ないね 叶わなかったらまた浴衣の袖をさ 私のとこまで振りに来てよ 今度こそ左右に、さ。
月のベットにダイブして
夏の終わりの雨があがって 纏わりつくような空気を吸って 見上げてふと目があったら 枝の上のカラスがあくびをした 茜の空の夕立があがって 閉めきっていた窓を開けて 網戸についた水滴を撫でたら あの日の涙を思い出した 秋のはじめの雨があがって しまい込んでいたギターをつかんで もうずっと忘れていた旋律に触れたら 窓の外から歌が聴こえた もう日も沈む頃 静かな夜が おもむろに近づいてくるのを見た
鳴りやまない あの言葉が あの一行が あの文字が。 A,本 鳴りやまない あの歓声 あの拍手 あのイントロ。 A,ライブ 鳴りやまない 花火の音 下駄の音 景品が倒れる音。 A,夏祭り 鳴りやまない グラウンドをかける音 体育館に響くボールの音 外にいても聞こえる合奏。 A,部活 鳴りやまない 君だけの着信音 LINEの着信音 君の声 体育館シューズの擦れる音 胸の鼓動 どうしよう 鳴りやまない 君の、きみの、キミの……… 全てが。 A,恋 わたしの夏休み
私が1年前紛れ込んだ街 茶色の石畳、白い建物 そこにはたくさんのお店があった 魔法でみんなを引き合せる本屋さん 行事を起こす植物屋さんと工事屋さん 星を売る流星屋さん 気まぐれ屋台の鞠屋さん 何度も何度も感動させられるこの街 私はお店に入ってお手紙を残したり お店の前のポストにスタンプを押したりした ご近所さんどうしのお付き合いが素敵で 誰かの記念日には全力を挙げてお祝いして 幸せ涙に溢れるこの街で 私は果物屋さんを始めて1年ちょっと ようやく、馴染めてきたかな
観月の顔が一瞬歪む。 そして、まっすぐ紫陽を見ていた視線を外し、ごめん,と音にする。 「それ、面白かったよ」 当たり障りのないことを呟いた。 「……そうか。なら、良かった」 素っ気なくそういうと、紫陽はおもむろに本を取り上げ、パラパラとめくる。 「……どこが?」 観月は、まだ話し続けるの?とでも言いたげな目をしている。 「主人公に、全然共感できないところ」 紫陽は首をかしげる。 「それ面白いのか……?」 悪くなった流れなどとうに忘れてしまった紫陽は、その実本の話をしたくてうずうずしていた。 「あ、でもあそこは面白かっただろ?ほら、宇宙船が落ちてきたとき」 「主人公があんたに似てるから共感できないって皮肉を言ってるんでしょうが!私は宇宙船のとこよりも分子を可視化できた時の博士の反応のほうが面白かった!」 相変わらずのすれ違いである。 「ああ、あそこかあ……。通だな、お前も」 観月とは裏腹に、楽しそうな紫陽。 「TP-306が活性化したときの描写はほんと最高だよな!わかってるじゃないか」 観月は、その楽しそうな表情に脱力してしまった。 むくれるだけ労力の無駄である。 「そうだね、まるで核融合反応をペットボトルの中で見たかのような感覚だったね」 「おお、お前もそう思ったか。やはりそうか、もしかしたら作者は中性子分野の研究に通じてるのやも知らんな……」 そういうと紫陽は、観月のことなどお構いなしに、一人でぶつぶつと考え込み出してしまった。 こうなってはもう仕方がない。紫陽がどんな性格だか、観月はわかっているつもりだ。 片付けていたら見つけた、なんて、そんなのは嘘だ。あれだけ細かな設定にたくさんの言葉たち。フィクションだかノンフィクションだかわからないような本を理解するのに、これだけの時間がかかってしまうのは仕方がない。 けれど、いつもつまらなそうにしている紫陽が、本を勧めてくる時だけはあんなに楽しそうなのだ。これに付き合うことを一つの娯楽としてしまっている自分も自分なのだが。 帰りにも捕まるな、そう思い、苦笑して静かに机から離れた。 今回、紫陽が貸してくれた本のタイトル、それは
みなさん、こんにちは。いかがお過ごしでしょうか。 暑い夏休み中かと思われますが、楽しいこと、していますか? 実は私、memento moriさんと合作、なんてしていたんですね。 それが、とっても楽しかったんです。 以前から、一緒に作りたいね、書きたいねとお話ししていたのですが、それがやっと実現いたしました。 それが形になったので、ぜひ読んでいただきたいと思い、ポエム掲示板に掲載いたします。 はじめの言葉にあまりふさわしいものではありませんが、今回物語を共同製作するにあたってお誘いいただいためめんとさん、とても楽しく貴重な経験でした。この場を借りてお礼申し上げます。 みなさんに、素敵な物語との出会いがありますように。
蝉が唸りをあげる頃 祭り終わりの川縁で 高く太陽燃え盛る 彼方逃げ水ごみ袋 汗をぬぐった午前九時 君と も一度待ち合わせ 特に行く宛てないけれど それでも君と待ち合わせ 不馴れな君のことだから 今日も迷子になるだろか そして結局地下街を 駆けずり回ることになる 宵の祭りの遺骸には 蟻と蝿とがたむろして 君と一緒にあの夜を 過ごせてたらって思ったり 「も一度君に会おうとして 望遠鏡を覗きこんだ」 街で流れる音楽は 想いをいっそう駆り立てた 行くあてなんてどこにもない 目的なんてあるはずない ただ君といるこの時間 それだけがただ大切で 暫く会えない君だから 「またね」の心許なさが 僕らをいっそう駆り立てる 離れられない気がしてる 真夏の街は騒がしく 僕の心に囁いた 赤い髪した君のこと 忘れるはずなどないんだ、と
人混みの中では 僕も「その他大勢」のうちの一人 流れに揺られて まるで陸の川のようなこの街路は 焼きそばを焼くにはあまりに お目当ての屋台を探すにはあまりに 君を見つけるにはあまりに 不向きだった 君が買いに来てくれないかと やっぱり屋台の手伝いをするんだ
私が私でいるだけで 私の名前を呼んでくれる人がいて たがが外れたように笑い続けた 幸せだった あなたが信じるほどの現実だった 夢みたいな現実だった そのあとの泣きそうな喪失感は 耐え難いものだったけど 未来の話をして なんだか楽しくなった 対等だったって思ってもいいのかな 短かったあの時間は 何にも替え難い 最高の幸せ
こんばんは、今日は本当に特別な日にしてもらいました、ちょっぴり成長したピーターパンです。大切な人たちから頂いた素敵な言葉の数々、本当に本当に嬉しかったです。バックアップとって保存しておきました() 正直、誕生日のこと、当日まで完全に忘れていたんです。それくらい、自分のなかでの誕生日の位置づけって大したことのないものだったのだけれど、気付いてくれた人からの派生がすごくって。自分でも、こんなにお祝いしてもらえるだなんて予想だにしていなかったものですから、本当に驚きと嬉しさで、どうにかなってしまいそうだったんです。他人事みたいですけれど、私、愛されているんだなって。 顔を合わせたことがなくて、文字や言葉だけで、掲示板という繋がりだけと言えばその通りでもあって。どこかで軽く話したことがあるのだけれど、私たちは出逢っていなかったかもしれない集まりなんですよね。私も含めて、たまたま、今、ここにいるだけで。ただ、そのたまたまのおかげで出逢って、しかも、自分がこの世に生を受けた日を祝ってもらえることって、それだけで特別なことだと思うんです。 今日1日祝ってもらって気付いたんですけど、喜んでいるのが、感動しているのが、私だけじゃないんですよね。それがまた、嬉しくって。大好きな人と同じ時間を共有できることの幸せを強く感じました。みんなには感謝しかありません。私と出逢ってくれてありがとう。
普通、一言目ってハッピーバースデーなんじゃないの? なんてね。 あのときの沈黙、今思うとおかしいったらありゃしない。 例年の夏よりかは涼しくも、湿度が高くて寝苦しくて、それでもたまに吹いてくる風に肌を撫でられながら、全神経を研ぎ澄まして聴いていたのは私の好きな音。 たまに聞こえてくる咳さえも。 ただ、心配してしまうから、そういうのはよくない。 ずるいと連呼するくらいのやきもちと やめてと連呼するくらいのいじわる ナメクジとプラナリアが友情出演したのは 日頃の先輩の圧力への報復かしら モスキートとの大戦闘と深夜徘徊、 可笑し気な話ばかりね。 自重して抑制して、それでも文句を言われましたけれど、 そんなの、お互い様よ。 知れば知るほど違うところしか見えてこないのは きっと、そういうこと。 ヒトリジメ、甘美な響きね。 ナイモノネダリ、私たちを繋ぐもの。 スキ、そういうとこだよ。 PS:ここで夕日を引っ張ってくるのは、本当に本当にずるい。フック船長のせいで、ピーターパンおかしくなりそう。
君はとある王子に仕える執事 私は航海を助ける甲板手 毎日山を散歩する君だけど もし海を散歩してくれたら 最寄りの港が君の住む 街の港だったら そう願って毎日灯籠流すよ もう君に逢えない 君と分かり合えないのは知ってても 海と陸は混ざり合わない 分かってる、分かってるの 西の方に君がいたら そう思うと海と違う水が湧く 東に君がいても もう分かんないや コンパスも指し示さない恋の行方 もし私たち結ばれたら 一緒に火の中に飛び込んでくれる? 私がもしあの国の姫だったら 君がもしこの船の船員だったら 何か変わってたのかな 夜になってたら 虹になってたら 私は君のことを愛せたかな? あの国の執事の君しか 愛せなかったかな? どうだろう でもやっぱり灯籠は毎日流すね 君に届くように