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ピッタリ十数字・勝手に表彰

どうもナニガシさんです。好き勝手やるならしばらく更新されない週末がチャンスだぜってことで、ナニガシさんが以前開いた企画『ピッタリ十数字』で個人的に惚れた作品を勝手に紹介していきます。


・『ピッタリ10文字』byTohofantasy
貴方に出会えた十文字

習作の時点で遭遇した何か滅茶苦茶気に入ったやつ。レスで会話した内容を引用するに、「僕自身が滅多に浮上しないアカウントであることと、あとは第三者視点でも交わらなかったはずの2人が十文字(=交差点)で交差する感じを両方10文字で表してみました」だそうです。これがエモいってやつなのか? 僕には若者語が分からねえ。

・『朝』by晴結
井の中の蛙は、空がみたい。

何かよく分からないけど何故か異様にというか奇妙にというか何か印象に残って気が付いたらお気に入り登録してたやつ。そういえばお気に入り登録って個数上限あるんすね。

・『ピッタリ十数字』byぞろりく
       昨日

         おはよ >  ●
              ⒎⒛
       今日

  〇 < さよなら
  ⒗⒓

ルールを最大限悪用してくださった作品。すげー!ってなった後に「本当にセーフかこれ?」って冷静になったけど、1回納得させた時点で彼の勝ちです。この企画において恐らく唯一『勝者』を名乗って良い。

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Daemonium Bellum RE:ふぉーるんらぼらとり その①

目を覚ますと、私は知らない部屋の中にいた。どうやら硬い椅子に座らされ、縄と鎖で身動きが取れないよう拘束されているらしい。
「あ、起きました? おはようございます。そんな状態じゃ難しいとは思いますが、どうぞ寛いでもらって」
声の方に目をやると、長い銀髪の青年が長剣の刃の手入れをしていた。
何故こんなことになっているのだろう。起きる前のことを思い返してみても、普段通りの生活を送り、普段と変わらない時間に床に就いた、その記憶しか無い。
状況を整理するために部屋の中を見渡してみると、自分以外にも2人、同じように椅子に拘束されているのが見えた。項垂れているところを見るに、まだ目覚めてはいないのだろう。
「わ……私達をこんな風にして、あなたはいったい何をする気なんですか」
あの青年に、震える声で、それでもできるだけ毅然と、尋ねてみる。
「……そーだそーだー。そっちの羽根持ちならいざ知らず、俺がこんな目に遭わされるような恨み買った覚え無ェよォー」
自分の右側に拘束されている男性が、便乗するように口にした。どうやら意識はあったらしい。
「なァ、“片羽根”?」
その男性が、長髪の青年に言う。よく見ると、青年の腰の辺りから、真っ白な鳥の翼が右側だけ生えていた。
「そーいう『如何にも差別してます』みたいな言い方、良くないと思うなー」
「バァーカ、挑発でンな丁寧に呼ぶわけ無ェだろーが」
「それもそっか。……けど、今回の俺の目当ては、どっちかというとおたくなんですよ」
「マジで? 何それ気色悪りィ」
2人の言い合う声のせいか、最後の1人もようやく目を覚ました。

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少年少女色彩都市・某Edit. Agitation & Direction その⑤

タマモが怒りに任せてエベルソルを蹂躙していた頃、ロキは他のリプリゼントルがエベルソルの群れと交戦しているのには見向きもせず、脇をすり抜け戦場の目標地点に向かっていた。時折自分の下に流れてくるエベルソルの個体に難儀しながらも、ロキはようやく目当ての場所に到着した。
「ぬぼさん!」
エベルソルに取り囲まれていた、サイバーパンク風の衣装を纏ったリプリゼントルの少女に呼びかける。
「え、あ、フ、フベ……」
「ロキで良いです」
「分かった、ロキちゃん、助けて!」
「まあ、はい」
変化弾をエベルソルに叩き込み、一度ぬぼ子からエベルソルの群れを引き剥がす。
「あ、ありがとう……」
「いえまあ、別に、はい。取り敢えず攻撃継続してください、溢れた分は私が整えます」
「助かるよ」
ぬぼ子はガラスペンの先を空中に置き、素早く直線を引く。するとその直線を対角線とする長方形が、地面と平行に生成された。更にガラスペンをそのまま真上に持ち上げると、先ほどの長方形を底辺とする直方体となる。
「次の音まで……3、2……」
ぬぼ子のカウントダウンの間、ロキが弾幕でエベルソルらを牽制する。
「ゼロ!」
ぬぼ子の宣言と同時に、巨大な直方体型のブロックが群れの中央に落下する。数体のエベルソルが押し潰されたが、他の個体は素早く回避し、前進を続けようとする。
そして、ロキが予め仕込んでいた変化弾に足をすくわれ、転倒した。それを堪えた個体も、倒れたエベルソルに足を取られて連鎖的に倒れ伏す。
「……あ」
「ん? ロキちゃん何……あっ!」
ブロック、変化弾の両方を回避したエベルソルが2体、2人の両脇をすり抜けてホールに向かったのだ。

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告白

嘘をついたのは初めてだった。
と言ってもそれを嘘と呼んだのは後になってのことだが、紛れもなくあれは僕の初めての嘘だ。
「そうだよ、嫌われ者だもん」
小学生になり空気を読むことを覚えろと親に言われた頃だった。何も知らない私は小学生とはそういうものだと信じていた。みんなそうしていて汚い笑い方も気に触る発言も全て空気なのだと、私はそう信じてしまった。
「お前、もう女子にフラれたんだってね」
「え、そうなの?ってかもう告るとか頭おかしいでしょ」
「えー、その子可哀想〜」
根も葉もない話だった。確かに同じマンションの女子と一緒に帰ることはあったが、あくまでも低学年ならではの集団下校でしかない。しかし大して友達のいない僕がどんなに否定しても誰も信じてはくれなかった。それどころか否定する毎に話は大きくなり、時間とともに噂は形を変えていった。
「フラれても諦めてないらしいよ」
「ストーカーじゃん」
言った本人は覚えたての言葉を使いたかっただけなのかもしれない。でもその標的にされた身からすれば溜まったものじゃない。幼いながらにその女子と帰るのを気まずいと感じてしまう。
「なんで違うって言わないの?」
ある日の帰り道、その女子は迷惑そうに言った。その子がストーカーだなんだと言われることはないだろうがそもそもが根も葉もない話だ、身に覚えのない擁護や知ったか顔に何かと迷惑はかかっていただろう。
「言ってるよ」
空気を読んだつもりでなるべく軽く言った。その子は唯一真実を知っている子で、どんなことであっても嘘をつきたくはなかった。
「じゃあなんで話が大きくなるの?」
その子が僕をを疑っていたのだと察した。その時は傷ついたが、今思えばあの場で言ってないと一言嘘を言うだけでよかっただろう。たったそれだけでその子は諦めてくれたはずだ。信じて疑われるより、諦めて責任を押し付けられる方がよっぽど楽だ。

to be continued..

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少年少女色彩都市 act 8

鼻歌を歌いながらガラスペンを空中に走らせていた少女は、ヘドロのエベルソルが弱々しく蠢いているのに気付き、一度手を止めて接敵した。
「おかしーなぁ……3回くらい殺さなかった? ほれ、聞いてるなら頷け?」
エベルソルがのろのろと伸ばしてきた千切れた腕を踏みつけ、首の部分を捕まえて作業に戻る。
「何描いてるか、気になる? お前にとどめを刺すものだよー。どうやって死にたい? 私のお勧めは八つ裂きとかなんだけどねぇ……。こんな住宅街のど真ん中でやったら迷惑じゃない? だから、埋葬する方向でいこうと思うんだけど……どう?」
当然、エベルソルは何の反応も返さない。
「なーんーかーいーえーよー」
エベルソルの首をぐいぐいと絞めつけながら、少女は楽しそうに描き進めていく。
「……あぁー。何にも言わないから、もう完成しちゃった」
それは、直線のみで構成された巨大な手のような立体。その手が道路を舗装するアスファルトに指を食い込ませ、ぐいと引き上げる。舗装はそれにしたがって剥がれるように持ち上がり地下の様子が表に現れる。本来なら土壌とガス管や水道管に満たされているはずのそこには何も無く、ただ無限に広がっているようにすら思える虚空だけがあった。
「どう? 素敵じゃない? ……素敵じゃないか。そっかそっか。……うわっ」
その時、少年の奏でるバイオリンの音色と、肉塊エベルソルが潰れる音が少女の下にも届いた。
「うえぇ……私、クラシックって苦手なんだよねぇ。特に音の高い管楽器と音の高い弦楽器。いや好きな人は好きなんだろうけどね? 私はもうちょっと重低音な方が安心できるなぁ……あの子もチェロとか弾けばいいのに。良いじゃんゴーシュスタイル。……おっと、いつまでも放っておいて悪かったね」
手の中でぐったりとしているエベルソルの頭部に声を掛け、虚空の方へ引きずっていく。
「それじゃ、ご冥福を……いや地獄行き確定だから福は無いか。思い返せばお前は久々に私をいらいらさせた良い敵だった。うーん……ああ、そうだ」
何かを閃いたように指を鳴らし、少女はエベルソルを虚空に投げ捨て、落ちていくソレに敬礼した。
「良い来世を、我がクソッたれの敵! 次会う時は仲良くしよう!」
エベルソルが見えなくなるまで見送り、少女は巨大な手を用いて舗装を元に戻した。

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少年少女色彩都市・某Edit. Agitation & Direction その②

「さあクソッたれの文化破壊者エベ公どもテメエらに告ぐぜィ。こっから失せるか殺り合って死ぬか俺らを殺して先に進むか。許されたのは三つに一つ、推奨するのは1番一択。アホほど妨害させてもらうが、イラっと来るのは御愛嬌。お相手を務めましたるはァ?」
少年は口上を述べながら、正方形と直線が絡み合ったような魔法陣をすらすらと描き上げていく。隣の少女も無言で軸のズレた円形が重なり合った魔法陣を完成させる。
ほぼ同時に2人の魔法陣が完成し、強く光を放つ。それはすぐに止み、2人の“リプリゼントル”がその場に立っていた。
「【煽動者】タマモノマエ、ェアァァアアアンッ!」
パーカとカーゴパンツという出で立ちの少年。
「【演出家】フヴェズルング」
ノンスリーブのセーラー服姿の少女。
「悪いがココで、俺らと遊んでもらうぜ」
「演奏会が終わるまで、ここから先には通さないよ」
2人の口上が終わるのとほぼ同時に、エベルソル達の勢いが増す。しかし、それは少年タマモノマエが後ろ手で用意していた光弾の弾幕に押し戻される。
「せっかく頭数持ってきたのはご苦労。きっと裏とかも攻めてるんだろ? まあそっちは俺らの数倍強ェ奴らが控えてるからなー……『通れねェ』じゃ済まないンだろーなァ、諦めて俺ら殺しに来た方がきっと得だぜ破壊者共」
一定のペースで撃たれ続ける光弾に、エベルソルはひとまずの標的をタマモノマエに変更した。その瞬間、ソレらの横から別の光弾が直撃する。
「うっわぁ……ロキお前、今のは大分ずるいなァ……」
「それが私達のやり方じゃないの、タマモ?」
フヴェズルング、ロキはきょとんとした顔で問い返す。
「……それもそうか。じゃあもうチョイ上げてくかァ」
タマモノマエ、タマモは残忍な笑みを浮かべ、エベルソルらに向き直った。

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CHILDish Monstrum あとがき

どうも、テトモンよ永遠に!です。
昨日をもちまして、企画「CHILDish Monstrum」は無事に終了いたしました。
今回も案の定参加者が少なかったのですが、最終盤に滑り込み参加する方が出てきたりしたので根気良く待つのが1番かなと思いました。
という訳で、毎度恒例の企画の裏話をば。

今回の企画は、去年のニコニコ超会議開催中にニコニコ生放送で一挙放送されていたアニメ「ダーリンインザフランキス」というアニメを観ていた時に思いついたものです。
件のアニメの後半でとあるキャラクターが「僕たちは君たち人間と違って優れた存在だから」みたいなことを言っていて、この場面を観た瞬間に「人間が作った、人間より優れた人外たちが人間を守るために戦う話」を思いつき、この企画の原型である物語ができました。
しかし、最初はこの物語を自分の中で色々展開させていましたのですが、その内忙しくなったり他の空想に走ったりして気付いたら放置するようになってしまいました。
それから時間が流れて去年の12月上旬、ふと学校帰りに「あの話を企画として昇華しちゃえばいいんじゃね?」となり、他に思いついた企画と共に企画アンケートをここに投稿、この企画に1番票が入ったので年明け早々に始めて今に至ります。

アンケートで4票も入ってたので4人くらいは参加者が出てくれるんじゃないかと踏んでいましたが、そうはいかなかったので企画って相変わらず難しいな〜と思いました。
でも某ナニガシさんがめっちゃ楽しんでたみたいなのでよかったです!
本当にありがとう!

長々と書いてしまいましたが、今回はこの辺で。
次は企画アンケートで2番目に票が入った企画「Daemonium Bellum RE」を3月に開催します!
今度は天使と悪魔が大暴れする企画なので、皆さん楽しみにしててくださいね〜
遅刻投稿も待ってます!
では、テトモンよ永遠に!でした〜

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