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飛龍造物茶会 Act 5

日が暮れ切って辺りが暗くなった頃。
動物園がある小高い丘を下ってすぐの商店街の通りを、奇妙なコドモたちと保護者役の若い女が歩いていた。
「えへへ〜、ピスケスにお菓子買ってもらっちゃった〜」
キヲンはドロップ缶を大事そうに持ってスキップしながら通りを歩く。
「なんかごめんピスケス」
わざわざきーちゃんのために…と寧依は隣を歩くピスケスに申し訳なさそうにするが、いいのよとピスケスは笑う。
「あのままじゃ気分を損ねたままだったでしょう?」
小さい子にはあれくらい必要よとピスケスは小声で言ったが、そうかねと言いながらそこへナツィがやって来る。
その傍にはかすみも続く。
「ちょっと甘やかし過ぎだと思うんだが」
ナツィはそう言ってピスケスにジト目を向けるが、当のピスケスはあらあらよく言うわねと言い返す。
「お前だってかすみになんか買ってやるとか言ってた癖に」
「う、うるせぇ」
ピスケスの言葉にナツィはうろたえた。
「あれは…たまたまそういう気分だったんだよ!」
別にいいだろ!とナツィはそっぽを向く。
それを見てかすみは苦笑いし、ピスケスもあーら照れちゃってと微笑んだ。
…とここでピスケスの隣を歩く露夏があれ、と呟く。

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