それは例えば、
最終の1枚のクッキーを分け合って食べるような
これくらいでいいと思う
これくらいが愛だと思う
波があって、時々あなたに会いたくて会いたくて、本当に会いたくて、辛くて、心のこそから涙を流す夜があるの。
そうするとね、心の中で「またこれだ。前はどうしてたったけ?」って探しだすやつらがいて、それでも涙は止まらなくて、深い霧の中に迷い混んだみたいに、寂しくなるの。
私が居るのは高温多湿な森の中。
生も死も一度きり
だから楽しいのかもしれない
時に喜び、時に悲しみ、笑い泣く
それこそまさに人生さ
人間として生きていたい。
ただそれだけの願いのために、どうしてこんなにも涙を流さなければいけないのか。
真夜中に、はたと目が覚めたとき
カーテンの隙間から外灯の明かりが漏れていた
積み上げた読んでいない本と
散らかったままの頭の中
すべてが夜空の星みたいに見えたの、一瞬だけ
寝ぼけ眼でベットから出る
踏んづけちゃうわ、いろんなこと
ああ、早く眠れるようになれってコップ一杯の水を飲む
『ファヴァー魔法図書館 o:@yP2 かすていら』
夜行列車で数時間、
虚ろな意識の中で次に見た景色は東京であった。
理由は一つ。
両家の父に挨拶をするためである。
両家は江戸時代にはそこそこの力を持っており、両家の父は国会の貴族院の議員を務めている。
法帖はこの後挨拶をするのだが、この事はあまり法帖にとって快い物ではないので割愛させて頂く。
ながよへの手土産を何にしようかと考えていたところ、とある売り子から声をかけられた。
「そこのお兄さん、
かすていらでも食べて行かない?」
悩む少年にとってはあまりにもタイミングが良い話だった。
法帖はカステラを二箱買った。
ひとつは、ながよへの手土産に。
もうひとつは、長旅のお供に。
そして少年はモダンな駅から古都へ向かう。
列車の中で法帖はカステラを一口。
「......美味い。」
To be continued #23 ↙
『婚前の段 o:@yP3 ハートウォッチ京都』
P.S.話数調節の為今日はふたつ投下します。
いやぁ、京都はいい街でした。
もう中3の修学旅行から一年半です。
僕の好きな雰囲気に寺社仏閣。
(あと、東方の聖地のひとつ...笑)
でも行きたいのが諏訪っていう笑
ふ、と止みかけて
また強く降りだした
そらの息吹みたいな、午後のにわか雨。
西から半分だけ、晴れたそら。陽を隠した雲の縁だけが眩しくて、
振り向けばぼんやり透き通った、虹 ひとつ。
雨に打たせた髪の毛は
もう自分じゃないみたいで、
通り過ぎた雨のなか、いつまでも
立っていた。
(昨日の夕方、4時からの通り雨。)
繰り返す時計の針
眺めて
溢れ流れる音
耳を澄ませ
それでも頭から離れない
あの人は
そうか
これが
ちょうどこの季節だ。
笑うことができなくなって、泣く毎日で。
誰も信じない、って心で決めてた。
友達も保育園からの親友だけで十分だ、って思ってた。
自分から信じなければ裏切られることもないから。
笑わなければ、悲しむこともないから。
なのに。
なのに。
どうしてか、私は君に出会った。
いつの間にか、毎日笑ってた。
作り笑いじゃなくて。
君を信じたい、って思ったんだ。
君がいるなら
笑う意味も泣く意味もあるんじゃないかって
思うんだ。
『婚前の段 o:@yP1』
少しだけ昔。
法帖敦は高校生であった。
成績が突出していいということを除けば、普通の高校生に見えた。
しかし、法帖は普通の高校生では無かった。
法帖は高校生ながらにして婚約者がいた。
相手の娘の名は月ヶ瀬ながよ。
余計かもしれないがなかなかの美人である。
法帖家と月ヶ瀬家は由緒正しき名家であった。
それ故に、「許嫁だろう」「二人は可哀想に」などという声もあがったが、この婚約は二人の意思である。
法帖は長野に、月ヶ瀬は京都に家を構えていた。
ある時、法帖はながよに会うため京都へ向かった。
時は大正、
17歳の法帖は一人夜行列車に乗るのだった。
To be continued #22↙
『婚前の段 o:@yP2 かすていら』
P.S.文体が変わったのは、
恐らく伸ばした髪を切ってしまったからでしょう。
てなわけで第3章のはじまりはじまりです。
この章は話に一貫性を持たせるつもりなので、これまでのそれよりは読みやすくなると思います。
みんなよろしくね。
もう一回なんてもうないよ
冷えたマグカップ両手でつつんだ
誰にもいえないような、気持ちが渦をまく
もう一回なんて期待ない
しあわせになれない理由をわかっているつもりなの
なのだけれど
ほっぺた染めたって胸が高鳴ったって
つたわらないじゃない
つたわっちゃ負けじゃない
もう一回なんて言うなよ
はなれて気づくことは、誰にもいえないような気持ちしか残らないこと
もう一回なんてもうないよ
盲目になったつもりはなかったけれど、少しはそうだったみたい
もう一回なんてもうないよ
空は自由の象徴で。
私にとっての自由とは、他人を脅かす自由を誰も持っていないこと。
そういう世界を願ってる。
水たまりに押し付けられた、もしくは、浸りきった世界から、私は顔を上げるの。
(最近、身近にある色んな差別や抑圧に気づくようになって、その分生きづらさは増してるけど、もう流していたくはないなぁと)
まぶたを開くと
木製の地平線がそっと延びていて
頭を降ったら目の前に星が瞬いた
いつの間に寝てたっけ
目の前の真っ白な雪には
赤い丸と赤い流れ星
どちらが多いか、数えようとしてなかった
でも、向きあわなきゃ
私の手には未来がある
シャープペンシルを握りしめる
空をみつめた
君の瞳のうるみを
私はまだ覚えている
冷え切ったこんな日は
海に沈めば気持ちかろ
切り裂くような冷たさには
清浄なものが宿っている
茹だるようなこんな日は
火口から落ちれば気持ちかろ
摺り潰されるような熱さには
清浄なものが宿っている
痛みには 清浄なものが宿っている