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CHILDish Monstrum

いつかの時代、この世界は異界からの侵略者“インバーダ”によって脅かされていた。
街を破壊し人々の命を奪うインバーダによって絶滅の危機に瀕していた人類は、決戦兵器を開発する。
その名も、“モンストルム”。
人間を基に作られた、一見すると人間のコドモと変わらない姿をしたその兵器は、幻獣の名を持ち自らの意志で巨大な怪物の姿に変身する能力を有していた。
しかし、変身後の姿の恐ろしさや精神が不安定になると暴走する危険性から、人々に恐れられている一面もある。
それでも彼らは人類の最後の希望であることに変わりなかった。
『こちらヘリ、目標はクララドル市中心部に向かって侵攻中、モンストルムの追加派遣願います』
『こちら本部、“ゲーリュオーン”をそちらに向かわせる、それまで持ちこたえてくれ』
『こちらヘリ、了解』
クララドル市インバーダ対策課、通称CIMSの本部では、そんな通信が飛び交う。
『こちら本部、“ゲーリュオーン”、通信は聞いたな?』
「ああ」
長い茶髪を高い位置で束ねた”ゲーリュオーン“が、街中を槍片手に駆け抜けながら答える。
ゲーリュオーンが走る街中は、人々がすでに避難してすでにもぬけの殻だ。
「敵は市の中心部に向かって進撃中、対応に当たっている他のメンバーだけじゃ抑えきれないから自分を派遣した、それで合ってるか?」
ゲーリュオーンがそう聞くと、本部にいる司令は察しがよくてよろしいと返す。
『頼んだぞ、ゲーリュオーン』
司令はそう言って通信を終えた。
「…言われなくとも」
ゲーリュオーンはそう呟いて突然立ち止まる。
目の前にはこちらに向かって進む巨大な異形の怪物がいた。
「€_=]$;”*{!|^}><^‼︎」
異形の怪物ことインバーダはゲーリュオーンに気付くと立ち止まって、威嚇するように唸った。
「…お出ましか」
ゲーリュオーンはそう呟いてインバーダの目を見ると、右手に持つ槍を投げ捨てた。
そしてこう呟いた。
「…変身」

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Trans Far East Travelogue53

件の映像を見せると、嫁が「これって本当にドイツの映像なのよね?映像に映り込んでしまってる現地の人があげている歓声は英語に似ているけど英語じゃない他の言語なんだけど、背景の花火は日本のものそのままで合成っぽいんだけど…特に、スタートのヒューって音,海外の花火では鳴らないイメージなんだけど…でも、何か変ね。もし本当ならどうしてドイツで日本の花火が上がってるの?」と訊いてきたので「それは、世界的に見ても有名な日本人街のあるDüsseldorf (デュッセルドルフ)で行われているJapan Tag(ヤーパンターク)だね。
名前の意味は『日本の日』で、日本とドイツの文化交流で大きな役割を果たしているお祭りで,その中でも1番人気がこの花火なんだ。俺達はすぐ船で海外行くし,向こうに着いたら日本は夏で花火シーズンだけど現地のを見るには早すぎて見らんないはずだから今年は花火諦めてたんだけど、まさかこれが数時間前にあったとはな」と返すと嫁が「花火っていつ見ても綺麗やね」と言っているので「普通に見れば綺麗かもしれないけど…俺からすれば愛しの嫁の方がもっと綺麗だから、ドイツにいる人には申し訳ないけどこの花火の魅力、俺にはわかんないや」と正直にコメントする。
そしたら、嫁が照れ隠しのためかアッパーで俺を小突いてきた。
かつては女性や老人もいるこの街に容赦なく降り注いだ炎の花は,平和の証として敵味方の区別なく,またかつての同盟国であり技術や文化も共有しあった国とは2度と途絶えることのない友好の証として年に一度、その姿を見せて今も世界中を虜にしている。
そして、その花火を見ている若者2人を乗せた気動車は,武蔵野台地を駆け抜ける。

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鏡界輝譚スパークラー:プロフェッサーよ手を伸ばせ その①

「ぁー……増えてきたねぇ、新型」
ドローンのカメラが映す映像に苦笑しながら、明晶は光の力を回復する薬剤を一口吸った。
映像を出力したモニタには、数日前に彼女が潜むトタン小屋を襲撃したものと同タイプのカゲの姿が多く見られていた。
「せっかくだし、名前でもつけてあげようかな。ちょっとは愛着も……いや湧いちゃ駄目なんだけど」
ケラケラと笑っていると、部屋の外から荒々しい足音が近付いてきた。
「んー、何だい親友、今日は随分と激しいエントリーじゃないか。そんなにワタシに会いたかったのk」
「プロフ! 輝士拾った!」
「はぁん?」
怒鳴りながら部屋に入ってきた吉代の肩には、気絶した輝士の少年が担がれていた。
「……何その子? まだ若いね、15歳くらい?」
「知らん。それよりちょっとマズいことになってんだ」
吉代が床に下ろしたその少年の右腕はカゲに浸蝕され、新型の触手のように異形化していた。
「うわぁ……カゲに堕ちかけてる」
「光の力を使い果たしてるんだ。これ、どうにかできないか?」
「…………」
顎に手を当てて考え込む明晶の背後で、ドローンのカメラ映像が途切れ砂嵐に変わった。ドローン機体そのものが、カゲに撃墜され破損したのだ。
「プロフ?」
「……いやね。まあ道はあるよ、親友。君の特別強い光の力に中てられて、彼の身体を浸蝕するカゲもノロマになってるんだ。これは僥倖だったね」
言いながら、明晶は床下収納を開き、その中に隠していた鍵付きの箱を滑車で取り出した。
「……実を言うと、カゲに染まった肉体を治療する方法はちょっと思いついてないんだ、悔しいけど。だから、カゲに堕ちた部分をまるっと『斬り落とす』」
箱を開くと同時に、冷気が白い霧となって漏れ出す。その中から明晶が取り出したのは、無数の小型機械や配線が繋げられた、刃渡り30㎝、全長1mはあろうかという巨大な外科用メスだった。