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CHILDish Monstrum:CRALADOLE Act 3

「そうねぇ…」
だって、とデルピュネーが言いかけた時、店の外でけたたましいサイレンが鳴り始めた。
「⁈」
店内にいるコドモたちはバッと顔を上げる。
「こんな時にお出ましか!」
イフリートがそう言いながら店の入り口に近付く。
「せっかくみんなで出かけてるっていうのに」
インバーダは空気読めないんかなとワイバーンも店のガラス戸から外を見る。
「羽岡(はおか)さん、インバーダの出現地点は?」
デルピュネーが店の入り口に立つ男に尋ねると、羽岡と呼ばれた男は手元のスマートフォンを見ながら答える。
「ヴィアンカ通り周辺…ここからすぐの所ですね」
彼がそう言うとイフリートはよし!と指を鳴らす。
「さっさと行って倒して来ようぜ!」
そう言ってイフリートは扉を開けようとするが、待ちなさい!と羽岡に止められる。
「武器が届いてないのにどうやってインバーダに対抗するんです?」
本部からの武器到着を待ちましょう、と羽岡は淡々と言う。
「なんだよそれ‼︎」
怪物態使えばすぐ倒せるのに!とイフリートは羽岡を睨みつける。
「そうだよ!」
さっさか倒して駄菓子屋さんでお買い物したいー!とワイバーンは頬を膨らませる。
それに対し羽岡はダメです、と真顔のままだった。

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CHILDish Monstrum:カミグライ・レジスタンス その②

扉の破壊で、埃が舞い上がる。その向こうから、鉄球が独房の天井の方に飛んでいって、監視カメラと機銃を叩き壊した。
「よォ、ベヒモス。ハジメマシテだな」
すぐに晴れた埃の煙幕の中から現れたのは、私より少し背の高いモンストルムの男の子と、その子よりももう少し背の高い、スレンダーな女の子だった。
「俺はフェンリル。こっちはスレイプニル。よろしくな?」
「ぇ……ぁ……」
答えようとしたけれど、動揺が収まっていなかったのと長いこと言葉を発していなかったのとで、上手く言葉が出ない。
「とりあえず、『ソレ』も壊してあげたら?」
「ン、そうだな。ベヒモス、動くなよ? 下手すりゃ死ぬぜ」
フェンリルがそう言いながら、わたしの両手、両足の枷を1つずつ指で軽く突いた。その瞬間、拘束具は全て砕け散り、私の身体は自由になった。長いこと立ちっ放しの姿勢で固定されて疲れ切っていた両膝からは力が抜け、床の上に頽れる。
「…………ぁ、ありがとう、ございました」
さっきは上手く言えなかったお礼の言葉を、改めて口にする。
「あー、礼ならスレイプニルに言ってくれよ。スレイプニルが仲間が欲しいっつーから出してやったんだ」
「……仲間?」
この疑問に答えたのは、スレイプニルの方だった。
「そう。この地下牢から脱走する、そのための仲間」

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CHILDish Monstrum:アウトロウ・レプタイルス その⑤

ミズチの雄姿を見届け、サラマンダーはラムトンとククルカンの下に引き返した。
「くーちゃん、ラムちゃんの様子はどう?」
「ん、サラちゃん隊長。ぜんぜんだめー。あのビームでちょっと蒸発してる」
「そっかー。じゃあみーちゃんが戻ってくるまで待とうか」
「んー。……ねえラムちゃん、土に還る気無い?」
「無い」
駄弁る3人の背後で、倒れていたインバーダが突然爆散した。
思わず3人が振り返ると、燃えるインバーダの残骸から、ミズチがほくほく顔で這い上がってきた。その両手には何かを抱えている。
「はいタイマーストップ」
そう言いながら首にかけたストップウォッチのボタンを押し、画面を確認する。
「3分18秒……30m未満級だとまだ遅いなー。最初っから“怪物態”で行けばよかったかなー」
頭を掻き、抱えていたものを地面に置いた。
「今回は可食部がちょっと少なかったけど、頑張って削ぎ落としたよー。軽く味見した感じ、思ったより甘くて柔らかくて生でも美味しかったから、雑に炙ってたたきにしました。さあ食えラムちゃん」
言いながら、インバーダの外皮を加工した皿に乗った肉片の一つをラムトンの口に押し付ける。
「どうよ?」
「…………」
「美味しい?」
「…………」
「おーい?」
「…………、咀嚼中に声を掛けるな馬鹿」
「あー……それもそっか。で、どうだった?」
「もっとあっさりした味付けを所望」
「オーケー。次は調味料も色々持ってこよう」
戦場跡に、武装車両の駆動音が近付いてくる。
「お、後始末の軍隊が来たな。そろそろ撤退だ。ラムちゃんの身体はくっついた?」
サラマンダーに尋ねられ、ラムトンは自分の身体を見下ろしてから首を横に振った。
「いや、動かせるレベルでは付いてない。表面だけなら繋がった」
「分かった。くーちゃん、お願いできる?」
「まかせろー!」
ククルカンが地面を軽く叩くと、4人のいた場所が僅かに持ち上がり、彼らを乗せてスライドするようにその場を離れた。

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CHILDish Monstrum:CRALADOLE Act 1

「こんちゃーっす!」
とある地方都市、クララドルの中心部の路地裏にある駄菓子屋に、バタバタと短髪で赤いパーカーを着たコドモがやって来る。
それに続いて色違いでお揃いのパーカーを着た4人のコドモと、1人の男が店内に入って来た。
「おばちゃん元気かー?」
「こんにちはー」
「こ、こんにちは」
5人のコドモの内4人は思い思いに店の店主に声をかけながら、店内の品物を眺め始める。
それに対し背広を着た大人の男はその様子を店の入り口で鋭い目で見つめていた。
「あ、これ新商品だー」
「ど、れ、に、し、よ、う、か、な〜」
コドモたちがどの駄菓子を買うか迷っている中、茶色いパーカーを着て髪を二つ結びにしたコドモがふとあることに気付く。
「ゲーリュオーン?」
二つ結びのコドモが、店に入った所で突っ立っている黄土色のパーカーを着て長い茶髪を高い位置で結わいたコドモにどうかしたの?と声をかける。
ゲーリュオーンと呼ばれたコドモは二つ結びのコドモに目を向けた。
「…別に」
ゲーリュオーンがそうそっぽを向くと、おうおう素っ気ないな〜とオレンジのパーカーを着た金髪のコドモがゲーリュオーンの肩に手を置く。
「ビィのことが気になるのか〜?」
金髪のコドモにそう絡まれたが、ゲーリュオーンは何でもないと自身の肩に置かれた手を払った。