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CHILDish Monstrum:水底に眠る悪夢

「おはよう、“ロード”」
能力によって展開された触手で埋め尽くされた狭い地下空間。その奥底で1人のモンストルム“クトゥルー”は相方に声を掛けた。
「おはよう、“リトル”」
触手に埋もれて眠っていたもう1人のモンストルム“カナロア”も目を覚まし、相方に挨拶を返した。
「今日の早起き対決はきみの勝ちか。これで何勝何敗だっけ?」
「10回より先はもう覚えてないよ」
「そっか」
2人の肉体は、能力によって各々の肉体から伸びる無数の触手が絡み合い、一つになっている。2人の意思は触手を通して音声言語を必要とせずに共有できるのだが、それでも敢えて、口に出してのコミュニケーションを意識していた。
2人が幽閉されている地下空間には、既に数年もの間、IMS職員も訪れていない。ただ定期的に、給餌用の小さな扉を通して食料と水が届けられる、それだけが外界との繋がりである2人にとって、発話を介するコミュニケーションは人間性を失いただの化け物に成り果てないためにも必要な行為だった。
「………………」
クトゥルーは数十m先に地表があるであろう天井を見上げ、触手を通してカナロアに意思を飛ばした。
(“ロード”、今日は何だか上が煩いね?)
(そうだね。ここに来てから初めてくらいの五月蝿さだ)
(もしかしたら、出番があるかもしれないね)
(そうだね)
2人が念話をしていると、天井がスライドし、金属製の格子と遥か上方に僅かに見える外の光が現れた。
「やっぱり『ぼく』の出番だ」
「うん。『ぼく』の力が必要なんだろうね」
無為に地下空間を埋め尽くしていた無数の触手が、整然とした動きで解かれ、格子の隙間から地上へと向けて高速で伸長していく。
「「平伏せ。『我』は水底の神なるぞ」」
完全に重なった二人の言葉の直後、無数の触手が地上に出現し、交戦していたインバーダ、IMS、モンストルム、それら全てを隙間ない奔流で飲み込み、叩き潰した。
「思ったより数があったね」
「うん。一応人間は潰さないようにしたけど……もしかしたら『ぼく』以外のモンストルムが戦場にいたかもしれない」
「別に良いよ。モンストルムならこの程度で死ぬわけが無い。これで死ぬならどの道インバーダには勝てないよ」
「そうだね」
天井が再び閉まり、2人は触手の中で眠りに就いた。

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CHILDish Monstrum:アウトロウ・レプタイルス その①

体高約25m。生物とも機械とも取れない奇妙な外見のインバーダの周囲を、様子見するように1台の戦闘用ヘリコプターが飛び回っていた。
「もっと寄せて! もうちょい! そっちのビルの方!」
少女の姿をしたモンストルム、ククルカンがパイロットの背後から組み付くようにしながら呼びかけた。
「3めーとる! 3めーとるくらいの位置まで近付いてくれれば良いから!」
「精一杯やっています! ただ、あまり近付くと奴の攻撃が……!」
パイロットが言ったその時、インバーダがヘリに顔を向け、その中央にはまった眼から光線を発射した。しかし、その光線はヘリの底部に触れた瞬間、反射して空中に飛び去って行く。
「ほら、どうせアイツが何してきてもサラちゃんが何とかしてくれるんだから! もっと近付いて! ちーかーづーいーてー!」
耳元で甲高い声で何度も言われ、パイロットは渋い顔をしながらもヘリを操作し、1棟の高層ビルに、僅かに機体を寄せた。
「よぉーしゴクロウ! あとは私らに任せてさっさと逃げちゃってよ」
「ああ……頼むぞ、〈アウトロウ・レプタイルス〉。君たちは我々にとって、最後の希望だ」
振り絞るように言うパイロットにサムズアップで応え、ククルカンは同乗していたもう2人の仲間と共にヘリから勢い良く飛び出した。

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CHILDish Monstrum 〈設定〉

この書き込みは企画「CHILDish Monstrum」の〈設定〉です。

・モンストルム Monstrum
人類の敵“インバーダ”に対抗するために開発された決戦兵器。
ヒトのコドモとほぼ変わらない容姿・人格・精神を持つが、伝説上の生物・妖怪にちなんだ名と特殊能力、“怪物態”を持つ。
基本不老だが致命傷を負えば死にかねない。
軍事転用を防ぐために量産型ではなくワンオフであり、全ての個体がバイオテクノロジー大手企業の“DEM(デウスエクスマキナ/デム)社”によって開発される。
各都市圏に数体ずつ、中心都市の役所の“インバーダ対策課”に配備される。
基本的に“インバーダ対策課”の指示によってのみ出撃し、普段の行動も制限されていることが多い。
戦闘時は刀剣類や銃器などの武器を携行する。
適度な食事と睡眠、それと定期的な“メンテナンス”がなければベストコンディションを保てない。
各個体の意思で巨大な“怪物態”に変身することが可能。
しかし“怪物態”の恐ろしさやコドモのような人格を持つが故の不安定な精神などから暴走する危険があり、そういった面から彼らを恐れる人々も少なくはない。

・インバーダ Invader
異界からやって来る人類の敵。
人間大から高層ビルに匹敵する大きさまで様々なサイズのものが存在するが、総じて恐ろしい姿をしている。
種類によって違う方法で攻撃する。
知能があるかどうかはハッキリしていない。
比較的小さめな個体は通常兵器で対応可能だが、大型個体はモンストルムでなければ対処できない。

・インバーダ対策課 Invader Measuring Section
各都市圏におけるインバーダ対策の要。
各都市圏の中心都市の役所に設置される。
主な仕事はモンストルムの管理や出撃時の援護。
司令室や輸送用ビークル、ヘリコプター、各種武装を持っている。

設定は以上になります。
質問などあればレスください。