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1

琥珀糖

ねえねえ


そう言って君が差し出してきたのは

ステンドグラスをバラバラに割って、

混ぜて、もう一度固めたようなお菓子

ガラスの破片のように

ところどころ尖っているそれは

外側はガラスほどではないけれど硬くて

でも、それに相対して中側は

なんとも言えないふよふよした食感で。

不思議そうな顔をして食べる僕の横で

君はそれを夕陽に翳して、

何かをみるように目を細めて、

それから美味しそうに食べていたよね。

残念ながらそれは

ステンドグラスのように

光を通すものではなかったけれど。

君はあのとき、何をみていたの?


このお菓子ってさ、琥珀糖って言うんだ

なんだか、お前に似てるお菓子だよな。


そう言って君は僕に微笑みかけた。

何が言いたいのかわからなくて

首を傾げる僕に君は、

琥珀糖を差し出して言葉を続けた。


外側はなんだか強そうにみえるんだけど

内側は実は誰よりも繊細で。

琥珀糖ってさ、自分で作ろうと思うと

何日も乾燥させて、この食感にするんだ

きっとずっとずっと我慢してきた時間が

お前を強そうに見せてるだけなんだよ。

だからさ…


何よ急にー(笑)


って話を遮ってしまったこと

まだ謝ってなかったよね。

ごめん。

僕はその先をきくのがなんだか怖くなってしまったんだ。

あの日の放課後、

君と並んで座って琥珀糖を食べた日から

僕は密かに琥珀糖作りに挑戦してるんだ

未だに上手く作れてはいないんだけど

いつか、上手く作れたら、

食べてもらうから。

その日まで待っていてね。




僕の我慢してきた時間よりも

ずっとずっと長く

大好きな君へ。

僕からの長ったらしい言葉。

2

君と僕と1人の帰り道ー ー

さよならをした。
大っ嫌いだって周りにはいいながら
実は1番隣にいてくれてた彼に。

なけなしの勇気を振り絞って
連絡先を開いて。
楽しそうな君に僕は言った。

もう、終わりにしよう?

驚いた君は僕に理由を尋ねたよね。

「何かした?」

してないよ。君はなにも悪くない。
悪いのは弱い僕で。

君に寂しい思いをさせてることが辛い

って言った。本音だった。

「大丈夫だから」
「そんなこといわないでよ」

泣けてきた。こんな僕をそんなにも
愛してくれる人がいたなんて。

嘘だよー

って言って、無かったことに
してしまおうかと思った。

でもね。
それじゃダメなんだ。
僕は君に幸せになって欲しい。

僕のために君を縛っておくなんて
僕にはできない。

「ずっと待ってるから」

君はそう言った。

途中からメッセージの返信が
少なくなったのは泣いていたからかな。

結局、君を傷つけただけだったのかな。
僕は間違っていたのかな。

僕は僕を許せそうにない。

僕のことを好きになってくれて、

僕のために一生懸命で、

僕のために泣いてくれて、

僕の想いを理解してくれて、

僕のことを受け止めきれないくらいに
愛してくれて…


そんな君に僕は嘘を吐いてしまいました

最初で最後の嘘



君がどこかで幸せになっていて

僕以外の誰かと愛し合っていて

君が笑っていることを

祈っています。

僕のことは忘れてください。

僕は君を辛くさせるだけだから。


最後にありがとう

そしてごめんなさい

大好きです


さようなら



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こんばんは。
あまりものテディです。

私のこの声が君に届くことを祈ってます