片思いから両思い(下)
君は死んだ.殺された.君自身によって.
泣く君に頼られて守るのが僕の役目で
そんな君のことを僕は好いていたのに
君は守られて泣く頼りない自分が嫌いで
そんな嫌いな自分を殺した
──今の君は格好いい。
もうどこにも僕が守ったヒロインはいない
君は泣かないし
頼られる人になった
僕が届かない人になった
久しぶりに聴いた君の声
「頼りなくてカッコ悪い自分が嫌いだった。」
そんなところを好いていたのに
格好よくなった君は笑った
「だって、お前のこと守ってやれないじゃんか。」
一瞬 呼吸が止まった
「男は好きな女のことは守ってやりたいと思うんだよ。」
待たせたな,そう言った彼はもう僕が守ったヒロインなんかじゃなかった。
彼は、ヒーローになった。