LOST MEMORIES ⅡCⅤ
「悪い、待たせた。」
そして、入ってきたのが英人だと気づかなかった。
「いえ、私も今着いたばかりです。」
はっとして返す。そして、瑛瑠は息を飲んだ。
制服しか見たことがなかったため、私服とは新鮮である。
なるほど、イケメンとは何を着てもイケメンなのだ。
店員のお姉さんは、英人の分の水も持ってくる。同じように、ごゆっくりどうぞ,と笑顔を残していった。
とりあえず瑛瑠は紅茶、英人はコーヒーを頼んだ。
「服、似合ってる。」
開口一番にそんなことを言われ、瑛瑠は理解に時間を要した。
「え、あ、ありがとうございます……?」
「なんで疑問形。あと、それも。」
苦笑をこぼす英人が指さすのは首元。
「その節はありがとうございました。ちゃんとお借りしています。」
借りることにちゃんとも何もあるかと、言葉を発してから思う瑛瑠。
「そのままちゃんとお借りしていて。」
笑いを堪えるような英人。
何か、いつもと違う。