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LOST MEMORIES ⅥⅩⅨ

「今日は委員決めがあるね。何かやりたいのはある?」
「実は私、よくわからなくて……」
チャールズに説明を仰いだとき、メイドのやるようなことですよと言われた。そのときはそうかと納得してしまったが、雑すぎる説明だと今更ながら気づく。
「長谷川さんはやりたい役職とかあるんですか?」
望は少し照れるように言う。
「実は、学級委員長がやりたいんだ。」
名前からして、クラスのリーダーなのだろうと思う。メイドはそんなことしない。チャールズはそういうとこあてにできないと、瑛瑠は改めて自分に言い聞かせた。
「立派なお仕事ですね、応援します。」

始まった一時間目は自己紹介から。ヴァンパイアの彼の名を、やっと知ることができた。霧 英人(きり えいと)というのだそう。その名を数回反芻する。
二時限目は委員決め。とりあえず委員長 副委員長を立候補で,と鏑木先生。
その2つの役職は、瑛瑠が思っていたよりもずっとはやく決まった。それぞれひとりずつ立候補したからだ。
朝の会話通り、委員長は望になった。副委員長は、ショートカットの女の子だ。名前は伊藤 歌名(いとう かな)。自己紹介の様子を思い出すと、元気で愛想のいい印象だった。笑顔が愛らしい。
ふたりに仕切られて、委員会 係は少しずつ穴を埋めていった。

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LOST MEMORIES ⅥⅩⅤ

随分と冒頭で寝落ちてしまったようだ。チャールズの声が心地よいのがいけない。
そして、ここから先は思い出せなかった。
「だいぶ序盤でお休みになりましたね。女の子に協力者が現れたところで、私の肩にお嬢さまの頭がのりましたよ。」
「……そこの話知らない。」
「まあ、昔話なので。」
ほら、起きてくださいね,とベッドから離れる。どうやらリビングのソファからここまで運ばれてきたようだ。思った以上に恥ずかしいそれを頭から振り払うように部屋を出た。
随分と細かい昔話だ。どこに伝わるものだろうか。
準備をしてリビングへ入る。席につき、先ほどの昔話について聞いてみる。すると、チャールズは笑う。
「寝る前の読み聞かせですよ。次の日に内容を聞きたがるだなんて。忘れてるものだと思っていたのに。」
すごい子供扱いされた気がする。そう思い、拗ねたように言う。
「だって、あまりにも詳しいんだもの。どこで聞いた昔話なの。」
探りを入れようと思っているわけではない。純粋に興味があるだけだ。この質問を、チャールズがどうとるかはわからないけれど。
「では、また眠れない夜にでもお話ししてあげますね。」
少々むっとするけれど、また聞けることに今は満足しておこう。今日は遅めに起きたから、時間的余裕は昨日よりない。いただきますと手を合わせるのだった。