塵が輝きだすような アメオトコが吹き出した夜に 爪を切るみたいに忘れたい 逆剥けのようで 花向けのような それはただの目眩し アメフラシが吐き出した夜だ
迷いこんだチャイナタウン 運に見放されちゃったみたいね 露天商の手招きにすら付け込まれそうワタシ 地図アプリはどこへ誘う そこを左、その先も左 突き当たってさらに左 振り出しに戻ってまた会ったなオヤジ 右に曲がるための勇気を一つ
蓋を舐めるひとりの夜 紅花みたいな猜疑心 既読を待つ 冷えたパスタとコントローラ スプーンで捲れた乳白色 独り占め、独り惨め、知覚過敏
雨が枯れたら傘を閉じる 前世の記憶は捨て去って 違う世界ではじまりたい 一度焼かれたこの身なら 恋に焦がれても平気だわ
居眠りみたいに死ねたらいいのに そんな口癖も皮肉になった 天井の目地で明日を占う 行き着く先は幸か不幸か もう本当はどうだっていいのに 今さら彼奴の事なんか思い出して 変わる季節に期待なんかして
湿った路地のにおい たばこ屋と部屋を行き来する日々 幾千の雨が培った苔が目地に沿って あみだくじ 邪魔するななめくじ 行き着く先は幸か不幸か わかりきってる それはこの後に降る雨と同じ確率で
快晴 快晴 天気予報士が煽る 上手に焼けた目玉焼き はしゃぐ声が夜勤明けに堪える 今日なにするって無言の笑顔 うーん寝てるって無言の笑顔 道徳を保って張りつめた日常 この瞬間がぼくを留めてる 花を飾るくらい心にゆとりを 明日からまた歯車に戻るけど とりあえず今は、 きみが彩る生活をありがたく頬張るよ
きっかけが文学なら さよならは哲学か 溜め息の音楽に詞をつけて 気が済むまで唄えばいい そっちはそんなでもないのかな こっちはこんなに水彩だ
それは甘い色 いつの日か見た 海辺の夢 [[[ デジャヴ ]]] 夏の業に怯える春 おはよう、搾りたての手首から
春を折り畳んで 木漏れ日で固結び 体感時間はセツナ 泡沫を食むトワ 受理されなかった遺失物届 紙飛行機にして君に届け
水溜り弾くスタンスミス 五時の音楽がホラーに鳴って 文庫本の群れが山へと帰る 腕まくりで浮いた血管を 意味もなく褒める そう言えば って照れ隠して 顔を上げれば別れ道 姦しい胸中を悟ってよ 押して自転車 引いて後ろ髪
お風呂みたいな微笑みと 猫みたいな微睡みで つられて心やさしくなる 冷蔵庫が咳をして 君のしゃっくりが止まったら ちょっと真面目な話をさせて
ひとりのよるでもへいきなこころを あるがままをあいせるじぶんを バリアではなく すべてをつつみこむ じょうぶでやわらかなハート とけて このよるにながれこめ つめたいあさがきて かたまったなら つよいあなたのできあがり
しじまに恋した 手招く死に神に手を振った 爪月に香るアプリコット パンくずを辿る家路の果て 疼く胸 なにか患った逢魔時
また新しい箱の中で 知らないひよこ達とひしめき合う 配給されるガンバレの呪いに 応える身体 日に日に肥える 何もしらないまま ご飯の上に注がれた君が 今では羨ましく思うよ
旧くなった春をいつまでも タオルケットみたいに抱いて眠る 干からびた海を歩く 鯨の骨に腰をおろして 味のしない月を一口かじる 黄昏れられる景色はどこにもない 文明も恋も砂がすべて呑み込んで 古くなったタオルケット 母のぬくもりとおもかげ抱いて 眠る、春はまた新しく訪れる
ありふれた言葉では 慰められない夜もあって 「好き」って魔法 やたら敏感 蟹や猫のそれと似てる 去年の今頃どうしてたかな 今年の私はティッシュが手放せない ワッツアップ?細胞 アイが痒くて堪らないぜ
歴史的快晴の下 桜と君の笑顔で 心象風景ハルマゲドン
退屈なやつだと 通知表の3は云う いいやわたしは宇宙だ 収まる額縁を用意してみろ 危ないからと母は云う 傘を差せと空は云う 常識とは重力だ わたしは宇宙 眠れぬ夜に包んでくれる 海を探しているんだ
吐息、溜め息、港行き シチュエーション重視の恋模様 潮風を吸い込んで 君からの愛の告白 待ってる酸素 嬉しみの二酸化炭素
ただ頬をつたうだけで 意味を孕む水分が 春風に渇くと それは面影 ガードレールに咲いた花束の色が 鮮やかに映ゆること 映ゆること
背伸びして 届かなかった空の高さ 浮いた踵の高さだけ 近づいたのは事実なのさ まだ消し炭の夢は 息を吹きかければ 息を吹き返すはず 元々綺麗だから綺麗事 磨けば輝く事もまた事実
裁縫機のかたかた 送り出された絹の雲が ビロードの青に刺繍のごとく 幽霊屋敷とうたかた そこら一帯止まった時間が わたしの心情と重なりて 早う、早うと急かす世に 鼻緒の切れた足どりは いつまでも少女のまま
街がほころぶ 陰影のトカゲ 爆発するうららに つられてシッポ覗かせる
魚みたいな雲が 海月みたいな月を食べて 世界が、終わったみたいだ 砂漠の王は民を諭す 吸血鬼は路地裏で目を凝らす 僕は蛍光灯のスイッチを押す 君が仕込んだビーフシチュー 明日が来るのが楽しみだ
行き止まった二人は 海に辿り着く 冬鳥が旋回して かき乱す小さな宇宙 続く足跡は 天国と地獄の切り取り線 生き止まった二人は 海に辿り着く 白波がさらった 足跡とエンドロール
やまいだれで雨宿り 作った笑顔の副作用 背中がかゆくて目眩がする 瓶詰めのピクルスと一緒に 後悔のバンズに挟まれたい 空は見たことのない青あざ色 やがて雨はやみ仄かに香る瓜の花
わかって欲しいくせに 独りになりたがる癖 子供みたい、子供だけど 窓をあけたら子猫の声 ほらあんな風に泣けばいい 夜風でちょっと気が滅入る でも生き方は大体わかってる 17歳のスイッチが入っただけ だからちょっと黙ってて
ストックしてた夏の夜を 左ポケットからとりだした 君にはちょっと暑苦しかったようだ ならばと、右ポケットから春の陽気を 眠くなったから帰るって 都会の夜は冷えるね、母さん
生まれ変わった風に 真新しさはない 君のめざす場所に このバスは停まらない 初夢でみた幸せの余韻は 溶鉱炉に落とされた 鉄クズみたいに儚い 思いの外寒くなくて 水溜りが渇いて消えた青空 埃っぽい教室で 交わした無愛想なあいさつは 「元気でよかった」 そんなニュアンスでいいのかな
嘘で固まった排水溝 美しい花びらの行く先だ 喩え話が下手なぼくに きみが繋ぐ慰めのWi-Fi 走馬灯で照らす地獄の小道を 飴玉くらいの楽しみで きみと二人スキップして 足を挫いて笑ったら 鬼もつられてセセラセラ
海に浮かべた満月は あなたをめざし旅をする 辿りついた頃には 見る影もなく 切った爪のように 欠けていることだろう あなたは見つけて 掬ってくれるだろうか それがわたしの想いであると 気づいてくれるだろうか
凍てつく寸前の月を 人差し指と親指でつまんだ 羽化する前の明日が溶け出した 絶対零度ってなんだっけ 雨にすら温もりを感じる手の甲 ツイてなかった 間が悪かった 帰りたい もう帰りたい 毛布の中で液体になって 生まれ変わってやり直したい 形成されない理想と偏頭痛 全部ぜんぶ低気圧のせいして
燃え尽きた土のにおい 黒く残った跡には 拾って帰ったガラス片 碧くて綺麗なガラス片 へばりついた思い出を剥がす 年老いた手 窓の外では枯れ葉のピルエット それを尻目に少年は盗みを働く 通りに横たわった猫が見た 最期の景色 それはガラス片みたいな昼下り
ゆくりなく砕けて どうかそれを海原へ撒いておくれ 悲しむことはない おれとおまえは他人同士 明々後日には忘れる関係 未練があるとすれば 溜まった録画は溜まったままな事 どうかそれを一緒に撒いておくれ 不法投棄で捕まったら 馬鹿野郎を叫びに来いよ
中途半端な寒さの朝に 洗いたての髪をすり抜ける愛おしさ 少し空気の抜けた日々を立ち漕いで 通勤ラッシュを逆流する やんごとなき空の色は 弱弱しいわたしの反逆を祝福する色 心はパツキン 町は花金 小型精神磨耗機の電源を切って 2、3個の言い訳をポケットに 行くあてのない逃非行
いらいらが溜まったら 煙にのせて吐き出すの それって甘いの塩っぱいの 子供扱いは君の唯一のマウント で、機嫌をとるのがその子供 なんて言うかホント、、 握り潰した空き箱に わたしの不満が詰まってて パックジュースみたいに溢れ出たら さよならもなく夜は冷たく だけどこれが二人のノーマルでしょ 疲れた渡り鳥が留まる場所 君はコンビニへと足繁く 小銭をせがむ子供の如く
現状の10000歩に 相当する出会い 忘れてしまった事もあるけど 走馬灯でまた会おう 掴んだ指は岩のように ちょっとやそっとじゃ血もでない 代わりに流す汗と涙 喉が渇いたら祝福の雨 背負った荷物を整理して 目的地までの必需品 拾って、また失くして 嘲笑う鳥たちに 見上げる朝日の美しさを呼号する いいかい、まだいいかい 靴紐はまた脈を打つ 天国めいた景色が広がってても 走馬灯にはまだ早いだろ
へたくそなGコード ペキペキとストローク 床のでかい毛玉は餌を欲する きみは いいの、いいの とストローク それって何て歌 どこか出掛けようよ せっかくの休みだし ぺキペキ 差し出した手に重なる前足 慰めの報酬だ たんとお食べ。
雨の降る90秒前の 空気の振動と黄昏れ臭 乗り過ごしたバスが角を曲がると 嘲笑うように街は濡れた いいさ今夜はすき焼き この苛立ちも 溶いた卵に絡めてくれる
まぶしい夜を縫うように歩く 食パンを咥えて曲がる 出会い頭のドッペルゲンガー そうだね 社会が悪いよね 悪くない、君は悪くないよ ナグサメのヤブサメ 射抜かれた心だ うれしくない最高を更新し続けて みんなイライラ、喉はイガイガ いつまでたっても潤わない 部屋と長財布とわたし 砂時計みたいに 逆さまにした海の黒が 滴ってる、塗りつぶしてる まぶしい夜を消すように歩く なけなしの魔法を溶かしつつ
最終電車のキスの味 首すじをするり白魚の群れ もやがかった町はロンドンの夜景 気の早いイルミネーション そりゃあんたの目が滲んどるのよ 白線を落ちないように歩く 途切れた交差点 わたしはどうする ララララバイ 路上のアルペジオが泣かしにくる ララララバイ 合鍵じゃ開かない扉の向こう 朝日にゃまだまだかかります 夜の帳を切り裂いてジャック 並のブランケットじゃ足りない温もりを
ろうそく並木の水曜日 舞い散る火花で 拝むように暖をとる野ネズミたち 二時間前からベンチに座ったままの 黒いコートの女は 森の奥にある煙突から登る煙を ぼんやり見つめていた 鐘の音がする フクロウは眼をこらす やがてろうそくの火が ひとつふたつと消えてゆき 野ネズミたちは姿を消した そして並木道は白く染まり 女はこの町から姿を消した
赤と白のしましま 秋を誘導する警備員 塾帰りの制服 夜の紺と混ざって猥雑 ハザードのちかちか 大人が誰かを待っている 晩飯を漁る黒い鳥 すぐ近くで焼き鳥のいい匂い 夜間工事、遮るパイロン 私の進路をとおせんぼ 誘惑はお構いなく 隣に添えるさくらんぼ
君が腕まくりをやめた日 町は秋雨前線のグラフの中 雨にはおしゃれな名前が 沢山あるんだよと 隣でぺらぺらと退屈話 私はもごもごと 鳴らない笛と格闘ひゅー
冷蔵庫を開けたのかと そんな気さえした玄関を出る 初めて嘘をついた朝帰り 少し一緒に歩いて そっけなく手をふると 君は魚のように翻った 他人ん家の匂いが染みついた髪 二の腕の跡がまだ消えない ねえ、今日わたしの誕生日 吹き消した平凡 ふらついた足元 朝焼け色に染まったシャツが 片足立ちの鳥のようで
季節がかわる 人は仕切り直す さて今日からと靴紐をしめる 春に躓き 夏に躓き 秋に躓き 冬に躓く 新しい靴はピカピカのまま 玄関でただ死期を待つ 靴箱は亡骸でいっぱいだ
町が色を失くして 月が輪郭をとり戻す 眠れなかった冬をひとり越して 木々の間を滴る星屑を 頬張って、たまに食いし張って 友達になった渡り鳥は 今頃南の島だろうか 名前はなんて言ったかな 星屑のような 甘くて美味しそうな そんな名前
クランベリーのような酸いも甘いも 掻き上げた髪、間違いもそれなり 花びらをつまんで空になげて あろうことか星になって ご機嫌なまつ毛は西をさす 草木は東と異議をとなえる 短い炎の一瞬のきらめき どうか優しさと出会えますように 今夜、見上げた一等星は 君がくれた花束のひとつさ
人波はさざなみ ため息の波紋 ビルの群れを縫って 今日ノートに写した数式が 明日の夕日を美しくするなら 神様にはまだならい ここから君と眺めたい 誰かが流した笹舟 願いと共にとなりの町まで ただいまとおかえり たったそれだけで 幸せになれる崇高な生き物です