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鉄路の魔女:Nameless Phantom その④

ミドリちゃんの方に向き直ってみると、彼女は回り込むようにして私と一定の距離を保ちつつ、倒れたアオイちゃんに駆け寄った。
「アオイちゃん! 無事?」
「何とか……威力はそんなに無かったっぽい」
「良かった……」
ミドリちゃんがこっちを睨みつけてくる。
……しかし、これ以上撃たれるのも嫌だし、いつまでも戦い続けるのも面倒だな……。
「…………もう、終わらせようか」
私に残ったイマジネーションを確認する。貯蓄は十分。
棍棒を投げ捨てる。4脚を開いて強く踏みしめ、機械腕を大きく真横に広げる。
「……〈Iron Horse〉」
脚部と両腕の機械装甲が捻じれ膨らみ、私の全身を少しずつ覆い隠していく。『鎧』として、そして、敵を殺す『刃』として。変形しながら形成されていく。
「〈Bicorne〉」
最後に頭部が完全に覆われる。額からは大きく湾曲した悪魔のような角が2本。鋼鉄故の黒色の装甲も合わさり、これじゃあ丸っきり見た目が化け物だ。
「ま、良いか。今日のところはここで退散してね」
全力を4脚に注いで踏み切り、機械装甲の補助によって全身のバネの力が100%乗った加速で2人に接近する。
アオイちゃんが咄嗟に前に出て防御しようとしたみたいだけど、今の私には関係ない。闘牛の角のように構えた腕の片方で引っかけるように轢き飛ばし、ついでにその後ろにいたミドリちゃんも巻き込んで吹き飛ばした。
「…………ふぅ」
2人が見えなくなるまで飛んでいくのを待ってからブレーキをかける。
「ひゃく……いや300mくらいは飛んだかな?」
〈Iron Horse : Bicorne〉を解除し、2人の飛んでいった方を眺める。これだけ痛めつければ、今日のうちくらいはこれ以上突っかかってこないだろう。刃は立てなかったからきっと生きてるだろうし。そんなことより、散歩を再開しようか。

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Side:Law in Black Market:真黒な闇から真白な貴方へ 後編

そして3つ目。どんな世界でも、どんな社会でも、必ず「あぶれずにはいられない者」というのは現れるものですが、そんな人たちが追いやられ、死にさえしなければ辿り着ける最後の希望。“危険なセーフティ・ネット”……これは私だけが呼んでる異名ですけど。ヒロマレヒロマレ。そのエリアを人呼んで、〈ブラックマーケット〉。基本的には地表から広がっていますが、時々他のエリアが位置するはずの高さにまで侵食し、食い込んでいることもありますね。正確な規模や面積すら把握しきれていない、世界の暗黒面ですよ。
このエリアでは、“地上”や“天界”の法なんて意味を持ちません。ここで意味を持つのはたった一つ簡単なもの。『商品価値』です。
「才能」でも「人手」でも「物品」でも、価値ある『何か』が提供できること。それが〈ブラックマーケット〉で生きるための条件です。ああ、別に無くても良いんですよ? 『価値』は客観的なものですから。人間、生きているだけで如何様にも使えるものです。
……それで、何の話でしたっけ? ああ、そうでしたそうでした。戸籍も記憶も何も無い。そんな貴方に『世界』のことと『生き方』を教えてあげるって話でしたね。
ようこそ我らが唯一最後の居場所〈ブラックマーケット〉へ。私たちはあなたを歓迎しますよ。分からないことがあったら何でも聞いてください。私は“情報屋”ですから、あなたの『商品価値』の限り、喜んで私の『価値』―情報をお返ししましょう。

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鉄路の魔女:夢破れてなんちゃら その④

鈴蘭が幻影を引きずっていった先は、専用道路近くを流れる川が海に出る河口付近だった。
幻影を掴んだまま水中に踏み入り、足のつかないほどの深さまで進んでからは触腕の一部を川底に付けながら移動する。
「このまま……広い所に出ようねぇ…………君はおっきいから、喧嘩するならこんな風に誰の邪魔にもならないところでやらなくちゃ。ね?」
海水域まで進出し、ようやく幻影を解放すると、その巨大な水まんじゅうはクラゲのように身体を伸縮させながら水面に浮き上がった。
「よしよし。じゃあこれで……」
左手の中にグレネードランチャーを生成する。射撃しようとしたところで、幻影が突然接近してきて、銃口に吸い付いた。
「ありゃっ。離れろぉーぅ」
幻影化した右腕で押し退けようとするが、幻影の身体は銃と鈴蘭の身体に柔らかく貼り付いていき、彼女の身体を完全に取り込んだ。
「ぐぁぁ……ええい、面倒だ」
引き金を引く。銃口を塞がれていた擲弾銃は暴発し、装填された炸裂弾どうしが誘爆し、大規模な爆発が幻影を引き剥がした。
「うぅ、痛い…………」
破損した銃の破片が処々に突き刺さった顔を拭い、幻影に向き直る。幻影はその体組織の4割程度を吹き飛ばされ、黒々とした核が露出している。
「…………どう? 参った?」
鈴蘭が尋ねると、幻影は核から原油のような黒い液体を垂れ流しながらぶるぶると震えた。
「そっか。それじゃあ、今日はもう帰ろうね? 他の人たちに迷惑かけちゃ駄目だよ? 暴れたくなったら、私が遊んであげるから。今度はちゃんと人のいない場所で会おうね」
幻影は静かに水面を泳いで川を上っていく。それを見送ってから、鈴蘭も地上に向けて触腕を動かし始めた。

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視える世界を超えて エピソード7:潜龍 その⑩

種枚さんと犬神ちゃんは、およそ3時間の間、何も言わずその場にじっとしていた。種枚さんは目を閉じたまま脱力しきっており、犬神ちゃんはそんな種枚さんの顔を、何も言わず、微動だにもせず覗き込んでいる。
段々と辺りが暗くなり、完全に日が沈み、夜が更けていく。そのうち、背後に聞こえていた神楽の音も聞こえなくなり、祭りの終わる気配がし始めた。
不思議とここまで、本殿の方には一人も来なかったけれど、ようやく足音が迫ってきた。
「貴様ら。何をしている?」
低い男声に振り返ると、数時間前に会った、狩衣姿のあの男性がすぐそこに立っていた。
「よォ、潜龍の。遅かったじゃないか。友達が来たもんだから、悪いが帰らせてもらうよ」
答えたのは種枚さん。
「フン、馬鹿を言え。鬼の力は完全に封じた。それに加えてこの拘束、逃げられるものか」
会話内容からして、種枚さんをあんな目に遭わせたのは、この男なんだろうか。
「たしかに、ちょっとこれは、しんどい……なっと」
言いながら、種枚さんは腕を思い切り振るった。その勢いで鎖と縄、有刺鉄線は簡単に引きちぎられ、掌を貫いていた刀もあっさりと抜けてしまった。
同じように足もばたつかせ、拘束を完全に振りほどく。紙と木の御札は彼女の体温にやられたのか、真っ黒に焼け焦げていた。
男性の顔を見る。彼は信じられないとでも言いたげに目を見開いていた。
「……馬鹿な…………怪異を封じる札に、怪異を狩る刀を4振りも使ったんだぞ⁉ 有刺鉄線で動きも制限していたはずだ!」
「アァー、結構痛かったんだぜ、あの刃。ほら見ろ、まだ穴が開いてら」
未だ出血の止まらない両手をひらひらと振りながら、種枚さんは冗談めかして言い、本殿からのそりと出てきた。そのまま、これまた出血が続いている両足を引きずりながらこちらに歩いてくる。そして、呆然としている男性とすれ違うその時、足を止めてその肩に手を置いた。
「改めて言っておくぜィ、潜龍の。私は飽くまでも『人間』だ。もしかしたら薄ゥーく鬼の血でも混じっているかもだが……、これから私を捕らえたきゃ、コンクリでも使うんだね。まァ、何されたって出て行ってやるけどな」
そして男性、潜龍さんというのだろうか。彼から離れ、犬神ちゃんに手招きし、上機嫌で駆け寄ってきた犬神ちゃんの肩を抱き、舞殿の方へ歩き去って行った。

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少年少女色彩都市・某Edit. Outlaw Artists Beginning その⑫

「う……タマモ?」
腕の攻撃は空振りに終わったけれど、私を助けてくれたのであろうタマモの方を見ると姿が無い。ぶつけた後頭部をさすりながら周囲を見ると、数m後方でひっくり返っていた。
「タマモ……その、ごめん」
「いや謝るな、感謝しろ。俺のお陰で死なずに済んだんだぞ……痛え」
そこまでのダメージは受けなかったみたいで、すぐに起き上がった。鼻血を流してはいるけれどそのくらいだ。
「ありがと、タマモ。頭はぶつけたけど」
「マジか。次は受け身取れよ?」
「善処する」
そういえば攻撃の手が止んでいた。咄嗟にエベルソルの方に向き直る。さっきまで頑張って破壊していた腕は大部分が再生しているようだ。
「あークソ、せっかくの攻撃が無駄になったじゃねえかよ。大人しく防御だけしとけッてンだよなァ」
「上への攻撃がちょっと密度低かったかも」
「反省会は後だ。削れるのは分かったんだから……もう一度殺しきるぞ!」
タマモはまた光弾を用意してすぐに発射する。
私も光弾を描きながら、描いた傍から撃ち出していく。ほぼ真上に、奴を狙うのでは無く、取り敢えずその場から退かす意味合いで。
「……準備よし。全弾……突撃!」
十分な数を撃ち出したところで、光弾全てを敵の一点、およそ中央に向けて叩き込む。
槍の如く並んだ光弾は、腕の防御を破壊しながら奥へ、また破壊しながら奥へ、どんどん突き刺さり、体幹を破壊した。腕たちの起点を上手く射貫けたようで、腕たちがバラバラに地面に散らばる。
「……ロキお前……すげえな」
「殺せては無いし」
「いやァ……あとは1本ずつ順繰りに処理すりゃ良いだけだからな。9割お前の手柄だよ」
「わぁい」
あとは腕たちを二人で手分けして処理していき、私の初めての戦いは無事に勝利で終わった。

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厄災どおるtutorial:嘘吐き煌星 キャラクター②

・キララ
性別:女性  外見年齢:14歳  身長:155㎝
人形の材質:毛糸  悪意:瞞着
災害:通り魔  能力:刃物を生成する
説明:“厄災どおる”の1体。街中に現れてナイフ片手に暴れていた通り魔を抑えて生まれた。お話の後、男性に命名されました。
栗色のベリーショートヘアと枯れ枝の如く薄く細っこい肢体が特徴。
割と息を吐くように嘘を吐く。本当の事も普通に言うので質が悪い。嘘を吐くときもいかにも嘘っぽく言う時とさらっと言う時とあるのでとてもややこしい。嘘が悪か否かには議論の余地があるとは思うが、個人的な見解としては悪意があるならそれは悪だよ。
身体は結構柔らかい。そして素早い。高所からの落下にも受け身が取れる。さながらネコチャン。でも疲労という概念はどおるには存在しないので上位互換。
能力は手元に刃物を生成するというもの。片刃または両刃、柄付きまたは柄無し、刃渡り5㎝~100㎝から選択してその時その時でお好みの刃物を生み出し活用する。
ちなみに愛称の『キララ』の由来は『シリアルキラー』。シリアルの部分は朝ご飯に消えました。何、綴りが違う? 細けぇこたァ良いんだよ。

・呪術師の男性
性別:男性  年齢:24歳  身長:平均より少し高い
説明:呪術対策課勤めの国定呪術師の男性。比較的新入りで、腕前はまだまだ未熟者レベル。投げてぶつけてとりあえず形にして、後から直接触れて呪術的エネルギーを注ぎ、調伏するというかなり非効率な封人形の使い方をする。
どおるに対する接し方は、相手の望みを聞き、信頼関係を築いたうえで、有事には言う事を聞いてもらうというスタイル。大抵の場合は物で釣る。前例がサユリとソラだけなので上手く行っているのかは分からない。
現在のイユの居候先だが、イユは別に言う事を聞いてくれるわけでは無いので少し困っている。でも欲しいって言われたからボードゲームとか本とか自費で買い与えた。イユさんは何だかんだで後輩の面倒を見てくれるしちょっとしたお願いくらいなら手伝ってくれるので助かってる。

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厄災どおるtutorial:嘘吐き煌星 キャラクター①

・サユリ
性別:女性  外見年齢:12歳  身長:140㎝
人形の材質:粘土  悪意:蔑視
災害:地震  能力:地面に振動を与え、損壊を発生させる
説明:“厄災どおる”の1体。小規模な地震により発生するはずだった余震を全部吸い込んで生まれた。震源は約80㎞の沖合でした。
人間の事を下等生物と思っている節があり、言葉の端々に謎の刺々しさと図々しさが感じ取れる。
平熱は40度弱と結構高め。保有エネルギー量がすごいから仕方ない。身体が柔らかい。指を曲げて手の甲に付けられるくらい柔らかい。上手く間接を極められても頑張ればギリギリ無傷で抜け出せる程度には柔らかい。ところでどおるには一応痛覚があるんだが、どうも「痛み=避けるべきもの」と脳内で結びついていないらしい。なんで?
能力は手足を付けた対象に振動を与え、破壊を起こすというもの。一応地面以外にもいける。破壊が起きない程度の出力も可能だけどあまり好まない。能力の都合上空中に放り出されると無力になる。
ちなみに愛称の『サユリ』の由来は『小揺り』。発生させる揺れは全然小さくない。

・ソラ
性別:女性  外見年齢:7歳  身長:120㎝
人形の材質:鉛  悪意:嫌悪
災害:放射能汚染  能力:不可視光線を操る
説明:“厄災どおる”の1体。かつて発生した原子力発電所の事故を収拾するために生まれた。
ポケットの沢山あるもっふもふのおべべを着せてもらっているので、ころころに着膨れしている。
身内と認めた相手以外に遭遇すると反射的に嫌そうな顔と態度をして「うわ出たよ……」とか言ってくる。
動きが鈍く身体も硬い。泳ぎも下手糞。まあ水中を歩くぐらいなら問題は無い。
能力は紫外線、赤外線、放射線などを操るというもの。基本的にはX線による透視でスポッターとしてサポートしたり、赤外線を操って家電を誤作動させて遊んだりしている。やろうとすれば放射線で生体組織ぶっ壊しにいけるけど「危ないからやめてね」って呪術師に言われたからやらない。
ちなみに愛称の『ソラ』の由来は覚えてない。確実に何かあったはずなんだが、何か気付いたらこの名前がついてた。

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少年少女色彩都市・某Edit. キャラクター紹介②

・“受動的ノーツウォーカー”魚沼理宇(ウオヌマ・リウ)
年齢:14歳  性別:女性  身長:147㎝
芸術:アーケード音楽ゲームプレイ  衣装:学校制服風衣装(ブラウス、セーター)
タマモの戦闘スタイルに憧れてリプリゼントルになった少女。趣味は音ゲー。体力の都合で1日3クレジットまで。
戦闘時は長さ30㎝程度の棒を2本描き、リズミカルに攻防一体の連打を放つ。多少の変化はソフランで慣れてるから大丈夫だけど、やっぱり一定のリズムの方が楽だなー……って。
絵はあまり得意では無いので簡単なものしか描かないというか描けない。代わりにインキに手を突っ込んでコーティングするようにガントレットを生成したりもする。
個人的「打撃ダメージによって内臓ズタボロにして血を吐きながらも強気に笑って戦い続ける姿が似合う子」No.1。ナニガシの寵愛を受け、出てきたら大抵酷い目に遭う。

・“モデラー”ぬぼ子
年齢:10代後半  性別:女性  身長:159㎝
芸術:3Dモデリング  衣装:サイバーパンク
『雨野ぬぼ子』の名前で活動している動画投稿者。主な動画ジャンルは3DCGアニメーション。とある目撃者の証言によると、「3Dモデリングソフトを起動して、直方体のCGモデルを生成した。そこから腕組みをして何やら考え込み始めたので、5分ほど席を外し飲み物を買って戻ってきたところ、姿勢は全く変わっていなかったにもかかわらず画面の中に極めて精緻なヒトの腕のモデルがあった」とのこと。ガラスペンの使い方も独特で、3点を指定することで直方体を瞬時に生成し、拡大・複製して相手を押し潰す戦法を得意としている。
よくコーヒー飲料やエナドリを飲んでいるがカフェインはもう効かない。美味しいから無問題。
素の性格は引きこもりの陰キャだが、人前では行動力ある明るく面倒見の良いお姉さんを演じるようにしているため、他のリプリゼントルからは大人気。

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少年少女色彩都市・某Edit. Modeling Master Amenonuboko その⑥

「すごかったじゃない、新人くん。この調子なら、私なんかいなくても十分やっていけると思うよ」
勝利を収めて呆然としている新人くんの背中に声を掛ける。
「あ、ぬぼ子さん。いえそんなこと無いです。ぬぼ子さんが後ろ盾になってくれたおかげで、安心して戦えたので」
「けど君、すごいねぇ。動物描くの上手いし、あのうさぎさんなんか勝手に動いてくれたよ?」
「え、何それ知らない……あのウサギ、何したんです?」
「あの芸術家さんについて行くように言ったらその通りにしてくれたよ」
「へー……。と、取り敢えず」
新人くんがガラスペンを軽く振ると、馬やサイたちは消えてしまった。きっとうさぎさんも消えたんだろう。
「今日はついて来てくれて、本っ当にありがとうございました!」
新人くんが頭を下げてきた。
「良いよ。また何か困ったことがあったら遠慮なく言ってね? 夕方以降と土日は大体空いてるからさ」
「はい、また機会がありましたら、ご指導よろしくお願いします!」
「うん。それじゃ、私はのんびり歩いて本部に戻るから、じゃーね」
新人くんに向けてひらひらと手を振りながら別れの挨拶をして、眠気を思い出しつつあった身体を引きずりながら本部の私の休憩室を目指した。

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【非公式】少年少女色彩都市・公式キャラクター紹介

少し前にナニガシさんも参加したリレー小説『少年少女色彩都市』のキャラクター設定を、ナニガシさんの主観で雑に乱暴に書いていきます。より詳細な設定は原案のテトモンさんや企画者の点Pさんがきっと書いてくれる。
・叶絵さん
芸術:イラスト/ポップなアニメ調の人物画(部分)、ダークなアニメ調の背景
衣装:ピンクいワンピース風の衣装
本作主人公。イラストを描くことだけが取り柄の少女。妹が優秀過ぎてコンプレックスの塊。プレリュードが前奏曲であることだけは何故か知っている。得意分野はポップな感じの人物画とダークな感じの背景。鳥さんも描ける。でもこの子、全身画描けないんだよな……。多分SNSや投稿サイトに絵を出しちゃいけないタイプ。ちょっとでも叩かれたら唯一の取り柄もへし折られて死ぬしか無くなる。
・薄紫色の少女
芸術:イラスト/トゥーン調モチーフ不問
衣装:華美な装飾の薄紫色のワンピース
リプリゼントルの中でも特に強い部類らしいリプリゼントル。クソガキ。ちっちゃくて(重要)強い。嫌いなものは嫌いと言う子。彼女がものを描いてる描写はナニガシさんしか描いてないからナニガシさんがいくらでも設定用意して良いよね。ちなみに本名は知らないけどナニガシさんは臼村早紀(仮称)って呼んでる。ウスムラサキ。本名気になるね。
・和湯典礼
芸術:演奏/バイオリン
衣装:燕尾服
音楽を得意分野とする少年。バイオリンを描いて演奏すると相手は干し肉になる。コワイ!
けど燃費がたいへん悪いようで1日に何度も戦えない。あとお兄さん、演奏専門の割にきちんと弾けるバイオリン用意できるなんて、絵ぇ描くの上手いねぇ。やっぱり普段から見慣れてるものは描きやすいんだろうな。
・和湯のお姉さん
少年の姉貴。本名はテトモンさんの頭の中にある。元リプリ。ガラスペンはまだ持ってるけど、芸術性は既に枯れかけてるらしい。そりゃ有能な芸術家は早逝なもんだけど、芸術性だけ死んでるなんて何があった?

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視える世界を超えて エピソード6:月夜 その⑪

「よく頑張ったね。君、立てるかい?」
しかし種枚が少女に向けた言葉と口調は飽くまで優しいもので、少女はすぐに緊張を解き、自分の身体を見回してから、首を横に振った。
「そうか、なら家まで送ろう。未成年の夜遊びはよろしくないからね」
「……ありがとう、ございます」
少女に背中を向けると、少女は身体を引きずるようにして種枚の肩に縋りついた。
「よし、道案内は頼むよ。おい馬鹿息子、刀の方はお前に任せた」
「いや初対面の子の目の前でその呼び方マジでやめてくださいって……」
2人は少女の指示に従って彼女の自宅に向かう。到着した場所は広大な敷地面積を誇る平屋の日本家屋であった。
「ここです。……もう、大丈夫です。ありがとうございます……」
少女は自分から種枚の背を下り、鎌鼬から受け取った刀に寄りかかりながら、最後に二人に向かって1度頭を下げ、足を引きずって入っていった。

「……しかし、良い子を見つけたな」
それからも街中を駆けては怪異を狩り続ける種枚だったが、ふと思い出したように呟いた。
「良い子って……あの子ですか? 刀の?」
「そう。……あの子は、『金』かな」
「きん? ゴールドですか?」
「いやァ……? キヒヒッ、これからもう少し素敵になるぜ」
次の獲物を求めて再び駆け出した種枚の眼は、既に金色に輝く人外のそれだった。

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Daemonium Bellum RE:ふぉーるんらぼらとり キャラクター集

・堕天使
追放組の堕天使。反逆については自分馬鹿なことやったよなー……くらいの認識。何かもう色々とどうでも良くなって現在は孤独に天使と悪魔の研究をしている。権能は『武器使用の最効率化』。片翼を失って尚その力は衰えず、というか元々そこまで強くない権能であり、雑に言うと武器扱いの品物で発揮する威力が結構高くなり、扱う腕前も強化されるというもの。

・悪魔氏
異形態は鼠色の不定形の物体。スライムみたいな見た目で『首』という概念が無い。また、心臓の代わりに全身の体組織と血管が直接血流を発生させており、『心臓』も存在しない。人間のことは混沌発生器だと思ってるから割と好き。好きだから天使や悪魔のせいで死ぬところはあまり見たくない。天使のことは悪魔を攻撃する分には特に何とも思わない派。でも陣営単位では対立してるから遭遇したら死ぬほど煽り散らす。権能は『人間の死の奪取』。何、大切な人に死んでほしくない? 良いね、優しい願いだ。叶えてあげよう、『死なないだけ』で良いなら。

・天使氏
不幸にも巻き込まれたちょっとかわいそうな天使のひと。対立過激派で堕天使や悪魔を見下し嫌っている節がある。人間のことは守らなきゃいけない存在だと思っているので、人質にされると弱い。権能は『電撃の操作』。ビリビリのバチバチ。

・人間さん
天使氏がいなければ巻き込まれなかったであろうガチでかわいそうなホモサピ。

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Daemonium Bellum RE:ふぉーるんらぼらとり その⑨

青年が片手剣を構え、悪魔氏に突撃する。悪魔氏はすぐに不定形の物質に姿を変え、回避を試みる。けれどあまりにも素早い斬撃の連続に変形が間に合っておらず、みるみるうちに床と壁、天井が悪魔氏の血飛沫に染まっていく。
「こ、これはやべェ……再生が追い付いてねェや。ガチで強いなこれ。お前なんでロングソードなんか使ってンだよ」
少し小さくなった鼠色の物質が震えながら言う。
「射程はあった方が得でしょうよ」
「たしかに」
短い会話の後、また青年が斬りつける。鼠色の物質は変形による回避を止め、部屋全体を飛び跳ねるようにして回避を試み始めた。これによって悪魔氏の回避率はだいぶ向上したように見えるが、それでも先ほどの7割程度の攻撃は継続して直撃しているように見える。
「あッ」
しばらく跳ね回っていると、悪魔氏が素っ頓狂な声をあげて扉に激突した。そこに青年が斬撃を加えたことで、勢いで扉が吹き飛び、悪魔氏が室外に押し出された。
「あっ」
「お前……鍵くらい掛けとけよなァ」
「してたのに壊れたんですけど」
「そっかー。ンじゃ、開いたから取り敢えずそこのカワイソーなヒトカスは追い出して良いか?」
「天使さんごと放り出しといてください」
「アイよ。危ねーから天使の方の拘束は放置で良いか」
「そうですねー」
青年が私に近寄って来て、手足の拘束を片手剣で切ってくれた。
「それじゃ、お帰りくださーい。あなたの住んでる町は東に歩いて半日ほどなので」
青年と悪魔氏に見送られながら、その部屋……というか小屋を後にした。

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厄災どおる:設定④

・“疱瘡神”イユ
性別:女性  外見年齢:10歳  身長:136㎝
人形の材質:純鉄  悪意:殺意
災害:とある伝染病  能力:動物を対象とした病的ダメージ
説明:最古の“厄災どおる”。今はもう撲滅されたとある伝染病が国内に蔓延していた頃に生み出され、それからずっと人間のために働いてくれている。彼女を生み出した呪術師は既に死んでいるが、その人が「これからは人間のために生きなさい」って最初に言ってきたので、自分が死ぬまでは人間のために尽くす。
頑固だが融通は割と利き、そして飽きっぽいという何とも言えない性格。しょっちゅう「殺す!」って言うし言った以上は殺そうとするけど、基本的にプラスチック製の玩具のバットで背中とかを引っ叩いてくるだけなのでそこまで危険ではない。
戦闘面においては耐久力に優れ、能力を発動すると周囲の動物(ホモサピはサル目ヒト科やぞ)やどおるは全身から血を噴き出して衰弱し動けなくなる。別に病気になるわけでは無く、単純にその症状に襲われるというだけ。件の伝染病の治療薬と同じ成分で症状の治療自体はできるので、彼女の為だけに治療薬が今も少量製造され続けている。
ちなみに愛称の「イユ」は「癒ゆ(いゆ)」が由来。

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ピッタリ十数字・勝手に表彰

どうもナニガシさんです。好き勝手やるならしばらく更新されない週末がチャンスだぜってことで、ナニガシさんが以前開いた企画『ピッタリ十数字』で個人的に惚れた作品を勝手に紹介していきます。


・『ピッタリ10文字』byTohofantasy
貴方に出会えた十文字

習作の時点で遭遇した何か滅茶苦茶気に入ったやつ。レスで会話した内容を引用するに、「僕自身が滅多に浮上しないアカウントであることと、あとは第三者視点でも交わらなかったはずの2人が十文字(=交差点)で交差する感じを両方10文字で表してみました」だそうです。これがエモいってやつなのか? 僕には若者語が分からねえ。

・『朝』by晴結
井の中の蛙は、空がみたい。

何かよく分からないけど何故か異様にというか奇妙にというか何か印象に残って気が付いたらお気に入り登録してたやつ。そういえばお気に入り登録って個数上限あるんすね。

・『ピッタリ十数字』byぞろりく
       昨日

         おはよ >  ●
              ⒎⒛
       今日

  〇 < さよなら
  ⒗⒓

ルールを最大限悪用してくださった作品。すげー!ってなった後に「本当にセーフかこれ?」って冷静になったけど、1回納得させた時点で彼の勝ちです。この企画において恐らく唯一『勝者』を名乗って良い。