円環はみだし魔術師録 杖 解説編2
先程の続きです。
なお、こちらも先程同様、読まずとも本編をお楽しみ頂けます。
補足:先程、「魔術師イユジュニスタ・ウィディスコの愛用した杖は円盤型であったと言う説がある」という記述の後に「杖の普及は二百年程前」と書かれていますが、これは「杖の『一般への』普及の歴史」であり、杖という呼称ではなく、システムや材料も違うものの、杖に準ずる補助器具自体はそれ以前にも存在していました。分かり辛かったと思います。申し訳ありません。
4、杖の材料1
主に魔力伝導率の高い物を使って作られており、大部分には木が使用される事が多い。
木の魔力伝導率はクリスタルに劣るが、クリスタルで作ると重くて脆くなってしまい、何よりとても高価になってしまうため、木が選ばれている。
また、訓練用であれば、魔力伝導率が低い金属が選ばれる事が多い。
尚、金属製の杖は勿論重いので魔術訓練と同時に筋トレも可能である。
そして多く使用されている木、クリスタル、金属の伝導率は左から高い順に
クリスタル>木>金属 である。但し、銀は木と同程度、物によっては木以上の伝導率を記録する場合がある。
金属にも魔力伝導率の高低があり、上から高い順に、
銀(白銀・黒銀を含む)
鉄
青銅
銅
その他の金属 となっている。
更に、魔力を含んだ魔力化金属も存在するが、非常に珍しく、また、魔力の質によっては反発が強く、杖には使えない可能性があるため未知数となっている。
杖に金色を使う魔術師は多いものの、大抵は銀を変色させて金色に見せているだけである。
5、杖の材料2
杖の「芯」となるクリスタルは、人工的に精製された物と、自然にできた天然石がある。
伝導率は全体的に天然石の方が高いものの、特定の魔術においては人工の方が優れている場合がある。
人工のものは、純度が高いもの程伝導率が高いため、敢えて低純度のクリスタルを使用して商品を売り、後日メンテナンスに来た客からメンテナンス代をぼったくる業者が居るので注意が必要。
人工クリスタルは伝導率こそ天然石に劣るが、特定の魔術に特化させることができ、加工も楽で、何より安価なため、最近は純度の高い人工クリスタルを選ぶ魔術師も少なくない。