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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 年末のごあいさつ2023

どうも、テトモンよ永遠に!です。
2023年も終わりが目の前に迫って参りました。
という訳で年末のごあいさつ2023です。

今年は思ったより「ハブ ア ウィル」の物語が進まなかったなって思います。
去年は8エピソード分くらい投稿したんですけど、今年は約4エピソード分くらいしか投稿できませんでした。
まぁ去年から始めた「造物茶会シリーズ」の投稿もあったり、企画の開催もしたりと「ハブ ア ウィル」以外の投稿もよくしたのでこうなったのかな~と思います。
それでも初期の頃から書きたいと考えていた「15.」や「18.」の投稿をやっとできて良かったです。
また、ずっと出したいと思っていた「ヴァンピレス」をやっと登場させることができました。
彼女についてはまだまだ謎だらけですが、多分来年の内に彼女について語ってあげられると思います。
お楽しみに。

さて、今回のごあいさつはここまで…と言いたい所ですが、最近気になることがあるのでもう少し。
ここの所、ぼくの作品につくスタンプの数が前より増えているんですけど、皆さん「ハブ ア ウィル」はどこから読んでいるのでしょうか?
良かったらレスで教えて欲しいですね。
多分最近読み始めた人が多いと思うんですけど…
でも初期のエピソードを読んでないと理解できない部分もあると思うので、最近読み始めた人はぜひまとめから初期のエピソードを読んでいただきたいものですね(宣伝)!

では、今回はこの辺で。
来年は元日から投稿し始める予定です!
また、新年明けてすぐに既に投稿した「企画アンケート」で1位になった企画を開催します!
「造物茶会シリーズ」もまだまだ展開していきますよ~
そういう訳で、テトモンよ永遠に!でした。
皆さん良いお年を~

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視える世界を超えて 番外編:愛娘

「よォ、馬鹿息子」
高校からの帰り、校門を出た鎌鼬の背に、種枚から声がかけられた。
「ぐ……だからその呼び方やめてって……うわっ」
鎌鼬がそちらに目をやると、種枚が足の甲を街灯に引っかけ、逆さにぶら下がっていた。
「なァ鎌鼬、携帯電話持ってないか? 貸してくれ」
街灯から飛び降りながら、種枚が話しかける。
「スマホッスか? 別に良いですけど……師匠、持ってないんスか?」
「残念ながらなー」
鎌鼬から放られたスマートフォンを危なげなく受け取り、種枚は電話番号をプッシュし始めた。
「で、誰に電話するんです?」
「お前の姉」
「いや俺一人っ子…………あぁー……『娘』ッスか」
「そういうこと」
ニタリと鎌鼬に笑いかけ、通話が繋がったために種枚はすぐそちらに集中し始めた。

それから約10分に及び、種枚は電話口の相手と楽しそうに会話を交わし、満足げな表情で通話を切った。
「助かったよ鎌鼬。あの子、元気そうだった」
そう言いながら種枚が放り投げたスマートフォンを、鎌鼬は一瞬取り落としそうになりながらも、どうにか受け止めた。
「もっと丁寧に扱ってほしかったなぁ……あ、そういえば」
「ん?」
「俺の……姉弟子? って人は、どういう人なんです?」
「たしか今中2くらいだったっけかな?」
「俺より年下」
「あの子はねぇ、『河童』を喰った子だよ」
「かっぱ」
「ああ。お前なんかよりずっと上手く折り合ってる良い子だぜェ」
「子供どうしを比べて評価するもんじゃねッスよ」

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我流もの書きスタイル キャラクター編

前にぼくが作り出したキャラクターを「魅力的なキャラクター」と表現してもらったことがある。
魅力があるのか自分にはさっぱりだけど、普段どうやってキャラを作ってるかというと2パターンあるんだよね。

まず1つ目は「キャラデザインから作る」パターン。
正確にはキャラクターの姿が“降ってくる”んだけど、先にキャラクターの容姿を作ってから設定を詰めていく方法です。
自分が1番よく使ってきた方法で、物語の主要キャラはこうして生み出されることが多い(気がする)よ。

で、2つ目は「キャラ名から作る」パターン。
先にキャラ名を決めてからそれに合う容姿・設定を詰めていく方法です。
容姿を先に決める方法だと中々限界があるので、最近はこの方法を採用しがち。
ちなみにキャラ名は日本人の名字の場合、最近はGoogleの乱数生成ツールで最初の2文字まで決めた上、日本の名字がたくさん載っているサイトで事前に決めた2文字から始まる名字を抽出、そこからさらに「上から“乱数生成で出た数字”番目の名字」を選択…みたいな方法をとっている(めんどい)。
面白いけど中々容姿が思いつかないことがあるのが難点です。

最後に余談だけど、キャラクターを作る際はよほどのことがない限り容姿はしっかり設定するようにしている。
自分の中で物語を展開させる時に想像の中でアニメーションを作っているので、そうしないとかなり面倒なのよね。
そのために最近は自分の手でキャラデザインを起こすこともしている(下手だけど)。

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視える世界を超えて エピソード3:人怖 その④

「ちょ、ちょっと待ってください種枚さん⁉」
流石に命の危険を覚え、無理やり割って入る。
「ア?」
何故彼女が急に怒り出したのか、タイミング的にはおそらく『人怖』に関係してるんだろうけど、兎に角何としても彼女を宥めなければ、自分が死ぬ。
「良いですか種枚さん、自分は昔っから身を以て人間なんかより恐ろしい存在の、その恐ろしさを体験してきた人間ですよ⁉」
「………………それもそうか」
説得は成功したようで、種枚さんが瞬きをすると両眼は人間のそれに戻り、手も下ろしてくれた。
「悪かったね、突然ブチ切れたりして。どうにも地雷なんだ、『一番怖いのは人間』ってのが」
「そうなんですか……」
「それよりこの塀、どうしたもんか……」
種枚さんは塀に開けてしまった穴を見つめて思案している。よく見てみると、塀の破片は残らず凍結に巻き込まれ、思ったより目立った跡は残っていない。
「……このままでもバレなかったりしないかね?」
「流石にそれは無理があるんじゃないですかね……?」
それよりも何故凍っているのかということが気になる。
「……ん、この氷、気になる?」
「え、まあはい」
「私が熱くなりやすいタチってのは言ったっけ?」
「言われましたね」
「ほら、気持ちが昂ると熱くなるって話だったろ? 逆もまた然り、って奴さ」
「それで氷が張るレベルの低温になれるんです?」
「致死レベルの高温になれるんだから、この程度の低温になれても自然じゃない?」
「自然かなぁ……」

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ポエム掲示板クリスマスフェスタ2023 あとがき

どうも、テトモンよ永遠に!です。
この書き込みは12月25日まで開催していた企画「ポエム掲示板クリスマスフェスタ2023」のあとがきになります。
本当は昨日書き込む予定だったのですが…思いっきり忘れてました(笑)
まぁ少しの間お付き合いください。

今回の企画は大学からの帰り道にふと思いついたものでした。
電車の吊り広告で確か神宮外苑のクリスマスマーケットの宣伝が下がっていたので、それを見て思いつきました。
経験上こういうタイプの企画は参加しやすいっぽいので普段より多くの人が参加してくれるだろうと思ってはいたのですが…思ったより多くの人が参加してくれてめちゃくちゃ嬉しかったです!
古参の方も、最近ここに書き込むようになった方も、たまにしか現れない方も、久々に見る方も、色んな生徒の作品を見られて楽しかったです。
皆さんご参加ありがとうございました。

さて、これであとがきは終わりにしようと思ったのですが、最後に1つ宣伝をば。
来年、新年明けて早々にまた企画を開催しようと思ってます。
ですが手元に3つあるアイデアの内のどれにするか迷ってるんですよね〜
と、いう訳で只今どの企画をやってみたいかアンケートを行っております。
投票で1位になった企画を1月から開催する予定ですが、2位以降も後々に開催する予定です。
なのでお気軽にご参加ください。
では今回はこの辺で。
テトモンよ永遠に!でした〜

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視える世界を超えて エピソード3:人怖 その③

一瞬遅れて聞こえてくる破壊音。そちらに目を向けると、種枚さんの貫手が、自分の顔のほんの数㎜真横を通過し、背後のブロック塀に突き刺さっていた。
「……く、種枚さん?」
「なァ君」
「は、はい」
種枚さんが、表情だけは笑顔のまま話しかけてくる。
「霊感、欲しくないか?」
「え……」
ゆっくりと開かれた彼女の眼は、あの巨大な人影に遭った時と同じ、金色の虹彩と縦に切れ長の瞳、そしてあの時とは違って白目の部分が真っ黒に染まった、明らかな人外のそれだった。
「霊感、欲しいだろ? 奴らに対抗する力。何、ほんの一口怪異存在を喰うだけで良いのさ。喰ったものは身体を作る。多少人間を外れはするが、別に良いだろ? 今の君は人間だから私は手を出せないけど、ただの化け物に成り変わっちまえば、君を殺すのは私の義務だから仕方ないよね?」
ぐい、と目の前に顔を寄せ、何かを言い返す隙も無いペースでまくし立ててくる彼女の語調に、怒気と殺意が混ざっているのを感じる。
そういえば、背後からは何か冷気のようなものを感じる。ただの悪寒かと思ってそちらに目をやると、ブロック塀に突き刺さった彼女の手を起点に、薄く氷が張って少しずつその範囲も広がってきている。

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視える世界を超えて エピソード3:人怖 その②

「しかし、最近よく会いますね」
「そうだねェ」
歩きながら、種枚さんと言葉を交わす。実際、鎌鼬くんの件から2週間くらいか、ほぼ毎日彼女と会っていたり、姿を見たりしている気がする。
「まあ、君のことはそれなりに目ェ掛けてるからねェ」
「えっ」
「だって君、君は霊感こそ持たないが、霊視の才自体はほぼ先天のものだろう?」
「まあはい。物心ついた頃にはもう見えるようになってましたね」
「だろ? 君には素養があるんだ」
「はぁ……」
種枚さんは道端に立っていた不気味な雰囲気の女性の霊を締め上げながら、自分に笑いかけてきた。その手にあるモノさえなければ、もう少し魅力的にも見えるだろうに。

「ああそういえば」
ふと、本当に何の脈絡も無く、図書館で読んでいた本について気になったことがあったのを思い出した。
「どうしたィ?」
「図書館で読んでた本の中に、結構、何て言うんでしょう……所謂『ヒトコワ』? みたいな話がそれなりにあったんですよね」
「…………ほう」
種枚さんの足が止まる。
「種枚さん?」
「……ん、ああ続けて?」
消滅し始めていた霊体を投げ捨てながら答える種枚さん。
「あっはい。あの手の話って、割と『結局一番怖いのは生きた人間』ってオチが多くt」
顔のすぐ横を何かが高速で通り抜け、自分の言葉は遮られた。