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エッセイ的な何か

世の中には「孤独が耐えられない!」「ひとりぼっちだと死んじゃう!」って人、結構いるよね。
それに対して今のウチは、ずっと1人でもなんとも思わないし、むしろ1人の方が気が楽な時があるのよ。
「孤独を好むのは発達障がいのせい」と言えばそれまでなんだけど、正直それじゃあ腑に落ちない。
じゃあなぜか、色々調べたり考察したりしてみると「自己を肯定できているか」って所に行き着く。
「孤独を感じない人」は自分のことを1人で評価できているから自己肯定感が高くなるが、「孤独を感じる人」は他人にばかり己の評価を求めているから寂しがってるそうなんだ(ネット調べ)。
まぁホントかどうかはさておき、寂しがってる人って他人に肯定されたがっているのかなとは思える。
そういう人って、認識の有無を問わず自己肯定感が低そうだしさ。
自分が一時期友達が欲しくて仕方なかった時も、自己肯定感が低かったんだよね(あと普通の人間は友達がいて当然という思想)。
それがどうでもよくなったのって、ある意味学力とか他人への信頼とか色んなものを失って最後に自分の中に己が愛した創作活動しか残らなくて、ひたすらそれを続けていたからだし。
あと歳の近い妹に「大学では好きなことをやっていい」って言われたこともある。
好きなこといっぱいやってる内に気付いたら寂しさを感じなくなっていったんだ。
だから孤独を感じる人は“(コンプライアンスに抵触しない程度に)1人でもできる”好きなことを見つけることから始めてみようぜ。
きっと好きなことに没頭してれば寂しさなんて感じないはずだからさ。

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Side:Law in Black Market:真黒な闇から真白な貴方へ 後編

そして3つ目。どんな世界でも、どんな社会でも、必ず「あぶれずにはいられない者」というのは現れるものですが、そんな人たちが追いやられ、死にさえしなければ辿り着ける最後の希望。“危険なセーフティ・ネット”……これは私だけが呼んでる異名ですけど。ヒロマレヒロマレ。そのエリアを人呼んで、〈ブラックマーケット〉。基本的には地表から広がっていますが、時々他のエリアが位置するはずの高さにまで侵食し、食い込んでいることもありますね。正確な規模や面積すら把握しきれていない、世界の暗黒面ですよ。
このエリアでは、“地上”や“天界”の法なんて意味を持ちません。ここで意味を持つのはたった一つ簡単なもの。『商品価値』です。
「才能」でも「人手」でも「物品」でも、価値ある『何か』が提供できること。それが〈ブラックマーケット〉で生きるための条件です。ああ、別に無くても良いんですよ? 『価値』は客観的なものですから。人間、生きているだけで如何様にも使えるものです。
……それで、何の話でしたっけ? ああ、そうでしたそうでした。戸籍も記憶も何も無い。そんな貴方に『世界』のことと『生き方』を教えてあげるって話でしたね。
ようこそ我らが唯一最後の居場所〈ブラックマーケット〉へ。私たちはあなたを歓迎しますよ。分からないことがあったら何でも聞いてください。私は“情報屋”ですから、あなたの『商品価値』の限り、喜んで私の『価値』―情報をお返ししましょう。

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Side:Law in Black Market:真黒な闇から真白な貴方へ 前編

今からおおよそ200年ほど前の事だったでしょうか。世界は軽く滅亡しました。
理由ですか? いえ、私はその頃生まれてすらいませんでしたので……。資料? 残っているわけ無いじゃないですか。紙の書類や書物はどれもこれも真っ先に燃料になっちゃいましたし。もしかしたら誰かがデジタルメモリで保存しているかもしれませんが……少なくとも私は知りませんね。情報が欲しいなら〈アッパーヤード〉にでも行ってみたらいかがです?
さて閑話休題。種の滅亡を目前にしたとき、本能的にそれを回避しようとするのが生物というものです。幸い、『ヒト』という種族にとってもそれは同じだったようですね。
世界各地の大都市(メトロポリス)を拠点として、スカイ・スクレイパー群の上層へと逃げるように移住した人間たちは、争ったり協力したり、ウヨキョクセツを経た結果、やがて収斂進化的におおよそ3つのエリアが成立しました。
1つ目に〈アッパーヤード〉。さっきちらっと口にしましたね。最低でも地表から100m以上の高さに位置し、そのメトロポリスの有力者や権力者の居住区と、図書館や情報関係の施設など、人類にとって重要になる施設が多く見られるエリアです。“天界”なんて呼び方をする人たちもいますね。
2つ目に〈グラウンド〉。目安として、地表から40m以上に位置し、生き残りの子孫のおよそ7割が暮らしています。ちなみに〈アッパーヤード〉の人口比率はおおよそ2割ほどです。
“地上”とも呼ばれるこのエリアの特徴はスカイ・スクレイパー群の間に橋渡しするように増築された迷路のような居住区です。ぱっと見、本当にそこが地表みたいに見えるんですよ。下から見上げたり遠くから眺めると壮観ですよ、おすすめです。

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Side:Law in Black Market 用語集・その他編

・200年前:人類が軽く滅亡したあの一件。詳細は不明。病気かもしれないし、戦争かもしれないし、地球外生命体かもしれないし、ロボットとAIの反乱かもしれない。真相は〈アッパーヤード〉の情報保管施設で厳重に保存されており、それと過去の様々な記録を基に、有力者の人たちが社会維持のための様々な方策を考える。これに関する無断での情報閲覧は違法。死刑。すごく面倒で長ったらしい手続きをこなせば、監視付きで閲覧可能。公表されていない理由は、無用なパニックでただでさえギリギリで持ち堪えている人類が崩れてしまったらマズいから。人類の危機を救うため、本気で知りたがっている人間だけが面倒な手続きの果てに知ることができる。ただの尋常じゃない好奇心でも、手続きさえほっぽり出さなければ閲覧できる。

・『商品価値』:〈ブラックマーケット〉の『掟』において最重要視されているもの。所持品、才能、技術、人脈、人徳、その他もろもろ、金を稼ぐあるいは食いつなぐことができるだけの何か。無くても大丈夫。『肉体』と『生命』の価値は誰かが見出してくれる。

・〈ブラックマーケット〉の掟
この地において上界の法は適用されない。我々は法的に「死人」である。
この地を出る際、身の振り方には注意すべし。我々は法的に「死人」である。
他者の持つ『商品価値』には相応の『商品価値』を対価として差し出すべし。
『商品価値』無き者の価値は、それを最初に見出した者の自由とする。

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Side:Law in Black Market 用語集・地理編

・スカイ・スクレイパー群:滅亡の危機において人類が退避した、世界各地のメトロポリスの高層建造物群。特に呼称が定まっているわけでは無く、敢えてそれ全体を指して呼ぶ際はかつてその場所につけられていた地名で呼ばれる。

・〈アッパーヤード〉:居住区のうち、地表から100m以上に位置するエリア。有力者や権力者の居住区と、情報・記録関連の施設が見られる。『天界』と呼ばれることもある。ちなみに〈グラウンド〉や〈ブラックマーケット〉の人間がここに来たからと言って罰せられるとか後ろ指差されるとかいったことは起きないので安心。人間皆、滅亡の危機を協力して乗り越える仲間である。……いややっぱブラマの住人は変な目で見られるかも。バレてはいけない。

・〈グラウンド〉:居住区のうち、地表から40~100mに位置するエリア。構想建造物どうしの間に橋渡しのように増築された居住区が特徴。総人口の7割ほどが住んでいる。『地上』と呼ばれることもある。

・〈地表面〉:〈グラウンド〉において、高層ビルの隙間に橋渡しするように増築された部分。多層的に重なり、ほとんど隙間なく敷き詰められていることから、〈グラウンド〉で生まれ育った若者や子供の中には、自分の立っている場所が文字通り「地表面」と勘違いしている者もいたりする。

・〈ブラックマーケット〉:居住区のうち、〈アッパーヤード〉にも〈グラウンド〉にも属さないエリア。ここの住人に市民権は無く、このエリア内で法律は適用されない。

・〈ホワイトホール〉:周囲を〈ブラックマーケット〉の領域に囲まれ、完全に分断された〈グラウンド〉または〈アッパーヤード〉。ほとんど見られない。一見危険そうに見えるが、〈ブラックマーケット〉の住人は外にあまり出ないので意外と安全。ただ旅行はできないのが難点。

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Side:Law in Black Market

企画っていうか厳密にはその下位互換っていうか、敢えて明文化するなら『誰でも好き勝手使って良い世界観』とでも言えば良いんですかね。そんな感じのものをご用意したんですがね。誰か使ってくれないかなー……って。
そういうわけで期間なんかも特に定まっていないわけなんですが。これ使って何かやれそうだなって人はタグに『Side:Law in Black Market』か『SLBM』か『さいどろ』と入れてお話とかポエムとか書いてくれると嬉しいです。というわけで以下雑に世界観。

舞台は近未来の世界。自律ロボットもサイボーグも多分いる。約200年前、人類は滅亡の危機に瀕した。
理由は不明。紙媒体の資料はポスト・アポカリプスにおいて『燃料』として消えてしまったから。デジタル・デバイスは生きているが、重要な情報は大部分が厳重に保管・秘匿されているため、真相を知る人間は少ない。
人類は世界各地のメトロポリスの高層建造物群を利用し、上へ上へと逃げるように移住していった。やがて彼らはそれぞれの役割に応じて、そのスカイ・スクレイパー群に3層に住み分けるようになる。
地表から100m以上の上層〈アッパーヤード〉。総人口の約2割、主に有力者や権力者が住み、デジタル・メモリを利用した情報・記録の保存と各スカイ・スクレイパー群の統治を目的としたエリア。
〈アッパーヤード〉より下、地表から40m以上の〈グラウンド〉。建造物の隙間に橋を渡すように増築された『地表』が総面積の約7割を占める、一般市民の居住区。
そして、〈ブラックマーケット〉。正確な規模や面積は一切不明で、地表から〈グラウンド〉や〈アッパーヤード〉の高さにまで食い込んでいることすらある、人格や思想故に民衆から『あぶれざるを得なかった』ドロップアウター達が最後に辿り着く危険地帯。
〈ブラックマーケット〉の領域内において上層の『法』は適用されず、ただ『商品価値』を示せる限り生を許されるという『掟』だけで回っている。『価値』を失った人間は、最後に残った『肉体』と『生命』を『価値』が分かる人間に『活用』されることになる。

物語の主な舞台は〈ブラックマーケット〉。ドロップアウター共が己の『価値』を武器に現世の地獄を生き抜く、そんな歴史の端にも引っかからないような、ちっぽけなお話。

というわけでもうちょい色々書きますね。

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貰ってはいるのよ、愛を。

・岩戸青葉(イワト・アオバ)
年齢:13  性別:女  身長:小学生料金でバスや電車に乗れるくらい
初出はエピソード6。名乗る機会が無かったので「少女」で押し通さざるを得なかった子。
人外のモノに好かれ、人外の異能の才を持つ女系一族“岩戸家”の当代末子。人外の才能や霊感は全く無く、かといって姉や両親、親族からそれを理由に邪険に扱われることも無く、むしろ能力など関係無いとばかりに深い愛情を受けて育ってきたが、その愛が逆に彼女の劣等感を刺激した。
「家業を継ぐ」という観点においては明確に劣っている自分がその愛情に足ると心の奥底で信じ切れず、それを受けるに相応しい人間になるべく、夜な夜な愛刀たる〈薫風〉を手に家を抜け出しては、怪異相手に武者修行を繰り広げている。
幼い頃には自分の無能ぶりに絶望し引きこもったこともあったが、現在は〈薫風〉と暴力性(殺意)、身体能力という希望があるため、かなり安定している。
ちなみに家族や親族に八つ当たったことは一度も無い。彼らが悪いわけでも無ければ、そもそも自分の能力の低さが理由なのにその能力がある人間に当たれるわけが無かったので。

〈薫風〉:岩戸家に伝わる日本刀。刃渡り約55㎝。全長約80㎝。各代で最も力の弱い子が怪異から身を護るために受け継ぐ。霊体にも干渉し、怪異存在に特にダメージを与えることができる。また、所有者であるというだけでその威光が弱い怪異を寄せ付けず、所有者の受ける霊障を吸収する。近代以降、実際にこれを武器として用いる継承者はいなかった。

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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 連載開始5周年記念! 作者からのごあいさつ

どうも、テトモンよ永遠に!です。
先日、3月4日をもちまして、「ハブ ア ウィル ―異能力者たち―」は連載開始5周年を迎えました~!
いやーめでたい(?)ですねー。
これもひとえに皆さんのスタンプやレスのお陰です。
いつもありがとう。

さて、今回はまたですが近況報告をしようと思います。
とにかく最近はてんやわんやでした。
「連載再開2周年記念! 作者からのごあいさつ」でも言った通り、ウチのばーちゃんが生死の境をさまよってたりしましたが、2週間くらい前の日曜日にとうとう亡くなってしまいました。
それで今週の月曜日は葬儀でして、「ごあいさつ」を書き込むことをすっかり忘れてたんですよね…
まぁ無事に見送れたし、「ごあいさつ」も書き込めてるのでよしとしましょう。
あと歳の近い妹が某藝大の受験のため頑張っています。
とりあえずこの間一次試験を突破したので明日あさってで二次試験に挑むそうです。
ぼくは隣で美術予備校や藝大受験の話を聞いてやることしかできないけど、本番の空気に飲まれないでほしいなぁと思ってます(彼女のことだから大丈夫とは思うけど)。

…と、いう訳で今回の「ごあいさつ」はここまで。
次は「20個目のエピソード記念! 作者からのごあいさつ」でお会いしましょう。
ちなみに今はその20個目のエピソードを作りかけで放置してます(笑)
実は「よその小説投稿サイトみたいな所にも自作の物語を載せてみたい!」と最近思ってそっち用に物語を書いてる内に「ハブ ア ウィル」とか「造物茶会シリーズ」の執筆作業がちょっとおざなりになってたんですよ。
「造物茶会シリーズ」は1エピソード分の書き溜めがあるので大丈夫なのですが、「ハブ ア ウィル」の新エピソードは途中で止まっているのです。
一応新エピソードの話の流れはできてるので、あとはそれをアウトプットするだけなんですけどね。
まぁ無理せず頑張ります。
ではこの辺で。
テトモンよ永遠に!でした~

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少年少女色彩都市 Act 12

少女が立ち去った所で、典礼の姉は叶絵に向き直った。
「ごめんなさいねあなた…戦闘に巻き込んでしまって」
本当に、ごめんなさいと典礼の姉は深々と頭を下げる。叶絵はそ、そんなに頭を下げなくてもと慌てる。
「実際わたしだってリプリゼントルの戦いが気になって飛び出してきちゃっただけだし、こうなった原因はわたしに…」
叶絵は元の姿に戻って言うが、典礼の姉はいいえ、私が悪いのと頭を下げたままだ。
「私がさっさと引退しないから…」
典礼の姉はそう謝り続けるが、その様子に痺れを切らした、いつの間にか元の姿に戻っていた典礼が姉さん!と声を上げる。典礼の姉は顔を上げた。
「早く引退してたらって、もしそうしてたらこのピンチを切り抜けられなかっただろ!」
ぼくだけじゃなくて彼女もどうなってたか分からないんだぞ!と典礼は語気を強める。
「…だから、そんなこと言うな」
姉さんが謝っているのを見てたらぼくだって嫌な気持ちになると典礼が言うと、典礼の姉は典礼…と呟いた。
「…という訳でだ」
この窮地を救ってくれてありがとう、と典礼は叶絵に向き直る。
「しかしぼくらが無理矢理君を戦わせてしまったのも事実だ」
これ以上、君も戦いたくないだろう?と典礼は続ける。
「もし君がこれ以上戦いたくないのであれば、そのガラスペンをぼくらに返して…」
「いや、いいです」
典礼が言いかけた所で叶絵は遮るように断る。
「わたし、リプリゼントルとして戦います」
叶絵は毅然とした表情で言い切った。どうして…と典礼が尋ねると、叶絵はだってと返す。
「わたしにできて他人にはできないこと、絵を描くこと以外にも見つけられたから」
叶絵は手の中のガラスペンを見つめながら続ける。
「だから、リプリゼントルとして戦いたい」
皆さんと一緒に…!と叶絵は顔を上げる。心なしかその表情は明るく見えた。
「そうかい」
それが君の意志なら、ぼくは尊重するよと典礼は笑う。
「分かったわ」
それなら私も、全力でバックアップすると典礼の姉も頷く。
「ありがとう、ございます!」
叶絵は満面の笑みを浮かべた。

〈少年少女色彩都市 おわり〉

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CHILDish Monstrum:CRALADOLE Act 5

「何かあったら隊長の自分が責任を取る」
だから行ってこい、とゲーリュオーンは呟く。
「…分かったわ」
デルピュネーはそう言ってビィと目を合わせると、バッと店外へ飛び出していった。
「…いいのか、そんなこと言って」
どうなっても知らんぞ、と羽岡はゲーリュオーンの方を見ずにこぼす。
「ああ」
自分は隊長だからな、とゲーリュオーンは店のガラス戸に映る自分を見つめた。

インバーダの急襲に、意外にもクララドル市中心部は落ち着いていた。
「シェルターはこちらでーす‼︎」
落ち着いて避難してくださーい!と警官が人々を誘導する中をイフリートは駆け抜けていった。
上空を見上げるとワイバーンが自らの特殊能力で空を飛んでいる。
「しっかしずりぃなぁワイバーン」
飛行能力とか羨ましいよとイフリートがこぼした所で、おっとと足を止める。
イフリートの目の前には成人程の大きさの昆虫のようなインバーダが4体向かって来ていた。
「お出迎えか」
イフリートはそう呟くと、右手で拳銃の形を作った。
そして向かって来るインバーダたちの内1体に向けて銃を撃つように手を動かすと、人差し指の先からまるで火炎放射器のように炎が吹き出た。

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CHILDish Monstrum:CRALADOLE Act 3

「そうねぇ…」
だって、とデルピュネーが言いかけた時、店の外でけたたましいサイレンが鳴り始めた。
「⁈」
店内にいるコドモたちはバッと顔を上げる。
「こんな時にお出ましか!」
イフリートがそう言いながら店の入り口に近付く。
「せっかくみんなで出かけてるっていうのに」
インバーダは空気読めないんかなとワイバーンも店のガラス戸から外を見る。
「羽岡(はおか)さん、インバーダの出現地点は?」
デルピュネーが店の入り口に立つ男に尋ねると、羽岡と呼ばれた男は手元のスマートフォンを見ながら答える。
「ヴィアンカ通り周辺…ここからすぐの所ですね」
彼がそう言うとイフリートはよし!と指を鳴らす。
「さっさと行って倒して来ようぜ!」
そう言ってイフリートは扉を開けようとするが、待ちなさい!と羽岡に止められる。
「武器が届いてないのにどうやってインバーダに対抗するんです?」
本部からの武器到着を待ちましょう、と羽岡は淡々と言う。
「なんだよそれ‼︎」
怪物態使えばすぐ倒せるのに!とイフリートは羽岡を睨みつける。
「そうだよ!」
さっさか倒して駄菓子屋さんでお買い物したいー!とワイバーンは頬を膨らませる。
それに対し羽岡はダメです、と真顔のままだった。

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人間ではないらしい

放課後、部室として使っている3年A組の教室に入ると、既にそのクラスの人は全員いなくなっていて、代わりに部長が机に座ってスマホをいじりながら、紙パックのカフェオレを飲んでいた。
「こんにちは、部長。先生は?」
「何か用事でしばらく遅れるんだってよ」
「そうですか」
適当な机を借りて荷物を置き、椅子に腰かける。
部長はこちらに目もくれず、スマホを触るのに夢中になっている。ゲームでもしているんだろうか。
それより、先生がしばらく来ないというのなら、都合が良い。仕掛けるなら、今しか無い。
「部長」
「なに?」
「これはクラスの子から聞いた噂話なんですが」
「うん」
部長がこちらに顔を向ける。
「部長が人間じゃないって本当ですか?」
部長の動きが止まった。ゆっくりと机から下り、手近な椅子に腰かけ、姿勢を正してこちらに向き直った。
「その質問に正確に答えるためには、ちょっと言葉の意味をきちんと擦り合わせておかないとだね。そうだな、何をもって人間とすべきか……たとえば人権があることを人間の定義とした場合、天皇さまは人間じゃないことになる。ならば生物学的特徴を条件とすべきか。そうだな、たとえば人間の肉体を完全に模倣して現世に降臨した神が存在したと仮定しよう。彼は人間か? ……まあ、これも議論の余地はあるんだろうけど」
部長はまるで、何かをはぐらかそうとしているかのように長々と話している。
「……まあ、うん。そうだね、何と言ったものか……。……いやまあ、従うルールによっては人間だと言い張っても良いんだけど…………あぁー……うん。私は人間じゃあないよ」
噂は本当だったようだ。

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CHILDish Monstrum:CRALADOLE Act 1

「こんちゃーっす!」
とある地方都市、クララドルの中心部の路地裏にある駄菓子屋に、バタバタと短髪で赤いパーカーを着たコドモがやって来る。
それに続いて色違いでお揃いのパーカーを着た4人のコドモと、1人の男が店内に入って来た。
「おばちゃん元気かー?」
「こんにちはー」
「こ、こんにちは」
5人のコドモの内4人は思い思いに店の店主に声をかけながら、店内の品物を眺め始める。
それに対し背広を着た大人の男はその様子を店の入り口で鋭い目で見つめていた。
「あ、これ新商品だー」
「ど、れ、に、し、よ、う、か、な〜」
コドモたちがどの駄菓子を買うか迷っている中、茶色いパーカーを着て髪を二つ結びにしたコドモがふとあることに気付く。
「ゲーリュオーン?」
二つ結びのコドモが、店に入った所で突っ立っている黄土色のパーカーを着て長い茶髪を高い位置で結わいたコドモにどうかしたの?と声をかける。
ゲーリュオーンと呼ばれたコドモは二つ結びのコドモに目を向けた。
「…別に」
ゲーリュオーンがそうそっぽを向くと、おうおう素っ気ないな〜とオレンジのパーカーを着た金髪のコドモがゲーリュオーンの肩に手を置く。
「ビィのことが気になるのか〜?」
金髪のコドモにそう絡まれたが、ゲーリュオーンは何でもないと自身の肩に置かれた手を払った。

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ポエム掲示板クリスマスフェスタ2023 あとがき

どうも、テトモンよ永遠に!です。
この書き込みは12月25日まで開催していた企画「ポエム掲示板クリスマスフェスタ2023」のあとがきになります。
本当は昨日書き込む予定だったのですが…思いっきり忘れてました(笑)
まぁ少しの間お付き合いください。

今回の企画は大学からの帰り道にふと思いついたものでした。
電車の吊り広告で確か神宮外苑のクリスマスマーケットの宣伝が下がっていたので、それを見て思いつきました。
経験上こういうタイプの企画は参加しやすいっぽいので普段より多くの人が参加してくれるだろうと思ってはいたのですが…思ったより多くの人が参加してくれてめちゃくちゃ嬉しかったです!
古参の方も、最近ここに書き込むようになった方も、たまにしか現れない方も、久々に見る方も、色んな生徒の作品を見られて楽しかったです。
皆さんご参加ありがとうございました。

さて、これであとがきは終わりにしようと思ったのですが、最後に1つ宣伝をば。
来年、新年明けて早々にまた企画を開催しようと思ってます。
ですが手元に3つあるアイデアの内のどれにするか迷ってるんですよね〜
と、いう訳で只今どの企画をやってみたいかアンケートを行っております。
投票で1位になった企画を1月から開催する予定ですが、2位以降も後々に開催する予定です。
なのでお気軽にご参加ください。
では今回はこの辺で。
テトモンよ永遠に!でした〜

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