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五行怪異世巡『覚』 その⑦

「む……鬱陶……しい!」
白神さんの振るった爪を、覚妖怪は飛び退いて回避した。
「うぅー……!」
白神さんが苛立たし気に唸っている。彼女の手元をよく見てみると、奇妙な形で固定されていた。五指を大きく広げ、人差し指と薬指だけを根元から垂直に近い角度で折り曲げている。
「もー怒った!」
そう言って、白神さんは自分を素早く捕まえ、所謂『お姫様抱っこ』の形で抱きかかえた。
「痺り死ね!」
白神さんの足下から電光が迸り、地面を伝って周囲全方向に駆け抜けていく。なるほど、これなら覚妖怪でも回避しようが無い。
『「これで仕留められる」、そう思ったな?』
覚妖怪が口を開いた。その意味を量りかねていると、妖怪は猿のような肉体を活かして手近な木を物凄い速度で登り始めた。電撃は妖怪を追うが、多くの枝葉が避雷針のように機能することで、覚妖怪まで電撃が届かない。更に悪いことに、頭上を隙間なく覆う樹の中に妖怪が姿を隠してしまい、どこにいるのか分からなくなってしまった。
「し、白神さん。これじゃあ」
「大丈夫、もう1回……!」
白神さんが片脚を持ち上げたところで、頭上を強風が吹き抜けた。直後、少し離れた地面に覚妖怪が着地する。
『…………ふむ。“風”の思考を読んだのは、初めてだな』
「あれっ、そいつは驚いたな。どうせ何百年も生きてんだろーに、初めてか? “鎌鼬”と喧嘩すんのは」
自分と白神さんを庇うように立ち塞がったのは、種枚さんの弟子、鎌鼬少年だった。

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蛍雪の功

窓枠 ひとつ 灯りが燈る
数多の光 数多の命 揺蕩う縁側
寄り集まって 離れて戻る 無常なり

秒針が動く間 地面と靴との間
また命が消えた また命を生んだ

そんな灯りに 私はなりたい
雪ほど暗く 夜闇より明るい
影になりきれぬ 優しき努めの光

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12年前、10歳でSCHOOL OF LOCK!を聴き始め、14歳の時にポエム掲示板と出会い、言葉を綴り始めました。今読み返せば、当初は拙い言葉の集合体であり、感情や衝動がそのままあけすけで、大変読みにくかったろうと思います。それでも、必死で言葉を綴り、毎日何編も投稿しました。言いたいことがうまく言えなかったから、私は詩の世界で、ただ1人雄弁に語る神々しい弁士となることを夢見て、詩を書いていました。やがて、私は詩の世界だけに満足出来ず、人との付き合い方、向き合い方、話し方、自分の身なりなど色んなことを一つ一つ努力して改善して来ました。あの頃から、私は随分人として成長したなと己を振り返ります。詩の世界だけではなく、すべての世界に影響を与えたい。そう思うようになった私は、ここ掲示板で出会った仲間と詩集を作り、別の居場所で絵や小説を書き始めたり、親しい人と俳句や短歌を詠み合ったりと、様々な経験をして来ました。その中で、己の感受性を褒められる機会が多く、貴方の原点は何ですかと聞かれるたびに、この居場所を答えて来ました。ここ数年、大学入学を機に未来の鍵を握り、SOLの卒業を決め、ポエム掲示板への書き込みを殆どして来ませんでした。しかし、今一度言葉を綴って、本当の意味で『大人』になったことを詩で表現したいと思い、今日大学4回生22歳の誕生日に筆を取らせていただきました。本当にありがとうございました。小学5年生10歳の頃、未来の鍵を握るこのラジオに相応しく、花屋という意味だけではなく、大好きな花を守る、花を研究する人、そういう意味で未来の鍵『フローリスト』をラジオネームとして己に名付けました。そして今、私は春から無事に花・植物を守る人として無事に未来の鍵をしっかりと自分の手に掴んでいます。これからも、更なる高みと理想を夢見て、表現者としても社会人としても愚直に努力してきます。

2024年12月17日 フローリスト

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五行怪異世巡『覚』 その⑤

捜索を始めてから約30分。先ほどのイノシシの他にもタヌキ2匹、サル1匹、シカの足跡を発見したものの、肝心の覚妖怪の姿は未だ見つからない。
「見つかりませんね……」
「だねぇ。もっと山奥に入った方が良いのかな?」
「そうですねぇ……っとと」
白神さんに答えるのに意識を割かれ、足下が疎かになったのと同時に、土に足を滑らせて転びそうになった。手をつくより早く白神さんが抱き留めてくれたので、幸いにも無傷だ。
「千葉さん大丈夫? 疲れた?」
「いやまあ、はい……」
「じゃあちょっと休もうか。ほら、千葉さん」
白神さんが、自分に背中を向けてしゃがみ込む。
「おんぶしたげる」
「えっあっはい」
彼女の背中に掴まると、彼女はするすると手近な木に登り、ひときわ太く頑丈な枝に自分を座らせてくれた。
随分歩いたせいか、スニーカーの中にかいた汗が気持ち悪い。靴から踵を引き抜いて足をぶらぶらさせていると、うっかりその靴を下に落としてしまった。それは木の下に生えた雑草の中に入って見えなくなってしまう。
「ん、待ってて千葉さん。わたしが取ってくるよ」
「あ、ありがとうございます。すみません……」
白神さんはまたするすると木を降りて、靴探しを始めた。その背中を眺めていると、座っている大枝が、がさりと揺れた。

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五行怪異世巡『覚』 その④

山中の道なき道を進む千葉・白神の2人を、杉の木の樹冠近くで1つの人影が眺めていた。
「……何だ、この辺りじゃ見ない顔だと思ったら」
そこに、背後から声がかかる。
「うおっ……何だ、青葉ちゃんに負けて手下になった天狗じゃねッスか」
子どもの姿の天狗に軽口で答えたのは、種枚の弟子、鎌鼬であった。
「おまっ、仮にも大妖怪に向けて無礼だな!? お前こそあの鬼子と古い仲なのに〈木行〉の座を余所の妖怪に奪われた未熟者のくせに!」
「まーまー、細かいことは良いでしょ」
「むぐ……ところで貴様、こんなところで何をしている?」
「いやぁ……ほら、俺って師匠から白神さんの見張り命じられてるわけじゃないッスか。だからこうして出張って来てるわけで。そういう天狗ちゃんこそ、こんなところで何してンスか?」
「ボクはここいらの山間部の妖怪の中じゃ、一応最高位の格だからね。〈金行〉に言われて雑魚共があまり『お痛』をやらかさないように見てやってるのさ」
「へぇ……ま、今日は師匠がいるわけだし、師匠の手の届く範囲なら、俺らの出る幕も無いでしょうね」
「だと良いけどね。それじゃ、ボクは行くよ」
「うーいお互い頑張ろうぜー」
天狗は“隠れ蓑”によって姿を消し、その場から飛び去った。それを見送って、鎌鼬は白神と千葉の姿を探す。枝葉の隙間に、やや離れた2人の姿を発見した鎌鼬少年は、自身の異能によって風に姿を変え、上空からの追跡を再開した。

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五行怪異世巡『覚』 その③

白神さんの方を見上げると、彼女は手足の爪を直径数mはありそうな大樹に突き立てて、その木の幹にくっついていた。と思うと、すぐに地面に飛び降りてしまった。
「千葉さん、大丈夫? 怪我とか無い?」
白神さんが尋ねてくる。その手足は既に人間のそれに戻っていた。
「はい。白神さんが上手く走っていたので。さっきのは種枚さんに受け止めてもらったし」
「そっか、良かったぁ……」
突然、種枚さんが間に入ってきた。
「そんじゃ、ここを中心に手分けして探していくぞ。私はあっちに行くから、お前ら二人で反対側から攻めていけ」
「りょ、了解です」
「分かったー。それじゃ、行こっか千葉さん」
「分かりました」
白神さんと連れ立って、大して整備もされていない山中の細い獣道を進む。頭上の密集した枝葉のおかげか、天気予報で見た気温ほど暑くはない。
「白神さん、大丈夫ですか?」
自分の前方3mほどのところを、生えている草や灌木をかき分けて道を広げながら進む白神さんに声をかけてみる。
「んー? 大丈夫だよ、千葉さん。心配してくれてありがとうね」
「いやまあ、はい……ん?」
白神さんを追っていると、ちょうど左後方から植物をがさがさとかき分けるような物音が聞こえてきた。反射的にそちらを振り向き、うごうごしている藪の動きに注意を向ける。
数秒ほどじっと眺めていると、1頭のイノシシが顔を覗かせた。直後、自分のすぐ脇を放電が通り抜けて、イノシシの足下に直撃する。
「……なーんだ、ただの野生動物だったのかぁ」
白神さんが自分の下に駆け寄ってきた。
「もし悪い妖怪だったらと思って、つい電気使っちゃった。感電してない?」
「あ、それは大丈夫です」
「良かった。ほら、行こう?」
「あっはい」

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五行怪異世巡『覚』 その②

覚。サトリ。名前くらいは聞いたことがある。人の考えが読めるという、有名な妖怪だ。たしか、あれは人食いの類だったような気がするが……。
「ちょっとしたツテでさ、この山ン中にいるって情報を掴んだワケよ。割と面倒な種だからなァ……ここらでちょいと囲っとくかブチ転がすかした方が安全の観点からしてもマシな気がしてさ」
「な、なるほど……」
「ヤツのいそうなエリアまでは分かってんで、取り敢えずそこまで直行するぜィ。おいシラカミメイ、遅れンなよ?」
「はいはーい。じゃあ千葉さん」
「何でしょう白神さん」
自分の目の前で、白神さんが四つん這いの姿勢になる。
「…………? 白神さん、これは……?」
「どしたの千葉さん? 早く乗ってよ」
「ちょっと意味が分からないんですが……」
「んー? だって千葉さん、山の中であんまり速く走れないでしょ? 『雷獣』の足ならそれなりに素早くなるからさ」
彼女が『妖怪』としての姿をさらすのに思ったより積極的なことを意外に思いながらも、恐る恐る背中に跨る。長身の割にスレンダーな彼女の身体はなかなか座り心地が悪かったが、どうにかバランスを取る。
「よしよし。それじゃ、振り落とされないようにしっかり掴まっててねー」
「え、はい了解です」
身を伏せたのとほぼ同時に、種枚さんと白神さんは駆け出した。一瞬で最高速度に到達し、自動車並みの速度で木々の隙間を器用にすり抜けていく。少しでも頭を上げたら枝葉にぶつかってしまいそうだ。というより風圧で落ちてしまいそうでじっとしているしか無い。
10分ほど走り続けていただろうか。跳躍した白神さんが『垂直に』着地し、急停止した。
「っ⁉」
突然の事態に対応できずに落下したが、種枚さんに受け止めてもらうことができた。

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御狐神様 キャラクター

・御狐神様(オコミ=サマ)
年齢:外見年齢20歳(実年齢は20歳)  性別:外見上は女  身長:165㎝
とある地方の村落で信仰されていた神様。正確には信仰によって生み出された存在。外見は狐の耳と尻尾が生えた和装の女性。艶やかな色素の薄い茶色の長髪をしている。
信仰心から生まれたために神様という自覚があるので、人間と遭遇した際は努めて尊大な態度で接する。実際の性格はかなり素朴でビビリの小心者。御友神殿(後述)とネズミの天ぷらや果物を食べている時が一番幸せを感じる。果物の好みは甘くて柔らかい果肉のものだが、食肉の好みは小骨の割合が高いネズミの尻尾や小鳥の脚など。
ちなみに料理は結構出来る方。サバイバルも結構出来る方。一緒にキャンプとかしたら滅茶苦茶楽しそう。
神徳は特に無いが、一応神様なので霊感はあるし、大抵の生物や怪異存在は神威でビビらせて動きを止めることができる。何なら弱個体の霊体は神威で祓える。

・御友神殿(ゴユウジン=ドノ)
年齢:50歳  性別:メス  体長:50㎝くらい
オコミ様の友達。お社の中に繋がれているキタキツネ。その正体は御狐神様の本体というか正体。この『ただのキツネ』が祀り上げられて溜まりに溜まった信仰心や畏敬の念が形になったのがオコミ様。オコミ様はお社に一緒に祀られているだけの無関係の別個体だと思っているが、何なら実質的な親まである。
割と年食っているうえ幽閉のストレスも溜まっているので元気が無くて、普段はお社の隅っこで丸くなっている。オコミ様のとってきたネズミや小鳥や果物を食べるのが好き。骨と肉のバランスが良い小動物と、少し酸味のある瑞々しく柔らかい果物が好み。愚かな人間どもは仕留めるのが面倒な生きた鶏とか食べにくい人間の生贄とかばっかり押し付けてくるので嫌い。
元々、かつて豪雨で村の近くの山が土砂崩れを起こした際に、運よく村を避けてくれたのを見に行った村人が、土砂や倒木の隙間に上手い事収まっていて生き残っていた子ギツネを拾って来てそのまま神様に仕立て上げたという出自。
年齢からも分かるように、大量の信仰心を浴びたことで神格化しており、既にただのキツネではない。ただのご長寿キツネである。

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cross over#5

母さん、と心の中で呟いた。無機質なタッチパネルをひと通り流しながら見る。1番安いホワイトソースグラタンを選んだ。自分は心にわだかまりを感じる必要なんてないのだ。画面に顔が写った、働き過ぎのせいか血色の悪いロボットが運んでくる。ロボットはやけどしなかったのか心配になる容器の熱さである。膜を張ったソースにスプーンを差し込む。鶏肉とマカロニが入ったシンプルなグラタンは懐かしさを覚えさせた。猫舌が1つの特徴であるトタはグラタンとともに運ばれてきた水を一気に飲み干した。昨日治ったばかりの舌にやけどを重ねる。気に留めず、残りのグラタンもかき込んだ。今時珍しい紙の袋に入った割り箸を取り出し、袋の余白の部分を探す。アンケート用紙と書かれた紙っきれと同じケースに入れてあるペンを取り出す。ナップサックのひもに留めていた帽子。快感と言える音を立てて外れた。帽子を被って、空より海に近い青色の長財布を取り出した。軽食にはならない食後の口直しとしてお菓子が並んだお会計台へ向かう。それなりに繁盛しているようで2組の客が案内されるのを待っていた。目の前には規則内でおしゃれを楽しんでいることをアピールポイントにできそうな若い人と席へ案内した人が立っている。
「俺も俺で頑張ってるから。」
目の下に隈ができている人を前にして自分は何を頑張れているのか分からなかった。だから、お金を置いてすぐにお店を飛び出していた。トタが選んだ窓際にある2人掛けの席で箸の紙袋が、おいしかったです、という言葉を残していた。

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cross over #4

蝉が生き延びようと懸命に鳴いている。鳥のさえずりは喜ばれるのに、なぜ蝉のあえぎ声には悪口を言われるんだろう、と首を傾げた。ジリ…目覚まし時計の労働を少しでも減らせるようにできるだけ早く止める。目覚まし時計の設定を切って目を閉じた。遠くで救急車のサイレンが鳴る。
半開きの目を擦りながら3度目の二度寝を終えた。ドアを開けようとして目の端に扇風機が映る。風量調節ができないお古の扇風機でもトタの周りの空気を変えていく。見れるチャンネルが1つあるお古のテレビで今日のニュースを確認した。タレントとアナウンサーが微妙な間を振り払おうとテンポの速いトークを繰り広げていた。CMに入ったところで今日は1回もお手洗いに行っていないことに気づいた。今日もついているであろう寝癖を隠すため帽子を被る。ミシッミシッと微かな音を立てながら階段を降りた。お手洗いに入り、ひと息ついているとついつい眠りそうになる。
蝉がほんの少しの間休息を取っていた。生ぬるい、さっきの番組と同じくらいの温度感の水が流れる。手を洗い、外に出た。銀色に近い日差しが背後から照らす。ぼーっと、強いて言えばさっきのテレビで交わされていた口論を頭に浮かべながら歩く。この街に越して来て約5ヶ月。最近は行きつけの店を作ることに必死になっている。今日は人が少ない平日だということもあり、少し遠いレストランまで出向いた。カランカランとドアがなる。
「いらっしゃいませ。」1つに結んだ髪が茶色に染まっている40近くの人が出てきた。
「え、と。1人で。」「あ、はい。空いている席へどうぞ。」
「や、うーん。」
「では、ごゆっくり。」早口でまくし立てるように言うと逃げるように去っていった。そういう気がしただけかもしれない。ただ、トタにはどうしてもそう見えてしまうような人だった。

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cross over#3

空は雲が1つもなく、どこを撮っても青しか映らないほどの快晴。自分なんか入る隙もない、などと愚痴りながら歩いている。高校生Aの黒い影が気になってーもともと猫のために通っていたあの道へ向かう。下に目を落としてゆっくり歩を進める。いつも以上に街が静かで自分の耳を引っ張ってみた。自動販売機の赤色が見えてくる。自動販売機はいつものように横にリサイクルボックスを携えて、そこにあった。人より遅い一歩がいつもの倍の速さで前に進む。一昨日と同じ景色。昨日と違う景色。車が一台、自転車が一台、過ぎていく。前にも自動販売機で飲み物を買っている人はいた。日々はいつもと同じように過ぎていく。なぜか鮮明に残る昨日のひと時を眺めながら、回れ右をした。靴屋を曲がり重いドアの前に着く。やけに大きく響くドアが閉まる音を後ろに階段を駆け上る。ナップサックを床に投げ捨てた。布団の上に転がり天井を見つめる。いつまでも心臓の動悸が止まらなかった。
「なんで、何でなんだろう。」
今まであの自動販売機の周りで人がいることに気づいても気に留めなかった。トタは何かを責めている。ふとちゃぶ台の上のラジオが目に入った。動くことにすら気が入らない。寝返りをして、電源を入れる。聴き慣れない声に感じる冷たさが今は心に沁みた。相変わらず明るく照らす陽がカーテンの隙間から差し込んでいた。

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五行怪異世巡『百鬼夜行』 その⑥

「……案、というべきか…………こういった状況に強い奴には、心当たりがある」
平坂は苦虫を噛み潰したような表情で答えた。
「へぇ、誰?」
「…………俺の身内に、少しな。だが……あいつをこんな場に出すのも…………」
平坂が考え込んでいると、突然彼のスマートフォンが着信音を鳴らした。平坂、白神、怪異存在達、その全員がびくりと反応する。
「…………?」
平坂が通話ボタンを押すと、電話口から彼の妹の声が聞こえてきた。
『兄さん。右端と右から3番目、真ん中、左から2番目』
それだけ言ってすぐに通話は切られたが、その頃には既に平坂は動き出していた。伝えられた個体『以外』に札を素早く叩きつけ、そのまま踵を返し、元の位置に戻ろうとする平坂の背中に、札を貼られなかった4体の“おばけ”が飛びかかる。
「ヒラサカさん!」
「問題無い」
平坂が指を鳴らした瞬間、周囲を覆っていた結界が消滅した。それに伴い、怪異たちの動きを妨げる力も無くなり、“おばけ”達の手が彼の背中に届く。
しかし、その手は強烈な反発力に弾かれ、反動で平坂の身体は前方に向けて吹き飛ばされた。
「ふむ、流石に動きの制御は効かんか」
地面に転がる平坂を、白神が助け起こす。
「だいじょーぶ? リーダー」
「ああ。そして」
杭のうち最後の1本を地面に突き立てる。同時に、“おばけ”達の動きがぴたりと止まった。
「準備は成った。失せろ、クズ共が」
5本の杭で囲われた範囲を中心として、強い閃光が広がる。その光は周囲の怪異存在全てを飲み込み、およそ1秒後。光が止んだ後には、紙札を貼られていなかった“おばけ”達だけが消滅していた。

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五行怪異世巡『百鬼夜行』 その⑤

「おい付喪神共。そっちの新入りもだ。手が空いているならついて来い」
平坂は札を貼った怪異たちを呼び、自分の後につかせて歩き出す。数m進んだところで、杭の1本を琵琶の付喪神に手渡した。
「それを持ってそこにいろ」
付喪神は弦を震わせながら杭を受け取った。角度を変えて再び歩き出し、次は琴の付喪神に杭を渡す。更に方向を変え、棒人間に杭を渡す。また進行方向を変え、鳴子の付喪神に杭を渡す。
最後に元の位置に戻ってくると、白神は大量の怪異存在に群がられていた。
「…………」
「あ、ヒラサカさん。準備終わったの?」
「ああ。そっちはどうだ」
「あと9人ってところまでは絞り込めたんだけどね?」
白神が指差した先には、全く同じ姿をした9体の“おばけ”が浮いていた。
白く半透明な身体、濁った瞳、足の無い雫型を上下逆にしたような体型。『如何にも』な外見のそれらは、全く同じ姿勢で等間隔でその場に浮遊している。
「…………これはまた、面倒なことになったな」
白神の周囲の怪異たちに札を貼りながら、平坂が呟く。
「そっくり過ぎて困るよねぇ?」
「……まとめて消し飛ばすか」
「それだけは駄目ぇー」
平坂は舌打ちし、神社の方に目を向けた。
「……どうしたものか……」
「ん? 何か良い案でもあるの?」

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cross over

リュックサックが湿っている。雨がしとしと降り出した。玄関に折り畳み傘を置いたままだったことを思い出した。雨が水溜まりを打ちつける音を聞きながら、地面を踏みつける。公園でサンドイッチを食べて帰ろうとスマホのマップで公園を探しながら歩いていた。あ、と、ふと足を止める。自然と足がいつもの抜け道に向かった。高校生に会うということは高校生くらいの歳のトタにとっては辛かった。ただひたすらあの自動販売機を目指す。大通りはご飯屋さんの昼メニューと夜メニューの入れ替えがあっている時間であることに加えて雨が降っているからか人がまばらだった。自動販売機の横には高校生Aの姿がない。その場所で開封されていない水のペットボトルが雨で濡れていた。トタが置いたものよりずっと多い、キャップの近くまで入っている水。服の裾でペットボトルを拭いて、リュックサックに入れる。靴屋さんを曲がると見慣れた景色が広がっていた。喉が渇いていることに気づいて、ペットボトルを開ける。ごくごくと小気味良い音を立てて、喉を通るいつもの水はいつもに増して美味しかった。
「ただいま。」おう、おかえり。と返ってくると斜め前に視線を置いたまま、帽子を深く被り直した。くせっ毛のせいで上手く帽子が浮き上がってくる。何度も繰り返しているうちに、見ていたらしくクスッと笑われた。トタもつられて口角が上がる。目のやりどころを探して外を見ると、雨が降っていたことを思い出した。

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「トタ、ガムテープとシャーペンの芯も買ってきてよ。」
後ろから聞こえる声に左手で返事をした。右手で重いガラスの扉を開ける。季節は進み、むわっと蒸し暑い空気が押し寄せてきた。空には黒い雲が広がって、今にも雨が降り出しそうだった。今から近くの100均まで向かう。ついでに夕飯の買い物も済ませるつもりだ。いつもの道ー靴屋さんを右に曲がって細い道に入る。早く大通りに出れる僕の秘密の抜け道だ。角を何回か通り過ぎ、右に曲がると大きいスーパーがそびえ立っているのが見える。この抜け道には1個しかない自動販売機。その横のリサイクルボックスの隣には猫が時々群がっていた。自分が飲むための水を買った後に、いそいそと銀のカップを取り出す。水をとくとくと注ぐと、猫は我先にと口をつける。いつもいるものだから水をあげるのが癖になっていた。1匹、2匹、3匹、4匹。…5匹?ここからはよく見えない。少し近づきながら、足のスピードを遅める。自動販売機にはいつもように陽が当たることはなく、存在感を薄めていた。自販機の横に体育座りをしているような人影がある。パーカーのフードを被って顔ははっきりと見えなかった。でも、多分あれは高校生くらいの。(だから、高校生Aとする。)え、だけど昨日はいなかったはずだ。いつも学生と会わないように時間を考えてたのに。慌ててコードが絡まったイヤホンを耳から、外す。ずっと前から使っている黒の帽子のつばをぐいっと下に引っ張った。猫が水を飲む姿をかがんで見つめる。横目で高校生Aを覗くと、目を閉じて眠っているようだった。どうしようかな、と考えているうちに猫は水を飲み終えてカップを舐め回していた。もう慣れてしまった手つきでビニール袋にカップを入れる。ペットボトルの水は半分より多いくらい残っていた。いつものようにリュックサックに入れようとした手を止め、高校生Aの足元に置いた。

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五行怪異世巡『百鬼夜行』 その③

「……とにかくだ」
平坂は空中に4枚の紙片を投げ上げた。それらは不自然な軌道で四方に飛び散る。
「この中に、白神。貴様の許しを得ていない怪異が紛れ込んでいる。何が狙いか知らんが……“潜龍”の膝元で無法を働こうというなら、容赦はせん」
「う、うおぉ……何これ、力が抜け……」
白神は結界の効力によって膝をついた。
「……む、そうか、貴様も妖怪の類だったな。少し待て」
平坂が懐から1枚の紙製の札を取り出し、白神の額に貼り付ける。
「あだっ」
「本来は人間用だが……霊的現象を遮断する守護の札だ。痛むだろうが動けるようにはなっただろう」
「うん……さてと」
ゆっくりと立ち上がり、白神は膝についた汚れを払った。
「おぉーい、みぃーんなー」
白神が目の前の怪異存在の群れに呼びかける。結界の効力によって地面に這い蹲っていた怪異たちは、各々顔に相当する部位を彼女に向けた。
「今日集まってくれたの、わたしはすっごく嬉しいんだけどね? この中にまだ挨拶が済んでない子がいるみたいなの。怒らないから出ておいでー?」
白神の呼びかけに、怪異たちは蠢いて反応を示す。そのうちの1体、黒い棒人間の頭に1対の白く丸い目がついたような子供程度の背丈の妖怪が這いながら近付いてきた。
「ん? 君、どうしたのかな?」
屈み込んで目線の高さを近付けた白神に、棒人間は蚊の鳴くような声で返答した。
『ゴメ……ァィ……ゥアァ……』
「んー……あ、もしかして君、挨拶がまだ済んでなかった子かな?」
『ゥン……タノシソダタ……』
「そっか。じゃ、今お友達になろ? これでもうわたし達の仲間だね。ヒラサカさん、それで良いよね?」
白神に顔を向けられた平坂は答えを返さず、代わりにその棒人間の頭部に雑に紙の札を貼り付けた。
『アキャァ』

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我流造物創作:ロール・アンド・ロール! その⑫

『桐華』と呼ばれたその使い魔、ツファルスツァウルは、地面に落ちた刀を辛うじて動く左手で拾い上げた。
「それでぇー……ボス? もしかしてこれ……任務失敗強制帰還の流れですかねー……?」
「んー? まあ、フル残機とはいえ、自分の使い魔に死なれると悲しいからねぇ…………そういうわけで、ナハツェーラーさん。今日のところは失礼させていただきます。もうナハツェーラーさんや周りの人を無暗に襲わないよう、こっちでよぉーっく言い聞かせておきますんで、どうかご容赦ください! それでは!」
「なっ、待て!」
「そうですぜボス」
「えっ」
ナツィと桐華から立て続けに制止の言葉が入る。
「こっちの都合でボコされたナハツェーラーさんは良いとして、なんで桐華さんまで?」
「いやぁ? ネリネの【外法・御霊縛り】は見せたのに、私の奥義だけ見せないのはアンフェアじゃない」
「やるの? ナハツェーラーさん死なない?」
「ここまでやって死なないならもう死なないでしょ。それに万が一にも今度戦うことになった時、不公平じゃん?」
「うーむ……まあ良し。それじゃ、ナハツェーラーさん。あと一撃、お付き合いくださいな」
「は?」
桐華とマスターの動向を警戒しながら見つめるナツィの前で、桐華は左手で刀を構えた。
「へいボス、ちょっと私のポケットからコンパクトミラー出して」
「え、やだ……」
「ちぇっ。じゃ……」
桐華は頭を大きく振り、勢いで外れた眼鏡の縁を口で咥えて受け止めた。
「これで良いや」

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我流造物創作:ロール・アンド・ロール! その⑩

街灯の下から外れ暗闇に紛れた少女の眼光だけが、ナツィを鋭く捉える。
(……奴の戦法。『ネリネ』とはまるで反対だけど……ある意味似てるな。『刀』って得物のくせして一番重い間合いは『遠距離』。同一人物ってのも冗談じゃないのかも……姿を変える魔法とかか?)
「……っ!」
ナツィが接近しようとしたその瞬間、遠距離刺突がナツィの脇腹を深く抉った。
「づッ……!」
「おっ! ようやくハマったなぁ!」
「くっ……そぉっ!」
ナツィは足を止めずそのまま接近し、隙のできた少女の鳩尾に、走る勢いを乗せた拳を叩き込んだ。
「あっ」
威力に吹き飛ばされ、少女は土の上を勢い良く転がった。
「ごぅぉぉぉ……っ、痛ってぇえええ……」
大袈裟に騒ぎながらも、少女は素早く立ち上がり、体勢を整える。その目に映ったのは、独特の姿勢で大鎌を構えるナツィの姿だった。
「たしか…………こうだったか?」
(なっ……こいつ!)
少女が対応するより早く、ナツィが鎌を振るう。その切先は数m先、本来届くはずの無い少女の頬を掠めた。
「ッ、『死地』の域かよ……!」
更に距離を詰めたナツィは大鎌を振るい、少女に袈裟斬りを命中させた。
(痛った……それよりも、さぁ……!)
肉体の損傷により握力を失った少女の手から、刀が抜け落ちる。
(ナハツェーラーさん…………私の【神槍】を見様見真似でパクりやがった!)
「これで、得物はもう使えないな」
「っ……へへ、仰る通りで…………」
ナツィの言葉に、少女は冷や汗を流しながらも努めて不敵な笑みを保ちながら答えた。
(……いや、これはマジにマズい。今の攻撃で体術の手が死んだ。…………っつーか何だよアイツ、おかしいだろ。ネリネと私で2回くらい殺せそうなダメージは入れてるはずだろ? せっかく『ネリネ』から継いだってのにさァ……私が決めなきゃ、格好悪いじゃんねぇ……?)

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我流造物創作:ロール・アンド・ロール! その⑨

「どうした、あんた『伝説』なんだろ? この程度で倒れてくれるなよ、ナハツェーラーさん!」
「倒れるかよ、この程度で……!」
ナツィが距離を詰める。それに合わせて、少女は刀を振り下ろした。
「っ……⁉」
ナツィはその攻撃を大鎌の柄で受け止めたが、少女の動作に違和感を覚え、素早く観察する。振り下ろした姿勢のまま、微動だにしない。
(…………この現象……もしかして、あのネリネって奴に散々やられた……?)
「それな……らっ!」
ナツィの放った蹴りは、少女が回避動作を取る間も無く命中し、数mも後退させる。
「『それ』、そっち側もなるんだ?」
「げッ……ほ、ぇほっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ……痛ってェー……!」
少女は体勢を整え、上段の構えでその場に制止する。
「来なよ、ナハツェーラーさん。迎え撃ってやる」
「……そんなら、お望み通り!」
ナツィが駆け出す直前、少女は既に動き出していた。刀1本にて、遠距離に届く刺突の技。しかし、その動きはまたも空中で不自然に停止した。その隙を逃さず、ナツィは大鎌の斬撃を命中させる。ダメージによって少女はよろめき、更に後退する。
「ごッ……ふぅっ、はぁっ、っ、ぐぅぅぅ……完璧な騙し討ちだと思ったのにぃ……」
肩から胸にかけて深く残る傷を撫で、掌にべったりと付着した血糊を眺めながら、少女は溢す。
「……まあ良いや」
そう呟き、少女は再び刀を構える。
「どうせ私はこれ以外の戦い方知らないし」

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我流造物創作:ロール・アンド・ロール! その⑧

日が沈んだことで視界の悪い公園の中を、ナツィは周囲を警戒しながら進む。中ほどまで入った時、背後でかすかな物音が聞こえた。咄嗟に武器を構えながら振り返ると、暗がりの中のベンチに、1人の人影が腰掛けていた。
「やぁ、ゴスロリ美少女。どうした? こんな良い夜にそんな怒り顔で……綺麗な顔が台無しだぞ?」
ハスキーな女声で、その人影は軽快に話しかけてくる。
「…………」
「おっと、もしかしてゴスロリ美少年だったかな? 顔が良すぎて分からなくってさ。間違ってたらすまないね」
人影はゆらりと立ち上がり、周囲を見渡してから少し離れた街灯の明かりの下に進み入った。
その正体は、腰に1振りの日本刀を佩いた、セーラー服姿の長身の少女だった。艶やかな黒髪をポニーテールにまとめた少女は、丸眼鏡越しにナツィを鋭く見据えている。
「へいゴスロリ美少年……美少女?」
「どっちでも良いよ……それじゃ、俺は行くから」
「待ちなってカワイ子ちゃんや。ひょっとして君さぁ……」
少女はナツィに向けて、1枚の光沢紙を投げた。折り目の1つすら付いていないにも拘わらず真っ直ぐナツィの手の中に納まったそれは、笑顔でピースサインを取る練音の写真だった。
「!」
「この子のこと、探してたりしない?」
「お前……あいつのマスターか!」
「んー? どうだろうねー、ビミョーに外れ」
「は……?」
「私はネリネと『同一人物』だよ。そして……」
言いながら、少女は刀を抜く。次の瞬間、ナツィの肩口が切り裂かれていた。
「ネリネと同一人物である以上、目的は『あんたの暗殺』なんだよ、ナハツェーラーさん!」
「くそっ……ツファルスツァウル……!」

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我流造物創作:ロール・アンド・ロール! 幕間

練音:GM、《遁走術》による特殊な回避したいです!
GM:えぇ……一応クライマックスフェイズ扱いなんですが……。
練音:GMの許可があればできると聞きました。
GM:できるけどさぁ……。
練音:現状、私決して不利じゃないと思うんですよ。
GM:遁甲符使い切ったけどな。
練音:向こうには既に3点与えてて、こっちはまだ2点しか削れてないし。このまま逆凪食らわせて叩き続けてれば勝てるわけじゃないですか。最悪【鎌鼬】で射程勝ちして一方的に叩けるし。
GM:それはまあはい。
練音:この高い防御力と優位性を捨てる縛りを結んで、攻撃の得意な他の方に繋ごうかと。GMもせっかく作った他の子使いたいでしょう?
GM:有利と言えるほど有利かは知らんけど……っつーか何ならその2点実質回復できる分余計に有利まであるけどな。まぁ、しょうがないにゃぁ……良いよ。でも《呪術》で縛り結べるか判定してね。
練音:6で成功です。
GM:はいはい…………いや待て何だそのダメージの受け方は。《遁走術》使えないじゃねーか。
練音:なので《鳥獣術》で代用します。
GM:目標値10。無理じゃね?
練音:そこで回想シーンの達成値ボーナスを適用させてもらいます。これで目標値7です!
GM:うーんしゃーない。やって良し。
練音:8で成功! あ、脱落する前に《言霊術》で煽り倒してから逃げても良いですか?
GM:じゃあ今+3修正入れてあげたから-3修正で。
練音:えぇ……あ、出目8。ジャスト成功です。
GM:了解。それではネリネちゃんは脱落したので、同じシステムの子から交代選手選んでください。次は誰が出るかなー。
練音:攻撃力高いキリカちゃんとかエリハさんだと良いなー。
GM:ダイスでランダムに決めようか。6は振り直しで。
練音:2! キリカさん!
GM:まーじか。