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フリー世界観:チェンジリング総伐令②

・魔術師(メイガス)
”バックファイア”のうち、魔術を得意とする者。対幻想戦闘においては重要戦力であると同時に、超科学的現象である魔術の研究のためにも協力している。

・幻想人(ファントム)
”バックファイア”のうち、『変身魔術』を得意とし、幻想生物の機能や戦術を組み込んで戦う者。対幻想戦闘においては秘密兵器ともいえる。
『姿を変える魔術』は、肉体への負荷やアイデンティティの崩壊のリスクがあり、相応の資質や経験が無ければ使いこなせない。里親である幻想存在たちも、愛する継子である人間に無理をさせたがらない傾向にある。だからこそ、”幻想人”として人類社会に帰還できたバックファイアは『変身』を完璧に操れる猛者のみであり、彼らの使う『変身』に”リスク”というものは存在しない。

・破妖軍(アンチ・スピリット・フォース)
通称『ASF』。対幻想存在戦闘を専任する軍隊。実戦部隊は通常兵器によって戦う『科学軍』と”バックファイア”を中心に構成された『精霊軍』で構成される。
基本的には科学軍が銃火器類や戦車などの圧倒的殲滅力をフル活用して戦い、強力な魔術を使う個体に対してのみ精霊軍が出動する。
幻想存在たちもまた、生命と肉体を持つ『生物』である。人類が『殺傷』のために発明改良を重ねてきた”武器・兵器”という存在は、幻想にさえ手が届き得る領域に達していたのである。

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フリー世界観:チェンジリング総伐令①

勝手に使って良い世界観を用意したので勝手に使ってどうぞ。

・極めて簡単なあらすじ
物語の舞台は現代。
人類は『チェンジリング(取り換え子)』の脅威に対抗するため、「チェンジリング総伐令」を発令し、叡智の結晶である武力と、チェンジリングから生還した子供たち”バックファイア”の力を集結した『破妖軍』を結成し、世界全勢力を挙げて幻想存在の討伐を開始した。

・チェンジリング総伐令
人間の子供を妖精と入れ替える”チェンジリング”に対抗するための法令。
人民が一体となってチェンジリング及び幻想生物の討伐に尽力する指針を示したもの。

・”チェンジリング”
「取り換え子」とも呼ばれる、世界各地で確認される現象。人間の赤子が妖精の子供に取り換えられる。
取り換えられた人間の子供は幻想存在たちの集会へ連れ去られ、その子を気に入った幻想存在が引き取って育てる。

・”バックファイア”
”チェンジリング”によって取り換えられた人間の子供のうち、人類社会に帰還した者を指す。多くの子供は里親となった幻想存在から「魔術」を教わり、幻想の力を得ている。その力を利用して『チェンジリング総伐令』に協力する。

・魔術
主に幻想存在が『魔力』と呼ばれる未知のエネルギーを使って行う魔法的技術。
幻想存在はこれを人間の子供に説明するに当たり、以下のように語る。
『たとえば、人魚が水中で呼吸をする。たとえば、クモが糸を張る。それは”身体機能”であって君たち人間には到底再現不可能な領域だ。しかし”魔術”は飽くまで「技術」。生命と知性ある我々にできて、君にできない道理は無い。』

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徐々に当たり前なんてないと思う日々。

今日はおじじの誕生日。
おじじは今老人ホームのベッドにいる。
いつ永い眠りに入るかわからない。
もしかしたら明日かもしれない。
もしかしたら来月かもしれない。
もしかしたら受験当日かもしれない。
だから私たち親族は考えた。プレゼントを。
私といとこと弟の3人のメッセージと写真付きの色紙を作った。
ほぼ私監修、いとこのちょっとの提案の
おじじへ孫3人のプレゼント。
それを渡しに面会に行った。
喜んでくれたっぽい。嬉しかった。
でもその時に思ったの。
徐々に当たり前がなくなっていくことを。
当たり前なんてないのは存じてるけど
やっぱり感じちゃうんだ当たり前を。
おじじとおばばとおじちゃんが住んでいた家、
今はおばばとおじちゃんだけ。
おじじがお米と野菜作っていた田んぼと畑も
今はない。
徐々に当たり前だと思っていたことが薄れていく。
失いそうになっていく。
寂しいな…
親戚一同全員集合ができなくなっちゃう。
怖いな…
今は懐かしい日々と思い出を思い出しているよ。
お母さんとおばちゃんの話を盗み聞きしてると
もう時間は短いようだ。
それがいつ来るのかわからない
徐々にわたしにとっての当たり前が消えていくんだ。
今この瞬間の日々で言葉を伝えないと。
おめでとう、ありがとう、また来るね。
そうじゃないと後悔するから。
口下手と不器用で言えないと思っちゃうかもだけど
言っとかないと永遠に話せなくなっちゃうから。
私は今、徐々に当たり前なんてないと日々感じてる。
おじじへ!!はっぴーばーすでー!!おめでとう!

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百舌鳥と愉快な仲間たち_1〜6まとめ

情緒不安定でカテルヴァの所属経験がない14歳のアヴェス、ラニウス ブケファルス。
ある日突然、彼の家に三人の所謂問題児のアヴェスが訪ねてくる。凄まじい癖毛と乱暴な口調が特徴のストルティオ カメルス、小柄で愛想の良いアエギタロス カウダトゥス、おどおどして押しに弱いヴルトゥル グリュフス。突然同室となった個性的な同期に困惑しつつ、ブケファルスは彼らと交流を深めていく。
ブケファルスと問題児三人が同室になってから二週間経った日、四人で出かけている最中に大型のアリエヌスが襲来する。ブケファルスとグリュフスはアリエヌスから街を守り、カメルスとカウダトゥスは『先輩』と呼ばれる年上のアヴェス、パラブーテオ ユニシンクトゥスに救援を求める。

いつも読んでくださったり、反応をくださっている方々、ありがとうございます。
高校生活が忙しく投稿頻度が減り、今週からテスト期間にはいるためまた投稿頻度が減るので今回は続きではなくまとめを書いてみました。つたない文章、意外性のない展開になりがちなのですがこれからも執筆は続けようと思います。
最近気温が低く、インフルエンザも流行っているので体調にはお気をつけて。

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毎日

久しぶりに、とここに書く回数が増えた

毎日が淡々と過ぎていく
課題をこなすだけの今日がやって来る
「この後、学校で何しよう」と考える暇もなく
90分間の授業に拘束される日々が続いている

中学生の頃の生活が既に懐かしい
ケータイを握りしめて
好きな人からのメールを待った
ダサいと言いながらも皆で同じ体操服を着て
クラスの旗を囲んで集合写真を撮った体育祭
たった15分の劇に数ヶ月を捧げた文化祭
この前、久しぶりに行った中学校には
おままごとみたいな空間が広がっていた
どこか大人になりきれない、「守られている」世界があった

ここで過ごした青春を絶対に忘れたくないと思った
人間関係に悩んだ時、お世話になった保健室
進路が決めきれず先生と話し続けた進路指導室
理想の音楽に向き合った部室
転校するあの子と最後に話した下駄箱前
好きな人とふたりで過ごした朝の教室
あの時日常だと思っていた毎日は、
振り返るときらきらと輝いている
あの子が、クラスメートが、先生が、あの人が、だんだんとあの頃のことを忘れていったとしても
自分だけは、忘れずにいたい

それは今も同じことであって
この無機質な毎日が、数年後、数十年後には
戻りたくなる「あの頃」になるかもしれない
だからこそ、今を大切に
心だけでも、ときめいていたいと思うのです

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Specter children:人形遣いと水潜り その㉔

瞼の向こうに光を感じて、蒼依は意識を取り戻した。
「…………? 腹が、重い……?」
蒼依の視界に最初に入ったのは、彼女の腹部を膝で押している冰華の姿だった。彼女の両腕は、未だその肩から抜けたままである。
「……冰華ちゃん、何やってんの?」
「あ、蒼依ちゃん起きた。いやぁ、追いかけてきたら蒼依ちゃんが川に下半身突っ込んで動かなくなってたから、溺れたのかと思って水吐き出させてたの」
「もう平気だから退いて?」
「うん」
冰華が身体の上から退いたことで、蒼依も身体を起こす。周囲を見回すと、空は既に白み始めていた。
「もう朝か……」
「うん。……あ、あの鬼は⁉」
忙しなく身体を揺らしながら尋ねる冰華に、蒼依は立ち上がりながら答える。
「見に行こうか」

下流に向けて並んで歩いていると、川の途中に不自然に木片や木の葉などの浮遊物が滞留している地点があった。
「なるほど……あの辺か」
二人がその場所に近づくと、水面に小さなあぶくが浮かび、1体の河童が姿を現した。その手には、流されたはずの『冰華の腕』を掲げている。
「あっ、私の腕! ありがとー」
冰華が腕を肩に嵌め直している横で、蒼依は腰ほどまで川に踏み入り、水中を手探りし始めた。
「蒼依ちゃーん? 何してるのー?」
「んー……あ、いた」
蒼依が再び川から上がる。その手には、ぐったりと動かない天邪鬼を引きずっていた。
「死んでる?」
「脈は無かったよ。溺死かな。あるいは冰華ちゃんの腕が偶然掠ったか」

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Specter children:人形遣いと水潜り その㉓

天邪鬼を追って木立を抜けた先は、河原だった。
(この河原……冰華ちゃんが河童たちと会ってたあの川か! 気付かなかった……)
「……そんなことより!」
蒼依が下流方向に目をやると、天邪鬼の長い腕が浮き沈みしながら流されていくのが確認された。
(野郎……流れを使って逃げる気か!)
蒼依は四足獣化した“奇混人形”から降り、天邪鬼の流される方向に向けて駆け出した。更に手の中で“奇混人形”を短槍の形状に変化させ、投擲できるように構える。
「……いや。どうせなら」
蒼依は大きく跳躍し、そのまま川に飛び込んだ。同時に“奇混人形”をスイムフィンのような形状に変形させて自らの両脚に装着し、水を蹴って水中から追跡を再開した。
ただ藻掻き続けるだけの天邪鬼と、明確な意思を持って泳ぐ蒼依の距離は少しずつ縮んでいく。両者の距離が5mを切ったその時だった。
「ぐっ……ぁっ……⁉」
天邪鬼が水中で振り回していた右腕が、川辺に転がっていた倒木にぶつかった。更にその衝撃が倒木を動かし、水中へと転げ入ったうえ、タイミングよく蒼依に直撃したのだ。
そのダメージで蒼依は肺の中に残っていた空気をすべて吐き出してしまい、同時に緩んだ掌から『冰華の腕』がすり抜け、水流に浚われてしまった。
(クソッ、しくじった……武器が……冰華ちゃんの腕が……)
衝突の勢いで回転しながら、蒼依は天邪鬼と『腕』が流されていった方向を見やる。
(クソ……頭痛い……変に打ったか……? ……これ、私は追えないな)
蒼依は最後の力を振り絞って水面に浮かび上がり、どうにか息を吸い込む。そして――
「っ……冰華ちゃんの腕が持ってかれたァッ!」
掠れた声で叫び、態勢を崩して再び水底に沈んだ。
(もう駄目だ……『私には』追えない…………だから)
蒼依は薄れゆく意識の中、“奇混人形”を変形させ、魚のような形状で下流方向に送り出す。
(『友達』、なんでしょ……? 何とかしてよ、“河童”ども)
“奇混人形”の行動プログラムを設定し終えた蒼依は、酸欠によって完全に意識を喪失した。