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五行怪異世巡『天狗』 その③

青葉は背負っていたリュックを地面に下ろし、杖代わりにしていた刀だけを抱くようにして種枚の隣に腰を下ろした。
「しかしまあ、よくついて来るじゃあないか。その貧弱な身体でさァ」
揶揄うように言いながら、種枚は青葉の腕をつついた。上着の下に隠れて目立たなかった、骨と皮しか無いかのような細腕の感触が、種枚の指に伝わってくる。
「ははは……まあ、軽いので。同じ力でも人より大きく動けるんです」
「なるほどなァ。私も結構細いんだぜ? 筋繊維が人より丈夫な分、量が要らないんだ」
笑いながら、種枚は腕まくりをしてみせた。彼女の骨ばった手首から前腕までが露出する。
青葉は曖昧な笑いを返し、リュックから水入りのペットボトルを取り出し、栓を捻った。
「……しッかし、居ねえなァ……天狗」
青葉が水を飲んでいると、不意に種枚が呟いた。
「いませんねぇ……」
登山道を離れているため、当然周囲に人の気配は無く、風に木々がざわめく音や鳥の鳴き声だけが聞こえてくる。
自然音に和んでいると、2人のもとに強風が吹きつけてきた。それに煽られ、青葉が被っていたキャップ帽が地面に落ちる。
「ン……鎌鼬じゃあねエな。まあ山ン中だし風くらい吹くか」
一度伸びをして、種枚は立ち上がった。それに釣られて、青葉もペットボトルをリュックにしまい、刀を杖に立ち上がる。
「疲れは取れたかい、青葉ちゃん?」
「まあ、少しは」
帽子を拾い、リュックを背負いながら答える。
「オーケイ、それじゃあ行こうか」
そう言って、種枚は更に山奥を目指して歩き始めた。

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鉄路の魔女:あんぐら・アングラー キャラクター

・ギン
日比谷線の魔女。固有武器はシックル・クロウ(足に取り付ける鉤爪)。「シックル・クロウ」とはもともと、小型肉食恐竜の後脚に発達した1本の爪である。鎌のように湾曲した長い爪がついた指は普段は持ち上げているため移動には用いられず、狩猟時に獲物に突き刺し、体重をかけて引き裂くために使われた部位である。ギンの装備するシックル・クロウはこれを再現した金属製の刃を具えた品で、足首に取り付けられたそれは普段は持ち上がった状態で固定されているが、使用時には発条機構によって勢い良く振り下ろされ、鉄板や岩石をも容易く貫ける威力を発揮する。こんな武器を使っていることから分かるように、基本戦術はアクロバティックな三次元機動から放たれる蹴り技。シックル・クロウは壁や天井に貼り付きよじ登るのにも利用できる。

・キン
有楽町線の魔女。固有武器はクロスボウ。様々な性質の矢弾を発射する。通常の鏃のついた矢、炸薬や粘液の入ったタイプの矢弾、着弾地点や軌道上で魔法的効果を発生させる特殊な矢弾など、放つ矢弾は本当に様々。何、本体は矢弾じゃないかって? いーやクロスボウが本体だねとは本人の談。

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鉄路の魔女 〈あとがき〉

どうも、テトモンよ永遠に!です。
自分や他の参加者さんの作品が完結したので、企画「鉄路の魔女」のあとがきです。
どうぞお付き合いください。

今回の企画は確か去年の12月頃に思いついたお話でした。
元々「(萌え)擬人化」的なものを自分でもやってみたいと思っていたのですが、「今の時代色んなものがことごとく擬人化させられてるから、自分が使えるネタってあるのか…?」って思ってて中々踏み切れなかったんです。
でも最近鉄道熱が復活しかけて、「鉄道擬人化ってあまり見ないし、自分の好きなもので創作したい!」と思って作ったのがこの企画のベースとなる物語でした。
ちなみに「鉄道路線」の擬人化は先駆者がいるようですが、まぁいいでしょうね。
それで同時期に思いついた他の企画と一緒に昨年末に行った「企画アンケート」でみんなに投票してもらって、開催に至ったという訳です。

さて、今回も裏話はここまで!
参加して頂いた皆さん、今回もありがとうございました。
それで今後の企画についてですが、この企画を始めた時は「これで最後にしよう」と思ってたけど、当企画を開催してすぐに新しく面白いお話を思いついたのでやっぱりまた開催します。
次は、みんなの時間に余裕がありそうな8月に開催しようと思います。
ちなみに「花の学名」を使う企画になるので、参加してみたい人は「花の学名」について調べておくといいかもしれません…
それでは長くなりましたがこの辺で。
テトモンよ永遠に!でした〜

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鉄路の魔女:あんぐら・アングラー その④

超高速で飛び込むように大鯰に追いつき、ギンはシックル・クロウをその頭部に突き立てる。
(こいつのパワー相手じゃ、私ごと引きずり込まれるだけだ。私如きの力じゃブレーキにもならない)
「……だから」
踵落としの要領で、突き刺した足を勢い良く振り下ろす。彼女自身の落下速度と蹴りの威力もあり、大鯰の下降は更に『加速』される。
「もいっぱあああぁぁぁあッつ!」
まだ自由な状態にあった方の足もシックル・クロウを起動して突き刺し、下方向への勢いを更につける。
「まだまだぁあ!」
真上から地面を透過して、キンの放った矢弾が大鯰に直撃し、爆発してその勢いで更に下方へと押し出す。大鯰とギンが地下を通る線路をすり抜けた直後、地下鉄の車両が轟音を立てながら通り抜けていった。
「……ふゥー、間に合った。そして、このまま殺す」
地上からキンの放った徹甲矢弾が、大鯰の片目を正確に射貫く。ダメージで暴れ狂う大鯰の銃創を、ギンの精密な蹴りが更に貫いた。事前の射撃によって砕かれていた頭骨はそれを止めることはできず、柔らかい脳漿に足首まで深々と沈み込む。
「どんな動物でも、脳味噌をブチ抜かれれば死ぬんだ」
一度格納されていたシックル・クロウが、再び起動する。その威力と衝撃は大鯰の内部から破壊を引き起こし、一度大きくびくりと身を震わせてからその幻影は動きを止め、少しずつぐずぐずと消滅していった。

「おかえり。勝てたんだ?」
出迎えたキンに、地上へ這いあがって来たばかりのギンは無言でサムズ・アップを示した。その手を引いてギンを完全に地上に引き上げ、衣服についた汚れを払ってやってから、2人は車道を出て手近な商店の屋根によじ登った。
「お疲れ」
「いえい」
拳を突き合わせ、互いを讃え合う。
「助かったよキンちゃん。っていうかよく私の意図が分かったね」
「まぁ、付き合いそこそこ長いからねぇ」
「あと、地面挟んで見えないはずの相手によくあんなに正確に当てられるよね……毎度のことながらちょっと怖いよ」
「いやぁははは。慣れてまして」

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鉄路の魔女 〜Megalopolitan Witches. Extra 3

「鉄路の魔女 〜Megalopolitan Witches.」のおまけ…というかキャラ解説編その3です。

・“中央線快速の魔女”バーミリオン
一人称:アタシ
武器:槍
オレンジ色の髪で短いズボンを履いた、背の高い魔女。
自分が“由緒正しきJRの魔女”であることを誇っており、他の魔女より優れていることを信じてやまない。
スカーレットとは因縁があるが、なんだかんだ言って理解している模様。
カナリアと仲良し。

・“中央・総武線各駅停車の魔女”カナリア
一人称:カナリア(本編未登場)
武器:マシンガン
黄色い髪で(設定上は)黄色いミニワンピースを着た小柄な魔女。
口数は少ないが仲間思い。
バーミリオンと仲良し。

・“銀座線の魔女”オレンジ
一人称:わたくし/わたし
武器:刀の仕込まれた和傘
みかん色の髪で山吹色の和服を着た魔女。
穏やかで幻影含め誰に対しても優しい。
最古の“地下の魔女”であり、それ故に決して少なくない数の魔女の最期を見届けてきた。
そのため幻影を倒すことに忌避感があり、自身の目の前で幻影を傷つける者がいると相手が魔女だろうと妨害しにかかる。
スカーレットとはかつて仲が良かったが、幻影に対する立場の違いから袂を分かっている。

・幻影
頭部に無数の目がついた爬虫類のような姿の幻影。
舌を自在に伸ばすことができる。
裏設定ではかつて東京中を走っていた“都電”の魔女の成れの果て、だったりする。

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プチ企画で〜す‼︎

突然ですが「魔法少女」って言葉、いいですよね。
華やかな衣装に身を包み、時に残酷な運命に立ち向かいながら自身や周囲、世界のために戦う女の子…
ロマンがあっていいですよね。
あと「都市」って言葉もいいですよね。
「田舎」「郊外」とは違う、様々な所から人が集まり交流し、独特の文化を築く時に華やか、時にアングラな街…
いいですよね、ホント。
ぼくはこの2つの言葉が好きなんですが、先日思ったんです。

この2つの言葉、くっつけたらサイコーじゃね…⁇

という訳でくっつけてみたのですが、なんか語感が悪い。
だから某ブ◯ーアーカイブじゃないけど、「学園」をつけてみました。
そうしたら「魔法少女学園都市」、なんかいい感じです。
ここから何か新しい物語を作りたい!と思ったのですが、中々思いつかない。

という訳でプチ企画です。
ポエム掲示板の皆さん、「魔法少女学園都市」から何か文芸作品を作ってみてください。
どういう作品になっても構いませんが、ここに投稿する際はタグ「魔法少女学園都市」を付けてください(企画者が見やすくするため)。
特に期間は設けないので、のんびりまったり書いてくださって構いません。
ちなみに企画者はそろそろレポート地獄に突入しそうだしそもそも話が思いつかなくて企画にしちゃったので、多分企画には参加しません。
でも何か思いついたら参加するかも。
てな訳でよろしくね〜

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鉄路の魔女:あんぐら・アングラー その②

「オーケイそのまま、向こうのデカい交差点まで追おう」
「了解おギンちゃん。タイミングそっちで調整してね」
「はいはーい」
ギンと呼ばれた魔女は速度を上げ、先回りしてみせた。
「キンちゃん一瞬止めてー」
「はいはい了解」
大鯰の進む先にギンの放った矢弾が直撃し、粘性の高い液体がまき散らされ、大鯰の移動速度が一瞬遅れる。
「これで良い?」
「おっけぇーい!」
移動の勢いのまま、大鯰が空中に飛び出す。その巨体は、大型道路の交差点に落下しようとしている。
(奴にこのまま突っ込まれると、車に乗ってる人たちがイマジネーションを吸われちゃうかもしれない。だから)
足首に仕込まれた固有武器であるシックル・クロウを起動しながら、ギンは大鯰に飛び蹴りを食らわせた。
発条機構の弾性力とギン自身の威力と質量、速度の乗った攻撃が、大鯰を一瞬押し留めるが、体格差ゆえにすぐ弾き飛ばされてしまう。
「うぅ……流石に重さが違うや…………けど」
大鯰はそのまま落下していく。交差点の中央、信号の切り替わる瞬間の、『車が1台も通っていない』ど真ん中に。
「これで十分。お前に食わせるイマジネーションは無いよ」

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鉄路の魔女 〜Megalopolitan Witches. Extra 1

「鉄路の魔女 〜Megalopolitan Witches.」のおまけ…というかキャラ解説編その1です。

・“丸ノ内線の魔女”スカーレット
一人称:あたし
武器:大鎌
赤い長髪に黒いノースリーブワンピース、真紅のファーコートに赤いパンプス、網タイツと華やかな容姿の魔女。
性格も明るくフレンドリーで仲間思い。
時々他の魔女の戦いに首を突っ込むこともあるが、これは彼女なりの思いやりである。
唯一の姉であるオレンジとはかつて仲が良かったが、幻影に対する向き合い方の違いから現在は袂を分かっている。
ちなみに“地下の魔女”の中では古参の部類に入る。

・“日比谷線の魔女”シルバー
一人称:私
武器:ナイフ
短い銀髪に袖なしのストリート風ジャケットを羽織った魔女。
口が悪く他の魔女との馴れ合いを嫌う、同族嫌悪するタイプ。
しかし文句を垂らしつつ仲間のために戦ったりもする。
スカーレットのことが中々好きになれない。
余談だがナニガシさんの遅刻作品のキャラとモチーフが被ってしまった(こっちが中々モチーフを出さなかったのが悪い、ごめんなさい)。

・“東西線の魔女”スカイ
一人称:僕
武器:打刀
空色の長髪を高い位置で束ね、銀と青のジャケットとスラックスを着こなした魔女。
紳士的で落ち着いた“地下の魔女”きっての常識人。
妹のグリーンのことを心から可愛がっており、彼女のためならなんだってする。
設定上はバーミリオンやカナリアとも仲良くやっている。

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鉄路の魔女 〜Megalopolitan Witches. Act 9

「嫌よ」
オレンジはにやりと笑うと刀で押し返してスカーレットの鎌を弾いた。
「っ!」
スカーレットはバランスを崩して後ろに倒れるが、その最中にスカイ、グリーン‼︎と叫んだ。
後方に控えていた2人はそれぞれ打刀と太刀を携えてオレンジの前に躍り出る。そのままスカイとグリーンはスカーレットに斬りかかろうとしていたオレンジの刀を受け止める。オレンジはまた後方に飛び退く。しかし息つく間もなくスカーレットが鎌を構えて飛びかかった。
「‼︎」
姉妹はまた鍔迫り合いになる。互いの武器で2人は押し合うが、突然スカーレットがオレンジの腹に蹴りを入れた。
「⁈」
オレンジの手から刀が離れ、オレンジは地面を転がる。オレンジは起きあがろうとしながら和傘を再生成するが、ここでスカーレットが叫ぶ。
「シルバー! 地上の魔女たち!」
今の内に幻影を!というスカーレットの言葉に一瞬ウグイスたちは戸惑うが、シルバーが幻影に向かって飛び込んでいったことで彼女たちも走り出す。
「待ちなさい!」
オレンジは彼女たちを止めようとするが、スカーレットが鎌を持って斬りかかってきたので和傘でそれを受け止める。
「今のあなたの相手はあたしよ!」
スカーレットはそう言ってオレンジとの戦いを再開した。
そしてシルバーたちは幻影に飛びかかる。
シルバーはナイフを次々と生成して幻影に突き刺して動きを鈍らせ、ソラは大剣で幻影の前脚を切り落とす。バーミリオンとカナリアは槍とマシンガンで無数にある幻影の目を潰していく。魔女たちの猛攻によって、幻影は少しずつ体力を削られていった。やがて幻影の動きが止まった所でウグイスが高く飛び上がって右手にチャクラムを生成する。そのまま彼女はチャクラムを幻影に対し垂直に向けたまま地上に落下した。チャクラムは幻影の首に突き刺さる。
「{*;>|‘}$]>]|]*]$[・‼︎」
幻影はつんざくような悲鳴を上げると動かなくなった。そして蒸発するように消滅していった。

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視える世界を超えて エピソード9:五行 その⑬

「それは辞めといた方が良いんじゃねッスか、シラカミさんよぉ」
後ろから鎌鼬くんが声をかけてきた。白神さんが面倒そうに振り返り、彼の方を見やる。
「その人、種枚さんも目ェ掛けてますんで、あの人と喧嘩する羽目になりますよ?」
「やぁーだぁー! 千葉さんはわたしが囲うのー!」
放電しながら自分を抱き締め、白神さんは反抗した。電流で身動きが取れない。
「いやマジでお願いしますよ。俺、お目付け役任されたんで、2人に喧嘩されると100パー巻き込まれるンス」
「し、白神サン」
自分もどうにか口を開く。
「ここは間を取って、その、自分は不可侵ってことでどうですかね。いきなり白神さんのものになるのはちょっとアレだけど……白神さん以外のものにもならないってことで」
「む……それなら、良いかな……」
そう呟き、白神さんは自分を解放してくれた。電気にやられて完全に麻痺しきった身体がその場に崩れ落ちる。
「……そういうわけで、鎌鼬くん。種枚さんに言っておいてくれる……? そうしておかないと、自分が死にかねない」
「了解ッス。じゃ、俺は失礼します。お大事に」
白神さんに抱えられて帰途に就きながら、鎌鼬くんにどうにか会釈を返した。

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鉄路の魔女 〜Megalopolitan Witches. Act 8

「確かにそうだけども」
奴らは私らの糧を無駄に食い散らかすんだぞ!とシルバーは言うと、オレンジはそうねと答える。
「彼女たちはわたくしたち魔女の糧、イマジネーションをむさぼる邪魔者でしょうね」
それでも、とオレンジは和傘を下ろしながら続ける。
「わたくしにとってはいつまで経っても“仲間”なのだから」
わたくしはつい、守りたくなるものよとオレンジは呟いた。
「…そう」
昔から変わらないわね、姉さんとスカーレットはゆっくり立ち上がる。
「過去にこだわり、やたらと過去を大切にする…」
さすが、最古の“地下の魔女”とスカーレットはオレンジの方に歩み寄る。
「でもねぇ」
スカーレットは顔を上げる。その目は真っ直ぐに姉の姿を見据えていた。
「あたしたちには今しかないの」
この街が、世界が、いつ毀(こわ)れるかも分からないからとスカーレットは続ける。
「あたしたちは、今のために走り続けるわ」
スカーレットはそう言い切った。オレンジは暫くの沈黙の後、そうと呟きこう言った。
「それなら、わたくしを倒してから行きなさい!」
オレンジは傘の柄をバッと取り外し、中から仕込み刀を取り出した。
「言われなくともそのつもりよ‼︎」
スカーレットは再度赤い鎌を生成すると、それを構えて走り出した。オレンジもまた仕込み刀を構えて駆け出す。路地の真ん中で、2人の得物がぶつかり、甲高い音が鳴る。
「相変わらず頑固なのね姉さん」
「貴女も変わらないわ」
姉妹は鍔迫り合いをしながらそんなことを言い、2人はパッと後方へ飛び退く。そのまま2人は暫く武器を向け合いながら睨み合っていたが、そこへ突然オレンジの頬を銀色のナイフがかすめる。オレンジはスカーレットの後ろからシルバーがナイフを投げてきたことに驚くが、その隙にスカーレットが鎌で斬りかかる。しかしオレンジはそれを刀で防いだ。
「さっさとそこを通して下さらない?」
スカーレットは鎌で相手を押し切ろうとするが、オレンジは後ずさりつつもそれに耐える。

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企画「鏡界輝譚スパークラー」の後から思いついたキャラ その2

・小祝 平穏(こいわい へいおん)
性別:男
身長:177cm
所属:緒道美術学苑
学年:3年
“死神”とあだ名されるスパークラー。
口数が少なく単独行動を好むことが多い。
かつて所属していたSTIで2度も所属部隊のメンバーが全滅する事件に遭遇しており、それが原因で余計人を寄せ付けないようになった。
“死神”というあだ名は、彼自身に原因がほとんどないものの2度も所属部隊の壊滅に遭遇しているがためについた不名誉なもの。
背が高くいつも黒のロングレザージャケットを羽織っていることもあってか、下級生を中心に恐れられている。
しかし本当は優しく、助けを求める声を聞けばちゃんと飛んでいって助けてくれる。
オノ美に来たのは前に所属していたSTIで仲間を亡くし居場所をなくしていた時に、オノ美所属の友達から「うちへ来ないか」と勧誘されて高3の春に転入したとのこと(転入には色々煩雑な手続きがあったらしいが)。
その後ある新入生を助けたことで一方的に彼女に懐かれるようになり、オノ美に勧誘してくれた友達に引きずりこまれるように件の新入生と自主結成部隊に所属することになる。
オノ美ではデザインを専攻しているが、前のSTIでは服飾について学んでいたとか。
雰囲気は怖いが何気におしゃれで自分で服を作ったりもできるらしい。

〈緒道美術学苑(おのみちびじゅつがくえん)〉
廣島・緒道にある美術系STI。
高校のみ、美術科のみを設置している。
入学時に油彩画・日本画・彫刻・デザイン・映像の中からどれか1つを専攻する。
そんなに強いSTIではないが、近隣に強豪STIが存在するためその辺は問題になっていない。
所属スパークラーによる制作物の展覧会が盛ん。