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告別の詩

今日もまた下らない太陽が上り
真っ青な空は吐きそうな程です
全身の気怠さは昨日の後悔達で
いつまでも僕の踝を掴むのです
こんな何でもない冬の朝だから
縮こまった体を少しだけ震わし
また今日も行くべき場所へ行く
目的などとうの昔に忘れました
こんな僕をこんな所に繋ぐのは
死ぬことさえ面倒に思う怠惰と
この世への未練かのような顔で
僕の心に居座り続ける恐怖です
自分の為に生きられるほどには
僕は強くなんてなれなかったし
誰かの為に生きられるほどには
僕は優しくなんてなれなかった
僕に死ねるだけの勇気があれば
僕はもっと幸せだったでしょう
努力することを覚えられたなら
僕はもっと幸せだったでしょう
それでもその何方でもない僕が
幸せだなと思う瞬間があるから
この世界はやっぱり意地悪です
僕の襟を掴んで離さないのです
貴方はこれをただの詩だと思い
また溜め息をつくのでしょうか
何れにせよ僕の中の浅ましさが
やっぱり僕は嫌いでなりません
誰に伝える気も無いかのような
こんな長ったらしい詞たちさえ
貴方は何故か拾ってくれるから
やっぱりこの世界は意地悪です
そんな詞ももうすぐ終わります
ですが最後に一つだけとすれば
僕は貴方のように生きたかった
それしか言うことは無いのです

1

月の涙 6

 翌日早朝。私たち姉妹は人もまばらな駅の入り口にたたずんでいた。日はまだ完全に登りきっておらず、藍色に染められた空が寝起きの目に痛いほど鮮やかに写る。昨日はあの後本を読む暇もなく、出発の準備だけして寝てしまった。完全夜型の私に早寝早起きは相当負荷だったらしく、先ほどからあくびを何回かかみ殺している。夏の朝はそれでも爽やかな始まりだった。今日も暑くなりそうだ。
 しばらくして、圭一さんが来た。今回の旅程は途中まで圭一さんの軽自動車で移動することになっている。そこから電車とバスを乗り継いで半日かけて氷枯村に辿り着く予定だ。軽自動車でやってきた圭一さんを見つけると、妹はぴょこぴょこ動き出した。これから始まる旅に心躍っているのだろうか。私は開いていた本に栞を挟んだ。
「お久しぶりです、圭一さん」
「お久しぶり。顔見るのは半年ぶりだね」
声は昨日聞いたけどね、と笑う圭一さん。朝早いのに全く隙のない笑顔だ。朝型の人なのだろうか。
「陽波ちゃんも久しぶり。大きくなった?」
「お久しぶりです。そうですか?」
半年前はこれくらいだったよと手を胸あたりに当てる圭一さんと、そのもう少し下を主張する妹。朝から元気がないのはどうやら私だけのようだ。

0

分厚いレンズで教室を見渡して
今日も思うんだ「何もない一日だ」
いつものペルソナを鞄から取り出して
眼鏡外して顔を覆った

絶対的安全地帯はもう存在しないから
僕の適切な関係解を探そうか
繋ぐ糸が撚り合わさって出来上がるのは人物像
当たり前の嘘を毎日に溶かしてゆく

ねえねえ本当に僕ら偽っていないかい?
「仲良く 楽しく」なんて簡単じゃないし
僕ら純粋を汚しあってさ もう知ってんだ
自分知ってるから顔隠してるんだよ

大きな仮面 "僕"はわからないだろ?
泣いても嘲ても決して伝わらない
目穴から覗けば誰だってそうなんだ
心臓守る肋の様に僕の自我を守っていてくれ

吐きたての嘘温かいでしょ?
夜には冷えて君の心臓を刺し貫くから
愉快だ愉快だ 
仮面の奥 伽藍瞳は無表情のまま

いつか仮面が外れなくなって
「まあいいか」って笑っていた
浮かべている作り笑いが
張り付いて離れない

哀しいときも苦しいときも
僕は薄情な笑みを湛えたけど
泣きたいんだ叫びたいんだ
無表情で突き飛ばしたくないんだよ

顔から引き千切って粉々に砕きたい
露出した僕のホントの顔を誰か守ってくれ
そんな奴はどこにも存在しないのさ
顔を毛布に埋めて眠る

アイデンティティに巻き付いた
茨が刺さってほどけないの

君よ 僕の心を見透かしてくれ
汚いところも全部々々
僕の涙を掬い上げてくれ
こんな僕に手を差し伸べて

一緒に心から笑いたいんだ

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No music No life #6 フィクサー

結月視点



数日後、僕の裁判が行われた。3人が証人になって、面会の日に僕に言ったことを証言してくれた。
だが、美月は僕にも言ってなかったことがあったらしい。それは、「橘副司令、あなたは、ライフルの名手、川上春樹なのではないですか?」
美月が言った瞬間に、辺りがざわめき始めた。
春樹は笑いながら、「よく知っているね。さすが、俺の妹だ。」そう、言い放った。
「私は、もうあなたなんかの妹じゃない。」
美月と春樹の口論になってきている。
そして、美月が
「あなたでしょう?涼香さんを殺したのは。」
と言うと
「ああ。そうだよ。悪い?」
春樹が返した。
「お前!」
美月が言うと同時に、時雨ちゃんが美月を止めた。そして時雨ちゃんは、
「裁判長、これで分かりましたよね?
高嶺涼香を殺したのは、川上春樹です。
これで、御影結月の無罪が証明されましたよね?」と言った。
そして、裁判長は、
「これより、判決を言い渡す。
被告人御影結月は、無罪である。」
この言葉により、僕は釈放、関係者の人に、めっちゃ謝罪された。人が、自分にヘコヘコ謝ってるのってなんか、こっちにも、罪悪感が芽生えてくる。
けれど、僕は、体調不良で、涼香が殺されたショックで精神疾患になりかけていたため、入院した。


【続く】
—–———–———–———–———–———–——–––
私、イカとにゃんこは、志望校に合格できました!なので、これからもガンガン書き込んでいきます。
これからもよろしくお願いします!

イカとにゃんこ

2

妖怪と面

「なあ、多々良木。祭りにお面っていうのはやはりどこの世界でも共通なのか?」
木村が指を指した方向にはお面屋がある。
今日は祭日であり、そのお面屋の前では着物姿の子供が母親にお面を買ってもらっている。多々良木はしばらくその様子を眺めてから、言った。
「まあ、定番だよな。お面」
「妖怪がお面を被って、なにか楽しいのだろうか」
お面を買ってもらっていた少女には、狐の耳と尻尾がついていた。そして隣を歩く多々良木には鬼の角が生えている。
「どういう意味だ?」
「そのまんま。妖怪が妖怪のお面被って何が楽しいわけ?」
件のお面屋で売られているのは妖怪のお面である。妖怪のお面を妖怪が買って妖怪に化けるなど、変な話である。
「そりゃあれだろ。”妖怪じゃない奴”が来ても祭りを歩けるようにだろ」
「つまり?」
「つまり妖怪と”妖怪じゃない奴”――人間はひと目見て区別できるだろ?それじゃこの世に来た人間は祭りを楽しめない。なんたって人間は空想上の生き物だぜ?奇怪な目で見られるに決まってる。だからお面を被ってひと目で判断できないようにしてるんだ」
「へぇ」
「昔ばあちゃんから聞いた話だ。木村もなんか被ってみるか?」
「ああ。それじゃあ鬼の面、かな」
「おっ。俺と同じ種族になるってぇか。はは。いいな。んじゃ買ってくるわ」
「多々良木」
「なんだ?」
「ありがとな」
「いいってことよ。だからちゃんと祭り楽しめよ」
「ああ」
空想上の生き物が頷いた。

〜〜〜
妖怪は日本人が様々な現象に人格を与えたもの、と思っています。
この物語、舞台が妖怪の世界なのですが、まるまる人間の世界に置き換えるとって思うとわくわくしませんか? 祭りでお面をかぶっている人の中に妖怪が……。まあまつりでお面被ってる人なんて見たことありませんがね。

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Advent the greeting of writter ~作者からのごあいさつ~

26日まで連載(投稿)していた小説の、あとがきみたいなものです、コレ。ホントは昨日投稿するはずが、書き込み確認へボタンを押したら、書き込み吹っ飛びました…だから今日書き込んでます。「Advent」という物語は、クリスマス(12月25日)に開催される、「クリスマスフェス」という架空の音楽イベントに向けての日々を、6人の中3男女の視点で描いた、わたしのちょっとした思い付きからできた物語です。全31回(実質は全25話。第25話はそれぞれの視点⦅side R/Sa/I/Y/Su/K⦆の6回とホントのホントの最終回に分かれている)で、12月1日~12月25日まで毎日投稿!のつもりが、最終回は26日に投稿しちゃいました(笑)。まぁこの物語を投稿して分かったことは、自分には計画性ってないな!ってことです… でも書いてて楽しかったな。物語が進むにつれ、キャラにどんどん血が通うようになっていくというか、自分の意志を持って動くようになったというか…彼ら・彼女らは、1人の人間になったんですよね(笑) 物語の中のキャラクターじゃなくて、我々と同じ人間… ちなみに!各主人公の名前は、クリスマスや冬に関係する言葉にしていて…紹介するとこんな感じ↓
・柊リイ(ひいらぎりい)→クリスマス飾りのリース⇒リースからスを抜いてリー
=リイ。柊(ひいらぎ)もクリスマスの飾りから。
・十文字参太(じゅうもんじさんた)→サンタクロース=サンタ⇒漢字を当てて、参太。十文字はキリスト教から(クリスマスはもともとキリスト教の行事)。
・栗木イチゴ(くりきいちご)→イチゴはクリスマスケーキに載ってる苺から。んでもって、クリスマスケーキを無理やり省略・当て字で栗木。
・郡雪夜(こおりゆきや)→雪の夜で雪夜(ホワイトクリスマス。ちなみに彼の住む町は雪国)。郡(こおり)は、氷の当て字。
・神宮寺鈴(じんぐうじすず)→クリスマスソング⇒ジングルベル⇒ベル=鈴。ジングルベル⇒ジングルをもじって神宮寺。
・入間コウ(いるまこう)→イルミネーション⇒イルミ⇒当て字で伊留美(初期設定)⇒もじって入間(いるま)。イルミネーション⇒光⇒音読みでコウ⇒違う字を当てて洸⇒カタカナ表記でコウ。
とりあえず、「Advent」って物語は完結しましたが、彼ら・彼女らの人生はこれからも続いていきます。読んでくれたみんなありがとう! 

2

ガラスの眼球

こんにちは、純粋な眼球を買いに来ました。
ええ、そうです。2つ。
え?どのような理由でご所望か、ですって?
いやね、ご主人。私は言葉を書く人間なんですけれどもね。どうも最近は曇ってしまっていけない。それで街を見渡してみますと、澄み渡った視界じゃない。昔、というのは少年時代辺りでしょうか、見えていたものが全く、見えなくなってしまったんですよ。逆に扁平な形になったので視野は広がりましたけれどもね。物書きをさせてもらっている私からすれば、木や鳥や、人がうまく見えないっていうのは些か問題なわけでして。
それで、ですよ。ご主人。訊くところによると、眼球が曇ってしまうのは、どうにも”眼に入れた言葉”とか”耳に入れた言葉”が眼球を傷つけているからだそうな。それでこいつはなかなかに不可逆的な、例外はあるそうですけど、そういう現象らしくて。ええ。まあ大抵の大人はそんなこと気にしないで生活しているそうなんですけれども。視野が広い方が何かと便利ですし、ね。でもほら、先程の通り私は物書きでして、そうではいやはや困ってしまうのですよ。
ええまあ、そんな理由で。それで純粋な眼球というのは何処にあるんで?
ああこれですか。いやでも、これはなかなかに……まあ、小さいですな。ここに並んでいるものはすべて子供用ですかな?はて、大人用は何処にありや。
え?ここにあるものが全て?困りましたな。では他の店を当たってみるしか……。なんと、他の店にも売ってない?それは何故。
眼球というのは、ほう、成長すれば勝手に言葉が入ってきて曇り始めて。それ故まだ幼い眼球しかない、と。これ以上は曇った眼球しかないのですな。
なる程。分かりました。私は間違っていたようで。眼球は曇ったら交換できるものではなく、眼球が曇らないように丁寧に言葉を入れなければならなかったのですな。いやはや、今となっては手遅れかも知らないが、せめてこれから気をつけましょうか。
ご主人、ありがとうございました。また機会ができたら、いつか。
それにしても、ご主人。あなたも歳がいっていながらこれまた随分ときれいな眼球ではないですか。大切にしていればそんな硝子玉のような眼球にもなるものか。
ええ、ではまた。御機嫌よう。

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朝の会話

「じいちゃんおはよう‼」
「おお、今日は早起きだな。おはよう」
「サンタ今日も来た?(12/26)」
「我が孫ながらがめついな」
「ほら、サンタってあわてんぼうだから。間違って今日も来てたり」
「アホか」
「ですよね。……、でもサンタってあれ親のこt……」
「あーあー、ゔゔん、ゔぇっほんげほっげほゔゔぁぁんん。じーちゃん何も聞いてない」
「……。無理はしないでね?」
「ゲホッ。それはそうと。早起きは三文の得と言うじゃろ。お前にいい話をしてやろう」
「いい話とは(哲学)」
「素直に聴いておれ、小賢しい」
「……お幾ら万円もらえるとかって話?」
「ゲスいわ」
「金が貯まる壺の話でしょ。気をつけてじいちゃん、それ詐欺」
「天下のじーちゃんが引っかかるわけ無いじゃろ」
「……蛇革の財布はノーカン?」
「ノーカン。ギリセーフ。ばあさんにはバラすなよ。漢の約束(物理)な」
「こないだ嬉々として話しちゃった(*ノω・*)テヘ」
「そろそろ寝ようかの。棺桶で」
「それで?なんの話?」
「じーちゃんもうヘトヘトなんですけど」
「流石に疲れんの速すぎだろww今いくつだよww」
「71歳です☆」
「あー……」
「聞いといて微妙な空気にするなよ。……あー、ほら。何話そうとしていたか忘れちまったわい」
「認知症かな?」
「医者にかかるか」
「ごめん悪かったからマジレスしないで」
「あ、一つ思い出した」
「お?」

――笑ってると健康になるんじゃと。

「うん。それ割と誰でも知ってる知識」
「冷静に突っ込むなよ。じーちゃん恥ずかしくなってくる」

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なぞなぞリスペクト続き

と、そこで、使用人の一人が、ワゴンを押して客間に入ってきた。ワゴンには二つのクロッシュと二本のペットボトルが乗っている。
「昼食を用意させました。どうぞ召し上がってください」
「はあ、それはどうもすみません。ありがたくいただくことにしましょう」
使用人がクロッシュをとると、そこにはきれいに盛り付けられたクリームパスタ。
「ウニとアボカドのクリームパスタでございます」
「ああ君、ちょっと待ってくれ」
使用人が下がろうとすると、原垣内氏は彼を呼び止めた。
「少し毒味をしていってくれないか」
「構いませんよ」
返事をすると、使用人は皿の前にあったフォークを手に取り、少量をするっと絡めて音もたてずに口にはこんだ。
「恐らく大丈夫でございます」
「ありがとう、下がっていいよ」
使用人は客間からそそくさと出ていった。原垣内氏は安心したようにパスタを口にはこぶ。こちらも全く音をたてない。流石、育ちが違うというのだろうか。
「こんな風にものひとつ食べるのにも過敏になってしまってね。飲み物でも買ってきたもの以外は飲まないようにしているんだよ」
そういうと原垣内氏は置いてあった◯やたかのペットボトルの蓋を、これまた音もたてずに開け、口にはこんだ。
「ささ、刑事さんもどうぞ召し上がってください」
「はあ、ではお言葉に甘えて」
そういって観音寺も(流石に音をたてずにというわけにはいかなかったが)その絶品のパスタの味を楽しんだ。いつも安い飯ばかり食べている彼からすれば異文化の食である。

「今日はごちそうさまでした。近いうちに調査のためにもう一度お邪魔させてもらうと思いますのでまたよろしくお願いいたします」
「ええ、わかりました。お待ちしております」
そういって観音寺は帰っていった。
その晩、原垣内氏が毒殺されたとの情報が入った。その日の話を観音寺がすると、案の定先輩刑事の五十嵐にとことん絞られたのである。

3

No music No life #4 うみなおし

結月視点

「それはね、人を切る音を聞きたくなかったからかなぁ。ひどいよね。音楽耳栓がわりにしてさあ。」
「でもさ、結月はその頃から音楽好きだったんでしょ?」
「うん。あれだけが癒しで、あれだけが生きがいだった。まあ、今もそうだけどね。」
「じゃあさ、こうすればいいんじゃない?」
そう言った時雨ちゃんの方を見て、僕は首を傾げた。
「大好きな音楽を肌身離さずにいるっていうことにすれば。」
「…‥」僕は黙り込んでしまった。
本当にそれでいいのだろうか。でも、それも一理あるかもなぁって思う。だから、
「なるほどね」って言って笑っといた。
「まあ、その理由をつけるか、つけないかは結月次第だけどね。」
続けて時雨ちゃんは言った。
「でも、どっちにしろ、君は何も悪くないぜ。多分。」
そう言って部屋から出てしまった。
あ、あれってうみなおしの歌詞か。
口調変だなと思ったら、そういうことか。

僕は悪くないといいけどね。

#4うみなおし【終わり】
#5 TOGENKYO に【続く】

——————————————————————
4話終わり早いな!(作っといて言うなよ)
それはさておき、作って欲しい曲のリクエストください!番外編などで書けると思うので。
それと、もう一つあるのです。
学園祭の話を書こうと思っているので、セットリストのリクエストもください!
多くてすみません!これからも頑張ります!

5

雪が、落ちてゆく。

                   ゆ       こ
                    き      の
                     が     ゆ
                     ひ     き
                     と     が
                    ひ      お
                   ら       ち
                           き
                           る
                 ゆ         ま
                き          え
                が          に
                ふ
           あ     た
           な      ひ
           た       ら
           に
           あ
           い         ゆ
           し         き
           て         が
           る        み
           と       ひ
                  ら     つ
                        た
                        え
               ゆ        ら
               き        れ
               が        る
                よ       だ
                 ん      ろ
                  ひ     う
                   ら    か



                あ    わ
                な  と た
                た    し